日本園芸協会

園芸ファン通信 VOL.203 【10月号】

 台風や暴風雨には注意が必要な季節です。背の高いものは支柱を立てたり、鉢物は倒しておいたり、縛って固定したり、対策をしっかりとっておきましょう。毎日気温を気にしながら、戸外で管理していた観葉植物など寒さに弱いものは、早めに室内に取り込みましょう。

★今号の記事一覧★

  1. 【特集1】買い物情報
  2. 【特集2】季節の手入れポイント
  3. 【特集3】宿根草の植え替え
  4. 【特集4】鉢物類の取り込み
  5. 【特集5】JGSボタニカルアート展のお知らせ
  6. 【特集6】通信販売のご案内
  7. 【特集7】10月のイベント情報

【特集1】買い物情報

ダンギク (Caryopteris incana)

 キクと名前にありますが、クマツヅラ科の多年草です。ダンギクの名前は、姿の通り、茎の節ごとに花が集まって咲いている様子が、一段ごとに花が咲くように見えるので呼ばれているようです。落ち着いた色と葉や花の形から、和風なたたずまいをしています。
 日当たりと水はけがよく、肥沃な土でよく育ちます。耐寒性があるので、南関東以南では屋外で越冬できますが、厳寒期は簡単な防寒や霜よけをしてあげるとよいでしょう。花がらを摘み、冬に枯れた枝を整理してやり、春に株分けで増やせます。

ダンギク
▲ダンギク
和風なたたずまい
ダンギク花
▲ダンギク花
節ごとに花序がある様子から「ダン(段)ギク」

●スカエボラ (Scaevola aemula)

 オーストラリア原産のクサトベラ科の多年草です。暑さに強く丈夫な性質で、花色もブルー、ホワイト、ピンクなど様々あり、夏以降の花壇に重宝します。乾燥に強く、日当たりの良い場所でよく育ちます。

スカエボラ
▲スカエボラ
「トパーズピンク」という品種です
スカエボラ花
▲スカエボラ花
ファンフラワーという別名をもつように、
扇(ファン)のような形をしています

●タヌキマメ (Crotalaria sessiliflora)

 日本に分布するマメ科の一年草です。毛がたくさん生えている見た目からか、妙な名前がつけられていますが、花はきれいな青色をしています。日本に自生していますので、栽培が容易のようです。日当たりと水はけのよい場所で育てます。

タヌキマメ
▲タヌキマメ
葉は細長く、大きながくには毛が生えています
タヌキマメ花
▲タヌキマメ花
ボサボサの見た目と違い
きれいな青色の花が咲きます
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【特集2】季節の手入れポイント

花壇・ガーデニング
 雨が多い分、秋の作業も進められない面もあります。土が湿りすぎているのもいやですね。秋植え球根類の植え付けや種子まき、秋冬花壇の草花の植え付けは、遅れないようにしましょう。
<花木・庭木>
 そろそろムラサキシキブ類、ウメモドキ、ヒメリンゴなどの実物類や冬の花のサザンカが庭を彩ってくれるようになります。庭木の手入れで、マツ類のコモ巻きは寒くなる前に行います(マツケムシが降りてくる前)。生垣の止め刈りを済ませていない方は早めに行いましょう。
花鉢物・観葉植物
 夜の気温の下がり方が大きくなりますので、寒さに弱い熱帯性の鉢植え類は、早めに室内に取り込むようにしましょう。
ただ、蕾ができるのに低温が必要なクンシランやシンビジウム、デンドロビウムは、霜が降りだす前までは戸外の日当たりのよい場所で管理します。また、シクラメン(ミニシクラメン)が早くも売り出されています。ラベルにガーデンンシクラメンとあっても、耐寒性のない中大輪性種の小鉢仕立てのものもありますので注意しましょう。
家庭菜園・ハーブ
 秋野菜の収穫の時期です。雨の合間をぬって、ハクサイやキャベツ、ブロッコリー、ホウレンソウ、シュンギク、ニンジンなどは、大きく育ってきたものから収穫しましょう。また、サツマイモの収穫は霜が降りる前の晴れた日に行います。冬収穫用のネギ・ワケギ類やレタス、ナ(菜)類の定植時期です。ポット苗が販売されていますので早めに入手して植えつけましょう。
 ハーブでは、センテッドゼラニウムやヘリオトロープは室内に取り込み、半耐寒性のレモングラスやナスターチウム、メキシカンセージなど亜熱帯性のセージ類は、早霜などで傷めないようにひさしの下などに移しておきます。
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【特集3】宿根草の植え替え

 宿根草は、同じ場所でそのまま植え続けていると、株が込みすぎたり、土質が劣化して、花が咲かなくなったり株の勢いが衰えたりすることがあります。庭植えのものは4、5年、鉢植えのものは2年くらいを目途に植え替え・株分けするようにしましょう。
 これからの時期(10月中旬〜11月)に植え替えする宿根草は次の種類です。

<植え替え・株分けする種類>
 スズラン、シラン、フクジュソウ、キキョウ、アマドコロ、ニホンサクラソウ、プリムラ・ポリアンサ類、花の終わったシュウメイギク、ホトトギスなど。

<植え替え・株分けの方法>
 一回り大きく掘り上げ、土を落とし、それぞれ1株に2〜4芽くらい付けて分け、新しい場所に植え付けます。同じ場所に植える場合は、土を入れ替えるか、堆肥や腐葉土を多めにいれて土質を改善するようにします。
 なお、クリスマスローズやシャクヤクは根の動き出しが早いので、鉢植えのものだけ、土を落とさないように一回り大きな鉢に移すようにします(庭植えのものは、開花後か9月に行います)。

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【特集4】鉢物類の取り込み

 夜間、冷え込みを感じることも多くなってきたようです。夏の間、戸外で管理してきた観葉植物や熱帯花木、花鉢物もそろそろ室内に取り入れる準備をしましょう。

◎取り入れる前の準備
・枝と根の切り詰め 直接、地面の上に置いてしまった鉢は、底から根が出ていることがあります。こうしたものは、鉢から抜き、根を切り詰めて、同じ鉢か一回り大きな鉢に植え直しておくとよいでしょう。同時に枝も多少切り詰めるようにします。植え直しをしなかった場合も、枝は軽く切り詰めておきます。また、普通の鉢も長く伸びた枝やツルは1/2から2/3ほど切り詰め、茂りすぎたところの枝は風通しがよくなるよう、元から切り取ります。
・薬剤散布とナメクジの駆除 害虫が付いた株を室内に取り込むと、被害が大きくなります。取り込む前に葉の裏や株元、鉢の裏などをチェックしましょう。アブラムシやカイガラムシなどにはスミチオンやオルトランを散布して、退治しておくのがベストです。
・鉢上げ ハイビスカスなど庭に植えて育てたものを、鉢に上げて冬越しさせる場合は、掘り上げる1か月くらい前に、根鉢よりも1回り小さくスコップを入れて太根を切り、細根を出させておく(この作業を根切りといいます)と、植え替えしやすくなります。
・清掃 植物の幹や枝を布で拭き、鉢やプランターの周囲はたわしなどで洗い、ごみや汚れを落としておきます。鉢の底も忘れずに洗っておきましょう。雨の当たらない軒下に置いてあった鉢は、葉が汚れていることがありますので、頭からシャワーで洗い流しておきます。

◎取り入れの目安
・最低温度が15℃くらいになったら取り入れる種類
高温性のアローカシア、アカリファ、アンスリウム、カラテア、カリアンドラ、クロトン、サンセベリア、セントポーリア、ドンベヤ、バオバブ(落葉したら)、フィトニア、プルメリア、ポインセチア、ユーチャリス(アマゾンリリー)、高温性の洋ラン類(カトレア、ファレノプシスなど)ほか
・最低温度が10℃くらいになったら取り入れる種類
中低温性のアジアンタム、ホヤ類(ハートホヤ、サクラランなど)、アナナス類、カラジウム、ジャガランダ、ドラセナ、ハイビスカス、パキラ、フィロデンドロン、ブーゲンビレア、ペペロミア、ポトス、中低温性の洋ラン類(オンシジウム、デンドロビウム、シンビジウムなど)ほか
・最低温度が6、7℃になったら取り入れる種類
低温性のアスパラガス、プレクトランツス、ピレア、アブチロン、インドゴムノキ、クワズイモ、クジャクサボテン、クンシラン、ゲッカビジン、シェフレア、デュランタ、トケイソウ、トラディスカンチア、ノボタン、ランタナほか

<室内での管理の注意>
 日照を好むものは、窓際の明るいところに置き、日照に弱いものはレースのカーテン越しのところに置くなど、置き場に注意しましょう。10月中はまだ光が強いので、室内の日当たりは温度が上がりすぎることがありますので、注意が必要です。また、室内は戸外よりも空気が乾燥していますので、土の乾き方をチェックするとともに、葉水などを与えるようにしましょう。

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【特集5】JGSボタニカルアート展のお知らせ

 来る10月20日(金)〜22日(日)、上野の日展会館にて、国内最大級、トップクラスの植物画(ボタニカルアート)の公募展が行われます。ボタニカルアートとは、図鑑の絵のように、植物をモチーフとして植物学的な視点から精密に描き、しかも芸術として表現された絵画のことです。これまで当展覧会からは多くのボタニカルアーティストが巣立ち、各界で様々な活躍をされています。芸術の秋、ぜひこの機会にボタニカルアートの世界に触れてみてはいかがでしょうか。ご来場お待ちしております。

日本園芸協会 JGSボタニカルアート展のご案内
http://www.gardening.or.jp/botanical/tenji_info/index.html

昨年の大賞受賞作品
「オオセンナリ」 江村佳保画

昨年の会場の様子


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【特集6】通信販売のご案内


http://www.catalog-shopping.co.jp/shop/eg1/index.html


注文先:日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)
TEL:0120-22-1128
FAX:0120-161-418
E-mail:info@catalog-shopping.co.jp

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【特集7】イベント情報

北海道
札幌市
札幌市緑化植物園豊平公園
セントポーリア展
期間:10月3日〜9日
さつき 秋季展
期間:10月6日〜9日
盆栽展
期間:10月13日〜15日
秋の風流盆栽展
期間:10月20日〜22日
菊花展
期間:10月24日〜29日
お問い合わせ
TEL:011-811-6568
URL:https://www.sapporo-park.or.jp/toyohira/
秋田
バラフェスタ“秋を彩る” 期間:9月23日〜10月15日
場所:大仙市・秋田県立農業科学館
TEL:0187-68-2300
URL:http://www.obako.or.jp/sun-agrin/
埼玉
さいたま市
大宮盆栽美術館
秋季特別展「三代目尾上菊五郎改メ、植木屋松五郎!? ―千両役者は盆栽狂」
期間:10月7日〜11月29日
お問い合わせ
TEL:053-487-0511
URL:http://www.bonsai-art-museum.jp/
千葉
オータムフェア2017 期間:10月7日〜11月12日
場所:八千代市・京成バラ園
URL:http://www.keiseirose.co.jp/garden/
東京
【高知県立牧野植物園からの巡回展示】牧野式植物図への道U−妥協なき観察図・印刷図− 期間:8月11日〜10月9日(火曜日休館)
場所:練馬区・牧野記念庭園記念館
TEL:03-6904-6403
URL:http://www.makinoteien.jp/
第34回全国都市緑化はちおうじフェア 期間:9月16日〜10月15日
場所:八王子市・富士森公園
URL:http://www.hachioji-fair2017.jp/
いけばな龍生展2017 期間:9月27日〜10月3日
場所:渋谷区・東急百貨店本店3階サロン、屋上、文化村ギャラリー
いけばな×百段階段2017 期間:9月27日〜11月26日
場所:目黒区・ホテル雅叙園東京
TEL:03-3491-4111
第29回JGSボタニカルアート展 期間:10月20日〜22日
場所:台東区・日展会館(2F)
TEL:03-3822-3226(会期中のみ)
第15回日比谷公園ガーデニングショー2017 期間:10月21日〜29日
場所:千代田区・日比谷公園
TEL:03-3232-3097
URL:http://www.hibiya-gardening-show.com/
長野
軽井沢レイクガーデン 期間:4月21日〜11月5日
場所:軽井沢町・軽井沢レイクニュータウン
岐阜
秋のバラまつり 期間:10月7日〜11月5日
場所:可児市・花フェスタ記念公園
TEL:0574-63-7373
URL:http://www.hanafes.jp/hanafes/
大阪
大阪市
長居植物園
観音竹・棕梠竹 展示会
期間:10月11日〜15日
大阪ばら展2017
期間:10月27日〜29日
お問い合わせ
TEL:06-6912-0055
URL:http://www.nagai-park.jp/n-syoku/index.html
企画展示「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」 期間:8月10日〜10月10日
場所:吹田市・国立民族学博物館
URL:http://siebold-150.jp/
奈良
第10回大和路花と緑のフェスティバル 期間:10月7日〜8日
場所:橿原市・橿原神宮 崇敬会館
TEL:0744-32-6961
兵庫
宝塚市
あいあいパーク
秋のバラフェア
期間:10月14日〜11月12日
パンジー・ビオラフェア
期間:10月14日〜12月27日
お問い合わせ
TEL:0797-82-3570
URL:http://www.aiaipark.co.jp/
加西市
兵庫県立フラワーセンター
アキメネス展
期間:9月2日〜10月10日
ダリア展
期間:10月1日〜31日
お問い合わせ
URL:http://www.hyogo-park.or.jp/flower-center/
広島
広島市
広島市植物公園
サボテン展
期間:9月30日〜10月15日
特別企画展 毒と薬は紙一重
期間:9月30日〜11月30日
秋の洋ラン展
期間:10月28日〜11月5日
お問い合わせ
TEL:082‐922-3600
URL:http://www.hiroshima-bot.jp/
香川
第35回きなし盆栽植木まつり 期間:10月20日〜22日
場所:高松市・鬼無植木盆栽センター
TEL:087-882-4091
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