日本園芸協会

園芸ファン通信 VOL.208 【3月号】

 みなさん、いよいよ春がやってきます。東京では、春を真っ先に感じさせてくれるウメも咲いています。冬の寒さは土を掘り起こして冷たい空気に当てて土中の病害虫を減らす「寒ざらし」ができる利点がありましたが、ガーデナーには辛い温度でしたね。華やかになるこの季節、本格的にガーデニングをはじめましょう!

★今号の記事一覧★

  1. 【特集1】買い物情報
  2. 【特集2】季節の手入れポイント
  3. 【特集3】通信販売のご案内
  4. 【特集4】3月のイベント情報

【特集1】買い物情報

カランコエ‘ウェンディー’ (Kalanchoe ‘Wendy’)

 マダガスカル島〜南アフリカ原産のベンケイソウ科の多肉植物。原色でカラフルな色合いのものから、ベル咲きでシックな色合いのもの、全体的に白く粉の吹いたような白銀の美しい葉色を楽しむものもあり、一鉢で楽しむこともさながら寄せ植えにも映えます。室内の観葉植物で作る寄せ植えの彩りに最適です。12〜1月から園芸店で見かけますがこれは温室で育てたものなので、冬の寒い時期は室内の日当たりのよいところに置きます。自然の開花期は3〜5月です。多肉植物なので乾燥に強いですが過湿に弱く、水やりは鉢土が乾いてから施します(冬はさらに数日おいてから)。6月頃全体の半分くらいに切り戻し、一回り大きな鉢に植え替えます。


▲カランコエ‘ウェンディー’
釣鐘のような花

●プリムラ・マラコイデス‘ウィンティー’ (Primula maracoides)

 従来にはなかったライムグリーン色の新品種です。耐寒性に優れており、冬の屋外や半日陰でも十分育ち、冬の庭やコンテナを明るく彩ります。夏の高温に弱いので、屋外の風通しの良い場所で育てます。水を好みますので、用土は極端に乾かさないようにしましょう。


▲プリムラ・マラコイデス‘ウィンティー’
ライムグリーン色

●セイヨウオダマキ (Aquilegia sp.)

 北半球広く原産のキンポウゲ科の宿根草。多年生ですが3〜4年で老化するので増やす場合は株分けか種をまきます。鉢植えの場合9〜10月に伸びすぎた細い根を切り、太い根は傷つけないようにして植え替えます。寒さに強いですが夏の暑さに弱いので、西日の当たらない所で水はけのよい土で育てます。


▲セイヨウオダマキ
シックな赤・青・黄の多彩な色があります。

▲セイヨウオダマキの花
ユニークな形、一重〜八重まであります。

ローダンセマム‘アフリカンアイ’ (Rhodanthemum ‘African eye’)

 北アフリカ山地原産のキク科耐寒性宿根草。花後に株分けし、茎数を1/3ほど間引いて、ひとまわり大きな鉢に植え替えると良いでしょう。日当たりを好みますが、過失に弱いので水やりも控えめし、長雨のときは軒下に取り込んで避難させます。4〜5月、挿し芽で増やせます。


▲ローダンセマム‘アフリカンアイ’
白銀の葉色が美しく、上品な株
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【特集2】季節の手入れポイント

<庭木・花木の手入れ>
 落葉樹の剪定を済ませていない方は3月初旬に済ませましょう。木々の萌芽が始まると、アブラムシなど害虫類が発生しだします。早めに見つけてスミチオン、オルトランなどの殺虫剤を散布します。
○ウメ・マンサク・ロウバイ・サンシュユの花後の手入れ 
 ウメは花の咲いた枝を2、3芽残して切り、長い枝は切り詰めます。マンサクは自然樹形で育て、根元から出た徒長枝は3月中に間引きます。2、3年に1回、芽吹き前に強い剪定をしてよい枝を出させます。ロウバイは太い勢いのある枝を大切にします。枝先を軽く切り詰め、込みすぎたところの枝や細枝を間引くようにします。サンシュユも同様で、強い芽が出るように間引きと切り詰めをします。
○樹木の購入
 3月は落葉樹、常緑広葉樹の植え付けの時期で、針葉樹の植え付けも始められます。お彼岸を中心に春の植木市が開かれるので、なるべく早く行って、よい木を選びましょう。よい木の条件は枝が四方に張っていて、幹などに傷がないこと、根鉢がしっかりしていて、細根が多いことです。根の状態がわからない場合は、幹や葉の勢いのよいものを選べば、失敗が少なくなります。
花鉢物の管理
  園芸店でも、外で育てられる鉢物が多くなってきましたね。ただ、もともと温室で栽培されたものですから、いきなり外に置くのは避けましょう。特に春先は風の強い日が多いので注意が必要です。晴れた暖かい日は風の当らない日なたに置き、夜間や風の強い日は、暖房の風が直接当らない室内で保護するのがベストです。これまで、室内で育ててきた鉢も、同様に少しずつ外の空気に慣らしてゆきましょう。

シネラリア(キク科)
 本来は宿根草ですが、カナリア諸島原産ですので寒さ暑さに弱く、日本では1年草として扱われていす。葉が大きいので水切れに弱く、特に風が強いとすぐに水切れして葉がしおれます。風の強い日と寒い夜は室内に取り入れましょう。花が終わったら、早めに花茎を根元から葉っぱ3枚ぐらい残して切り戻すと、2番花を伸ばしてくれます。切り戻しと同時に液肥を追肥します(2週間に1回くらい)。
マーガレット(キク科)
 これも、カナリア諸島原産ですがシネラリアよりは丈夫です。白色のほか、桃色、黄色の品種も普及してきました。寒さには強いほうなので、直接霜に当てないようにすればよいものです。小さいポットに植えられているものは、根詰まりしている場合が多いので、入手したら根鉢を崩さずにひと回り大きな容器に植えなおすとよいでしょう。開花期間中、2週間に1回液肥を追肥します。
そのほかの鉢物の管理
 エレモフィラ、ボロニア(ミカン科)、ハーデンベルギア(マメ科)、レシュノルティア(初恋草、クサトベラ科)、ペーパーカスケード(キク科)、エリカ(ツツジ科)などオーストラリア、南アフリカ原産の鉢物は、水のやりすぎに注意。鉢の土が乾きだしてきてから、水やりするようにします。
 クンシラン(ヒガンバナ科)はそろそろ、花芽が上がってくる頃、クジャクサボテン(サボテン科)も花芽が作られる頃ですので、日によく当てるようにしましょう。ともに肥料は不要です。

<花壇・ガーデニング>
そろそろ家庭菜園も本格的に稼動を始めます。まずは野菜の種子まき。ホウレンソウ、カブ、コマツナは露地で、ネギ、パセリはトンネルでまきます。パセリは本葉1、2枚で移植します。
 種子まきは苦手という方は、苗から始めましょう。双葉が黄化せずしっかりついているものを選び、遅霜の恐れがなくなってから定植します。
ハーブでは、ミント類、レモンバーム、タイム類、ロケット、チャービルの種子がまけます。平鉢にまき、風の当らない日溜りで管理します。遅霜の心配があるときは室内や軒下に取りこみます。
 また、春苗を植えて短期間で収穫が楽しめる種類を紹介します。ただしこの場合入手は無農薬であることを確認しましょう。はっきりしない場合は、入手してから3週間ほどおいてから利用したほうが安全です。
○ワイルドストロベリー
 日当たりからやや半日陰になる腐植質に富んだところが適地。すぐに子苗を出すので、株間をあけましょう。なお、花が黄色いものは別属(ヘビイチゴ属)ですから注意します。果実は生食、葉はティーに。
○ミント類ペパーミント、スペアミントなど)
 半日陰のところで、水を切らさないように。生育が早いので、苗からすぐに大きくなり、挿し芽でよくふやせます。葉や剪定でつんだ芽をティーに。
○ナスターチウム
 蕾付きの株が売られています。日当たりのよいところで雨を当てないように。チッ素肥料は避け、水はやや控えめに。花や葉をサラダなどに。
○セージ(コモンセージ) 
日当たりのよい肥沃なところで、やや水を控えめに。摘み取った葉を料理やティーに。
○ローズマリー 
 花つき株が売られています。日当たりのよいところで、水はやや控えめに。花や葉を料理の香り付けに使いますが、少量で十分に香るので苗の間は葉を摘み過ぎない様に。
○サラダバーネット 
 日当たりのよい肥沃なところで庭植えに。鉢植えの場合は水切れに注意。伸びた葉を摘み取り、サラダや肉・魚料理に。
○イタリアンパセリ 
夏に枯れる2年草です。鉢植えで半日陰に置き、水切れに注意します。伸びた葉を摘み取り、スープやサラダに。
○ロケット(ルッコラ)とチャービル
 この2種は種子をまいて3週くらいで利用できるようになります。半日陰で水を切らさないように管理します。

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【特集3】通信販売のご案内

 日本園芸協会代理部では、庭での作業がはかどる園芸資材をご紹介しています。ぜひご利用ください。


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注文先:日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)
TEL:0120-22-1128
FAX:0120-161-418
E-mail:info@catalog-shopping.co.jp

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【特集4】イベント情報

北海道
札幌市
札幌市緑化植物園豊平公園
クリスマスローズ展
期間:2月27日〜3月4日
ボタニカルアート展
期間:3月13日〜25日
お問い合わせ
TEL:011-811-6568
URL:https://www.sapporo-park.or.jp/toyohira/
茨城
水戸の梅祭り 期間:2月17日〜3月31日
場所:常磐市・偕楽園・弘道館
URL:http://www.mitokoumon.com/festival/ume.html
群馬
第11回ららん藤岡ぐんまの洋蘭展 期間:3月16日〜25日
場所:藤岡市・藤岡クロスパーク内 ららん藤岡 花の交流館
TEL:0247-24-8220
URL:http://www.laranfujioka.com/
栃木
栃木市
とちぎ花センター
洋ラン展〜華麗なる花の貴婦人たち〜
期間:2月24日〜4月22日
お問い合わせ
TEL:0282-55-5775
URL:http://www.florence.jp/
埼玉
さいたま市
大宮盆栽美術館
シリーズ・現代の盆栽家 竹山浩―自然を巡る、雑木の匠
期間:2月16日〜3月14日 ※週ごとに展示替え有
お問い合わせ
TEL:048-780-2091
URL:http://www.bonsai-art-museum.jp/
川口市
川口緑化センター「樹里安」
放春(ぼけ)・地梨(しどみ)展
期間:3月9日〜11日
雪輪草と山野草展
期間:3月10日、11日
お問い合わせ
TEL:048-296-4021
URL:http://www.jurian.or.jp/
東京
元気なシニア牧野富太郎 −大泉での研究生活− 期間:2月3日〜3月31日
場所:立川市・国営昭和記念公園「花みどり文化センター」
TEL:03-6904-6403
URL:http://www.makinoteien.jp/
第72回JOGA洋らん展 期間:3月9日〜12日
場所:練馬区・練馬区立牧野記念庭園記念館
TEL:03-3303-9554
URL:https://www.joga.or.jp/
春の花々とクレマチス展 期間:3月16日〜17日
場所:豊島区・サンシャインシティ 噴水広場
URL:http://www.sunshinecity.co.jp/
新潟
第41回日本ボケ展 期間:3月2日〜11日
場所:新潟市・うららこすど
TEL:0250-38-5430
Akihaクリスマスローズ展 期間:3月3日〜4日
場所:新潟市・新潟市食育・花育センター
TEL:0250-25-5340
滋賀
第67回 長浜盆梅展 期間:1月10日〜3月11日
場所:長浜市・慶雲館
TEL:0749-65-6521
URL:http://bonbai.jp/
京都
京都市
京都府立植物園
早春の草花展
期間:2月9日〜3月11日
お問い合わせ
TEL:075-701-0141
URL:http://www.pref.kyoto.jp/plant/
大阪
大阪市
咲くやこの花館
春の洋ラン展
期間:3月13日〜18日
春蘭展
期間:3月24日、25日
お問い合わせ
TEL:06-6912-0055
URL:http://www.sakuyakonohana.jp/
河内長野市
大阪府立 花の文化園
南大阪最大規模の施設型イルミネーション「奥河内イルミナージュ」
期間:12月15日〜3月4日
お問い合わせ
TEL:0721-63-8739
URL:http://gfc-osaka.com/
うめきたガーデン「真冬のチューリップ祭り」 期間:2月3日〜3月18日
場所:大阪市・うめきたガーデン
TEL:06-6633-2274
URL:http://umekita-garden.com/
未生流中山文甫会創立60周年記念花展「あち・こち・はな・はる」 期間:3月14日〜19日
場所:大阪市・大阪なんば島屋7階
兵庫
宝塚市
あいあいパーク
オリーブ&デザットプランツフェア
期間:3月17日〜4月8日
春の洋ランフェア
期間:3月24日〜4月8日
お問い合わせ
TEL:0797-82-3570
URL:http://www.aiaipark.co.jp/
広島
広島市
広島市植物公園
ゼラニウム展
期間:3月10日〜4月18日
お問い合わせ
TEL:082‐922-3600
URL:http://www.hiroshima-bot.jp/
高知
高知市
高知県立牧野植物園
第12回 ラン展−蘭・麗しの香り−
期間:2月3日〜25日
お問い合わせ
TEL:088-882-2601
URL:http://www.makino.or.jp/
熊本
熊本らん展 期間:3月23日〜25日
場所:熊本市・平田ナーセリー熊本店
TEL:0942-47-3810
URL:https://hirata-ns.com/index.html
長崎
100万本の大チューリップ展 期間:2月10日〜4月15日
場所:佐世保市・ハウステンボス
URL:http://www.huistenbosch.co.jp/event/

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