日本園芸協会〜園芸情報サイト

季節の園芸作業

[7月の庭園仕事]

  今年は東京・入谷の朝顔市が中止のようですが、浅草のほおずき市(7/9〜10)は行われるようです。夏の風物詩ですね。長かった梅雨ももうすぐ明け、いよいよ‘日本の夏’の始まりです。

【特集1】買い物情報

グロブラリア「ブルーアイ」(Globularia ‘Blue eye’)

  地中海地方などに分布するグロブラリア科の低木です。グロブラリアとはラテン語で「小さく丸い頭」の意味があります。花のつき方はキク科植物によく似た花序になっています。
 比較的乾燥気味の肥沃地を好み、日向で栽培します。暑さには強く、冬は室内の明るいところで管理します。


▲グロブラリア
低木です

▲グロブラリア花
花はキク科のものに似ています
アスティルベ(Astilbe sp.)

 東アジアや北アメリカなどに生息するユキノシタ科の多年草です。いろんな環境に適応しやすく、湿地や半日陰のところでも育つので、栽培は容易です。花壇でも鉢物でも管理できます。


▲アスティルベ
フワフワとした花序が目をひきます

▲アスティルベ花
花の一つ一つはとても細かいです
ユウギリソウ(Trachelium caeruleum)

 南ヨーロッパや北アフリカに分布するキキョウ科の多年草です。黒葉に紫の細かい花が咲く、目を引くたたずまいです。切花にも利用されますが、花壇や鉢物でも楽しめます。
 水はけのよい土で、乾燥気味に育てます。真夏の暑いときは半日陰におきましょう。


▲ユウギリソウ
黒葉と紫の花が印象的です

▲ユウギリソウ花
半球状に細かい花が花序を形成します
ソフォラ・ミクロフィラ(Sophora microphylla)

 ニュージーランド原産のマメ科の小高木です。観葉植物として売られています。節々で枝が折れ、節ごとに小葉をつける特徴的な姿をしています。
 日当たりと排水を好み、夏は外でも育てられますが、冬は室内の明るいところにおきましょう。挿し木で増やせます。


▲ミクロフィラ
節ごとにくねくねと枝が曲がります

▲ミクロフィラ拡大
1cmくらいの小葉が節々につきます

【特集2】季節の手入れポイント

花壇・ガーデニング

  梅雨の間、あまり手入れのできなかった花壇では、病害虫が発生していたり、茂りすぎた株もでてきます。早めに見回って、薬剤散布や害虫の捕殺、茂りすぎた枝の剪定をして、夏に備えましょう。

花木・庭木

 ツバキ・サザンカ、ウメ、ツツジ・シャクナゲ類などの春咲きの花木類は、これからの時期に来年の花芽を作ります(これを「花芽分化」といいます)。今の時期に枝を切ったり、肥料をやったりすると、この花芽分化のメカニズムが乱されますので、注意しましょう。株の根元から出た台芽や徒長枝の切り詰めるほかは、特に込みすぎた枝の間引きや、伸びすぎた枝の先を止める程度にします。

花鉢物

 梅雨が明けると、多くの鉢物類には厳しい日本の夏が始まります。これまで日当たりに置いていたフクシアや球根ベゴニア、シャコバサボテン、マーガレット、ユーリオプシスデージー、シンビジウムなども強い直射日光の当たらない、半日陰程度の風通りのよい涼しい場所に移しましょう。
 なお、鉢物類の水やりは朝の涼しい時間にたっぷりと与えます。夕方までに土が完全に乾いてしまう場合は、置き場所を変えるか鉢を一回り大きなものに植え直しましょう。

家庭菜園・ハーブ

 ナスやトマト、キュウリなど夏野菜の収穫の盛期になります。肥切れさせないよう、2〜3週間おきに定期的に追肥をあたえ、根元に土寄せしましょう。また、晴天が続くようになったら、土が乾燥しすぎないように涼しい朝か夕方にたっぷりと水やりしましょう。
 ハーブ類は夏の高温多湿を嫌う種類が多いので、茂りすぎた株は枝を切りすかし、ラベンダーなど、花が終わった株は切り詰めます。

【特集3】夏に強い多肉植物

 多肉植物の仲間が人気になっているようです。一口で多肉植物といっても多くの種類があります。意外と知られていないのは、多肉植物には、夏の暑さに弱い種類が多いこと。メセンやコノフィツムなどのように夏は完全に休眠する種類もあり、そこまでいかなくても暑い時期は水を控えてすごさせる種類が多くあります。そのなかで、夏も元気よく育ってくれるのは夏成長型のエケベリアやセダム、カランコエなどベンケイソウ科の仲間(一部、夏に弱い=冬成長型もあります)。丈夫で乾燥に強く、よくふえてくれるものうれしいですね。寄せ植えやタペストリーに作る場合は、同じ性質(生育型、日照の好みなど)のものを用いるようにしましょう。

多肉植物の夏の管理

置き場所

 よく日の当たる雨の当たらないところ。夏に休眠する種類は半日陰の涼しいところがよい。セダム類やカランコエ類の丈夫な種類は戸外の雨ざらしのところでもよい

水やり

 夏生育型の種類も、原則控えめ。土が乾いてきてから1日待って、葉にかけないように水やりする。1回の量はたっぷりと行う。葉の付け根に水がたまると、腐り込みやすいので注意。

肥料

 夏の間は、原則として不要。

植え替え

 小鉢の場合は年1回。大鉢の場合も2年に1回はしたい。冬成長型は秋(10月)、夏成長型と春秋成長型は春(4、5月)が無難。

繁殖

 株分けや挿し芽は植え替えと同時期に行える。葉ざしはほとんどの種類可能(セネシオなどを除く)。方法は、乾いた土・砂の上に葉を置いて、芽が出るまで半日陰のところで管理し、芽が出たら日向に移す。芽が伸びてきたら霧吹きで水を与え、芽が3センチくらい伸びたら鉢上げし、以後は普通の管理でよい。

【特集4】アサガオとホオズキの鉢物

 アサガオやホオズキの鉢物が目立つ季節です。各地のほおずき市や朝顔市で入手された方もおいででしょう。このアサガオやホオズキは、本来は真夏の花で、今頃の鉢物は促成で仕立てたもので、鉢植えとして見栄えをよくするために、鉢の大きさよりも多く株が植えられています。そのため、すぐに鉢いっぱいに根が回ってしまい、アサガオでは花の数が少なくなったり、花が小さくなったりします。また、水切れしやすくなり、葉や蕾、果実が落ちたりすることが多くなります。できたら、鉢底から長く根が出てくる前に、1、2回り大きな鉢に植え替えてやりましょう。
 朝ちょっと早起きし、日が照りつける前に鉢からそっと抜き、一回り大きな鉢に植え直します。用土は市販の培養土でよく、用土に肥料を混ぜる必要はありません。行灯仕立てのアサガオには、行灯の外側に一回り大きな行灯を立て、新しくの伸びてきたツルは外側の行灯に誘導するようにします。植え替えたら、たっぷりと水やりし、その日は半日陰のところに置き、翌日から日のあたる場所に移します。1週間位したら、小さじ一杯くらい、マグアンプKなどの緩効性固形肥料を鉢の表面にばらまけばよいでしょう。

【特集5】植えて短期間に花が咲く、秋咲き球根の植えつけ

 土の中から、いきなり蕾をもたげて鮮やかな花を咲かせてくれるリコリスやアマリリス・ベラドンナは、庭の表情を変えさせてくれる魔法の球根類です。今が、この秋咲き球根の植え付け時期です。

リコリス類

植え場所

 日当たりと水はけがよい肥沃地。夏に乾燥しないところがベストです。明るい落葉樹の下などでもよい。中国原産とされるヒガンバナやナツズイセンは耐寒性がありますが、日本原産のショウキランやシロバナヒガンバナは関東地方以南の暖地向きです。

植え時期

なるべく早めに、8月中旬には植え付けます。

植え方

 植える前にあらかじめ堆肥をすきこんでおき、根を広げて植えること(リコリス類は休眠中も根が生きているので、根を切らないように)。株間は10〜15センチ、覆土は球根1球分。

管理

花後に有機配合肥料を1つかみ株元にすきこめばよいでしょう。

鉢植え

 6、7号鉢に3〜5球植え。ナツズイセンなど大球性の種類は1〜3球。植え替えは毎年か2年に1回。夏も土をあまり乾かさないように。

アマリリス・ベラドンナ

 南アフリカ原産のユリに似た大輪で香りのよい花を咲かせます。別名はベラドンナリリー。リコリス類よりも寒さに弱いので鉢植えが無難です。関東地方以南の暖地ならば庭植えもできます。

植え時期

早めに植えつけ、遅くとも8月中旬頃までに植えつけます。

用土と鉢

 チッソ分の多い用土を嫌うので、市販の培養土ではなく、川砂か赤玉土に腐葉土を2割くらい入れた用土を調合します。鉢は、球根類よりもやや大きい程度の小さめの鉢にします。

植え方

球根の先端がちょっと出るくらいの浅植えにします。

管理

 花が咲いたら葉が出てくるので、冬までは戸外の日当たりで管理します。霜が降りる前に、室内の凍らない日当たりに取り入れ、春また外に出します。葉が枯れてきたら、日の当たらない涼しい場所に移し、水やりも月に1回くらいにします。

施肥と植え替え

 肥料は春と秋にハイポネックスの液肥を月2回ほど与えればよく、植え替えは好まないので3、4年に1回でよいでしょう

イベント情報

県名 イベント名 期間・場所・連絡先
東京 あじさい観賞 期間:6月11日〜7月10日
場所:東京都あきる野市・サマーランド
TEL:042-558-6511
URL:http://www.summerland.co.jp/index.html
浅草寺 ほおずき市 期間:7月9日〜10日
場所:東京都台東区・浅草寺
TEL:03-3842-0181
北海道 花フェスタ2011 期間:6月25日〜7月3日
場所:札幌市・大通公園周辺
TEL:011-733-3987
札幌花き市場まつり 期間:7月23日
場所:北海道札幌市・同市場
TEL:0285-55-5775
茨城 夏休み植物園フェスタ 期間:7月23日〜8月7日
場所:つくば市・筑波実験植物園
TEL:029-851-5159
栃木 サマーナイトビュー 期間:7月23日〜24日
場所:下都賀郡・とちぎ花センター
TEL:0285-55-5775
URL:http://www.florence.jp/
長野 バラクラフラワーショー 期間:6月16日〜7月15日
場所:茅野市・バラクライングリッシュガーデン
TEL:0266-77-2019
兵庫 夏のインドアグリーンフェア 期間:6月18日〜8月13日
場所:兵庫県宝塚市・あいあいパーク
TEL:0797-82-3570
木立ベゴニアと
原種ベゴニアの世界
期間:5月12日〜7月10日
場所:加西市・兵庫県立フラワーセンター
TEL:0790-47-1182
URL:http://www.flower-center.pref.hyogo.jp/
観葉植物特売会 期間:6月30日〜8月16日
場所:兵庫県加西市・兵庫県立フラワーセンター
TEL:0790-47-1182
URL:http://www.flower-center.pref.hyogo.jp/
食虫植物の世界 期間:7月25日〜8月25日
場所:兵庫県加西市・兵庫県立フラワーセンター
TEL:0790-47-1182
URL:http://www.flower-center.pref.hyogo.jp/
バリフラワーショー 期間:7月16日〜9月25日
場所:兵庫県淡路市・淡路夢舞台温室
TEL:0799-74-1200
高知 和蘭(オランダ)の春 期間:3月5日〜7月3日
場所:高知市・牧野植物園
TEL:088-882-2601