新年明けましておめでとうございます。今年も植物でいっぱいの一年にしましょう。
冬に販売される植物の種類は少なく、ビオラやパンジーが定番となっています。これらの色や形の品種改良も盛んで、これまでの鮮やかな色とは別に、シックな色合いで上品さを追求したものもでています。これは八重咲きで優しいグラデーションの色合いであるパンジーです。耐寒性が強く戸外の花壇や寄せ植えに大活躍します。水はけの良い土で日当りのよいところにおきましょう。厳冬期は根の凍結を避けるため、晴れた日の午前中に水やりをすませ、夜には余分な水分が土の中に残らないようにしましょう。
ニュージーランド原産のバラ科の多年草です。小ぶりで美しい赤色の葉で、耐寒性があるので、冬の花壇で活躍します。ほふくさせてグランドカバーにしたり、寄せ植えに使えます。水はけの良い土で日当たりの良い場所に置いてください。水は土が乾いたら午前中にたっぷりと与えます。株分けなどで増やすことができます。
日本に分布するツバキ科の常緑低木です。挿し木繁殖した背の低い苗は寄せ植えのアクセントとして重宝し、和風、洋風、どちらのスタイルにもあいます。斑入りでないヒサカキは、昔から庭の生垣や植え込みに重宝されていて、育てやすい植物といえるでしょう。植物の腐食質を多く含む肥沃な土で、半日陰を好みます。
オーストラリア原産の、キク科の低木です。よく枝分かれし、葉は小さく枝と区別がつきません。全体的に銀灰色で、丸い株を形作り、シルバーリーフとして寄せ植えや花壇によく用いられます。温暖な気候を好むため、室内で管理します。
春の代表的な鉢花がプリムラ。この「プリムラ」という名前は、サクラソウ科のサクラソウ属の学名ですが、園芸的には欧米で改良されたサクラソウ属の草花を呼ぶ名前になっています。
<プリムラ類の管理ポイント>
冬の鉢花の中では寒さに比較的強く、凍らない程度の低温でよく、逆に高温になると株が早く弱ります。日当たりを好むので、暖房のない部屋の日当たりのよい窓辺などに置くと良いでしょう。開花時期が長いので追肥をして肥切れさせないようにします(液肥なら2週間に1回、置き肥なら1、2か月に1回)。空気が乾燥しているとハダニが付きやすいので、殺ダニ剤の散布か葉裏にシリンジ(噴霧)します。花がらはこまめに摘み、咲き進んだ花茎は切り取ると花茎が次々にあがってきて、長く楽しむことができます。
<プリムラの種類と特徴>
●ポリアンサ(P.×polyanthus)とジュリアン(P.×juliae)
ヨーロッパ原産のサクラソウの交雑で生まれたポリアンサに、コーカサス原産のジュリアエを交配して作られたのがジュリアン。大輪で花茎がたつのがポリアンサで、小輪で花が地際で花が咲くのがジュリアンだったのですが、改良が進んで見分けにくくなっていますので、購入する際には札をよく見ましょう。八重咲き(バラ咲き)やパステルカラー、グラデーションやフリンジの花色も多くなっています。夏涼しくすごさせれば、夏越しできます。
●マラコイデス(P.malacoides)とフィルクネラエ(P.filchnerae)
マラコイデスは多花性で優しい 草姿で人気があります。近年出回るようになったフィルクネラエ(雲南サクラソウ)は、より大輪でボリュームのある姿になります。この2種は夏越しが難しいので、毎年種子で更新します。中国原産。
●オブコニカ(P.obconica)
花が大輪で、プリムラの中では日陰に耐える種類です。寒さには弱いので、室内管理で。夏の暑さには強く、夏越ししやすい種類です。中国原産。
●デンティキュラータ (P.denticulate) とロゼア(P.rosea)
玉咲きで、開花が進むに連れて花茎が伸びるデンティキュラータと、それよりもやや小型のロゼア。共にヒマラヤ地域原産で耐寒性が強いので外で育てます。本来は宿根草ですが、高山性のため暖地では夏越しは困難。消耗品と考えるのが実際的です。
冬の寒さに負けず、屋外で咲いてくれるクリスマスローズ(キンポウゲ科ヘレボルス属)は貴重な花ですね。八重咲き品種など豊富な色・形の交配種が安価で入手できるようになりました。
<花つきの株を入手したら>
・選び方・・・有茎種も無茎種もこの時期に蕾・花がついていなければ、今年の花は望めません。なるべく蕾の多くついているものを選びましょう。クリスマスローズは蕾が小さくても、大体は開花します。
・置き場所・・・1〜3月まではよく日の当たる軒下などの陽だまりに置きます。強い風が当たるところは避けましょう。
・水やり・・・クリスマスローズは今が生長期なので、水を切らさないように注意しましょう。風が強い日は乾きが早いので要注意です。特に、蕾の上がってきた株は、花が開くのに水が必要ですから、鉢の土が乾いてきたら、暖かい日の午前中にたっぷり与えます。
・肥料・・・緩効性の固形肥料を月に1回一つまみほど、液肥なら月2、3回程度。庭植えのものには、春と秋に緩効性の固形肥料1、2回与えればよいでしょう。
・植え替え・・・クリスマスローズは根が大きくなる植物です。株の大きさよりも鉢のほうがやや大きく見えるもの(秋か冬の初めに植え替えられたもの)はよいのですが、株と鉢のバランスがよい感じのものは、根詰まりの危険があります。こうしたものは、花が終わったら、一回り大きな鉢に植え替えます。庭(落葉樹の下の、夏に半日陰になるところ)やプランターに植えるときは、軽く根をほぐします。
<苗の場合>
ポット植えの苗は、1年で根がポットに回ります。ポットの土を押してみて、硬い感じなら根詰まりに近くなっているものです。すぐに、軽く根をほぐして二回りほど大きな鉢に植え替えます。なお、施肥は、植え替え後、3週間ぐらいしたら始めます。
年が明けると各地で洋ラン展が開かれます。ご家庭でも、シンビジウムやパフィオペディルムなど蕾が上がってきてくれるころです。あなたの愛蘭の咲き具合はいかがですか。
<花つきの株を入手した場合>
●置き場所
よく日の当たる夜間10℃程度が保てる暖かい場所(暑すぎないように)。暖房の風の直接当たるところは避けます。
●水やり
水やりは鉢の用土が乾いてから2、3日後に(週に1、2回程度)、室温より少し高めの30℃くらいのぬるま湯を湿らす程度与えます。蕾のある株では暖かい日にシリンジ(噴霧)をしましょう。
●肥料
花の咲いている間は不要。春になって、芽が動いてきてから与えます。
<持ち込み株の管理>
温室があれば別ですが、あまり温度が保てない場合は高温性のカトレアやファレノプシスなどは花が咲くのが遅くなります。低温性のシンビジウムやパフィオペディルム、ノビル系デンドロビウムは蕾があがってきます。花茎が折れたり曲がったりしないよう、支柱を立てましょう。また、空気が乾燥しがちですので、シリンジをマメに行います。
多肉植物の人気が急上昇しているようで、ガーデンセンターでは多肉植物系統の売り場が拡充しているところが目立っています。多肉植物は、その性質さえ理解してしまえば、栽培管理に手間がかからないこと、年中、変わらない姿が楽しめること(花がきれいな種類もあります)、種類・品種が多く、コレクションの楽しみがあることなど、多肉植物園芸は楽しみの多い分野です。
<入手のポイント>
・名前つきのものを選ぶ
ミニポットで売られているものは名前の付いていないものがあります。こうしたものは寄せ植えやタペストリーなどにはよいのですが、コレクションには不向きです。多肉植物は、葉挿しや株分けで易しくふやせるものが多いですから、多少高くてもちゃんとした名前つきのものを選ぶようにしましょう。
・ネット通販で珍品も
最近は一般的な種類はガーデンセンターなどで入手できるようになっています。品揃えの面では専門店が一番です。インターネットで珍しい種類の苗や種子を販売しているところも多くなっていますので、そういうところを利用するのもよいでしょう。また、多肉植物の趣味の会に入会すると、交換会などで珍品を求めることもできます。外国の種子屋さんを利用すれば、珍しい原種を育てることもできます。
<国内のナーサリーと趣味の会>
・山城愛仙園
豊中市原田南1-10-7 Tel 06-6866-1953
http://www.aisenen.com/
・奈良多肉植物研究会
奈良市法蓮町1417-23 Tel 0742-27-3266
/http://www3.kcn.ne.jp/~sakainss/
・国際多肉植物協会(ISIJ)
http://www.ne.jp/asahi/isij/japan/
会費3000円(年間)。詳しくはホームページをご覧ください。
<外国の種子屋さん>
・Silverhill Seeds
南アフリカ
P.O.Box 35108, Kenilworth, 7745 Cape Town, South Africa
http:/www.silverhillseeds.co.za/
主に南アフリカの野生植物種子の専門店。奇想天外(ウェルウェッティア)、アロエ、ゼラニウム類の原種のほか、バオバブ、原種球根などを扱っています。
・Mesa Garden
アメリカ
P.O.Box72 Belen, New mexico 87002 USA
http://www.mesagarden.com/
サボテン、多肉植物専門の種子屋さん。アメリカ外の種類も多く扱っています。種子の採種地データがあるのもよい。
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