今年は暑い期間が短く、早めに涼しくなりましたが、暑かったときのダメージが樹木にも出てきているでしょうか。樹勢の回復に努め、枯れたり込み合った枝をきって、台風のダメージからも守ってあげるようにしましょう。
キクと名前にありますが、クマツヅラ科の多年草です。ダンギクの名前は、姿の通り、茎の節ごとに花が集まって咲いている様子が、一段ごとに花が咲くように見えるので呼ばれているようです。落ち着いた色と葉や花の形から、和風なたたずまいをしています。
日当たりと水はけがよく、肥沃な土でよく育ちます。耐寒性があるので、南関東以南では屋外で越冬できますが、厳寒期は簡単な防寒や霜よけをしてあげるとよいでしょう。花がらを摘み、冬に枯れた枝を整理してやり、春に株分けで増やせます。
オーストラリア原産のクサトベラ科の多年草です。暑さに強く丈夫な性質で、花色もブルー、ホワイト、ピンクなど様々あり、夏以降の花壇に重宝します。乾燥に強く、日当たりの良い場所でよく育ちます。
日本に分布するマメ科の一年草です。毛がたくさん生えている見た目からか、妙な名前がつけられていますが、花はきれいな青色をしています。日本に自生していますので、栽培が容易のようです。日当たりと水はけのよい場所で育てます。
宿根草は、同じ場所でそのまま植え続けていると、株が込みすぎたり、土質が劣化して、花が咲かなくなったり株の勢いが衰えたりすることがあります。庭植えのものは4、5年、鉢植えのものは2年くらいを目途に植え替え・株分けするようにしましょう。
これからの時期(10月中旬〜11月)に植え替えする宿根草は次の種類です。
<植え替え・株分けする種類>
スズラン、シラン、フクジュソウ、キキョウ、アマドコロ、ニホンサクラソウ、プリムラ・ポリアンサ類、花の終わったシュウメイギク、ホトトギスなど。
<植え替え・株分けの方法>
一回り大きく掘り上げ、土を落とし、それぞれ1株に2〜4芽くらい付けて分け、新しい場所に植え付けます。同じ場所に植える場合は、土を入れ替えるか、堆肥や腐葉土を多めにいれて土質を改善するようにします。
なお、クリスマスローズやシャクヤクは根の動き出しが早いので、鉢植えのものだけ、土を落とさないように一回り大きな鉢に移すようにします(庭植えのものは、開花後か9月に行います)。
夜間、冷え込みを感じることも多くなってきたようです。夏の間、戸外で管理してきた観葉植物や熱帯花木、花鉢物もそろそろ室内に取り入れる準備をしましょう。
◎取り入れる前の準備
・枝と根の切り詰め 直接、地面の上に置いてしまった鉢は、底から根が出ていることがあります。こうしたものは、鉢から抜き、根を切り詰めて、同じ鉢か一回り大きな鉢に植え直しておくとよいでしょう。同時に枝も多少切り詰めるようにします。植え直しをしなかった場合も、枝は軽く切り詰めておきます。また、普通の鉢も長く伸びた枝やツルは1/2から2/3ほど切り詰め、茂りすぎたところの枝は風通しがよくなるよう、元から切り取ります。
・薬剤散布とナメクジの駆除 害虫が付いた株を室内に取り込むと、被害が大きくなります。取り込む前に葉の裏や株元、鉢の裏などをチェックしましょう。アブラムシやカイガラムシなどにはスミチオンやオルトランを散布して、退治しておくのがベストです。
・鉢上げ ハイビスカスなど庭に植えて育てたものを、鉢に上げて冬越しさせる場合は、掘り上げる1か月くらい前に、根鉢よりも1回り小さくスコップを入れて太根を切り、細根を出させておく(この作業を根切りといいます)と、植え替えしやすくなります。
・清掃 植物の幹や枝を布で拭き、鉢やプランターの周囲はたわしなどで洗い、ごみや汚れを落としておきます。鉢の底も忘れずに洗っておきましょう。雨の当たらない軒下に置いてあった鉢は、葉が汚れていることがありますので、頭からシャワーで洗い流しておきます。
◎取り入れの目安
・最低温度が15℃くらいになったら取り入れる種類
高温性のアローカシア、アカリファ、アンスリウム、カラテア、カリアンドラ、クロトン、サンセベリア、セントポーリア、ドンベヤ、バオバブ(落葉したら)、フィトニア、プルメリア、ポインセチア、ユーチャリス(アマゾンリリー)、高温性の洋ラン類(カトレア、ファレノプシスなど)ほか
・最低温度が10℃くらいになったら取り入れる種類
中低温性のアジアンタム、ホヤ類(ハートホヤ、サクラランなど)、アナナス類、カラジウム、ジャガランダ、ドラセナ、ハイビスカス、パキラ、フィロデンドロン、ブーゲンビレア、ペペロミア、ポトス、中低温性の洋ラン類(オンシジウム、デンドロビウム、シンビジウムなど)ほか
・最低温度が6、7℃になったら取り入れる種類
低温性のアスパラガス、プレクトランツス、ピレア、アブチロン、インドゴムノキ、クワズイモ、クジャクサボテン、クンシラン、ゲッカビジン、シェフレア、デュランタ、トケイソウ、トラディスカンチア、ノボタン、ランタナほか
<室内での管理の注意>
日照を好むものは、窓際の明るいところに置き、日照に弱いものはレースのカーテン越しのところに置くなど、置き場に注意しましょう。10月中はまだ光が強いので、室内の日当たりは温度が上がりすぎることがありますので、注意が必要です。また、室内は戸外よりも空気が乾燥していますので、土の乾き方をチェックするとともに、葉水などを与えるようにしましょう。
来る10月17日(金)〜19日(日)、上野の日展会館にて、国内最大級、トップクラスの植物画(ボタニカルアート)の公募展が行われます。ボタニカルアートとは、図鑑の絵のように、植物をモチーフとして植物学的な視点から精密に描き、しかも芸術として表現された絵画のことです。これまで当展覧会からは多くのボタニカルアーティストが巣立ち、各界で様々な活躍をされています。芸術の秋、ぜひこの機会にボタニカルアートの世界に触れてみてはいかがでしょうか。ご来場お待ちしております。
日本園芸協会 JGSボタニカルアート展のご案内
http://www.gardening.or.jp/botanical/tenji_info/index.html
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