夏の風物詩、東京・入谷の朝顔市(7/6〜8)や浅草のほおずき市(7/9〜10)が終わると、長かった梅雨も末期。梅雨が明けると、いよいよ‘日本の夏’の始まりです。
北米原産の、キク科の一年草です。夏にぴったり、大きくて鮮やかな黄色と赤の花弁の花です。日当たりのよい所で管理します。丈夫で長期間花を咲かせますので、花がら摘みをこまめにします。
ガイラルディア |
南アフリカ原産、クマツヅラ科の半つる性常緑低木です。花弁に見える薄ピンク色の部分は苞(ほう)で、中心の紫色に開くのが花です。薄ピンク色のお皿に紫の蝶がとまっているようなおもしろい形です。
夏の花後バランスよく樹形を整えるため、伸びすぎたつるを切り戻します。日当たりを好みますが、特に夏場の水やりは注意します。鉢土は乾きかけたらすぐに水やりします。
ホルムショルディアの花 |
ハーブのオレガノの仲間で、花を観賞する園芸種です。食用オレガノとは違い、茎の先にピンク色の苞(ほう)がつき、苞の間から小さい花が咲きます。
秋〜春は手がかかりませんが、夏の高温多湿を苦手としますので、夏は風通しのよい半日陰で管理し、雨にあてないようにします。挿し木や株分けで増やすことができます。
オレガノ・ケントビューティー |
オレガノ・ケントビューティーの花 |
南アメリカ原産、フウチョウソウ科の一年草です。花から出る長い雄しべと雌しべ、可憐な花弁が蝶のように見え、「セイヨウフウチョウソウ(西洋風蝶草)」の別名を持ちます。
夏の暑さに大変強く、手がかかりません。日当たりと水はけのよい場所を好みます。
クレオメ |
梅雨の間、あまり手入れのできなかった花壇では、病害虫が発生していたり、茂りすぎた株もでてきます。早めに見回って、薬剤散布や害虫の捕殺、茂りすぎた枝の剪定をして、夏に備えましょう。
ツバキ・サザンカ、ウメ、ツツジ・シャクナゲ類などの春咲きの花木類は、これからの時期に来年の花芽を作ります(これを「花芽分化」といいます)。今の時期に枝を切ったり、肥料をやったりすると、この花芽分化のメカニズムが乱されますので、注意しましょう。株の根元から出た台芽や徒長枝の切り詰めるほかは、特に込みすぎた枝の間引きや、伸びすぎた枝の先を止める程度にします。
梅雨が明けると、多くの鉢物類には厳しい日本の夏が始まります。これまで日当たりに置いていたフクシアや球根ベゴニア、シャコバサボテン、マーガレット、ユーリオプシスデージー、シンビジウムなども強い直射日光の当たらない、半日陰程度の風通りのよい涼しい場所に移しましょう。
なお、鉢物類の水やりは朝の涼しい時間にたっぷりと与えます。夕方までに土が完全に乾いてしまう場合は、置き場所を変えるか鉢を一回り大きなものに植え直しましょう。
ナスやトマト、キュウリなど夏野菜の収穫の盛期になります。肥切れさせないよう、2〜3週間おきに定期的に追肥をあたえ、根元に土寄せしましょう。また、晴天が続くようになったら、土が乾燥しすぎないように涼しい朝か夕方にたっぷりと水やりしましょう。
ハーブ類は夏の高温多湿を嫌う種類が多いので、茂りすぎた株は枝を切りすかし、ラベンダーなど、花が終わった株は切り詰めます。
最近、多肉植物の仲間が人気になっているようです。一口で多肉植物といっても多くの種類があります。意外と知られていないのは、多肉植物には、夏の暑さに弱い種類が多いこと。メセンやコノフィツムなどのように夏は完全に休眠する種類もあり、そこまでいかなくても暑い時期は水を控えてすごさせる種類が多くあります。
そのなかで、夏も元気よく育ってくれるのは夏成長型のエケベリアやセダム、カランコエなどベンケイソウ科の仲間(一部、夏に弱い=冬成長型もあります)。丈夫で乾燥に強く、よくふえてくれるものうれしいですね。寄せ植えやタペストリーに作る場合は、同じ性質(生育型、日照の好みなど)のものを用いるようにしましょう。
よく日の当たる雨の当たらないところ。夏に休眠する種類は半日陰の涼しいところがよい。セダム類やカランコエ類の丈夫な種類は戸外の雨ざらしのところでもよい。
夏生育型の種類も、原則控えめ。土が乾いてきてから1日待って、葉にかけないように水やりする。1回の量はたっぷりと行う。葉の付け根に水がたまると、腐り込みやすいので注意。
夏の間は、原則として不要。
小鉢の場合は年1回。大鉢の場合も2年に1回はしたい。冬成長型は秋(10月)、夏成長型と春秋成長型は春(4、5月)が無難。
株分けや挿し芽は植え替えと同時期に行える。葉ざしはほとんどの種類可能(セネシオなどを除く)。方法は、乾いた土・砂の上に葉を置いて、芽が出るまで半日陰のところで管理し、芽が出たら日向に移す。芽が伸びてきたら霧吹きで水を与え、芽が3センチくらい伸びたら鉢上げし、以後は普通の管理でよい。
ハオルチア・オブツーサ |
クロホウシ |
セダム「マツノミドリ」 |
カランコエ「白銀の舞」 |
アサガオやホオズキの鉢物が目立つ季節です。各地のほおずき市や朝顔市で入手された方もおいででしょう。このアサガオやホオズキは、本来は真夏の花で、今頃の鉢物は促成で仕立てたもので、鉢植えとして見栄えをよくするために、鉢の大きさよりも多く株が植えられています。そのため、すぐに鉢いっぱいに根が回ってしまい、アサガオでは花の数が少なくなったり、花が小さくなったりします。また、水切れしやすくなり、葉や蕾、果実が落ちたりすることが多くなります。できたら、鉢底から長く根が出てくる前に、1、2回り大きな鉢に植え替えてやりましょう。
朝ちょっと早起きし、日が照りつける前に鉢からそっと抜き、一回り大きな鉢に植え直します。用土は市販の培養土でよく、用土に肥料を混ぜる必要はありません。行灯仕立てのアサガオには、行灯の外側に一回り大きな行灯を立て、新しくの伸びてきたツルは外側の行灯に誘導するようにします。植え替えたら、たっぷりと水やりし、その日は半日陰のところに置き、翌日から日のあたる場所に移します。1週間位したら、小さじ一杯くらい、マグアンプKなどの緩効性固形肥料を鉢の表面にばらまけばよいでしょう。
土の中から、いきなり蕾をもたげて鮮やかな花を咲かせてくれるリコリスやアマリリス・ベラドンナは、庭の表情を変えさせてくれる魔法の球根類です。今が、この秋咲き球根の植え付け時期です。
ヒガンバナの仲間で、英語では花びらが細長いのでスパイダーリリー。日本や中国原産なのに、なぜかエキゾティックな感じがします。欧米の改良種が出回るようになっています。
日当たりと水はけがよい肥沃地。夏に乾燥しないところがベストです。明るい落葉樹の下などでもよい。中国原産とされるヒガンバナやナツズイセンは耐寒性がありますが、日本原産のショウキランやシロバナヒガンバナは関東地方以南の暖地向きです。
なるべく早めに、8月中旬には植え付けます。
植える前にあらかじめ堆肥をすきこんでおき、根を広げて植えること(リコリス類は休眠中も根が生きているので、根を切らないように)。株間は10〜15センチ、覆土は球根1球分。
花後に有機配合肥料を1つかみ株元にすきこめばよいでしょう。
6、7号鉢に3〜5球植え。ナツズイセンなど大球性の種類は1〜3球。植え替えは毎年か2年に1回。夏も土をあまり乾かさないように。
南アフリカ原産のユリに似た大輪で香りのよい花を咲かせます。別名はベラドンナリリー。リコリス類よりも寒さに弱いので鉢植えが無難です。関東地方以南の暖地ならば庭植えもできます。
早めに植えつけ、遅くとも8月中旬頃までに植えつけます。
チッソ分の多い用土を嫌うので、市販の培養土ではなく、川砂か赤玉土に腐葉土を2割くらい入れた用土を調合します。鉢は、球根類よりもやや大きい程度の小さめの鉢にします。
球根の先端がちょっと出るくらいの浅植えにします。
花が咲いたら葉が出てくるので、冬までは戸外の日当たりで管理します。霜が降りる前に、室内の凍らない日当たりに取り入れ、春また外に出します。葉が枯れてきたら、日の当たらない涼しい場所に移し、水やりも月に1回くらいにします。
肥料は春と秋にハイポネックスの液肥を月2回ほど与えればよく、植え替えは好まないので3、4年に1回でよいでしょう。