日本園芸協会

園芸ファン通信 VOL.214 【9月号】

 まだまだ暑い日が続きます。今年の夏も暑かったので、植物にもそのダメージが現れる頃です。これから台風のシーズンもきますので、しっかりと対策をたてていきましょう。

★今号の記事一覧★

  1. 【特集1】買い物情報
  2. 【特集2】季節の手入れポイント
  3. 【特集3】秋の草花鉢物の入手と管理法
  4. 【特集4】カラーリーフのグラス類
  5. 【特集5】宿根草や熱帯花木の挿し芽・挿し木
  6. 【特集6】通信販売のご案内
  7. 【特集7】イベント情報
  8. 【特集8】日本園芸協会機関誌のご案内

【特集1】買い物情報

●セントオーガスチングラス(Stenotaphrum secundatum)

アメリカ南部〜熱帯アメリカ原産のイネ科の多年草です。和名はイヌシバで、芝生として利用される場合もありますが、丈夫で茎を長く出すので寄せ植えや吊鉢などの鉢植え、室内の観葉植物としても利用されます。

セントオーガスチングラス
▲セントオーガスチングラス
オリヅルランにも似ていますがシバ属です。

●ルブス・カリシノイデス(Rubus calysinoides)

台湾原産のバラ科の常緑低木です。つるをのばし、長いものでは2mくらいまで地を這うようにのびていきます。耐寒性、耐暑性に優れて管理がしやすいです。葉はちりめん状のしわを持つユニークな形状で、低温にあたると、赤く色づき、やがて銅色に変化します。寄せ植えに利用すると、長期間で葉色の変化が楽しめます。

ルブス・カリシノイデス
▲ルブス・カリシノイデス
常緑だと地味ですが、この後の葉の変化がおもしろいです。

ポーチュラカ(ピンク葉)

熱帯、亜熱帯に分布するスベリヒユ科の多年草です。こちらは斑入りで葉や茎がピンク色に色づいている品種です。ポーチュラカは暑さに強いので、夏の花壇に最適です。花もビビッドなピンク色で次々と咲かせ、夏の暑さを元気に盛り上げてくれます。

ポーチュラカ
▲ポーチュラカ
見ているだけで元気になるピンク色
ポーチュラカ花
▲ポーチュラカ 花
毎日次から次へと咲かせます
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【特集2】季節の手入れポイント

<花壇・ガーデニング>

 そろそろ秋のガーデニングがシーズンインです。秋花壇をこれから作るなら、ジニアサルビアマリーゴールドコスモスなど秋遅くまで咲き続けてくれる種類を選びましょう。
 また、来年の春花壇を考える時期です。最近はナチュラルガーデンにチューリップスイセンなどの球根類を取り入れる方が多くなっているようです。チューリップならアクミナタやユリ咲きのやさしい草姿のもの、スイセンならばジョンキラやキクラミネウス、トリアンドロスなどの原種系が使いやすいですね。もちろん大輪系でも、1か所に数球ずつ植えるようにすればよいでしょう。
 秋の種子まきは、日中の最高気温が25℃以下になったころが目安です(例年ですと、9月15〜20日ごろから)。また、この頃が熱帯花木類や宿根草類、ハーブ類の挿し木・挿し芽ができる時期です。

<花木・庭木>

 そろそろ本格的な台風シーズンに入ります。庭や建物などで、補強や手入れの済んでいないところがないか、早めにチェックしておきましょう。
 クチナシ類ではオオスカシバの発生期です。油断すると丸裸にされてしまいますから、スズメバチに似たガが飛んでいたら要注意です。小さなときは殺虫剤、大きくなった場合は、箸でつまんで退治します。ツバキサザンカではチャドクガが発生します。なるべく小さなときに見つけて、オルトランやスミチオンなどの殺虫剤を散布します。また、収穫の済んだ果樹類ではお礼肥を与える時期です。

<花鉢物・観葉植物>

  クリスマスローズは秋になると根が動き出します。鉢替えや株分けは早めに済ませましょう。
 短日(夜が長くなる)で花芽形成するポットマムポインセチア初恋草カランコエには夜間の照明を避けましょう。ミヤコワスレシャコバサボテンも花芽形成時期です。よく日に当てるようにし、水やりを控えめにします。やはり充実期のノビル系デンドロビウムオンシジウムも同様の管理です。夏の間、半日陰に移しておいた鉢物類も、直射日光に弱いもの以外は日向に出すようにします。なお、ポインセチアカランコエは、普通に管理していたのでは、クリスマスのシーズンに花(や苞葉)が咲かないことがあります。こうした種類を上手に楽しむためには、短日処理を行うのが確実です。ポインセチアは1か月半くらい、カランコエは1か月くらい短日処理をします(夕方の5時くらいから翌朝9時くらいまで、上から箱をかぶせて光を当てないようにします)。

<家庭菜園・ハーブ>

 今月も秋冬野菜の種まきの時期。シュンギクは10月上旬、ホウレンソウは10月一杯にまけばよいでしょう。ダイコンハクサイレタスキャベツブロッコリーの苗は9月上旬に畑に定植します。ナスピーマンオクラは中旬に化成肥料を追肥し、土寄せしておきます。
 ハーブでも残暑が収まり、気温が25℃以下になったら種子まき、挿し木ができます。また、花茎の出てきたバジルや夏越しできたナスターチウムは、切り戻ししておきましょう。

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【特集3】秋の草花鉢物の入手と管理法

 リンドウコスモスクジャクアスターシュウメイギクジョウロウホトトギスなど、いかにも秋を感じさせてくれる草ものの鉢植えが出回ってきました。良品は、下葉までよく葉がついていて、しおれたり縮れたりした葉がないものです。

<種類別の管理法>

●宿根アスター 
 ユウゼンギクやミケルマスデージーなどシオン属を宿根アスターと呼んでいます。置き場所は日向から半日陰程度で。株が込んでいる場合は、一回り大きな鉢に植え直します。高性(背が高い)の場合は、鉢が倒れやすいので、鉢ごと一回り大きな鉢に入れておくとよいでしょう。エゾギクもアスターと呼ばれますが、こちらは別属(Callistephus)で一年草です。
●リンドウ
 日向に置き、水切れに注意します。強健で育てやすい種類ですが、蕾は日が当たらないと開きません。
●ケイトウ
 ケイトウには赤や黄色に色づいた葉を観賞するハゲイトウと花穂を観賞するトサカケイトウがあります。株の大きさの割に小さめの鉢に植えられていることがほとんどなので、入手したら1〜2回り大きめの鉢に植え替えるようにします。
●シュウメイギク
 大株は水切れに注意。強い風の当たらない日向に置き、根が強いので一回り大きな鉢に植え直すか庭植えにします。

※なお、コスモス宿根アスターなど次々に花が咲き続ける種類には、液体肥料を2週間に1回追肥します(そのほかの種類には、花の時期には肥料は不要)。水やりは、鉢土の表面が白く乾いてきてからたっぷりと与えるようにします。

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【特集4】カラーリーフのグラス類

 グラス類の人気が高まっています。これまでは日本原産のススキや南アメリカ原産のパンパスグラスくらいしか作られていませんでしたが、葉色の変わった種類が出回り始め、庭や寄せ植えに使われるようになりました。

<グラス類の栽培ポイント>

●植え場所
日当たりのよい排水のよい適湿地。
●植え付け方法
適期は春か秋。ポットから抜き、根鉢を1/3〜1/2ほどほぐして植えつけます。
●施肥と水やり
施肥は春先にマグアンプKなどの固形肥料をひとつまみほど根元にばら撒けばよいでしょう。水やりは植え付けた年は、1週間以上日照りが続いたときに、様子を見ながら(葉がしおれ加減になったら)、与えます。2年目以降は原則不要です。鉢植えの場合は、土が乾いてきたら与えるようにします。
●そのほか
繁殖力が強いので、株が広がったら困る場合は、プラスティック板(30cm深さ)で根を囲んで外に伸びないようにしておきます。
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【特集5】宿根草や熱帯花木の挿し芽・挿し木

 残暑がひと段落すると、挿し芽・挿し木の時期です。宿根草類や熱帯花木の伸びすぎた枝や茂りすぎた枝は、切り取って挿してふやしましょう。また、ニューギニア・インパチエンスポーチュラカなど寒さに弱い宿根草は、秋に挿し芽した苗で越冬させると、場所をとらず便利です。

<挿し芽・挿し木できる種類>

 ユリオプシス・デージー、マーガレット、木立ベゴニア、ゼラニウム、ストレプトカーパス、トラディスカンチア、ヘリオトロープ、ニューギニア・インパチエンス、クジャクサボテン、ハイビスカス、フクシア、ハーブのミント類、タイム類、セージ類、マジョラム、ラベンダー類、ローズマリーなど

<挿し芽の仕方>

  • 用土
     清潔な川砂、バーミキュライト、鹿沼土など 
  • 挿し床
     駄温の平鉢、イチゴパック(底に水抜きの穴を開ける)
  • 穂木の調整と水揚げ
     切り口を刃の鋭いナイフやカミソリで切り戻し、穂木の長さを7、8センチに調節します。茎の下1/3ほどの葉を切り除き、1時間ほど水を入れたコップなどに挿して水揚げします。
  • 挿し方
     箸などで穴を開けてから、穂木を1/4〜1/3挿しこみ、元を指で押さえます。
  • 挿し芽後の管理
     細かめのジョウロで、たっぷりと水やりし、あとは強い風の当たらない半日陰のところで管理します。挿し床の表面が乾きかけてきたら、細かめのジョウロで水やりします。早いものなら2、3週間、遅いものでも1か月半ほどで発根します。
  • 発根後の管理
     新しく芽が動いてきたら、根が出ていることを確かめ(根元の土を少し掘ってみる)、薄い液肥(規定の2倍)を与えます。冬はそのままの鉢で冬越しさせます。寒さに弱い種類は室内で、寒さに強い種類も、風の当たらないところで保護したほうがよいでしょう。
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【特集6】通信販売のご案内

 日本園芸協会代理部では、庭での作業がはかどる園芸資材をご紹介しています。ぜひご利用ください。


http://www.catalog-shopping.co.jp/shop/eg1/index.html


注文先:日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)
TEL:0120-22-1128
FAX:0120-161-418
E-mail:info@catalog-shopping.co.jp

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【特集7】イベント情報

   
北海道
札幌市
札幌市緑化植物園豊平公園
サボテンと多肉植物展
期間:9月4日〜9日
おもと秋季展
期間:9月22日〜24日
秋のミニ盆栽と山野草展
期間:9月28日〜30日
お問い合わせ
TEL:011-811-6568
URL:https://www.sapporo-park.or.jp/toyohira/
秋田
バラフェスタ “秋を彩る” 期間:9月29日〜10月28日
場所:大仙市・秋田県立農業科学館
TEL:0187-68-2300
URL:http://www.obako.or.jp/sun-agrin/
茨城
石岡市
茨城県フラワーパーク
ダリアまつり
期間:9月8日〜11月4日
秋バラまつり
期間:9月20日〜11月4日
お問い合わせ
TEL:0299-42-4111
URL:http://flowerpark.or.jp/
埼玉
さいたま市
大宮盆栽美術館
企画展「<盆栽>の物語」
期間:9月8日〜10月14日
お問い合わせ
TEL:048-780-2091
URL:http://www.bonsai-art-museum.jp/
千葉
佐倉市
国立歴史民俗博物館(くらしの植物苑)
伝統の朝顔
期間:7月31日〜9月9日
お問い合わせ
TEL:043-486-0123
URL:http://www.rekihaku.ac.jp/
東京
夏休み特別企画「ドクターマキノと道草たんけん」-空飛ぶ胴乱号にのって- 期間:7月14日〜9月24日(火曜日休館)
場所:練馬区・練馬区立牧野記念庭園記念館
TEL:03-6904-6403
URL:http://www.makinoteien.jp/
いけばな×百段階段2018 期間:9月21日〜11月21日(木曜休館)
場所:目黒区・ホテル雅叙園東京
TEL:03-3491-4111
長野
第50回信州フラワーショーサマーセレクション 期間:9月6日〜7日
場所:長野市・JA長野県ビル「アクティーホール」
TEL:026-236-2250
静岡
浜松市
はままつフラワーパーク
遠州の自然展
期間:9月7日〜9月30日
お問い合わせ
TEL:053-487-0511
URL:http://e-flowerpark.com/
愛知
名古屋市
東山植物園
カンアオイと柄物植物展
期間:9月19日〜24日
ボタニカルアート展
期間:9月26日〜9月30日
お問い合わせ
TEL:052-782-2111
URL:http://www.higashiyama.city.nagoya.jp/
第42回日本生花司松月堂古流いけばな展 期間:9月5日〜10日
場所:名古屋市・名鉄百貨店7階催場
京都
京都市
京都府立植物園
植物画展
期間:9月20日〜30日
水草展
期間:9月21日〜23日
名月鑑賞の夕べ
期間:9月24日午後6時〜8時30分
お問い合わせ
TEL:075-701-0141
URL:http://www.pref.kyoto.jp/plant/
大阪
大阪市
長居植物園
〜花香の世界〜第9回香りの博覧会 in Osaka
期間:9月19日〜24日
お問い合わせ
TEL:06-6694-8788
URL:http://www.nagai-park.jp/
大阪市
咲くやこの花館
虫を食べる植物展
期間:7月3日〜9月24日
お問い合わせ
TEL:06-6912-0055
URL:http://www.sakuyakonohana.jp/
兵庫
宝塚市
あいあいパーク
オリーブ&デザットプランツフェア
期間:9月5日〜24日
山野草と日本の雑木フェア
期間:9月15日〜30日
秋の球根・種フェア
期間:9月15日〜10月28日
秋の洋ランフェア
期間:9月22日〜10月8日
お問い合わせ
TEL:0797-82-3570
URL:http://www.aiaipark.co.jp/
加西市
兵庫県立フラワーセンター
サラセニア品種展示
期間:4月22日〜11月4日
食虫植物特別展示
期間:7月21日〜9月11日
お問い合わせ
URL:http://www.hyogo-park.or.jp/flower-center/
2018ひょうごまちなみガーデンショーin明石 期間:9月22日〜30日
場所:明石市・県立明石公園、明石市立花と緑の学習園、中崎公会堂ほか
TEL:078-918-2405
URL:http://www.hyogohanamachi.jp/gardenshow/
広島
広島市
広島市植物公園
薬用植物展
期間:9月8日〜27日
お問い合わせ
TEL:082‐922-3600
URL:http://www.hiroshima-bot.jp/
山口
第35回全国都市緑化やまぐちフェア(山口ゆめ花博) 期間:9月14日〜11月4日
場所:山口市・山口きらら博記念公園
TEL:078-918-2405
URL:http://yumehana-yamaguchi.com/
長崎
花の大運河 期間:9月1日〜30日
場所:佐世保市・ハウステンボス
URL:https://www.huistenbosch.co.jp/
世界フラワーガーデンショウ 期間:9月29日〜11月4日
場所:佐世保市・ハウステンボス
URL:https://www.huistenbosch.co.jp/
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【特集8】日本園芸協会機関誌のご案内

 「植物と園芸を学ぶ、楽しむ専門誌」プランツ&ガーデン秋号(178号)が発行されています。
 特集『生垣の作り方』では、トキワマンサクやギンバイカ、トウカエデなど、ぜひ生垣にしてみたい樹種の紹介と、生垣の作り方のコツが学べます。
 また、菜園の支柱の結び方が学べる『庭で役立つロープワーク』、農薬の専門家による『サインを見逃すな!病害虫防除法』など、庭木の手入れ・日本庭園・病害虫などに関する情報も盛りだくさんです!

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毎月の植物の手入れ方法をご紹介する「季節の園芸作業」はこちらから。
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