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 園芸ファン通信 VOL.82 【8月号】

なかなか明けてくれなかった今年の梅雨ですが、どうやら全国的に梅雨明けになったようです。
これからが夏本番。人間にも、植物にも厳しい季節ですが、共に元気に乗り切りたいものですね

【1】カラーコーディネートで夏を涼しく
・・・夏に涼しげな白色の草花


【2】夏の観葉鉢物の人気者
・・・レックスベゴニアと根茎性ベゴニア


【3】秋バラをより見事に咲かせよう
・・・バラの夏の剪定

【4】今年は台風の当たり年??
・・・早めに済ませる台風対策

【5】季節の手入れポイント
・・・
花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物、家庭菜園・ハーブ

夏に涼しげな白花の草花
■カラーコーディネートで夏を涼しく

蒸し暑い夏は、カラーコーディネートを工夫して、涼しさを演出しましょう。
候補は白系統の草花や葉物です。
花壇やプランターに白系統の花を集めて、ホワイトガーデンを作ったり、ブルーサルビアなどの青色や薄紫色の花と寄せ植えにするのもよいですね。
また、白い花は夜も目立ちますから、鉢植えにして夜間だけ室内で鑑賞したり、室内から見られる窓辺の近くに置くのも効果的です。

オイランソウ白花●サルビア白
同じサルビアでも色が変わるだけで、持ち味も変化します。栽培は赤色のサルビアと同じで強健。
夏の高温乾燥期はハダニが出やすいので、週に1回は葉裏にシャワーをするようにします。
メキシコ原産。シソ科。

サルビア白花
●オイランソウ白
北アメリカ原産の丈夫な宿根草です。
丈がありますので、自然風の花壇やボーダー花壇の背景に植えてもよいでしょう。
2、3年、植えっぱなしにしておくと、茂って花立ちがよくなります。ハナシノブ科。

ハツユキソウ
●ハツユキソウ
北アメリカ原産のユーホルビア・マルギナタ(トウダイグサ科)の葉に白覆輪が入った品種です。
花壇の縁取りや寄せ植えによいものです。
宿根草です。冬季は強い霜に当てないようにします。

セイロンライティア
●セイロンライティア
キョウチクトウ科の常緑低木。
高温には強いのですが強い日射には弱いので、夏は半日陰か明るい室内に置きます。
水切れさせると弱るので、水やりはたっぷりと行い乾かさないように注意してください。

夏の観葉鉢物の人気者
■根茎性ベゴニア

夏の室内鉢物に人気の出てきたのが観葉ベゴニア。
中でも、根茎性のベゴニアは涼しげな葉模様でよいですね。
種類も多いので、コレクションの楽しみもあります。今回はレックスベゴニアよりも小さな種類を紹介します。



<根茎性ベゴニア栽培のポイント>

根茎性ベゴニア「ザ・キッド」●置き場所
明るい日陰から木漏れ日が当たる程度の半日陰。


●水やり
鉢の土が乾いてきたらたっぷりと与えるのが基本。水やりが多いと根が痛みやすいので注意しましょう。
むしろ、乾かし気味のほうが安全です。
夏の間はハダニの防除を兼ねて、時々葉裏にシリンジ(霧吹きで)すると元気になります。


根茎性ベゴニア「モダン・タイムス」
●肥料
春から秋までは、置き肥なら2か月1回か、液肥なら2週間に1回与えます


●鉢替え
新しく出てくる葉が以前よりも小さくなってきたら、根詰まりのサインです(適期は4、5月)。根鉢の周りの土を1/3ほどほぐして落として、一回り大きな鉢に植え替えます(真夏の場合は、根鉢を崩さずに鉢替え)。


根茎性ベゴニア「ストリーキー・ジーンズ」●冬越し
5、6℃以上保てる室内で、レースのカーテン越しくらいの光に当てるようにします。
水やりは控えめにし(鉢土が白く乾いてきてから)、肥料は不要です。


●ふやし方
葉の大きなタイプは葉ざし(適期は5、6月)ができます。小葉は株分け(4、5月)がよいでしょう。


秋バラをより見事に咲かせよう
■バラの夏の剪定

ハイブリッド・ティーローズは、夏の終わりに剪定して、秋によい花を咲かせるようにします。


<剪定の時期>
関東地方以西では、8月25日〜9月15日ころまでが時期で、北の地方では早めに。
1日の最低温度が26℃以下に降りたころが目安です。

<剪定の仕方>
夏の剪定は、冬の剪定よりも軽く、枝全体の1/3程度を切り詰めればよいでしょう。
目安は、春に2番花を付けた枝の中間くらいです。小枝も、込みすぎたところ以外はなるべく残すようにします。

<剪定後の管理>
雨が多くなると病気が出やすくなるので、サプロールなどの殺菌剤を散布します。
夏の初めに肥料を与えていなかった場合は、液肥を追肥します。

<そのほかのバラの手入れ>
フロリバンダローズやイングリッシュローズで四季咲きの品種は、H・Tと同じでよいでしょう。
一季咲きの種類は、シュートを来年花が咲く位置を考えて切り詰めます(目安は2/3切り詰め程度)。

■早めに済ませる台風対策
今年は台風の当たり年??

近年は大型の台風の襲来が多くなっているような気がします。温暖化の影響なのでしょうか。
今年は7月から大型の台風が襲来しましたので、秋も警戒が怠れませんね。
台風対策は早めに済ませておきましょう。


●茂りすぎたところは枝抜きをする
風が通り抜けるように、茂ったところは枝を間引いておきましょう。
また、長く伸びすぎた枝は、切り詰めるようにします。

●支柱を立てる
今年植えたばかりの樹木や細長い苗木、根の少ない老木には支柱を立てます。
また、長く伸びたマツの差し枝などは折れると仕立て直しが困難ですから、ところどころに支えを立ててやりましょう。

●鉢植えの対策
棚など風の強く当たるところから下ろし、背のある植物を植えてある鉢は倒れないように横にしておきます。

●台風後の手入れ
台風は海から離れたところまで、潮風を運んできます。台風の通った後は、塩害対策のため葉の柔らかい樹木類には、頭からホースで水をかけて洗い流しておきます。
また、樹木が風で倒れたときは、無理に起こさず、倒れた反対側を掘り起こし、折れた根を切り詰めて植えなおします。

■季節の手入れポイント
花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物、家庭菜園・ハーブ

<花壇・ガーデニング>
今年は梅雨明けが遅く、気温も猛暑とまでは行かないですんでいるようで、夏花壇の花も順調に咲き続けているようです。ペチュニア・サフィニアで、枝が茂りすぎてきた株は枝抜きをしておきましょう。マリーゴールドやサルビアで丈が高くなってしまった株は、1/3〜1/2ほど切り戻してやります。また、追肥として月1回くらい緩効性の粒状化成肥料を与えます。

<花木・庭木>
ウメは枝が伸びていても、大きな剪定は我慢しましょう。特に茂りすぎたところの枝の間引きと、根元などから伸びた徒長枝の剪定(半分くらいに切りつめる)にとどめましょう。今の時期に枝を切りつめると、来年の花芽を切り落とすことになります。フジも伸びたつるは先を指でつまむ程度にします。この両種とも、冬に本格的な剪定をします。なお、ツバキではチャドクガの2回目の発生シーズンです。発生を見つけたら、スミチオン乳剤を散布します。

<花鉢物・観葉植物>
夏の水やりは温度の高い時間帯は避け、夕方か早朝に行いましょう。うっかり水切れさせてしまって、夕方まで待てない場合は、鉢を日陰に移してからたっぷり水やりし、2、3日半日陰のところで様子を見るようにします。根詰まりして水のしみこみの悪い鉢は、堅い箸などで鉢底近くまで突き刺し、水のはいりをよくしておくとよいでしょう。なお、8月も後半になると、気温は高くても、植物の吸水は少なくなりますから、土の乾き具合を確かめて与えるようにしましょう。
ハイビスカスやアブチロン、ランタナ類、アメリカンブルー、ポーチュラカ、デュランタなどは開花が続きます。肥切れしないように定期的(置肥なら月1回、液肥なら月1、2回)に追肥しましょう。

<家庭菜園・ハーブ>
夏野菜の収穫の適期です。肥切れさせないように追肥(月に2回ほど)をおこないましょう。ナスは8月の中旬くらいまでに枝の切り戻し(1/3〜2/3ほど)をします。8月の後半からは秋作の準備の時期になります。秋冬野菜の種子まきの目安は、ダイコン(8月下旬〜9月上旬)、ハクサイ(8月中旬〜9月上旬)、レタス(8月下旬〜9月上旬)、シュンギク(9月上旬〜10月上旬)、ホウレンソウ(9月上旬〜10月一杯)です。なお、早めに種子をまいておいたキャベツやブロッコリーは9月上旬に畑に植え付けます。



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