新年明けましておめでとうございます。今年も花でいっぱいの一年にしましょう。
冬に販売される植物の種類は少なく、ビオラやパンジーが定番となっています。これらの色や形の品種改良も盛んで、これまでの鮮やかな色とは別に、シックな色合いで上品さを追求したものもでています。これは八重咲きで優しいグラデーションの色合いであるパンジーです。耐寒性が強く戸外の花壇や寄せ植えに大活躍します。水はけの良い土で日当りのよいところにおきましょう。厳冬期は根の凍結を避けるため、晴れた日の午前中に水やりをすませ、夜には余分な水分が土の中に残らないようにしましょう。
▲八重咲きパンジー‘フェアリーチュール’ ピンクを主としたグラデーション。 |
▲花の拡大 このほかにもオレンジや濃い目のピンク などの種類もあります。 |
ニュージーランド原産のバラ科の多年草です。小ぶりで美しい赤色の葉で、耐寒性があるので、冬の花壇で活躍します。ほふくさせてグランドカバーにしたり、寄せ植えに使えます。水はけの良い土で日当たりの良い場所に置いてください。水は土が乾いたら午前中にたっぷりと与えます。株分けなどで増やすことができます。
▲アカエナ・イネルミス‘プルプレア’ 冬の花壇を明るく演出。 |
▲アカエナの葉 鋸歯のあるかわいらしい形の葉。 |
日本に分布するツバキ科の常緑低木です。挿し木繁殖した背の低い苗は寄せ植えのアクセントとして重宝し、和風、洋風、どちらのスタイルにもあいます。斑入りでないヒサカキは、昔から庭の生垣や植え込みに重宝されていて、育てやすい植物といえるでしょう。植物の腐食質を多く含む肥沃な土で、半日陰を好みます。
▲フイリヒサカキ 葉に白斑と黄斑が散在します。 |
▲フイリヒサカキ拡大 新芽は赤みも帯びます。 |
オーストラリア原産の、キク科の低木です。よく枝分かれし、葉は小さく枝と区別がつきません。全体的に銀灰色で、丸い株を形作り、シルバーリーフとして寄せ植えや花壇によく用いられます。温暖な気候を好むため、室内で管理します。
▲カロケファルス・ブラウニー 丸い株を作ります。 |
▲カロケファルス拡大 短い葉が枝についていますが、 色が同じで区別がつきません。 |
戸外での作業は特にはありません。空いている花壇があったら天地返しをしておきましょう。シャベルなどで花壇を掘りかえし、下の土を上に出しほぐして空気にさらします。30〜50cmくらいの深さでちょっと大変ですが、頑張りましょう。寒さや乾風、日光に当てることで、春からの病害虫の発生を減らすことができます。
針葉樹、落葉果樹・花木の剪定を年末までに行えなかった方は、無理に今月に行うことはありません。厳冬期を避け、2月になってからでよいでしょう。バラの冬の剪定や元肥やりは今月からの作業です。同時に薬剤を散布するとよいでしょう。
室内に取り入れた熱帯花木類や草花類の具合はいかがですか。落葉性のものや枝を切り詰めた鉢物は吸水する力が弱くなっていますので、水は控えめにします。水やりの基本は、鉢の土が乾いてきてから与えることです。また、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニが発生しやすいので注意しましょう。表側だけでなく、定期的に葉裏や葉の付け根、株元の葉の重なりあっているところをチェックします。
新しく購入した鉢物類で花が次々と咲く種類には、追肥と花がら摘みを行いましょう。
家庭菜園はおやすみの時期。越冬させている種類も少なくなりましたね。ホウレンソウやシュンギクなど、ビニルトンネルやべたがけシートをかけて育てているものは、中でアブラムシなどの病虫害が発生していないか、時々調べてみましょう。また、ビニルトンネルを利用すれば、ニンジン、コマツナ、カブ、ダイコンなどの種子がまけます。今、種子をまけば、春〜初夏にかけて収穫できます。
春の代表的な鉢花がプリムラ。この「プリムラ」という名前は、サクラソウ科のサクラソウ属の学名ですが、園芸的には欧米で改良されたサクラソウ属の草花を呼ぶ名前になっています。
冬の鉢花の中では寒さに比較的強く、凍らない程度の低温でよく、逆に高温になると株が早く弱ります。日当たりを好むので、暖房のない部屋の日当たりのよい窓辺などに置くと良いでしょう。開花時期が長いので追肥をして肥切れさせないようにします(液肥なら2週間に1回、置き肥なら1、2か月に1回)。空気が乾燥しているとハダニが付きやすいので、殺ダニ剤の散布か葉裏にシリンジ(噴霧)します。花がらはこまめに摘み、咲き進んだ花茎は切り取ると花茎が次々にあがってきて、長く楽しむことができます。
冬の寒さに負けず、屋外で咲いてくれるクリスマスローズ(キンポウゲ科ヘレボルス属)は貴重な花ですね。八重咲き品種など豊富な色・形の交配種が安価で入手できるようになりました。
ポット植えの苗は、1年で根がポットに回ります。ポットの土を押してみて、硬い感じなら根詰まりに近くなっているものです。すぐに、軽く根をほぐして二回りほど大きな鉢に植え替えます。なお、施肥は、植え替え後、3週間ぐらいしたら始めます。
●クリスマスローズと早春の花(茨城県水戸市・水戸市立植物公園)
1月28日〜2月12日 (連絡先 Tel 029-243-9311)
●クリスマスローズの世界展(東京都・池袋サンシャインシティ)
2月17日〜19日 (連絡先 Tel 03-3989-3321)
●クリスマスローズ&珍しい植物展(大阪市鶴見区・咲くやこの花館)
2月24日〜2月26日(連絡先 Tel 06-6912-2005)
年が明けると各地で洋ラン展が開かれます。ご家庭でも、シンビジウムやパフィオペディルムなど蕾が上がってきてくれるころです。あなたの愛蘭の咲き具合はいかがですか。
温室があれば別ですが、あまり温度が保てない場合は高温性のカトレアやファレノプシスなどは花が咲くのが遅くなります。低温性のシンビジウムやパフィオペディルム、ノビル系デンドロビウムは蕾があがってきます。花茎が折れたり曲がったりしないよう、支柱を立てましょう。また、空気が乾燥しがちですので、シリンジをマメに行います。
多肉植物の人気が急上昇しているようで、ガーデンセンターでは多肉植物系統の売り場が拡充しているところが目立っています。多肉植物は、その性質さえ理解してしまえば、栽培管理に手間がかからないこと、年中、変わらない姿が楽しめること(花がきれいな種類もあります)、種類・品種が多く、コレクションの楽しみがあることなど、多肉植物園芸は楽しみの多い分野です。
・山城愛仙園
豊中市原田南1-10-7 Tel 06-6866-1953
http://www.aisenen.com/
・奈良多肉植物研究会
奈良市法蓮町1417-23 Tel 0742-27-3266
http://www3.kcn.ne.jp/~sakainss/
・国際多肉植物協会(ISIJ)
http://www.ne.jp/asahi/isij/japan/
会費3000円(年間)。詳しくはホームページをご覧ください。
・Silverhill Seeds
南アフリカ P.O.Box 35108, Kenilworth, 7745 Cape Town, South Africa
http://www.silverhillseeds.co.za/
主に南アフリカの野生植物種子の専門店。奇想天外(ウェルウェッティア)、アロエ、ゼラニウム類の原種のほか、バオバブ、原種球根などを扱っています。
・Mesa Garden
アメリカ P.O.Box72 Belen, New mexico 87002 USA
http://www.mesagarden.com/
サボテン、多肉植物専門の種子屋さん。アメリカ外の種類も多く扱っています。種子の採種地データがあるのもよい。
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