じりじりと焼けつくような暑さで植物にも過酷な季節なうえ、ゲリラ豪雨などの異常気象も起こります。土の渇きに注意してあげましょう。ベランダ園芸の場合は、強い陽射し避けによしずをかけたり、コンクリートからの照り返し熱を少しでも和らげるため、直接鉢を置かずにスノコをはさんだり、ポットフィートをつけてあげるなど工夫しましょう。
中南米に分布するアカバナ科の低木。春と秋は日当たりの良い戸外で管理しますが、夏の暑さに弱いので涼しく風通しの良い半日陰におき、梅雨時期に株元から2〜3節残して切り戻します。切った枝で挿し木をして夏越えさせる方法もあります。冬は夜温が5〜6℃以上あるところで管理します。フルゲンスのように細長い花の形をしていたり、マジェラニカのようにピンクとブルーのコントラストでふっくらとしたイヤリングのような形の花をしていたり、種によって様々な形をしています。鉢植えで楽しみます。
南アメリカ北部など原産のゴマノハグサ科の多年草です。パープル以外にも、ピンクやホワイトなど、様々な色があります。風通しと日当たりの良いところで元気に育ちます。乾燥を嫌うので、真夏は水やりをこまめにしましょう。
南アメリカ原産のイワタバコ科の低木です。くびれのある壺のような花の形が特徴的で、黄色〜赤色を呈するところからキンギョに似ていて「金魚の木」などという呼び名で販売されています。乾燥に強いので乾かし気味に管理しますが、真夏に放置するような極度の乾燥は避けましょう。真夏の強い日差しは避け、半日陰に置きます。
庭やベランダに、小さくても池を設けると、雰囲気が変わりますね。その中に、水草などを植えれば、ちょっとしたビオトープガーデンになります。
●池 本格的な池がなくても陶器の色合いに似せたプラスチック池が出回っています。これを利用するのもよいでしょう。
●植える植物の種類 *( )の中は鑑賞部位
・湿地性の種類 ハンゲショウ(葉)、ミソハギ(花)、シラサギスゲ(花)、トクサ(茎)、セキショウ(葉)
・抽水性の種類パピルス(葉)、フイリヨシ(葉)、ガマ(葉)、フトイ(葉)、オモダカ(葉と花)、クワイ(葉)、チャワンバス(花と葉)、ポンテデリア(花と葉)
・浮遊性の種類 ボタンウキクサ(葉)、ホテイアオイ(葉と花)、スイレン(花)、コウホネ(葉)、ウォーターポピー(花)
●植え方 植物は、直接池に植えるのではなく、一つの種類ずつ鉢に植えて、池に入れると管理が楽です。土は田土か荒木田土がよいのですが、なければ赤玉土でもよいでしょう(ただし、表面に小石を敷いておく)。それぞれ、腐葉土を2〜3割ほど混ぜて用います。花物以外は、締めて小さく育てる方が、風情がありますので、肥料は入れません。
●鉢の置き方 鉢の下にレンガを置いたり、高さの違う鉢を用いて、高低の変化をつけましょう。また、湿地性の種類は根元が水面からちょっと出るように、抽水性の種類は鉢の表面が水面から4〜5センチ、浮葉性の種類は水面から10センチほど下になるように配置します。
●管理 ボウフラの予防用に金魚やメダカを飼う場合は、水温が上がり過ぎないように注意しましょう。水が汚れたり藻が繁殖するようなら、2〜3週間に1回、半量くらいずつ水替えします。
夏の猛暑や日照りで株が弱ってくると、病害虫の被害を受けやすくなります。病虫害が出たら早めに見つけて、被害が大きくならないように対処しましょう。
●病害虫対策のポイント 害虫は早期発見、早期駆除。病気は発生しないように丈夫に育てるのがポイントです。油粕などチッソ肥料のやりすぎは、株が軟弱に育ち被害を受けやすくなります。草や木も、繁りすぎたところは枝をすかしてやり、風通しよく育てれば、病害虫の発生も少なく、たとえ発生してもすぐにわかるので早めの対策が取れます。
●うどんこ病 樹木類や草花の葉にうどん粉がまぶされたようになる病気です。サルスベリなどに発生すると、花が咲かなくなります。ハナミズキなどにも多く発生します。発生の初期に見つけてモレスタンなどの殺菌剤を散布しましょう。
●毛虫や青虫など 大型の虫は、早めに見つけて箸などでつまんでビニル袋にいれて処理すればよいでしょう。大量に発生したときや、ツバキやサザンカにチャドクガが出たときは、やはり農薬の散布が必要です。虫の体に掛かるようスミチオン乳剤などの殺虫剤を散布します。
●アブラムシなど小型の害虫 牛乳をスプレーで散布すれば退治できます。これは牛乳の脂肪分がアブラムシの体を被って窒息させたり、乾いて圧縮死させるものです。2〜3日後に潅水して牛乳分を洗い流しましょう。
●ハダニ コーヒーの飲み残しをそのまま散布します。ハーブ類(バジル、チャイブ、トウガラシ、ニンニクなど)の煮出し液も効果があるようです。
台風対策は早めに済ませておきましょう。
●茂りすぎたところは枝抜きをする
風が通り抜けるように、茂ったところは枝を間引いておきましょう。また、長く伸びすぎた枝は、切り詰めるようにします。
●支柱を立てる
今年植えたばかりの樹木や細長い苗木、根の少ない老木には支柱を立てます。また、長く伸びたマツの差し枝などは、折れると仕立て直しが困難ですから、ところどころに支えを立ててやりましょう。
●鉢植えの対策
棚など風の強く当たるところから下ろし、背のある植物を植えてある鉢は倒れないように横にしておきます。
●台風後の手入れ
台風は海から離れたところまで、潮風を運んできますので、台風の通った後に塩害対策をしましょう。葉の柔らかい樹木類には、頭からホースで水をかけて洗い流しておきます。また、樹木が風で倒れたときは、無理に起こさず、倒れた反対側を掘り起こし、折れた根を切り詰めて植えなおします。
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