園芸ファン通信 VOL.53
秋もだいぶ深まってきたようです。
今年は、観測史上記録的な猛暑に、やはり記録的な数の台風の襲来があったのですが、
紅葉の具合はどうなのでしょうか。気になりますね。
■秋の山野草
秋が深まってから花を咲かせてくれる山野草類を紹介します。
ガーデンセンターや山野草の展示即売会で、入手することができるはずです。
●ダイモンジソウ(ユキノシタ科)
“大”の字に似た可愛らしい小花を多数つける。
花色は白色が基本だが、桃色や紅色の花色のものや八重咲き、
フリンジ咲きの品種も作られている。
置き場は半日陰がよく、水切れさせないように注意。植え替えは毎年4月。
紅色のダイモンジソウ
●イトラッキョウ(ユリ科)
小型で可愛らしいネギ(アリウム)の仲間。
寒さに強く、日当たりと通風を好むので1年中、棚上で管理する。
排水のよい用土にやや密植気味にするとよい。
植え替えは2年に1回(春か秋)。ヤマラッキョウ類も同様に育てられる。
平鉢に密植させたイトラッキョウ
●ノギク類(キク科)
日本の野生キクの中でもノジギク類、コハマギク、ダルマギク(エゾギク属)などは、
可憐な花に小型の草姿で人気がある。
5〜6月に挿し芽をして、小鉢で仕立てるとよい。
管理は1年中日当たりと通風のよい棚上で。
夏は鉢が小さいので水切れさせないように注意する。

小型で風情のあるアシズリノジギクと淡紅色の大きな花が特徴のピレオギク
☆新しく入手した鉢の管理
ポット植えの花付き株を入手した場合は、花が終わってからか、
早春に山草鉢などに植え直す。
春までは肥料は不要、水やりは鉢の土が乾いてきたら行う。
■ワイルドストロベリーの育てかた
ハーブの中でも、花がきれいで、果実がおいしく、
葉はティーなどに使えるワイルドストロベリーが人気ですね。
今、植えれば、初夏に可愛らしいイチゴが収穫できます。
<栽培のポイント>
●入手 寒くなる前の今頃がよく、あとは春(3、4月)。
苗はあまり葉の軸が長くなく、葉も大きすぎないものを選びます。

ワイルドストロベリーの苗は、葉が小さめのものがよい
●鉢と用土
プラ鉢でも駄温鉢でもよく、大きさは4号鉢に1株植えくらい。
プランター(長さ60センチ)ならば2、3株植え。
用土は、庭土や赤玉土に堆肥や腐葉土をすきこんで、
貝石灰などの石灰分を一握り加えればよいでしょう。
●植え方
用土にマグアンプKなどのリン酸とカリ分の多い粒状肥料を一つまみ混ぜてから、
根を広げて浅めに植え付けます。
●庭植え
日向から少し陰になったところか、背の高い落葉樹の下などの半日陰がよいでしょう。
日陰過ぎると果実が成りにくいので注意します。
土には堆肥や腐葉土に、石灰分を一握くわえて混ぜておきます。
株間はランナーを出して茂りますので、30センチくらい。密植すると、風通りが悪くなり、
病害虫の発生が多くなります。
●施肥と水やり
追肥は、春(3月)と秋(9月)にマグァンプKなどの緩効性固形肥料を一つまみほど
与えればよいでしょう。肥料(特に窒素肥料)が多すぎると、花が咲かなくなったり、
果実が大きくならないことがあります。水やりは土が乾いてからたっぷり与えるのがポイント。
土がいつも湿っているのは、よくありません。
庭植えでは、特に乾燥した時以外は、水やりは不要です。
●その後の管理
寒さには強いので冬も外に出しておいて大丈夫です。
冬に暖かい室内に取り込むと、花が咲きにくくなります。葉が古くなったら切り取ります。
●病害虫防除
アブラムシが付いたら生の牛乳を霧吹きでスプレーすればよいでしょう(1週間おきに2、3回)。
夏に葉裏にハダニが付いた場合(葉に白っぽい斑点ができる)
は牛乳やコーヒーの飲み残しのスプレーするか、ホースで葉裏を洗います。
葉や果実にカビが生えてきたら(灰色かび病など)、切り取って処分します。
果実のない時期なら、殺菌剤(ベンレートなど)の散布をしましょう。
●利用
果実はイチゴと同様に生食やジャムに。
葉(フレッシュまたはドライ)はティーや歯垢取りに、ドライにしてポプリにも使えます。
■園芸イベント情報
●国営昭和記念公園に『盆栽苑』オープン
日本で最初の国立の盆栽展示場が、この11月3日、東京都立川市の国営昭和記念公園の
日本庭園内に誕生します。
専門家(日本盆栽協会など)が厳選した61点の名盆栽が常設展示されるそうです。
国営昭和記念公園は、JR青梅線の西立川駅前(JR中央線立川駅から1駅目)。
入場料は、5歳以上の大人は400円、6歳〜14歳までは50円、6歳未満は無料です。
●菊花展情報
そろそろ、菊花展の開かれる季節になりました。
協会のホームページ“季節の園芸作業”の10月号に
主要な菊花展のスケジュールが載っていますので、ご覧ください。
昨年(平成15年)の全菊連全国大会(愛知県津島市)
他にも、日本園芸協会のホームページには役立つ園芸情報をたくさん掲載しています。
毎月の植物の手入れ方法をご紹介する「季節の園芸作業」はこちらから。
http://www.gardening.or.jp/colum/index.html
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