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季節の園芸作業

[9月の庭園仕事]

まだまだ暑い日が続きます。今年の夏も暑かったので、植物にもそのダメージが現れる頃です。これから台風のシーズンもきますので、しっかりと対策をたてていきましょう。

【特集1】買い物情報

セントオーガスチングラス(Stenotaphrum secundatum)

 アメリカ南部〜熱帯アメリカ原産のイネ科の多年草です。和名はイヌシバで、芝生として利用される場合もありますが、丈夫で茎を長く出すので寄せ植えや吊鉢などの鉢植え、室内の観葉植物としても利用されます。

セントオーガスチングラス
▲セントオーガスチングラス
オリヅルランにも似ていますがシバ属です

●ルブス・カリシノイデス(Rubus calysinoides)

 台湾原産のバラ科の常緑低木です。つるをのばし、長いものでは2mくらいまで地を這うようにのびていきます。耐寒性、耐暑性に優れて管理がしやすいです。葉はちりめん状のしわを持つユニークな形状で、低温にあたると、赤く色づき、やがて銅色に変化します。寄せ植えに利用すると、長期間で葉色の変化が楽しめます。

ルブス・カリシノイデス
▲ルブス・カリシノイデス
常緑だと地味ですが、この後の葉の変化がおもしろいです。

●ポーチュラカ(ピンク葉) (Portulaca.sp)

 熱帯、亜熱帯に分布するスベリヒユ科の多年草です。こちらは斑入りで葉や茎がピンク色に色づいている品種です。ポーチュラカは暑さに強いので、夏の花壇に最適です。花もビビッドなピンク色で次々と咲かせ、夏の暑さを元気に盛り上げてくれます。

ポーチュラカ
▲ポーチュラカ
見ているだけで元気になるピンク色
ポーチュラカ花
▲ポーチュラカ 花
毎日次から次へと咲かせます
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【特集2】季節の手入れポイント

<花壇・ガーデニング>

 そろそろ秋のガーデニングがシーズンインです。秋花壇をこれから作るなら、ジニアやサルビア、マリーゴールド、コスモスなど秋遅くまで咲き続けてくれる種類を選びましょう。
 また、来年の春花壇を考える時期です。最近はナチュラルガーデンにチューリップやスイセンなどの球根類を取り入れる方が多くなっているようです。チューリップならアクミナタやユリ咲きのやさしい草姿のもの、スイセンならばジョンキラやキクラミネウス、トリアンドロスなどの原種系が使いやすいですね。もちろん大輪系でも、1か所に数球ずつ植えるようにすればよいでしょう。

 秋の種子まきは、日中の最高気温が25℃以下になったころが目安です(例年ですと、9月15〜20日ごろから)。また、この頃が熱帯花木類や宿根草類、ハーブ類の挿し木・挿し芽ができる時期です。

<花木・庭木>

 そろそろ本格的な台風シーズンに入ります。庭や建物などで、補強や手入れの済んでいないところがないか、早めにチェックしておきましょう。
 クチナシ類ではオオスカシバの発生期です。油断すると丸裸にされてしまいますから、スズメバチに似たガが飛んでいたら要注意です。小さなときは殺虫剤、大きくなった場合は、箸でつまんで退治します。ツバキやサザンカではチャドクガが発生します。なるべく小さなときに見つけて、オルトランやスミチオンなどの殺虫剤を散布します。また、収穫の済んだ果樹類ではお礼肥を与える時期です。

<花鉢物>

 クリスマスローズは秋になると根が動き出します。鉢替えや株分けは早めに済ませましょう。
 短日(夜が長くなる)で花芽形成するポットマムやポインセチア、初恋草、カランコエには夜間の照明を避けましょう。ミヤコワスレやシャコバサボテンも花芽形成時期です。よく日に当てるようにし、水やりを控えめにします。やはり充実期のノビル系デンドロビウムやオンシジウムも同様の管理です。夏の間、半日陰に移しておいた鉢物類も、直射日光に弱いもの以外は日向に出すようにします。なお、ポインセチアやカランコエは、普通に管理していたのでは、クリスマスのシーズンに花(や苞葉)が咲かないことがあります。こうした種類を上手に楽しむためには、短日処理を行うのが確実です。ポインセチアは1か月半くらい、カランコエは1か月くらい短日処理をします(夕方の5時くらいから翌朝9時くらいまで、上から箱をかぶせて光を当てないようにします)。

<家庭菜園・ハーブ>

 今月も秋冬野菜の種まきの時期。シュンギクは10月上旬、ホウレンソウは10月一杯にまけばよいでしょう。ダイコン、ハクサイ、レタス、キャベツ、ブロッコリーの苗は9月上旬に畑に定植します。ナス、ピーマン、オクラは中旬に化成肥料を追肥し、土寄せしておきます。
 ハーブでも残暑が収まり、気温が25℃以下になったら種子まき、挿し木ができます。また、花茎の出てきたバジルや夏越しできたナスターチウムは、切り戻ししておきましょう。

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【特集3】秋の草花鉢物の入手と管理法

 リンドウ、コスモス、クジャクアスター、シュウメイギク、ジョウロウホトトギスなど、いかにも秋を感じさせてくれる草ものの鉢植えが出回ってきました。良品は、下葉までよく葉がついていて、しおれたり縮れたりした葉がないものです。

<種類別の管理法>
◎宿根アスター
 ユウゼンギクやミケルマスデージーなどシオン属を宿根アスターと呼んでいます。置き場所は日向から半日陰程度で。株が込んでいる場合は、一回り大きな鉢に植え直します。高性(背が高い)の場合は、鉢が倒れやすいので、鉢ごと一回り大きな鉢に入れておくとよいでしょう。エゾギクもアスターと呼ばれますが、こちらは別属(Callistephus)で一年草。

◎リンドウ
 日向に置き、水切れに注意します。強健で育てやすい種類ですが、蕾は日が当たらないと開きません。

◎ケイトウ
 ケイトウには赤や黄色に色づいた葉を観賞するハゲイトウと花穂を観賞するトサカケイトウがあります。株の大きさの割に小さめの鉢に植えられていることがほとんどなので、入手したら1〜2回り大きめの鉢に植え替えるようにします。

◎シュウメイギク
 大株は水切れに注意。強い風の当たらない日向に置き、根が強いので一回り大きな鉢に植え直すか庭植えにします。


 なお、コスモスや宿根アスターなど次々に花が咲き続ける種類には、液体肥料を2週間に1回追肥します(そのほかの種類には、花の時期には肥料は不要)。水やりは、鉢土の表面が白く乾いてきてからたっぷりと与えるようにします。

【特集4】カラーリーフのグラス類

 グラス類の人気が高まっています。これまでは日本原産のススキや南アメリカ原産のパンパスグラスくらいしか作られていませんでしたが、葉色の変わった種類が出回り始め、庭や寄せ植えに使われるようになりました。

<グラス類の栽培ポイント>
植え場所
 日当たりのよい排水のよい適湿地。

植え付け方法
 適期は春か秋。ポットから抜き、根鉢を1/3〜1/2ほどほぐして植えつけます。

施肥と水やり
 施肥は春先にマグアンプKなどの固形肥料をひとつまみほど根元にばら撒けばよいでしょう。水やりは植え付けた年は、1週間以上日照りが続いたときに、様子を見ながら(葉がしおれ加減になったら)、与えます。2年目以降は原則不要です。鉢植えの場合は、土が乾いてきたら与えるようにします。

そのほか
 繁殖力が強いので、株が広がったら困る場合は、プラスティック板(30cm深さ)で根を囲んで外に伸びないようにしておきます。

【特集5】宿根草や熱帯花木の挿し芽・挿し木

 残暑がひと段落すると、挿し芽・挿し木の時期です。宿根草類や熱帯花木の伸びすぎた枝や茂りすぎた枝は、切り取って挿してふやしましょう。また、ニューギニア・インパチエンスやポーチュラカなど寒さに弱い宿根草は、秋に挿し芽した苗で越冬させると、場所をとらず便利です。

<挿し芽・挿し木できる種類>
ユリオプシス・デージー、マーガレット、木立ベゴニア、ゼラニウム、ストレプトカーパス、トラディスカンチア、ヘリオトロープ、ニューギニア・インパチエンス、クジャクサボテン、ハイビスカス、フクシア、ハーブのミント類、タイム類、セージ類、マジョラム、ラベンダー類、ローズマリーなど
<挿し芽の仕方>
・用土 清潔な川砂、バーミキュライト、鹿沼土など 
・挿し床 駄温の平鉢、イチゴパック(底に水抜きの穴を開ける)
・穂木の調整と水揚げ 切り口を刃の鋭いナイフやカミソリで切り戻し、穂木の長さを7、8センチに調節します。茎の下1/3ほどの葉を切り除き、1時間ほど水を入れたコップなどに挿して水揚げします。
・挿し方 箸などで穴を開けてから、穂木を1/4〜1/3挿しこみ、元を指で押さえます。
・挿し芽後の管理 細かめのジョウロで、たっぷりと水やりし、あとは強い風の当たらない半日陰のところで管理します。挿し床の表面が乾きかけてきたら、細かめのジョウロで水やりします。早いものなら2、3週間、遅いものでも1か月半ほどで発根します。
・発根後の管理 新しく芽が動いてきたら、根が出ていることを確かめ(根元の土を少し掘ってみる)、薄い液肥(規定の2倍)を与えます。冬はそのままの鉢で冬越しさせます。寒さに弱い種類は室内で、寒さに強い種類も、風の当たらないところで保護したほうがよいでしょう。

【特集6】書籍『山野草・栽培全書』のご案内

 山野草栽培について、身近にかつ深く楽しめる書籍が発売されています。基本種から変異種まで2,000種以上の山野草を網羅し、豊富な写真が掲載され、解説や栽培ポイントがつづられています。大変読み応えのある内容で、山野草がもっと好きになることでしょう。ご注文は日本園芸協会代理部(日本カタログショッピング)で受け付けています。

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【特集7】イベント情報

県名 イベント名 期間・場所・連絡先
東京 「虫も食べちゃう植物-牧野富太郎もびっくり!-」 期間:7月18日〜9月23日
場所:練馬区・練馬区立牧野記念庭園記念館
TEL:03-6904-6403
千葉 第12回国際フラワーEXPO「IFEX」 期間:10月14日〜10月16日
場所:千葉市・幕張メッセ
TEL:03-3349-8511
くらしの植物苑 期間:7月28日〜9月13日
場所:佐倉市・国立歴史民俗博物館
TEL:043-486-0123
URL:http://www.rekihaku.ac.jp
長野 白馬コルチナイングリッシュガーデン 期間:5月23日〜10月31日
場所:北安曇郡小谷村・ホテルグリーンプラザ白馬
TEL03-5155-7301
富山 観葉植物・苔玉 期間:7月中旬〜9月上旬
場所:砺波市・富山県花総合センター
TEL:0763-32-1187
URL:http://elega.tulipfair.or.jp/
岐阜 本巣群北方町・岐阜花卉流通センター内覧会 期間:7月18日〜10月12日
場所:本巣群北方町・岐阜花卉流通センター
TEL:058-324-6869
静岡 富士山の裾野 天空のダリア祭り2015 期間:7月29日〜9月17日
場所:裾野市・遊園地ぐりんぱ
TEL:055-998-1111
URL:http://www.tenku-hanabatake.com/
愛知 第32回全国都市緑化あいちフェア「花と緑の夢あいち」 期間:9月12日〜11月8日
場所:長久手市・愛・地球博記念公園
TEL:052-954-6635
URL:http://www.aichi-fair2015.jp/
芸術植物園 期間:8月7日〜10月4日
場所:名古屋市・愛知県美術館
世界屋上緑化会議 名古屋大会2015 期間:5月26日〜9月17日
場所:名古屋市・東山植物園
TEL:053-487-0511
フルーツとフラワーの押し花展 期間:8月25日〜9月6日
場所:大阪市・花と緑と自然の情報センター
TEL:052-782-2111
カンアオイと柄物植物店 期間:9月8日〜9月13日
場所:名古屋市・東山植物園
TEL:052-782-2111
家元襲名五十周年記念「石田流芸術展」 期間:10月16日〜10月19日
場所:名古屋市・松坂屋名古屋店南館マツザカヤホール
TEL:052-251-1111
宮崎 生誕100年 ターシャ・テューダー展 期間:9月12日〜10月12日
場所:宮崎市・みやざきアートセンター
TEL:03-6205-4071
URL:http://miyazaki-ac.com/tasha2015
鹿児島 いぶすき観葉フェア2015秋 期間:9月8日〜9月9日
場所:指宿市・JAいぶすき観葉流通センター
TEL:0993-23-3433