日本園芸協会〜園芸情報サイト

季節の園芸作業

[10月の庭園仕事]

 台風が去って急に涼しくなりました。毎日気温を気にしながら、戸外で管理して いた観葉植物など寒さに弱いものは、早めに室内に取り込みましょう。

【特集1】買い物情報

スカエボラ(Scaevola aemula)

  「オーストラリア原産のクサトベラ科の多年草です。暑さに強く丈夫な性質で、花色もブルー、ホワイト、ピンクなど様々あり、夏以降の花壇に重宝します。乾燥に強く、日当たりの良い場所でよく育ちます。


▲スカエボラ
「トパーズピンク」という品種です。

▲スカエボラの花
ファンフラワーという別名をもつように、
扇(ファン)のような形をしています
青花フジバカマ(Eupatorium coelestinum)

 アメリカ原産とされるキク科の多年草です。日当たりを好みますが、明るい半日陰でも育ちます。耐寒性、耐暑性とも優れていて毎年咲くので育てやすいです。肥料を挙げすぎると徒長してしまいますので、注意します。


▲青花フジバカマ
明るい葉色に優しい藤色のフサフサした花

▲青花フジバカマ花
花弁がたいへん細かく花序になっています
タヌキマメ (Crotalaria sessiliflora)

 日本に分布するマメ科の一年草です。毛がたくさん生えている見た目からか、妙な名前がつけられていますが、花はきれいな青色をしています。日本に自生していますので、栽培が容易のようです。日当たりと水はけのよい場所で育てます。


▲タヌキマメ
葉は細長く、大きながくには毛が生えています

▲タヌキマメ
葉は細長く、大きながくには
毛が生えています

【特集2】季節の手入れポイント

花壇・ガーデニング

 今年は7月まで涼しく、残暑が厳しかったため、夏花壇の維持が難しかったのではないでしょうか。最近になって雨が多い分、秋の作業も進められない面もあります。土が湿りすぎているのもいやですね。秋植え球根類の植え付けや種子まき、秋冬花壇の草花の植え付けは、遅れないようにしましょう。

花木・庭木

 そろそろムラサキシキブ類、ウメモドキ、ヒメリンゴなどの実物類や冬の花のサザンカが庭を彩ってくれるようになります。庭木の手入れで、マツ類のコモ巻きは寒くなる前に行います(マツケムシが降りてくる前)。生垣の止め刈りを済ませていない方は早めに行いましょう。

花鉢物・観葉植物

 夜の気温の下がり方が大きくなりますので、寒さに弱い熱帯性の鉢植え類は、早めに取り込むようにしましょう。
 ただ、蕾ができるのに低温が必要なクンシランやシンビジウム、デンドロビウムは、霜が降りだす前までは戸外の日当たりのよい場所で管理します。また、シクラメン(ミニシクラメン)が早くも売り出されています。ラベルにガーデンンシクラメンとあっても、耐寒性のない中大輪性種の小鉢仕立てのものもありますので注意しましょう。

家庭菜園・ハーブ

 秋野菜の収穫の時期です。雨の合間をぬって、ハクサイやキャベツ、ブロッコリー、ホウレンソウ、シュンギク、ニンジンなどは、大きく育ってきたものから収穫しましょう。また、サツマイモの収穫は霜が降りる前の晴れた日に行います。冬収穫用のネギ・ワケギ類やレタス、ナ(菜)類の定植時期です。ポット苗が販売されていますので早めに入手して植えつけましょう。
 ハーブでは、センテッドゼラニウムやヘリオトロープは室内に取り込み、半耐寒性のレモングラスやナスターチウム、メキシカンセージなど亜熱帯性のセージ類は、早霜などで傷めないようにひさしの下などに移しておきます。

【特集3】宿根草の植え替え

 宿根草は、同じ場所でそのまま植え続けていると、株が込みすぎたり、土質が劣化して、花が咲かなくなったり株の勢いが衰えたりすることがあります。庭植えのものは4、5年、鉢植えのものは2年くらいを目途に植え替え・株分けするようにしましょう。
 これからの時期(10月中旬〜11月)に植え替えする宿根草は次の種類です。

植え替え・株分けする種類

 スズラン、シラン、フクジュソウ、キキョウ、アマドコロ、ニホンサクラソウ、プリムラ・ポリアンサ類、花の終わったシュウメイギク、ホトトギスなど。

植え替え・株分けの方法

 一回り大きく掘り上げ、土を落とし、それぞれ1株に2〜4芽くらい付けて分け、新しい場所に植え付けます。同じ場所に植える場合は、土を入れ替えるか、堆肥や腐葉土を多めにいれて土質を改善するようにします。
 なお、クリスマスローズやシャクヤクは根の動き出しが早いので、鉢植えのものだけ、土を落とさないように一回り大きな鉢に移すようにします(庭植えのものは、開花後か9月に行います)。

【特集4】鉢物類の取り込み

 今年は気候が不安定で、夏のように暑かったり、初冬のように寒くなったり、なかなか安定しませんが、夜間、冷え込みを感じることも多くなってきたようです。夏の間、戸外で管理してきた観葉植物や熱帯花木、花鉢物もそろそろ室内に取り入れる準備をしましょう。

取り入れる前の準備

枝と根の切り詰め

 直接、地面の上に置いてしまった鉢は、底から根が出ていることがあります。こうしたものは、鉢から抜き、根を切り詰めて、同じ鉢か一回り大きな鉢に植え直しておくとよいでしょう。同時に枝も多少切り詰めるようにします。植え直しをしなかった場合も、枝は軽く切り詰めておきます。また、普通の鉢も長く伸びた枝やツルは1/2から2/3ほど切り詰め、茂りすぎたところの枝は風通しがよくなるよう、元から切り取ります。

薬剤散布とナメクジの駆除

 害虫が付いた株を室内に取り込むと、被害が大きくなります。取り込む前に葉の裏や株元、鉢の裏などをチェックしましょう。アブラムシやカイガラムシなどにはスミチオンやオルトランを散布して、退治しておくのがベストです。

鉢上げ

 ハイビスカスなど庭に植えて育てたものを、鉢に上げて冬越しさせる場合は、掘り上げる1か月くらい前に、根鉢よりも1回り小さくスコップを入れて太根を切り、細根を出させておく(この作業を根切りといいます)と、植え替えしやすくなります。

清掃

 植物の幹や枝を布で拭き、鉢やプランターの周囲はたわしなどで洗い、ごみや汚れを落としておきます。鉢の底も忘れずに洗っておきましょう。雨の当たらない軒下に置いてあった鉢は、葉が汚れていることがありますので、頭からシャワーで洗い流しておきます。

取り入れの目安

最低温度が15℃くらいになったら取り入れる種類

 高温性のアローカシア、アカリファ、アンスリウム、カラテア、カリアンドラ、クロトン、サンセベリア、セントポーリア、ドンベヤ、バオバブ(落葉したら)、フィトニア、プルメリア、ポインセチア、ユーチャリス(アマゾンリリー)、高温性の洋ラン類(カトレア、ファレノプシスなど)ほか

最低温度が10℃くらいになったら取り入れる種類

 中低温性のアジアンタム、ホヤ類(ハートホヤ、サクラランなど)、アナナス類、カラジウム、ジャガランダ、ドラセナ、ハイビスカス、パキラ、フィロデンドロン、ブーゲンビレア、ペペロミア、ポトス、中低温性の洋ラン類(オンシジウム、デンドロビウム、シンビジウムなど)ほか

最低温度が6、7℃になったら取り入れる種類

 低温性のアスパラガス、プレクトランツス、ピレア、アブチロン、インドゴムノキ、クワズイモ、クジャクサボテン、クンシラン、ゲッカビジン、シェフレア、デュランタ、トケイソウ、トラディスカンチア、ノボタン、ランタナほか

<室内での管理の注意>

 日照を好むものは、窓際の明るいところに置き、日照に弱いものはレースのカーテン越しのところに置くなど、置き場に注意しましょう。10月中はまだ光が強いので、室内の日当たりは温度が上がりすぎることがありますので、注意が必要です。また、室内は戸外よりも空気が乾燥していますので、土の乾き方をチェックするとともに、葉水などを与えるようにしましょう。

【特集5】JGSボタニカルアート展のお知らせ

 来る10月21日(金)〜23日(日)、上野の日展会館にて、国内最大級、トップクラスの植物画(ボタニカルアート)の公募展が行われます。ボタニカルアートとは、図鑑の絵のように、植物をモチーフとして植物学的な視点から精密に描き、しかも芸術として表現された絵画のことです。これまで当展覧会からは多くのボタニカルアーティストが巣立ち、各界で様々な活躍をされています。芸術の秋、ぜひこの機会にボタニカルアートの世界に触れてみてはいかがでしょうか。ご来場お待ちしております。

イベント情報

県名 イベント名 期間・場所・連絡先
東京 日本園芸協会
JGSボタニカルアート展
期間:10月21〜23日
場所:台東区・日展会館
TEL:03-3465-5171
日本いけばな芸術展 期間:10月12日〜17日
場所:中央区・日本橋高島屋
丸の内仲通り
ガーデニングショー2011
期間:10月22日〜30日
場所:千代田区・仲通り一帯
TEL:03-3265-8300
URL:http://www.mn-garden.com
日比谷公園ガーデニングショー 期間:10月23日〜31日
場所:千代田区・日比谷公園
TEL:03-3232-3137
華道家假屋崎省吾の世界
-花の絆-
期間:10月27日〜11月13日
場所:目黒区・目黒雅叙園
TEL:03-5434-3140
岩手
宮城
福島
フラワードーナッツin東北 期間:10月24日〜30日
場所:東北3県各地
URL:http://hananochikara.org/
宮城 みやぎまるごと
フェスティバル2011
期間:10月15日〜16日
場所:仙台市・宮城県庁前駐車場
TEL:022-211-2815
栃木 物語の中の花展 期間:9月13日〜11月13日
場所:栃木県下都賀郡・とちぎ花センター
TEL:0285-55-5775
URL:http://www.florence.jp/
盆栽・山野草展 期間:10月15日〜16日
場所:栃木県下都賀郡・とちぎ花センター
TEL:0285-55-5775
URL:http://www.florence.jp/
千葉 国際フラワーEXPO 期間:10月13日〜15日
場所:千葉市・幕張メッセ
TEL:03-3349-8511
URL:http://www.ifex.jp/
富山 となみチューリップ球根まつり 期間:10月7日〜10日
場所:砺波市・チューリップ四季彩館
TEL:0763-33-7716
愛知 名古屋まつり
フラワーカーパレード
期間:10月15日〜16日
場所:名古屋市内
TEL:052-972-7611
ハロウィーンinワンダー蘭ド 期間:9月8日〜11月3日
場所:名古屋市・ランの館
TEL:052-243-0511
食虫植物展 期間:10月4日〜10日
場所:名古屋市・東山動植物園
TEL:052-782-2111
ボタニカルアート展 期間:9月27日〜10月10日
場所:名古屋市・東山動植物園
TEL:052-782-2111
小笠原流名古屋支部
創立80周年記念花展
期間:10月7日〜10日
場所:名古屋市・松坂屋名古屋店
TEL:052-251-1111
石田流芸術展 期間:10月19日〜24日
場所:名古屋市・松坂屋名古屋店
TEL:052-251-1111
奈良 大和路花と緑のフェスティバル 期間:10月1日〜3日
場所:橿原市・橿原神宮境内
TEL:0744-32-6961
大阪 フラワーボトル展 期間:9月27日〜10月2日
場所:大阪市・花と緑と自然の情報センター
TEL:06-6694-8788
緑のカーテン&カーペット
コンテスト作品展
期間:10月12日〜16日
場所:大阪市・花と緑と自然の情報センター
TEL:06-6694-8788
秋の洋蘭展 期間:10月18日〜23日
場所:河内長野市・花の文化園
TEL:0721-63-8739
URL:http://www.osaka-midori.jp/fululu/
フラワーフェスティバルin近畿 期間:10月28日〜30日
場所:大阪市・花博記念公園
TEL:06-6915-0171
兵庫 Country Garden Fair 期間:9月1日〜10月16日
場所:宝塚市・あいあいパーク
TEL:0797-82-3570
秋の洋ランフェア 期間:9月23日〜10月10日
場所:宝塚市・あいあいパーク
TEL:0797-82-3570
ダリア展 期間:9月23日〜10月23日
場所:加西市・兵庫県立フラワーセンター
TEL:0790-47-1182
URL:http://www.flower-center.pref.hyogo.jp
サルビア展 期間:10月13日〜11月18日
場所:加西市・兵庫県立フラワーセンター
TEL:0790-47-1182
URL:http://www.flower-center.pref.hyogo.jp
あわじ
アルチザンフェスティバル
期間:10月1日〜11月13日
場所:淡路市・淡路夢舞台温室
「奇跡の星の植物館」
TEL:0799-74-1200
神戸ビエンナーレ「きらKira」 期間:10月1日〜11月23日
場所:神戸市・神戸ハーバーランドほか
TEL:078-322-6490
URL:http://www.kobe-biennale.jp/
広島 世羅高原秋のダリア祭2011 期間:9月3日〜10月23日
場所:世羅郡・世羅高原農場
TEL:0847-24-0014
長崎 ガーデニングワールドカップ・
フワラーショーinナガサキ
期間:10月8日〜11月6日
場所:佐世保市・ハウステンボス
TEL:0956-27-0369
URL:http://www.gardeningworldcup.jp/