日本園芸協会〜園芸情報サイト

季節の園芸作業

[5月の庭園仕事]

 4月は初夏のような暖かい日が多かったですね。強風の日も多く、倒木のニュースもありました。枝の間引き剪定の重要さがこのようなところでも感じられます。さて園芸店では色とりどりのさまざまな苗が並ぶようになりました。いよいよガーデニングオンシーズンです。

【特集1】買い物情報

タイツリソウ(Dicentra spectabilis)

 中国、朝鮮半島の温帯に分布するケシ科の多年草です。平たいベル形の紅色の部分と、先端が白い、変わった形の花です。この花を鯛に見立て、茎が釣竿で鯛を釣り上げているように見立てて「タイツリソウ」と名づけられています。または仏殿の装飾「華鬘(けまん)」に似ているということで「ケマンソウ」という別名もあります。
 耐寒性はありますが、高温、乾燥に弱いので、暑い時期には風通しの良い半日陰など涼しいところで管理します。日陰の庭で活躍します。土は腐葉土などを多く含み保水力のあるものを使います。株わけで増やせます。

フリティラリア’
▲タイツリソウ
茎にたくさんの鯛が釣られているように見えます
フリティラリア花
▲タイツリソウ花
ベルよりかなり扁平で、ハート形に見えます

ポレモニウム (Polemonium sp.)

   ヨーロッパやアジアに20種ほど分布するハナシノブ科ハナシノブ属の多年草の園芸品種です。葉に黒味がかかっていますが花色は薄い紫のものです。花壇や鉢植えで利用します。ハナシノブは山地の明るい草原に生育するので、日当りを大変好み、水はけのよい土を好み、葉は込み合っている場合は間引きます。

スティリディウム
▲ポレモニウム
葉色が暗く花色が薄いシックな園芸品種
スティリディウム花
▲ポレモニウム花
花茎の先端にたくさんの花をつけます

ヘルマンニア‘スウィートベル’(Hermannia ‘Sweet bell’)

  南アフリカに多く分布するアオギリ科ヘルマンニア属の常緑低木の一品種です。黄色いベル形の花をたくさん咲かせ、かすかに香りもある花です。寄せ植えや鉢植えで活用でき、日当りを好みますが、半日陰の場所でも管理できます。高さは約30cm以下と小さいですが、込み合ってきますので、間引くように剪定し、蒸れを防ぎます。

ロータス・ヒルスツス‘ブリムストン’
▲ヘルマンニア‘スウィートベル’
い樹姿にいっぱいの花をつけます
ロータス・ヒルスツス‘ブリムストン’花
▲ヘルマンニア‘スウィートベル’花
すそが広がったきれいなベル形
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【特集2】自家採種しましょう

 春早くから咲き出した草花類は、種子が実る時期です。パンジーやビオラなど、花がらを摘んでいたつもりでも、確かめてみると結構種子ができているものです。せっかくですから、ご自分が実らせた種子を採取して、苗をつくってみましょう。
 改良の進んだ草花類は、採取した種子からだと親と同じ花(色や花径など)が咲くことは少ないのですが、自然風の庭園にはむしろマッチすることがあります(色別にしっかり分けて作る整形花壇には市販の種子が向きます)。春花壇を整理するときなど、ついでに種子を採取しましょう。


これから種子が採取できる種類
 パンジー・ビオラ、プリムラ類、ワスレナグサ、アリッサム、キンギョソウ、ナスターチウム、クリスマスローズ、シクラメン、ヒアシンス、スイセン、ムスカリなど
種子の採取の仕方
 さやが茶褐色になり、カサカサした感じになったらそろそろ採取できる頃です。ためしにさやをあけ、中の種子が硬くなり色がついてきたら(大体は茶褐色系)採取できます。クリスマスローズなど、さやがはじけて種子が飛散するものは、紙袋などを被せておくか、さやが茶褐色になってきたら、早めに採取します。採取は、さやがはじけないようにそっとさやごと切り取ります。
種子の調整と保管
 採取した種子は、種類、品種・色別に分けて、さやごと日陰で1週間ほど乾燥させてから、さやを破り、ごみなどを除きます。草花類は種類別、品種・花色別に紙袋に入れてからまとめて、ビニール袋にいれ、まき時期まで冷蔵庫の野菜室で保管します。最近は、専用の種子保管用のビニール袋が市販されていますので、これを利用すると便利です。
とりまきするもの
 クリスマスローズなどの宿根草や球根類は、種子を採取したらすぐにまく(これを「とりまき」といいます)と失敗が少なくなります(ただし、発芽は秋、ないし翌春)。この場合、発芽するまで土を乾燥させないように気をつけます。
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【特集3】ベジタブルガーデンを作りましょう

 家庭菜園の人気が高いですね。すぐに使い出したいならラディッシュ(ハツカダイコン)や葉菜類。じっくり作りたいなら、トマトやナス、キュウリなどの果菜類の苗がお勧めです。地方野菜を取り入れるのもよいですね。果菜類の植え付けは気温が安定してきた今頃が適期です。苗が小さかったり、気温が安定していない時は、鉢に仮植えしておきます。
 また、ベジタブルガーデンを作る時は、背の高くなるトウモロコシやトマト、ナスなどを一番奥に、その手前にジャガイモやピーマン、トウガラシ、エダマメなど中位な種類を、最前列はニンジンやカブ、レタスなど背の低いものを配置します。株と株の間には虫除けになるハーブ類(ミント類やラベンダー、チャイブなど)を植えるのがお勧め。また、野菜だけでなく、花のきれいなボリジやチコリ、カモマイル、オレガノ、葉のきれいなフェンネル類やトリカラーセージ、レッドバジルなどハーブ類を適当に混ぜると、カラフルで変化がある花壇が楽しめます。
 なお、野菜類は連作(毎年、同じところで、同じ種類を栽培すること)を嫌うものが多いですから、区画して、毎年場所を変えて作るようにします。

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【特集4】春花壇の整理と夏花壇作り

 早めに作った春花壇では姿が乱れたり、傷んできたところもあるようです。傷んだ花壇は、早めに整理して夏花壇を作りましょう。パンジーやビオラの掘り取った株は、根元で切り整えて、花瓶やコップなどにさしておけば切花としてしばらく楽しめます。
 夏花壇用のデザインは、いかにも夏らしい黄〜橙〜赤系でまとめるか、シャスターデイジーや白色系のペチュニア、葉物のシロタエギクなどを中心にして、涼しさを演出するホワイトガーデンもよいでしょう。サルビア、アフリカンマリーゴールドなど丈の高くなる種類と、ペチュニア、アゲラタムなど背の低い種類を組み合わせて、彩りを考えるのがよいですね。春植え球根のグラジオラスも今月一杯ならば植えられます。

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【特集5】バラの開花株の手入れ

開花株の入手
 イングリッシュローズやオールドローズを利用したローズガーデンを作られる方が多くなってきているようです。今、入手できるのは、6号鉢くらいに植えられた開花株。ミニチュアならばもっと小さな鉢が出ています。いずれにしても、良株は、葉が切れたりよじれたりしてなく、蕾がすんなり伸びたもの。また、最近はウィーピング仕立てやスタンダード仕立ての鉢も作られていて人気があるようです。庭に植える場合は、花がひと通り終わったら、根鉢を崩さないように植えつけます。鉢植えのまま育てる場合も、販売されている鉢は小さめなことが多いので、やはり根鉢を崩さないように一回り大きな鉢に植え替えてやります。
花後の手入れ
 花が盛りをすぎたら、花茎の葉を2〜3枚残した下で切り取ります。ハイブリッドティーなどで樹高を低くしたい場合は、もう少し下の位置で切るとよいでしょう。花後は病虫害が心配になります。黒点病やうどんこ病にはダコニールやオーソサイド、アブラムシにはオルトラン、チュウレンジバチやバラゾウムシにはスミチオンやオルトランを散布します。
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【特集6】春に咲いた花木や鉢物の手入れ

<お礼肥え>
 花が咲き終わった花木類(ツバキ、シャクナゲ、ツツジ、ボタン、フジなど)や冬〜春咲きの鉢物類(シンビジウム、クンシラン、アマリリスなど)は花がらを摘み、お礼肥えを施しておきましょう。肥料は3要素(チッソ、リン酸、カリ)が等量入ったものか、リン酸が多めのものが無難です。チッソだけの肥料(油粕など)の施用は勧められません。

<剪定と薬剤散布>
 ツバキ・サザンカは花の咲いた枝を切り詰め、込みすぎた枝を抜きます。また、そろそろチャドクガの発生時期になりますので注意しましょう。早めに見つけて、葉ごと摘み取るかオルトラン、スミチオンなど殺虫剤を散布します。 咲き終わったツツジ類は、刈り込んで形を整えます。グンバイムシとハダニ対策に月1度、殺虫剤を散布するようにしましょう。

<芽切りと植え替え>
 鉢物では、シンビジウムでは新芽の整理(1バルブ当り1、2本に)をします。そうすると、1個1個の芽が充実して、花が良く咲くようになります。また、クンシランで根が詰まってきた鉢は株分け・植え替えをしましょう。

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【特集7】国際バラとガーデニングショウ

 世界のバラと美しいガーデニングを紹介する「第19回国際バラとガーデニングショウ」が、2017年5月12日(金)〜17日(水)の期間中6日間、埼玉県所沢市のメットライフドーム(旧・西武プリンスドーム)で開催されます。
 美しい花と香りで満ち溢れた6日間です。新品種のバラのチェックはもちろんのこと、たくさんのガーデンが展示されていますので、ご自分のお庭造りのヒントがたくさん見つけられます。ぜひ出かけてみましょう!

国際バラとガーデニングショウ公式ホームページ
http://www.bara21.jp/

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【特集8】イベント情報

北海道
札幌市
札幌市緑化植物園豊平公園
ハーブ展
期間:5月9日〜14日
春の風流盆栽展
期間:5月12日〜14日
野菜展
期間:5月16日〜28日
春のミニ盆栽と山野草展
期間:5月19日〜21日
山野草展
期間:5月26日〜28日
お問い合わせ
TEL:011-811-6568
URL:https://www.sapporo-park.or.jp/toyohira/
埼玉
大宮市
盆栽美術館
第8回世界盆栽大会 in さいたま記念特別展「盆栽―さいたま発の世界ブランド」
期間:3月17日〜5月10日
お問い合わせ
TEL:048-780-2091
URL:http://www.bonsai-art-museum.jp/
第19回国際バラとガーデニングショウ 期間:5月12日〜17日
場所:所沢市・メットライフドーム(旧・西武プリンスドーム)
TEL:04-2926-2902
URL:http://bara21.jp/
千葉
佐倉市
国立歴史民俗博物館(くらしの植物苑)
伝統の桜草
期間:4月11日〜5月7日
お問い合わせ
TEL:043-486-0123
URL:http://www.rekihaku.ac.jp/
京成バラ園ローズフェスティバル2017 期間:5月6日〜6月12日
場所:八千代市・京成バラ園
URL:http://www.keiseirose.co.jp/garden/
東京
関根雲停 -牧野富太郎の植物画コレクションより- 期間:4月15日〜5月14日(火曜日休館)
場所:練馬区・牧野記念庭園記念館
TEL:03-6904-6403
URL:http://www.makinoteien.jp/
神奈川
第33回全国都市緑化よこはまフェア(ガーデンネックレス横浜2017) 期間:3月25日〜6月4日
場所:横浜市・みなとガーデン
URL:http://yokohama-fair2017.city.yokohama.lg.jp/
長野
軽井沢レイクガーデン 期間:4月21日〜11月5日
場所:軽井沢町・軽井沢レイクニュータウン
URL:http://www.karuizawa-lakegarden.jp
富山
となみチューリップフェア 期間:4月21日〜5月5日
場所:砺波チューリップ公園
TEL:0250-23-1000
URL:http://tulipfair.or.jp/fair/
静岡
浜松市
はままつフラワーパーク
浜名湖花フェスタ2017
期間:3月18日〜6月11日
お問い合わせ
TEL:053-487-0511
URL:http://e-flowerpark.com/
愛知
名古屋市
久屋大通フラリエ
ローズフェスタ〜市内最大級のバラ市場登場!
期間:5月19日〜6月11日
春のラン展
期間:5月23日〜29日
お問い合わせ
TEL:052-782-2111
URL:http://www.flarie.jp/
企画展示「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」<名古屋会場> 期間:4月22日〜6月11日
場所:名古屋市・名古屋市博物館
URL:http://siebold-150.jp/
大阪
うめきたガーデンU 期間:3月28日〜9月24日
場所:大阪市・JR大阪駅北側うめきたガーデン
TEL:06-6633-2274
URL:http://umekita-garden.com/
京阪園芸「春のローズフェスタ」 期間:4月21日〜6月11日
場所:枚方市・京阪園芸ガーデナーズ本社店
TEL:06-6633-2274
URL:http://keihan-engei.com
兵庫
宝塚市
あいあいパーク
第16回宝塚オープンガーデンフェスタ2017
期間:5月19日〜21日
夏野菜フェア
期間:4月22日〜5月14日
お問い合わせ
TEL:0797-82-3570
URL:http://www.aiaipark.co.jp/
加西市
兵庫県立フラワーセンター
春のうきうきフェア
期間:3月18日〜5月30日
お問い合わせ
URL:http://www.hyogo-park.or.jp/flower-center/
広島
広島市
広島市植物公園
春の洋ラン展
期間:4月29日〜5月4日
セッコク・長生蘭展
期間:5月6日〜5月11日
ハーブ展
期間:5月13日〜5月25日
お問い合わせ
TEL:082‐922-3600
URL:http://www.hiroshima-bot.jp/
高知
高知市
高知県立牧野植物園
Dramatic Makino(ドラマティック・マキノ)
期間:3月11日〜5月7日
お問い合わせ
TEL:088-882-2601
URL:http://www.makino.or.jp/
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