今年の春は寒い日が続き、5月に入ってからは、暑い日と、雨が降る寒い日が交互に来て陽気が不安定でした。このようなときに病虫害が発生しやすいものです。4月の寒さで発生は少し遅めでしたがこれからが本番、しっかりと対策を行っていきましょう。
ヨーロッパ、北アジア原産のゴマノハグサ科の多年草です。小さい青い花が密につく、総状花序は存在感があります。日当たりや水はけのよい場所を好みます。株分けや挿し木で増やすことができ、関東以西であれば戸外でずっと栽培可能な強健な品種です。
▲ベロニカ「パープルエペラー」 総状花序がたくさんあがっていて ボリュームがあります |
▲ベロニカの花 ほんの小さな花がたくさん集まって 総状花序を成しています |
オーストラリア原産のアオイ科の低木です。同じアリオギネ属でブルーハイビスカスの英名がついているものとは、花が似ていますが別の種です。薄い花弁の花を次から次へと開花させます。日当たりと水はけのよい場所を好み、乾燥気味に育てますが、乾かしすぎに注意します。挿し木で増やせます。
▲アリオギネ コスモスのような細い葉 |
▲アリオギネの花 花弁はうすく、 運搬中に傷んでしまいました |
オーストラリア原産のトベラ科のつる植物です。オーストラリアンブルーベルズの英名で流通しているようです。鮮やかな明るい緑色の葉の間から、ひっそりと落ち着いた青い花が3〜4個集まって下向きに咲いています。その様子から、和名をヒメツリガネといいます。
鉢栽培で低木のように仕立てて楽しんだり、花壇で支柱に沿わせると1mくらいに伸びます。挿し木や種子で増やすことができます。
▲ソリア 明るい色の葉の所々に 小さな青い花がのぞきます |
▲ソリア花 下向きにひっそり咲く姿がかわいらしい |
亜熱帯に分布するアオイ科の多年草です。雌しべの周りに雄しべが多数集まっている様子などは、同じアオイ科のハイビスカスに似ています。これとは全く違う花の形をしているアブチロン(Abtilon megapotamicum)も人気で、いろいろなお庭に見かけられます。
排水の良い日当たり良好な場所を好みます。夏は花壇・鉢植えで楽しみます。冬は温室や室内の暖かいところに置いて水遣りを控えめにします。鉢替えは毎年行い、春に挿し木で増やせます。
▲アブチロン 全体の姿はコンパクトなフヨウなどに似ています |
▲アブチロン花 花は同じアオイ科のハイビスカスに似ています |
▲アブチロン蕾 蕾は下向きについていて、 メガポタミクムに少し似ています |
▲アブチロン・メガポタミクム 同じアブチロンですが、 開花した花は大きく異なります |
雨が多いこの時期は、庭に出る機会も少なくなります。花壇では、アブラムシやヨトウムシ類などの害虫類、うどんこ病や灰色かび病などの病気が多い時期ですから、雨がやんだときは見回りが欠かせません。雨が続きそうで薬剤をまけないときは、害虫類は手や箸などでつまんで退治し、病気が広がっている葉は摘み取るだけでも、効果があります。
春に伸び出した芽の勢いが止まる時期で、常緑樹などは移植や植付けができます。庭の模様替えを考えられている方は、今月中に行ないましょう。
キョウチクトウやキンシバイ、アベリア類、ムクゲ、フヨウ、ザクロなど夏咲きの花木は、今年伸びた枝に蕾ができ花を咲かせますので、今の時期に枝先を切るのは禁物です。
ナツツバキ・ヒメシャラ、ライラックは花が終わったら花がらを摘みます。基本的に自然樹形で育てますので、夏場は徒長枝の切り詰めや込みすぎた枝を間引く程度にとどめます。サツキは花が終わったらすぐに刈りこみましょう。ただし、あまり強く刈りこみますと、翌年の花付きが悪くなりますので、刈りこみは去年の枝の元ぐらいにとどめます。
春に入手したレケナウルティア(初恋草)、ボロニア、ホワイトツリー、エリカ、クリアンツス、グレビレア、サザンクロス、スカエボラなどオーストラリアや南アフリカ原産の鉢物は、これからが栽培の難しい時期になります。もともと乾燥気味のところが原産ですから、高温多湿を嫌い、長雨に当てると、過湿になって根腐れを起こしがちです。これからの雨の多い時期は、軒下などに置き、雨が当たらないようにしてやりましょう。
そろそろ、早めに植えたキュウリやナス、ピーマン、トマトなど果菜類の収穫が始まるころです。ただ、最初の2、3果は熟させずに若もぎしてやると、株の負担が少なくなり、その後の生育が順調で、収穫が多く楽しめるようになります。
植えつけはニガウリ、オクラ、夏キュウリ(ポット苗)、種子では、エンツァイやモロヘイヤ、ツルムラサキなど暖地性種がまき時です。
暑い夏に長く咲き続けてくれる貴重な草花類を紹介します。
マダガスカル原産の多年草ですが、寒さに弱いので、園芸上は一年草扱いされています。日当たりと乾燥を好み、痩せ地にも耐えます。最近は、花が小型のもの、花がスパイラルになるものや、パステル調の花色のものなど品種が多くなりました。肥料は月1回固形肥料を小量施せばよいでしょう。
熱帯アメリカ原産といわれる耐暑性の強い宿根草。強健で高温・乾燥に強く、日当たりで元気よく育ってくれます。肥料は月1回固形肥料を小量施せばよいでしょう。ただ、寒さには弱いので、秋早めに挿し芽で苗を作って室内で越冬させます。
小型で日当たりにも耐えるアフリカホウセンカと、大型で半日陰向きのニューギニアインパチエンスがあります。どちらも、水切れに弱いので、注意しましょう。アフリカホウセンカは花壇植えもでき、八重咲き品種も出回っています。ニューギニアインパチエンスはやや高温に弱い面がありますので、通風のよい場所に置きます。肥料は8月を除き、月1回固形肥料を小量施せばよいでしょう。
植物なのに、虫を捕らえて栄養源にしている食虫植物。その習性の面白さや変わった姿から、注目される存在です。なぜか夏に近づくと食虫植物の仲間が出回ります。その中でも、入手しやすく、育てやすい種類を紹介します。
食虫植物は湿地原産のものが多いので乾燥は禁物。植え土(ミズゴケ)を乾かさないように注意しましょう。また、サラセニア以外は根が強くないので、肥料は避けたほうが無難です。その代わりに、たまに小さな虫をあたえる程度でよいでしょう。逆に、面白いからといってたくさん与えるのは、禁物、葉(捕虫葉)が早く老化します。病虫害は、ナメクジが付きやすいので,見付け次第捕殺します。
サラセニア科の宿根草。北アメリカの東部原産。つぼ型の捕虫葉に落ちた虫を消化して栄養にします。ただ、食虫植物の中では根が発達していますので、特に虫を与えなくても育ちます。性質は比較的強く、日当たりのよいところで、ミズゴケが乾かないように水やりします。乾きやすい場合は、腰水にしてもよいでしょう。冬、葉が枯れてきたら鉢が凍らない程度のところに取り込み、時々水やりします。
モウセンゴケ科の宿根草。北アメリカ東部原産。二枚貝の貝に似た捕虫葉の中心近くにある3対ほどの毛(感覚毛といいます)に虫が2回触れたら、目にも止まらぬスピードで葉を閉じて虫をとりこにするという、驚くべきメカニズムを備えた狩人です。性質は比較的強く、日当たりのよいところで(真夏は半日陰)、乾かさないようにし(水やり1日1回ほど)。ただ、滞水を嫌いますので、腰水は避けます。植え替えは早春、新しいできれば太めのミズゴケで植え替えます。。冬、葉が枯れてきたら鉢が凍らない程度のところに取り込み、時々水やりします。
モウセンゴケ科の宿根草。オーストラリア・ニュージーランド原産。モウセンゴケは葉に粘液を出す腺毛が密生し、この葉に触れた虫を絡めとるタイプです。葉先が二又や三叉になり、日本のモウセンゴケよりも背が高くなります。性質は比較的強く、日当たりのよいところで、ミズゴケが乾かないように水やりします。乾きやすい場合は、腰水にしてもよいでしょう。冬、葉が枯れてきたら鉢が凍らない程度のところに取り込み、時々水やりします。繁殖は種子ができないので、葉挿しでふやします。
建物や塀の陰や樹木の下などの日陰地を利用してシャドーガーデンを作りましょう。日陰地は緑も単調になりやすいので、耐陰性の強い草花類や葉色に変化のあるカラーリーフを多く用いるのが良いですね。朝晩など多少でも日射の入るところや、半日陰地なら多くの種類が利用できます。
インパチエンス、ツルニチニチソウ、クリスマスローズ、エビネ、スズラン、ホトトギス、モナルダ
コリウス、ラミウム、ヒューケラ、ギボウシ、ハラン、アイビー、レックスベゴニア、ポトス
建物の陰などの日陰地は土が湿りがちで、ゼニゴケなどが生えやすいので、土質の改良をしましょう。
まず、土をよく耕し、堆肥や腐葉土などの有機物を多めに(1uあたり大きめのバケツ2杯)と、苦土石灰(1uあたり一掴みほど)をすきこみます。周囲をレンガなどで囲って、回りの土面よりも少し高くなるようにして、表面をならします。周囲に木が茂っているようなら、枝抜きをして風通りを図ります。
丈の高くなる種類(クリスマスローズやハランなど)は奥に、丈の低い種類は手前に植えるようにします。株間は15〜20cmほどとっておきます。株数が少ないときは、インパチエンス、ツルニチニチソウ、コリウス、ラミウムなどは、植え付けのときに枝を切り取って挿し芽しておけば、すぐに発根しますので、後から補植すればよいでしょう。
ハランやアイビーは斑入りの品種を選びます。レックスベゴニアやポトスは秋になったら掘り上げ室内に移します。
雨で庭に出ることも少なくなり、病害虫の発生を見逃してしまうこともでてきます。病害虫対策は、病気は予防、害虫は早期駆除が原則ですから、心がけましょう。
チャドクガが盛りになります。なるべく早めに見つけて、群生しているときに退治しましょう。葉ごと切り取って捕殺するか、スミチオンなどの殺虫剤を散布します。葉裏の卵の痕や脱皮殻もきれいに整理しましょう。サクラやウメ、ハナミズキ、プラタナスなど多くの樹種にアメリカシロヒトリ、ウメケムシなどのケムシ類が、針葉樹でもマツカレハなどのケムシ類が発生します。なるべく発生の初期に発見してスミチオンやディプテレックス乳剤などを散布して退治しましょう。
カキの果実が大きくなり始めた初期に落ちてしまうのは、ヘタムシ(カキミガの幼虫)が果実のヘタから侵入して中を食い荒らしたせいです。このヘタムシは5月下旬〜6月と8月の2回発生します。 対策としては、今の時期に1週間おきに2、3回、スミチオン乳剤かパダン乳剤を散布します。併せてトップジンM水和剤を混合散布すれば炭そ病などの予防もできて、効果的です。
ナスターチウムやレモンバーム、ペチュニアなどの葉に、絵を描いているかのように白い線が入っているのは、エカキムシ(ハムグリバエ類の幼虫)の被害です。被害のひどい葉は摘み取って処分し、スミチオン乳剤かオルトラン水和剤を1週間おきに2、3回散布するようにしましょう。被害が大きい場合は黄色の粘着テープ(ハエ取り紙みたいなもの)を低い位置で設置すると、効果があります。粘着テープの入手についてはお近くの農協に問い合わせて見てください。
枝葉が茂ってくると、アブラムシの発生も多くなります。アブラムシは発生が少量ならば指でつぶすのがよいのですが、多い場合は殺虫剤(スミチオン、マラソンなど)を散布します。草花類や鉢植えではオルトラン水和剤(鉢物ならば粒剤でよい)やアドマイヤーなどの浸透移行性殺虫剤を散布しましょう。効果は2週間続きますので、月に2回散布すれば万全です。晴れの日が続く場合は、牛乳を生のままスプレーしても効果があります(必ず虫の体にかかるように)。
県名 | イベント名 | 期間・場所・連絡先 | |
---|---|---|---|
北海道 | 花フェスタ2011 | 期間:6月25日〜7月3日 場所:札幌市・大通公園周辺 TEL:011-733-3987 |
|
栃木 | 梅雨を彩るアジサイ展 | 期間:5月10日〜6月12日 場所:下都賀郡・とちぎ花センター TEL:0285-55-5775 URL:http://www.florence.jp/ |
|
埼玉 | 盆栽×写真vol.1 大和田良写真展 |
期間:5月21日〜7月13日 場所:さいたま市・さいたま市大宮盆栽美術館 TEL:048-780-2091 | |
千葉 | 京成バラ園フェスティバル | 期間:5月13日〜6月12日 場所:八千代市・京成バラ園 TEL:047-459-0106 |
|
神奈川 | 横浜山手西洋館 「花と器のハーモニー」 |
期間:6月4日〜12日 場所:横浜市・横浜山手西洋館5棟 TEL:045-662-8819 |
|
愛知 | クリエイターズマーケットVol.24 | 期間:6月18日〜19日 場所:名古屋市・ポートメッセなごや TEL:052-221-0036 |
|
大阪 | 手作り盆栽展 万葉押し花展 |
期間:5月31日〜6月5日 6月7日〜12日 場所:大阪府大阪市・花とみどりと 自然の情報センター TEL:06-6694-8788 |
|
いけばな なにわ展 | 期間:6月4日〜5日 場所:大阪市・御堂会館 TEL:06-6251-5820 |
||
兵庫 | 木立ベゴニアと 原種ベゴニアの世界 |
期間:5月12日〜7月10日 場所:加西市・兵庫県立フラワーセンター TEL:0790-47-1182 URL:http://www.flower-center.pref.hyogo.jp/ |
|
兵庫県いけばな展 | 期間:6月4日〜5日 場所:西宮市・ギャラリー・アクタ西宮東館 |
||
福岡 | 第3回アジサイ・ギボウシ展 | 期間:5月28日〜6月30日 場所:久留米市・ガーデンショップさんぽ道 TEL:0943-72-2144 URL:http://www.sanpomichi-shop.com/ |