日本園芸協会
日本園芸協会
植物博物館  http://www.horcul.com/top/

 園芸ファン通信 VOL.56

今年の冬は、暖かかったのか寒かったのか分からないですね。
ただ、庭の樹や草花の咲き具合を見ていると、それぞれ、若干咲き出すのが早いよう な感じです。
そろそろ天気図も、気圧の移り変わりが多い春型になって来ているようです。
芽が動き出した後に春の嵐にあったりすると、せっかくふくらんだ蕾や芽が痛むこと がありますから、
天候の変化には気をつけましょう。

GARDEN BOOK 2005 発売中
GARDEN BOOK 2005
当協会主催の「全国ガーデニングコンテスト2004」の全入賞者のお庭の写真、
庭作りについてのコメント、先生方の講評などを掲載した「ガーデンブック2005」
が発売になりました。
全ページカラーで、すばらしいお庭の写真や図面、コメントなどを掲載しています
ので、ガーデニングの参考書としても大変役立つ一冊です。

詳しくはこちらからごらんください。
http://www.gardening.or.jp/books/garden/index_2005.html

■新しいプリムラと球根鉢物の管理

春らしい鉢物というと、プリムラ(サクラソウ)と チューリップなどの球根ですね。

<新しいプリムラ>
プリムラは、最近、新しい種類が出回り出して人気を呼んでいます。

●プリムラ・フィルケネラエ(雲南サクラソウ)
プリムラ・フィルケネラエ
中国の西南部原産で、雲南サクラソウとも呼ばれています。
学名は Primula filchnerae、香りがよく、花や葉はマラコイデスよりも繊細で、丈 はやや高くなります。
夏は半日陰の風通りのよい涼しいところで過ごさせれば、夏越し しますが、枯れや すいので、毎年種子を採って実生で育てるのがよいでしょう。
種子まきは7〜9月です。春の間は肥料を切らさず(液肥ならば2週間に1回、 固 形肥料ならば月1回)、水やりは過湿に弱いので、鉢土が乾いてからたっぷりと 行 います。
置き場所は日当たりがよく、強い風の当たらないところにしましょう。


●プリムラ・シネンシス・スタラータ
プリムラ・シネンシス・スタラータ
最近、よく出回っているプリムラ・シネンシスの星咲きの系統。
「雪桜」という商品名がつけられています。
花付がよく、草丈はやや大型で、葉の切れ込みがやや浅い感じ。
管理はプリムラ・フィルケネラエと同様。


<球根鉢物の手入れポイント>

●水を切らさない
球根類の鉢物は、見栄えを上げるため、普通に栽培するときよりも球数が多く キツ キツに植えられています。
そのため、水が多く必要で、朝たっぷりと与えても 夕方までに乾いてしまうことが あります。
一度水切れさせると、花が早く散ってしまいます。特に風の強い日は要注意です。

●高温乾燥に注意
暖房を入れている室内に置くと、チューリップなどには高温で乾燥しすぎていて、花 が早く終わってしまいます。
置き場所は、強い風の当たらない陽だまりの軒下 などで、特に冷え込む夜だけ暖房 の入っていない玄関などに取り込みます。

●花後の管理
球根類の鉢物は、植えられた球根の数に比べて鉢が小さいので、どうしても球根の太 りが悪くなります。
スイセンやヒアシンスは多少球根が小さくなっても花が咲き ますし、翌年1年肥培 すれば回復します。
花後は、花がらを摘み、2週間に1度、規定の倍率に薄めた液肥(固形肥料ならば、 緩効性の粒状肥料を月1回)を施して、肥培しましょう。
ただ、チューリップは病気が出やすく回復が困難ですから、消耗品と考えるのがよい でしょう。
園芸店
では、球根鉢物が出盛り
園芸店では、球根鉢物が出盛り


■シャガイモの植えつけ

手軽に作れて、美味しく食べられるジャガイモの植えつけは3月一杯が適期です。
病気にかかっていない新しい種芋を入手し、植え付けたら、芽かきをしっかり 行うのがポイントです。


<ジャガイモの植え方>
1.日当たりと、水はけのよいところ。連作を嫌うので、 3、4年はジャガイモをはじめ同じナス科のトマト、ナス、トウガラシ、ピーマンな どが植っていない場所を選びます。

2.植え場所はあらかじめ土を耕してから、石灰をまいて、土を中和し、均 しておくようにしましょう。
少しおいて堆肥を混ぜ込みます。

3.大きなイモは、1個が30〜40グラムくらいの大きさになるように 4、5日前に2〜4分割しておきます。
切るときは、それぞれ切った芋の上の方に芽がくるようにしましょう。

4.植え穴は深さ20センチくらい掘り、底に堆肥を2掴みほどと化成肥料 を1掴み弱いれます。
少し土を戻してから芽を上にしてイモを置き、土をかぶせるのですが、全部は戻さ ず、4、5センチ浅くするのがポイントです。株間は30センチほどにしましょう。

ジャガイモ
の種子イモの切り方
ジャガイモの種子イモの切り方


<芽が出てからの手入れと収穫>
1.芽が伸びてきたら、勢いのよい芽を1、2本残して、他 の芽は元から引き抜きます。
同時に化成肥料を1掴みほど株元から少し離してばらまき、芽が5センチほど埋まる 程度土寄せします。

2.3週間ほどしたら、再度化成肥料を追肥し、また土寄せします。

3.花が咲いたら早めに摘み取ります。6月になり、葉や茎が黄色くなって きたら収穫です。
よく晴れた日にスコップやクワで掘り上げます。保存する場合は、乾かしてから冷暗 所で保存します。
このとき、イモを重ねないようにしましょう。


■季節の手入れポイント

●花壇・ガーデニング
風の強い日は別にして、晴れた日の日差しは春がもう、そこまで来ているような強さ です。
クロッカスは盛りを過ぎ、チューリップやスイセンの芽も土の上に出てきました。
これからは、花壇やプランター植えのパンジーなどの草花の株は 急に大きくなり、 水も多く必要になります。
水切れや肥料切れに注意しましょう。
茂りすぎた株は早めに枝を元から整理してやると、枝の更新にもなり、花数も 多く なります。

●花木・庭木
ロウバイやウメの開花は順調でしたが、その後は寒さが厳しくなりましたね。
とはいえ、庭ではサンシュユやミツマタなどが咲き始め、ジンチョウゲの蕾も大きく なってきました。
寒肥や薬剤散布、落葉樹の剪定を済まされていない方は、早めに済ませましょう。

●花鉢物
秋植え球根の鉢物やボロニア、初恋草などオーストラリア原産の鉢物が目立ちますね (管理は本文参照)。
また、ジュリアンやマラコイデスなどプリムラ類は大分安くなって、ハンギングや寄 せ植えに使いやすくなりました。
直接霜が当たらないところでは、花壇に植え込んでもよいでしょう。

●家庭菜園・ハーブ
家庭菜園もスタートの時期です。ニンジン、コマツナ、カブ、ダイコンなどが まき 時です。
ただ、霜の恐れがある間は、種子まきにはビニルトンネルか ビニルハウスを利用し ましょう。
また、ハーブ苗も出回りはじめます。 今の時期の苗はビニルハウスで育苗されたも のですから、1週間ほど外気温に馴らしてから(軒下などで)、定植します。


他にも、日本園芸協会のホームページには役立つ園芸情報をたくさん掲載していま す。
毎月の植物の手入れ方法をご紹介する「季節の園芸作業」はこちらから。

http://www.gardening.or.jp/colum/index.html


植物に関するいろいろな情報を満載したサイト「植物博物館」です。
植物を鑑賞したり、図鑑のように調べたり、様々な情報を無料で得ることができま す。

http://www.horcul.com/top/

園芸ファン通信を、テキスト形式でご希望の方は
お手数ですがこちらからお申し込みください。。
http://www.gardening.or.jp/mail/index2.html


【園芸ファン通信に関するご意見、ご要望】
info@gardening.or.jp

【登録解除、アドレスの変更】

http://www.gardening.or.jp/mail/index2.html

※このメールは、園芸ファン通信の配信を希望さ れた方にお送りしています。
※園芸ファン通信に掲載された記事を転載希望の方はご連絡ください。

※バックナンバーは下記でご覧になれます。  
http://www.gardening.or.jp/mail/index.html


日本園芸協会 〒151-8671 東京都渋谷区元代々 木町14-3  
http://www.gardening.or.jp