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 園芸ファン通信 VOL.84 【10月号】

なかなか残暑がおさまりませんね。
今年は例年になく梅雨明けが遅くなり、その後は記録的な猛暑に、台風の襲来もありました。
こう‘異常気象’が続くと、普通の年というのはどういう天候なのか分からなくなってしまいますね。
とはいえ、季節は確実に移り変わっています。季節の手入れは忘れずに行いましょう。

【1】新しい花鉢物
・・・ディコリサンドラとビレア


【2】そろそろ植え時期
・・・秋植え球根の植え付けのポイント


【3】季節の風情を楽しむ
・・・秋の可憐な山野草

【4】季節の手入れポイント
・・・花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物・観葉植物、家庭菜園

ディコリサンドラとビレア
■新しい花鉢物

ディコリサンドラ・ティルシフロラは花を鑑賞するツユクサ科の宿根草●ディコリサンドラ・ティルシフロラ
ツユクサ科の非耐寒性多年草で、原産はブラジル。
ブルージンジャーの名前で流通していますが、ジンジャー(ショウガ科)の仲間ではありません。
栽培はよく日に当て、夏だけ半日陰で。
冬は水やりを控えめにして12、3℃以上が保てるところで管理します。

ビレア「シンブ・サンセット」は冬は寒さに注意する」
●ビレア「シンブ・サンセット」
「ビレア」はツツジ科シャクナゲ属では珍しく熱帯(高地)原産の非耐寒性常緑花木。
原産はマレーシアからインドネシアで「マリージャンシャクナゲ」ともいわれます。
花期は不定期で、春か秋に咲くことが多いようです。
冬は0℃以下にならない所で、夏は風通りのよい涼しい半日陰で管理します。

そろそろ植え時期
■秋植え球根の植え付けポイント

北の地方からは山の初冠雪の便りが届いても、関東以西では真夏日が続き、秋の気分が高まりませんね。
でも、そろそろ秋植え球根の植え付けの時期になっています。忘れずに植えつけましょう。


<球根の入手と植え付け>

花壇植えのチューリップは株間を15cmほどとる●チューリップ
良球は皮につやがあり、傷がなく持って重みが感じられるもの。植え付けは、花壇植えの場合は、球間15cm、植える深さは15cmくらい。鉢植えの場合は5号(15cm鉢)に3〜5球くらいで、深さは球根の頭が隠れるくらいで。


●クロッカス
良球は傷がなく芽が欠けてないもの。植え付けは、花壇植えの場合は、球間8cm、植える深さは5、6cmくらい。鉢植えの場合は4号(12cm鉢)に5球くらいで、深さは芽が隠れるくらい。


ラッパスイセンは3、4年で植え替える
●ヒアシンス
良球は傷や病斑がなく重みのあるもの。鉢植えや水栽培する場合は大きい球根を選びます。植え付けは、花壇植えの場合は、球間15cm、植える深さは15cmくらい。鉢植えの場合は6号鉢(18cm鉢)に3球くらいで、深さは芽が隠れるくらい。


●スイセン
良球は傷や病斑がなく重みのあるもの。植え付けは、花壇植えの場合は、球間は球根3個分あけ、植える深さは球根2個分の深さで。鉢植えの場合は6号鉢(18cm鉢)に3球(ラッパズイセン、大杯スイセン)から5球(房咲きスイセンなど)くらいで、植える深さは球根の頭が隠れるくらいで。



<肥料と水やり>

花壇植えの場合は元肥として固形の配合肥料を1平方メートルあたり、ふた握りほど土に混ぜておき、花後に同じものをひと握りほど追肥すればよいでしょう。鉢植えの場合は、植え付け時に元肥としてマグアンプKなどを1鉢あたり一つまみほど土に混ぜ、ハイポネックスなどの液肥を追肥として、芽出し頃1回、花後に2回ほど行えばよいでしょう。
水やりは、花壇植えの場合は不要で、鉢植えの場合は土が乾いてきたらたっぷりと与えるのが原則です。

季節の風情を味わう
■秋の可憐な山野草

秋が深まってから花を咲かせてくれる山野草類を紹介します。
ガーデンセンターや山野草の展示即売会で、入手することができるはずです。


紅花のダイモンジソウ 紅花のサツマノギク イトラッキョウ
紅花のダイモンジソウ 紅花のサツマノギク イトラッキョウ

●ダイモンジソウ(ユキノシタ科)
“大”の字に似た可愛らしい小花を多数つける。
花色は白色が基本だが、桃色や紅色の花色のものや八重咲き、フリンジ咲きの品種も作られている。
置き場は半日陰がよく、水切れさせないように注意。植え替えは毎年4月。

●ヤマラッキョウ(ユリ科)
小型で可愛らしいネギ(アリウム)の仲間。
寒さに強く、日当たりと通風を好むので1年中、棚上で管理する。
排水のよい用土にやや密植気味にするとよい。
植え替えは2年に1回(春か秋)。イトラッキョウ類も同様に育てられる。

●ノギク類(キク科)
日本の野生キクの中でもノジギク、サツマノギク、アシズリノジギク、コハマギク、ダルマギク(エゾギク属)などは、
可憐な花に小型の草姿で人気がある。
5〜6月に挿し芽をして、小鉢で仕立てるとよい。
管理は1年中日当たりと通風のよい棚上で。夏は鉢が小さいので水切れさせないように注意する。

☆新しく入手した鉢の管理
ポット植えの花付き株を入手した場合は、花が終わってからか、早春に山草鉢などに植え直す。
春までは肥料は不要、水やりは鉢の土が乾いてきたら行う。

■季節の手入れポイント
花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物、家庭菜園・ハーブ

<花壇・ガーデニング>
まだ夏秋花壇の花が盛りのところが多いようですね。ただ、あまり持たせると冬春花壇に間に合わなくなるので、ある程度のところで見切りをつけましょう。今年は夏が長かったのでパンジーやビオラ、キンギョソウなどの品種が出揃っていないところもあるようです。この場合は、とりあえず、花壇の整理だけはしておきましょう。

<花木・庭木>
そろそろムラサキシキブ類、ウメモドキ、ヒメリンゴなどの実物類や冬の花のサザンカが庭を彩ってくれるようになります。庭木の手入れで、マツ類のコモまきは寒くなる前に行います(マツケムシが降りてくる前)。生垣の止め刈りを済ませていない方は早めに行いましょう。

<花鉢物・観葉植物>
昼間は温かくても、夜の気温はだいぶ下がってきています。寒さに弱い熱帯性の鉢植え類は、早めに取り込むようにしましょう。 ただ、花が咲くのに低温の必要なクンシランやシンビジウム、デンドロビウムは、霜が降りだす前までは戸外の日当たりのよい場所で管理します。

<家庭菜園・ハーブ>
秋野菜の収穫の時期です。雨の合間をぬって、ハクサイやキャベツ、ブロッコリー、ホウレンソウ、シュンギク、レタス、ニンジンなどは、大きく育ってきたものから収穫しましょう。また、サツマイモの収穫は霜が降りる前の晴れた日に行います。  ハーブでは、センテッドゼラニウムやヘリオトロープは室内に取り込み、半耐寒性のレモングラスやナスターチウム、メキシカンセージなど亜熱帯性のセージ類は、早霜などで傷めないようにひさしの下などに移しておきます。



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