台風や雨がふるたび寒くなってきました。今年も暑かった夏のダメージが、樹木にも出ている頃ですね。樹勢の回復に努め、台風のダメージからも守ってあげるようにしましょう。
日本、朝鮮半島、中国に分布するキンポウゲ科のつる性植物です。野生化して生えている場合もあります。クレマチスの仲間です。真っ白で4枚の花のようなものはがく片で、放射状に開き、雄しべがヒゲのように展開します。つるを伸ばすので、フェンスに絡ませたり、あんどん仕立ての鉢植えで管理します。日当りのよいところを好み、水を好むので水やりは鉢土が乾いたらたっぷり与えます。
熱帯に分布するカヤツリグサ科の多年草です。葉の縁に白い斑がついていて、這うように広がりますので、花壇の縁や寄せ植えなどを涼しげに彩ります。市場では「クリスタルグラス」という流通名がつけられて出回っていますが、ラベルに書いてある学名はまちがっていて「Fieinia」になっています。耐寒性があって丈夫な性質で、日陰でも比較的育ちますのでいろいろなところに使えます。水は土が乾いたらたっぷりと与えましょう。
北アメリカ南部から中央・南アメリカに分布するヤマゴボウ科の常緑多年草です。まんまるで光る紅色の果実の形状から、ビーズベリー、baby papper、rouge plantなどの別名もあります。強く丈夫なので育てやすいのですが、耐寒性がないので冬は室内に取り込む必要があります。挿し木で増やすことができます。
雨が多い分、秋の作業も進められない面もあります。土が湿りすぎているのもいやですね。秋植え球根類の植え付けや種子まき、秋冬花壇の草花の植え付けは、遅れないようにしましょう。
そろそろムラサキシキブ類、ウメモドキ、ヒメリンゴなどの実物類や冬の花のサザンカが庭を彩ってくれるようになります。庭木の手入れで、マツ類のコモ巻きは寒くなる前に行います(マツケムシが降りてくる前)。生垣の止め刈りを済ませていない方は早めに行いましょう。
夜の気温の下がり方が大きくなりますので、寒さに弱い熱帯性の鉢植え類は、早めに室内に取り込むようにしましょう。
ただ、蕾ができるのに低温が必要なクンシランやシンビジウム、デンドロビウムは、霜が降りだす前までは戸外の日当たりのよい場所で管理します。また、シクラメン(ミニシクラメン)が早くも売り出されています。ラベルにガーデンンシクラメンとあっても、耐寒性のない中大輪性種の小鉢仕立てのものもありますので注意しましょう。
秋野菜の収穫の時期です。雨の合間をぬって、ハクサイやキャベツ、ブロッコリー、ホウレンソウ、シュンギク、ニンジンなどは、大きく育ってきたものから収穫しましょう。また、サツマイモの収穫は霜が降りる前の晴れた日に行います。冬収穫用のネギ・ワケギ類やレタス、ナ(菜)類の定植時期です。ポット苗が販売されていますので早めに入手して植えつけましょう。
ハーブでは、センテッドゼラニウムやヘリオトロープは室内に取り込み、半耐寒性のレモングラスやナスターチウム、メキシカンセージなど亜熱帯性のセージ類は、早霜などで傷めないようにひさしの下などに移しておきます。
宿根草は、同じ場所でそのまま植え続けていると、株が込みすぎたり、土質が劣化して、花が咲かなくなったり株の勢いが衰えたりすることがあります。庭植えのものは4、5年、鉢植えのものは2年くらいを目途に植え替え・株分けするようにしましょう。
これからの時期(10月中旬〜11月)に植え替えする宿根草は次の種類です。
<植え替え・株分けする種類>
スズラン、シラン、フクジュソウ、キキョウ、アマドコロ、ニホンサクラソウ、プリムラ・ポリアンサ類、花の終わったシュウメイギク、ホトトギスなど。
<植え替え・株分けの方法>
一回り大きく掘り上げ、土を落とし、それぞれ1株に2〜4芽くらい付けて分け、新しい場所に植え付けます。同じ場所に植える場合は、土を入れ替えるか、堆肥や腐葉土を多めにいれて土質を改善するようにします。
夜間、冷え込みを感じることも多くなってきたようです。夏の間、戸外で管理してきた観葉植物や熱帯花木、花鉢物もそろそろ室内に取り入れる準備をしましょう。
<取り入れる前の準備>
・枝と根の切り詰め 直接、地面の上に置いてしまった鉢は、底から根が出ていることがあります。こうしたものは、鉢から抜き、根を切り詰めて、同じ鉢か一回り大きな鉢に植え直しておくとよいでしょう。同時に枝も多少切り詰めるようにします。植え直しをしなかった場合も、枝は軽く切り詰めておきます。また、普通の鉢も長く伸びた枝やツルは1/2から2/3ほど切り詰め、茂りすぎたところの枝は風通しがよくなるよう、元から切り取ります。
・薬剤散布とナメクジの駆除 害虫が付いた株を室内に取り込むと、被害が大きくなります。取り込む前に葉の裏や株元、鉢の裏などをチェックしましょう。アブラムシやカイガラムシなどにはスミチオンやオルトランを散布して、退治しておくのがベストです。
・鉢上げ ハイビスカスなど庭に植えて育てたものを、鉢に上げて冬越しさせる場合は、掘り上げる1か月くらい前に、根鉢よりも1回り小さくスコップを入れて太根を切り、細根を出させておく(この作業を根切りといいます)と、植え替えしやすくなります。
・清掃 植物の幹や枝を布で拭き、鉢やプランターの周囲はたわしなどで洗い、ごみや汚れを落としておきます。鉢の底も忘れずに洗っておきましょう。雨の当たらない軒下に置いてあった鉢は、葉が汚れていることがありますので、頭からシャワーで洗い流しておきます。
<取り入れの目安>
・最低温度が15℃くらいになったら取り入れる種類
高温性のアローカシア、アカリファ、アンスリウム、カラテア、カリアンドラ、クロトン、サンセベリア、セントポーリア、ドンベヤ、バオバブ(落葉したら)、フィトニア、プルメリア、ポインセチア、ユーチャリス(アマゾンリリー)、高温性の洋ラン類(カトレア、ファレノプシスなど)ほか
・最低温度が10℃くらいになったら取り入れる種類
中低温性のアジアンタム、ホヤ類(ハートホヤ、サクラランなど)、アナナス類、カラジウム、ジャガランダ、ドラセナ、ハイビスカス、パキラ、フィロデンドロン、ブーゲンビレア、ペペロミア、ポトス、中低温性の洋ラン類(オンシジウム、デンドロビウム、シンビジウムなど)ほか
・最低温度が6、7℃になったら取り入れる種類
低温性のアスパラガス、プレクトランツス、ピレア、アブチロン、インドゴムノキ、クワズイモ、クジャクサボテン、クンシラン、ゲッカビジン、シェフレア、デュランタ、トケイソウ、トラディスカンチア、ノボタン、ランタナほか
<室内での管理の注意>
日照を好むものは、窓際の明るいところに置き、日照に弱いものはレースのカーテン越しのところに置くなど、置き場に注意しましょう。10月中はまだ光が強いので、室内の日当たりは温度が上がりすぎることがありますので、注意が必要です。また、室内は戸外よりも空気が乾燥していますので、土の乾き方をチェックするとともに、葉水などを与えるようにしましょう。
来る10月14日(金)〜16日(日)、上野の日展会館にて、国内最大級、トップクラスの植物画(ボタニカルアート)の公募展が行われます。ボタニカルアートとは、図鑑の絵のように、植物をモチーフとして植物学的な視点から精密に描き、しかも芸術として表現された絵画のことです。これまで当展覧会からは多くのボタニカルアーティストが巣立ち、各界で様々な活躍をされています。芸術の秋、ぜひこの機会にボタニカルアートの世界に触れてみてはいかがでしょうか。ご来場お待ちしております。
葉っぱのかたちから樹木が調べられる原寸大植物図鑑をご紹介します。
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