日本園芸協会〜園芸情報サイト

季節の園芸作業

[1月の庭園仕事]

 新年明けましておめでとうございます。
去年はいろいろなことが起こった一年でしたが、今年はぜひ明るくしたいものですね。
今年もたくさん花を植え、明るい社会環境を作っていきましょう。

【特集1】買い物情報

アルメリア(Armeria maritima)

 ヨーロッパ〜西アジアに分布するイソマツ科の多年草です。シバのような細い葉を茂らせ、そのなかから花茎がしゅっと伸び、ポンポンとした丸い集合花序をつけます。  強健で鉢植えや花壇で育てることができます。日当りと水はけのよいところを好み、比較的乾燥に強いので水やりは土が乾いたらたっぷりやります。花がおわったら花茎の元から切り取り、増やすときは春か秋に株分けを行いましょう。

アルメリア
▲アルメリア
まん丸の集合花序を咲かせます
シクラメン (Cyclamen persicum)

 冬になるとたくさん出回るシクラメンは、毎年たくさんの品種改良をされていろんな姿のものが見かけられます。よく見かけるシクラメンは花弁が上に反り返っていますが、この種類はフリンジがついて、花弁が反り返らず下向きに咲き、ピコティ(縁取り)がついています。これからどんな新しい形が出てくるのか、楽しみですね。

シクラメン
▲シクラメン
花がフリンジだと葉もフリンジになっている傾向があります
シクラメンの花
▲シクラメンの花
流行のフリンジ・下向き・ピコティ
3拍子揃っています 
よくみかけるシクラメン
▲よくみかけるシクラメン
ビオラ‘イエローチャーム’ (Viola sp.)

 自分でも簡単に交配して新しい花を作ることができるので冬にたくさんの種類が出ます。よく見かけるものは花弁が丸く、重なり合っているものですが、細めの花弁の特徴を引き出し、ウサギ・クマ・ネズミなど動物の形になぞらえて販売されている品種があります。動物に見えるかどうかは見つけてからのお楽しみです。

予約販売:見元園芸
http://www.mimoto-shop.com/

ビオラ‘イエローチャーム’


▲ビオラ‘イエローチャーム’
ウサギにみえます?

【特集2】季節の手入れポイント

<花壇・ガーデニング>

 戸外での作業は特にはありません。空いている花壇があったら天地返しをしておきましょう。シャベルなどで花壇を掘りかえし、下の土を上に出しほぐして空気にさらします。30〜50cmくらいの深さでちょっと大変ですが、頑張りましょう。寒さや乾風、日光に当てることで、春からの病害虫の発生を減らすことができます。

<花木・庭木>

 針葉樹、落葉果樹・花木の剪定を年末までに行えなかった方は、無理に今月に行うことはありませ
ん。厳冬期を避け、2月になってからでよいでしょう。バラの冬の剪定や元肥やりは今月からの作業です。同時に薬剤を散布するとよいでしょう。

<花鉢物>

 室内に取り入れた熱帯花木類や草花類の具合はいかがですか。落葉性のものや枝を切り詰めた鉢物は吸水する力が弱くなっていますので、水は控えめにします。水やりの基本は、鉢の土が乾いてきてから与えることです。また、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニが発生しやすいので注意しましょう。表側だけでなく、定期的に葉裏や葉の付け根、株元の葉の重なりあっているところをチェックします。  新しく購入した鉢物類で花が次々と咲く種類には、追肥と花がら摘みを行いましょう。

<家庭菜園・ハーブ>

 家庭菜園はおやすみの時期。越冬させている種類も少なくなりましたね。ホウレンソウシュンギクなど、ビニルトンネルやべたがけシートをかけて育てているものは、中でアブラムシなどの病虫害が発生していないか、時々調べてみましょう。また、ビニルトンネルを利用すれば、ニンジンコマツナカブダイコンなどの種子がまけます。今、種子をまけば、春〜初夏にかけて収穫できます。

【特集3】春の花といえばプリムラ

  春の代表的な鉢花がプリムラ。この「プリムラ」という名前は、サクラソウ科のサクラソウ属の学名ですが、園芸的には欧米で改良されたサクラソウ属の草花を呼ぶ名前になっています。

<プリムラ類の管理ポイント>

 冬の鉢花の中では寒さに比較的強く、凍らない程度の低温でよく、逆に高温になると株が早く弱ります。日当たりを好むので、暖房のない部屋の日当たりのよい窓辺などに置くと良いでしょう。開花時期が長いので追肥をして肥切れさせないようにします(液肥なら2週間に1回、置き肥なら1、2か月に1回)。空気が乾燥しているとハダニが付きやすいので、殺ダニ剤の散布か葉裏にシリンジ(噴霧)します。花がらはこまめに摘み、咲き進んだ花茎は切り取ると花茎が次々にあがってきて、長く楽しむことができます。

●ポリアンサ(P.×polyanthus)とジュリアン(P.×juliae)

 ヨーロッパ原産のサクラソウの交雑で生まれたポリアンサに、コーカサス原産のジュリアエを交配して作られたのがジュリアン。大輪で花茎がたつのがポリアンサで、小輪で花が地際で花が咲くのがジュリアンだったのですが、改良が進んで見分けにくくなっていますので、購入する際には札をよく見ましょう。八重咲き(バラ咲き)やパステルカラー、グラデーションやフリンジの花色も多くなっています。
夏涼しくすごさせれば、夏越しできます。

●マラコイデス(P.malacoides)とフィルクネラエ(P.filchnerae)

 マラコイデスは多花性で優しい草姿で人気があります。近年出回るようになったフィルクネラエ(雲南サクラソウ)は、より大輪でボリュームのある姿になります。この2種は夏越しが難しいので、毎年種子で更新します。中国原産。

●オブコニカ(P.obconica)

 花が大輪で、プリムラの中では日陰に耐える種類です。寒さには弱いので、室内管理で。夏の暑さには強く、夏越ししやすい種類です。中国原産。

●デンティキュラータ (P.denticulate) とロゼア(P.rosea)

 玉咲きで、開花が進むに連れて花茎が伸びるデンティキュラータと、それよりもやや小型のロゼ
。共にヒマラヤ地域原産で耐寒性が強いので外で育てます。本来は宿根草ですが、高山性のため暖地では夏越しは困難。消耗品と考えるのが実際的です。

【特集4】クリスマスローズの購入と管理

冬の寒さに負けず、屋外で咲いてくれるクリスマスローズ(キンポウゲ科ヘレボルス属)は貴重な花ですね。八重咲き品種など豊富な色・形の交配種が安価で入手できるようになりました。

花付き株を入手したら

  • 選び方・・・有茎種も無茎種もこの時期に蕾・花がついていなければ、今年の花は望めません。なるべく蕾の多くついているものを選びましょう。クリスマスローズは蕾が小さくても、大体は開花します。
  • 置き場所・・・1〜3月まではよく日の当たる軒下などの陽だまりに置きます。強い風が当たるところは避けましょう。
  • 水やり・・・クリスマスローズは今が生長期なので、水を切らさないように注意しましょう。風が強い日は乾きが早いので要注意です。特に、蕾の上がってきた株は、花が開くのに水が必要ですから、鉢の土が乾いてきたら、暖かい日の午前中にたっぷり与えます。
  • 肥料・・・緩効性の固形肥料を月に1回一つまみほど、液肥なら月2、3回程度。庭植えのものには、春と秋に緩効性の固形肥料1、2回与えればよいでしょう。
  • 植え替え・・・クリスマスローズは根が大きくなる植物です。株の大きさよりも鉢のほうがやや大きく見えるもの(秋か冬の初めに植え替えられたもの)はよいのですが、株と鉢のバランスがよい感じのものは、根詰まりの危険があります。こうしたものは、花が終わったら、一回り大きな鉢に植え替えます。庭(落葉樹の下の、夏に半日陰になるところ)やプランターに植えるときは、軽く根をほぐします。
苗の場合

 ポット植えの苗は、1年で根がポットに回ります。ポットの土を押してみて、硬い感じなら根詰まりに近くなっているものです。すぐに、軽く根をほぐして二回りほど大きな鉢に植え替えます。
なお、施肥は、植え替え後、3週間ぐらいしたら始めます。

各地のクリスマスローズ展

  • ●クリスマスローズと早春の花(茨城県水戸市・水戸市立植物公園)  
      期間:1月28日〜2月12日  (連絡先 Tel 029-243-9311)
  • ●クリスマスローズの世界展(東京都・池袋サンシャインシティ)
      期間:2月17日〜19日  (連絡先 Tel 03-3989-3321)
  • ●クリスマスローズ&珍しい植物展 (大阪市鶴見区・咲くやこの花館)
      期間:2月24日〜2月26日   (連絡先 Tel 06-6912-2005)

【特集5】洋ランの手入れ 

年が明けると各地で洋ラン展が開かれます。ご家庭でも、シンビジウムパフィオペディルムなど蕾が上がってきてくれるころです。あなたの愛蘭の咲き具合はいかがですか

<花つきの株を入手した場合>

 

<持ち込み株の管理>

 温室があれば別ですが、あまり温度が保てない場合は高温性のカトレアファレノプシスなどは花が咲くのが遅くなります。低温性のシンビジウムパフィオペディルムノビル系デンドロビウムは蕾があがってきます。花茎が折れたり曲がったりしないよう、支柱を立てましょう。また、空気が乾燥しがちですので、シリンジをマメに行います。

【特集6】多肉植物人気上昇中!! 

 多肉植物の人気が急上昇しているようで、ガーデンセンターでは多肉植物系統の売り場が拡充しているところが目立っています。多肉植物は、その性質さえ理解してしまえば、栽培管理に手間がかからないこと、年中、変わらない姿が楽しめること(花がきれいな種類もあります)、種類・品種が多く、コレクションの楽しみがあることなど、多肉植物園芸は楽しみの多い分野です。

<入手のポイント>

<国内のナーサリーと趣味の会>

<外国の種子屋さん>

【特集7】1月のイベント情報

県名 イベント名 期間・場所・連絡先
東京 世界の洋らん展 期間:1月6日〜9日
場所:豊島区・池袋サンシャインシティ
TEL:03-3989-3331
根津美術館コレクション展「百椿図」 期間:1月7日〜2月12日
場所:港区・根津美術館
TEL:03-3400-2536
http://www.nezu-muse.or.jp/
栃木 クリスマスローズとアザレア展 期間:1月2日〜2月26日
場所:下都賀郡・とちぎ花センター
TEL:0282-55-5775
URL:http://www.florence.jp/
埼玉 新春緑化祭り 期間:1月3〜9日
場所:川口市・川口緑化センター
TEL:048-296-4021
静岡 ウィンター・イルミネーション
期間:1月1日〜1月15日
場所:浜松市・はままつフラワーパーク
TEL:053-487-0511
しずおか世界の蘭展 期間:1月7日〜11日
場所:静岡市・ツインメッセ静岡
TEL:054-285-3111
愛知 名古屋愛蘭会 洋蘭展示会 期間:1月5日〜10日
場所:名古屋市・ランの館
TEL:052-243-0511
銘風盆栽展 期間:1月14日〜16日
場所:名古屋市・吹上ホール
TEL:052-351-3873
東海フラワーショウ 期間:1月21日〜22日
場所:東海市・東海市民体育館
TEL:052-603-2211
滋賀 滋賀洋らんフェスタ 期間:1月6日〜9日
場所:草津市・市立水生植物公園みずの森
TEL:077-568-2332
京都 雅風展 期間:1月5日〜8日
場所:京都市・みやこメッセ
TEL:075-691-5488
兵庫 お正月特別開園 期間:1月2日〜4日
場所:加西市・兵庫県立フラワーセンター
TEL:0790-47-1182
http://www.flower-center.pref.hyogo.jp/
淡路夢舞台ラン展 期間:1月21日〜3月11日
場所:淡路市・淡路夢舞台温室「奇跡の星の植物館」
TEL:0799-74-1200
広島 広島県ラン展 期間:1月5日〜10日
場所:広島市・福屋駅前店
TEL:082-279-2610
徳島 全国シンビジウム逸品展 期間:12月1日〜1月31日
場所:美馬市・河野メリクロン あんみつ館
TEL:0883-53-1187
URL:http://www.anmitsukan.jp/