[11月の庭園仕事]
今年は暑い期間が短く、早めに涼しくなりましたが、暑かったときのダメージが樹木にも出てきているでしょうか。樹勢の回復に努め、枯れたり込み合った枝をきって、台風のダメージからも守ってあげるようにしましょう。
【特集1】買い物情報
ハシカンボク (Bredia hirsuta)
九州などで自生するノボタン科の亜低木です。半日陰を好み、耐寒性がありますので、霜に気をつければ屋外で越冬可能です。鉢植えで楽しみます。花が終わり、姿がくずれてきたら、切り戻し、春に植え替えをします。
▲ハシカンボク
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コウシュンカズラ (Tristellateia australasiae)
オーストラリアなど太平洋熱帯に分布するキントラノオ科のつる性低木。鉢植えのあんどん仕立てなどで楽しみます。冬は室内の明るいところで乾かし気味に管理します。春から生育期になりますので植え替えを行い、その後つるが伸びすぎたら軽く切り戻します。
▲コウシュンカズラ
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ペルネティア (Pernettya mucronata)
チリ原産の、ツツジ科の常緑低木です。「シンジュノキ」の別名を持つように果実がつやがあって丸く、色は白から桃色をしています。晩春から初夏は白い花、秋は光沢のある果実を楽しむことが出来ます。水はけがよく、やややせた酸性土を好みます。耐暑性・耐寒性にすぐれていて、霜にあたらない戸外で管理します。
▲ペルネティア
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ヨウシュコバンノキ (Breynia disticha)
南太平洋諸島原産の、トウダイグサ科の低木です。一株で緑・白(新芽)の葉色のグラデーションが楽しめます。水はけがよく、肥沃な土の鉢植えで、日当たりの良い場所で育てます。冬は室内で日のよく当たるところで管理します。伸びすぎてバランスが悪くなったら、軽く切り戻します。
▲ヨウシュコバンノキ
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アルテナンテラ・フィコイデア
(Alternanthera ficoidea‘Amoena’‘Bettzickiana’)
メキシコやアルゼンチン原産のヒユ科の多年草です。‘Amoena’の方は「アキランサス」という別名で売られていることが多いようです。カラーリーフとして花壇に多く使われ、秋口から苗が出回りますが、暖地ではそのまま植えて越冬可能ですが、他では冬前に鉢あげして室内で越冬するか、一年草のようにワンシーズンのみ楽しみます。
▲アルテナンテラ・フィコイデア
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【特集2】季節の手入れポイント
<花壇・ガーデニング>
冬花壇の草花の生育はいかがですか。霜が降りる頃になると、長く花を咲かせつづけてくれたコスモスやサルビア、マリーゴールドなどの秋花壇も見おさめの時期。草姿も乱れてきていますので、「ご苦労様」とお礼の言葉をかけて整理しましょう。手で抜ける株は手で、コスモスなど根の張っているものはシャベルで掘り上げます。枯れ枝や古根を取り除いた後は、土を掘り返し、堆肥や苦土石灰などをすき込んでから平らにならします。コガネムシの幼虫やヨトウムシがいたら、捕殺しましょう。
パンジーやビオラ、デージー、ハボタンは耐寒性が強いので、根付いてしまえば多少霜が降りても大丈夫ですが、スイ―トアリッサムやクリサンセマム・ムルチコーレはやや寒さに弱いので、霜よけや風除けを作るか、軒下に移すのが無難です。球根では、ユリやスイセンが植えられます。
<花木・庭木>
マツ類の“もみ上げ(古葉とり)”は今が適期です。早めに済ませて、正月をきれいな庭で迎えましょう。また、チャボヒバ、イトヒバ、スイリュウヒバなどのヒバ類も庭の格を高めてくれる樹木です。一緒に手入れをすれば、庭がより見事になります。
また、落葉の花木・果樹の植えつけの時期です。ウメモドキ、オオデマリ、ガマズミ類、モクレン・コブシ類、カエデ、ボケ、カイドウ、サクラ類、果樹ではウメ、モモ、リンゴ、ナシ、クリ、カキ、ブドウなどが植え時です。
<花鉢物>
外が冬景色になってくると、室内鉢物の出番ですね。定番のシクラメンにプリムラ類、花期の長いシンビジウムやデンドロビウムなどの洋ラン類、クリスマスに欠かせないポインセチアやクリスマスカクタス(シャコバサボテン)、クリスマスベゴニアなどが出始めています。良質の株を入手することが、鉢物を長持ちさせる秘訣です。
戸外で管理してきた非耐寒性の鉢物類には、保護が必要になります。低温に強いタイプの洋ラン類(シンビジウム、デンドロビウム、オンシジウムなど)、エンジェルストランペット、クンシラン、ノボタンなどの鉢物類なども、霜の降りる前に室内や軒下にとりこみましょう。
なお、室内は通風が悪く、ワタカイガラムシやアブラムシ、ハダニなどが大発生しがちですから、とりこむ前に、殺虫剤や殺ダニ剤を散布して退治しておきましょう。シンビジウムなどは葉の付け根にカイガラムシが潜んでいることがありますので要注意。また、鉢の底のナメクジにも気をつけましょう。
<家庭菜園・ハーブ>
菜園やハーブガーデンもそろそろ冬支度ですね。
夏秋まきのネギやニンジン、タカナ、カラシナなどの収穫時期です。あまった野菜類は土寄せをすれば、しばらく保てます。また、ホウレンソウやコマツナなどには霜よけをつくってやりましょう。
地上部が枯れてきたハーブ類は株元で切り取り、根元を腐葉土や堆肥でマルチングしておきます。まだ取り入れていない非耐寒性のハーブがあれば、早めに室内やフレームなどに取り入れます。
【特集3】バラ大苗の植え付け
バラの大苗(接ぎ木2年生苗)の植え付けの時期です。品種が揃っているうちに好みの種類を購入しましょう。
<良苗の条件>
この時期のバラ苗には、ポット植えのものと、根巻き苗(根を麻布やビニール布で包んだもの)があります。すぐに植えるのでしたら、株の充実した根巻き苗(通信販売は大体、根巻き苗)でよく、そうでないなら、ポット植えの苗の方が安心です。ただ、細長いポット(スリムポット)に植えられたものは、このまま長期間育てることができませんので、秋の間に庭ないし大鉢に定植するようにしましょう。良苗は太く充実した幹が2〜3本以上でていて、幹に傷が無いものです。すぐに植えられない場合は、根巻き苗は布をはずしてから、風の当たらない日陰地に仮植えしておきます。
<庭植えの仕方>
★植え場所の整備 日当たりがよく、水はけ、水もちがよい場所を選ぶ。植え穴は大きさ、深さとも50cmくらい掘り、植える1ヶ月前に牛ふん、鶏ふん、腐葉土や堆肥、石灰類(ほかより2週間前に)などをすき込んでおく。
★苗を調整する 植える前に土を落とし、長すぎる根を切り詰めから、水を入れたバケツなどにいれる。幹はそれぞれ、接ぎ目から20cmほど上で、外に向いた太い芽のところで切り詰める。
★植え方 上記の土の用意が間に合わなかった場合は、穴を掘って土に腐葉土か堆肥を混ぜ込み、穴の底に元肥として有機完熟肥料を300gほど入れて土と混ぜる。その上に、無肥料の土を戻して根を広げて植える。植える高さは、接ぎ木の接ぎ目が地面よりちょっと高くなる程度。土が根のあいだによく入るように、棒で突っつきながら土を根ぎわまでいれる。
★水やり この段階でたっぷりと水やりし、株をゆすって土と根をなじませる。水が引いたら、さらに土を接ぎ口くらいまで被せる。
★支柱 風で倒れたりしないよう、簡単な支柱をつけておくとよい。
★マルチング 冬は乾燥するので、稲ワラか堆肥などを株元に敷きつめる(マルチング)。
<鉢植えの場合>
鉢は8号(24cm鉢)から10号(30cm鉢)くらいの大鉢、用土は市販のバラ培養土でよいでしょう。植え付けの方法は、庭植えの場合と同じですが、元肥は入れません。根付いた頃(植え付け1ヵ月後)に、有機固形肥料をひとつかみほど与えます。
【特集4】大菊秋苗の植え方
キクの盛りの時期です。苗も出回り始めていますので、来年は大輪のキクを咲かせてみませんか。今の時期のキク苗は秋苗(秋挿し苗)といい、9月に挿し芽をして作られたものです。この苗を育てて、来年の5月に挿し芽(この挿し芽株に花を咲かせるのです)をする親株とするものです。
●鉢と用土
4.5〜5号の駄温鉢に1本植えが基本です。用土は赤玉土4+腐葉土5+くん炭(籾殻を蒸し焼きにしたもの)1の混用土ですが、市販のキク用培養土でもよいでしょう。
●植え方
鉢底に防虫網を敷き、排水用にゴロ土を2列ほど入れ、培養土を入れます。キク苗は大きい蕾は摘み取り(小さな蕾は残しておく)、根を3cmくらいに切りそろえて植えます。植える高さは、苗の根元が鉢の縁より1cmくらい低い程度です。根鉢の表面にもくん炭を1cmほど敷き、粒状の化成肥料を4〜5gほどばら撒きます(根に当たらないよう土に混ぜてもよい)。最初から肥料を混ぜてあるタイプの市販の培養土の場合は、必要ありません。
●その後の管理
植え終わったらたっぷりと水やりします。以後は、土が乾いてきて、葉がしおれ加減になってきたら水やりするようにします。4〜5日は強い風の当たらない半日陰に置き、活着したら、よく日の当たる軒下に置きます。
【特集6】書籍『山野草・栽培全書』のご案内
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【特集7】イベント情報
県名 |
イベント名 |
期間・場所・連絡先 |
東京 |
シダときのこ「牧野富太郎と川村清一」 |
期間:9月13日〜11月3日
場所:練馬区・マキノ記念庭園記念館
(講演会は事前申込制)
TEL:03-3922-2920 |
晴海フラワーフェスティバル2014 |
期間:11月1日〜5日
場所:中央区・トリトンスクエア
TEL:03-6202-6033 |
FANCLオータムローズガーデン |
期間:11月1日〜7日
場所:中央区・ファンケル銀座スクエア10階
URL:http://www.fancl.jp/ginza-square/campaign/index.html |
欧風花インスティテュート25周年記念「ZOKEI」の森〜植物の新たなかたち〜 |
期間:11月7日〜8日
場所:港区・テレビ朝日ビル1F |
栃木 |
癒しの植物展 |
期間:10月7日〜11月16日
場所:栃木市・とちぎ花センター
TEL:0282-55-5775 |
千葉 |
京成バラ園オータムフェア |
期間:10月10日〜11月16日
場所:八千代市・京成バラ園
TEL:047-459-0106 |
埼玉 |
秋季特別展 盆山-屏風に息づく中世の盆栽 |
期間:10月31日〜11月30日
場所:さいたま市・大宮盆栽美術館
TEL:048-780-2091 |
神奈川 |
花菜ガーデンローズフェスティバル |
期間:10月6日〜11月9日
場所:平塚市・花菜ガーデン
TEL:0463-73-6170 |
横浜イングリッシュガーデンアート祭 |
期間:10月11日〜11月24日
場所:横浜市・横浜イングリッシュガーデン
TEL:045-326-3670 |
愛知 |
ボタニカルアートで描く東山植物園の植物 |
期間:10月28日〜11月9日
場所:名古屋市・東山植物園
TEL:052-782-2111 |
原色ドライフラワー展 |
期間:11月11日〜16日
場所:名古屋市・東山植物園
TEL:052-782-2111 |
食肉・花き市場まつり2014 |
期間:11月16日
場所:名古屋市・愛知名港花き地方卸売市場
TEL:052-747-8700 |
あいち花フェスタ2014 |
期間:11月21日〜24日
場所:常滑市・中部国際空港セントレア
TEL:052-954-6419 |
奈良 |
おふさ観音秋のバラまつり |
期間:10月19日〜11月30日
場所:橿原市・おふさ観音境内
TEL:0744-22-2212 |
大阪 |
ローズフェスタ |
期間:10月10日〜11月9日
場所:枚方市・京阪園芸
TEL:072-844-1781 |
秋季手作り盆栽展 |
期間:10月28日〜11月3日
場所:大阪市・長居植物園・花と緑と自然の情報センター
TEL:06-6694-8788 |
兵庫 |
あわじガーデンルネサンス2014 |
期間:10月17日〜19日
場所:淡路市・淡路夢舞台温室
TEL:0799-72-2000 |
ストレプトカーパス展 |
期間:10月18日〜11月25日
場所:加西市・兵庫県立フラワーセンター
TEL:0790-47-1182 |
兵庫県連合菊花展覧会 |
期間:10月19日〜11月24日
場所:加西市・兵庫県立フラワーセンター
TEL:0790-47-1182 |
鳥取 |
全国都市緑化フェア |
期間:9月21日〜11月10日
場所:鳥取市・湖山池公園
湯梨浜市・東郷湖羽合臨海公園
南部町・とっとり花回廊
TEL:06-6231-5072 |
長崎 |
世界フラワーガーデンショー |
期間:10月4日〜11月4日
場所:佐世保市・ハウステンボス内
TEL:0570-064-110 |
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