日本園芸協会

園芸ファン通信 VOL.234 【5月号】

 4月は天気が変わりやすい傾向にありましたね。強風の日も多く、枝の間引き剪定の重要さがこのようなところでも感じられました。
 さて、いよいよガーデニングオンシーズン。さまざまな園芸情報とともに、種子や苗などの通信販売先も紹介します。たいへんな時期ではありますが、新しい草花や野菜、樹木との出会いをお楽しみください。

★今号の記事一覧★

  1. 【特集1】買い物情報
  2. 【特集2】自家採種しましょう
  3. 【特集3】ベジタブルガーデンを作りましょう
  4. 【特集4】春花壇の整理と夏花壇作り
  5. 【特集5】バラの開花株の手入れ
  6. 【特集6】春に咲いた花木や鉢物の手入れ
  7. 【特集7】通信販売のご案内

【特集1】買い物情報

タイツリソウ(Dicentra spectabilis)

 中国、朝鮮半島の温帯に分布するケシ科の多年草です。平たいベル形の紅色の部分と、先端が白い、変わった形の花です。この花を鯛に見立て、茎が釣竿で鯛を釣り上げているように見立てて「タイツリソウ」と名づけられています。または仏殿の装飾「華鬘(けまん)」に似ているということで「ケマンソウ」という別名もあります。
 耐寒性はありますが、高温、乾燥に弱いので、暑い時期には風通しの良い半日陰など涼しいところで管理します。日陰の庭で活躍します。土は腐葉土などを多く含み保水力のあるものを使います。株わけで増やせます。

タイツリソウ
▲タイツリソウ
茎にたくさんの鯛が釣られているように見えます
タイツリソウ花
▲タイツリソウ花
ベルよりかなり扁平で、ハート形に見えます

●ポレモニウム (Polemonium sp.)

 ヨーロッパやアジアに20種ほど分布するハナシノブ科ハナシノブ属の多年草の園芸品種です。葉に黒味がかかっていますが花色は薄い紫のものです。花壇や鉢植えで利用します。ハナシノブは山地の明るい草原に生育するので、日当りを大変好み、水はけのよい土を好み、葉は込み合っている場合は間引きます。

ポレモニウム
▲ポレモニウム
葉色が暗く花色が薄いシックな園芸品種
ポレモニウム花
▲ポレモニウム花
花茎の先端にたくさんの花をつけます

ヘルマンニア‘スウィートベル’(Hermannia ‘Sweet bell’)

 南アフリカに多く分布するアオギリ科ヘルマンニア属の常緑低木の一品種です。黄色いベル形の花をたくさん咲かせ、かすかに香りもある花です。寄せ植えや鉢植えで活用でき、日当りを好みますが、半日陰の場所でも管理できます。高さは約30cm以下と小さいですが、込み合ってきますので、間引くように剪定し、蒸れを防ぎます。

ヘルマンニア‘スウィートベル’
▲ヘルマンニア‘スウィートベル’
低い樹姿にいっぱいの花をつけます
ヘルマンニア‘スウィートベル’花
▲ヘルマンニア‘スウィートベル’花
すそが広がったきれいなベル形
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【特集2】自家採種しましょう

 春早くから咲き出した草花類は、種子が実る時期です。パンジーやビオラなど、花がらを摘んでいたつもりでも、確かめてみると結構種子ができているものです。せっかくですから、ご自分が実らせた種子を採取して、苗をつくってみましょう。
 改良の進んだ草花類は、採取した種子からだと親と同じ花(色や花径など)が咲くことは少ないのですが、自然風の庭園にはむしろマッチすることがあります(色別にしっかり分けて作る整形花壇には市販の種子が向きます)。春花壇を整理するときなど、ついでに種子を採取しましょう。

●これから種子が採取できる種類
 パンジー・ビオラ、プリムラ類、ワスレナグサ、アリッサム、キンギョソウ、ナスターチウム、クリスマスローズ、シクラメン、ヒアシンス、スイセン、ムスカリなど
●種子の採取の仕方
 さやが茶褐色になり、カサカサした感じになったらそろそろ採取できる頃です。ためしにさやをあけ、中の種子が硬くなり色がついてきたら(大体は茶褐色系)採取できます。クリスマスローズなど、さやがはじけて種子が飛散するものは、紙袋などを被せておくか、さやが茶褐色になってきたら、早めに採取します。採取は、さやがはじけないようにそっとさやごと切り取ります。
●種子の調整と保管
 採取した種子は、種類、品種・色別に分けて、さやごと日陰で1週間ほど乾燥させてから、さやを破り、ごみなどを除きます。草花類は種類別、品種・花色別に紙袋に入れてからまとめて、ビニール袋にいれ、まき時期まで冷蔵庫の野菜室で保管します。最近は、専用の種子保管用のビニール袋が市販されていますので、これを利用すると便利です。
●とりまきするもの
 クリスマスローズなどの宿根草や球根類は、種子を採取したらすぐにまく(これを「とりまき」といいます)と失敗が少なくなります(ただし、発芽は秋、ないし翌春)。この場合、発芽するまで土を乾燥させないように気をつけます。
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【特集3】ベジタブルガーデンを作りましょう

 家庭菜園の人気が高いですね。すぐに使い出したいならラディッシュ(ハツカダイコン)や葉菜類。じっくり作りたいなら、トマトやナス、キュウリなどの果菜類の苗がお勧めです。地方野菜を取り入れるのもよいですね。果菜類の植え付けは気温が安定してきた今頃が適期です。苗が小さかったり、気温が安定していない時は、鉢に仮植えしておきます。
 また、ベジタブルガーデンを作る時は、背の高くなるトウモロコシやトマト、ナスなどを一番奥に、その手前にジャガイモやピーマン、トウガラシ、エダマメなど中位な種類を、最前列はニンジンやカブ、レタスなど背の低いものを配置します。株と株の間には虫除けになるハーブ類(ミント類やラベンダー、チャイブなど)を植えるのがお勧め。また、野菜だけでなく、花のきれいなボリジやチコリ、カモマイル、オレガノ、葉のきれいなフェンネル類やトリカラーセージ、レッドバジルなどハーブ類を適当に混ぜると、カラフルで変化がある花壇が楽しめます。
 なお、野菜類は連作(毎年、同じところで、同じ種類を栽培すること)を嫌うものが多いですから、区画して、毎年場所を変えて作るようにします。

★野菜&ハーブ種子&苗のおすすめ通販先

サカタのタネ 野菜の優良品種、ハーブ種子・苗・資材・その他
https://shop.sakataseed.co.jp/
日光種苗  イタリア野菜をはじめとした野菜苗・資材・その他
http://nikkoseed.com/
日野春ハーブガーデン  日本と世界のハーブ苗、種子
http://www.hinoharu.com/
SORAMIMIハーブショップ  無農薬ハーブ苗、種子
https://www.qherb.jp/
エアルーム・トマト・ファーム  エアルームトマト種子・苗中心
http://www.heirloom-tomato-farm.com/

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【特集4】春花壇の整理と夏花壇作り

 早めに作った春花壇では姿が乱れたり、傷んできたところもあるようです。傷んだ花壇は、早めに整理して夏花壇を作りましょう。パンジーやビオラの掘り取った株は、根元で切り整えて、花瓶やコップなどにさしておけば切花としてしばらく楽しめます。
 夏花壇用のデザインは、いかにも夏らしい黄〜橙〜赤系でまとめるか、シャスターデイジーや白色系のペチュニア、葉物のシロタエギクなどを中心にして、涼しさを演出するホワイトガーデンもよいでしょう。サルビア、アフリカンマリーゴールドなど丈の高くなる種類と、ペチュニア、アゲラタムなど背の低い種類を組み合わせて、彩りを考えるのがよいですね。春植え球根のグラジオラスも今月一杯ならば植えられます。

★花壇苗&種子のおすすめ通販先

タキイ種苗  種子・苗・資材・その他
http://shop.takii.co.jp/shop/
改良園  花木・果樹・山野草・その他
https://www.kairyoen.co.jp/
日本花卉  花木・果樹・山野草・その他
http://www.nihonkaki.com/

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【特集5】バラの開花株の手入れ

●開花株の入手
 イングリッシュローズやオールドローズを利用したローズガーデンを作られる方が多くなってきているようです。今、入手できるのは、6号鉢くらいに植えられた開花株。ミニチュアならばもっと小さな鉢が出ています。いずれにしても、良株は、葉が切れたりよじれたりしてなく、蕾がすんなり伸びたもの。また、最近はウィーピング仕立てやスタンダード仕立ての鉢も作られていて人気があるようです。庭に植える場合は、花がひと通り終わったら、根鉢を崩さないように植えつけます。鉢植えのまま育てる場合も、販売されている鉢は小さめなことが多いので、やはり根鉢を崩さないように一回り大きな鉢に植え替えてやります。
●花後の手入れ
 花が盛りをすぎたら、花茎の葉を2〜3枚残した下で切り取ります。ハイブリッドティーなどで樹高を低くしたい場合は、もう少し下の位置で切るとよいでしょう。花後は病虫害が心配になります。黒点病やうどんこ病にはダコニールやオーソサイド、アブラムシにはオルトラン、チュウレンジバチやバラゾウムシにはスミチオンやオルトランを散布します。

★バラのおすすめ通販先

京成バラ園芸  バラの新苗・長尺苗、バラ以外の苗を購入できる。
https://ec.keiseirose.co.jp/
京阪園芸  バラ苗を中心に、バラ用の資材や切り花を購入できる。
http://www.keihan-engei-gardeners.com/
バラの家  バラ苗専門店。店主こだわりの新品種が購入できる。
https://www.rakuten.co.jp/baranoie/

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【特集6】春に咲いた花木や鉢物の手入れ

<お礼肥え>
 花が咲き終わった花木類(ツバキ、シャクナゲ、ツツジ、ボタン、フジなど)や冬〜春咲きの鉢物類(シンビジウム、クンシラン、アマリリスなど)は花がらを摘み、お礼肥えを施しておきましょう。肥料は3要素(チッソ、リン酸、カリ)が等量入ったものか、リン酸が多めのものが無難です。チッソだけの肥料(油粕など)の施用は勧められません。

<剪定と薬剤散布>
 ツバキ・サザンカは花の咲いた枝を切り詰め、込みすぎた枝を抜きます。また、そろそろチャドクガの発生時期になりますので注意しましょう。早めに見つけて、葉ごと摘み取るかオルトラン、スミチオンなど殺虫剤を散布します。 咲き終わったツツジ類は、刈り込んで形を整えます。グンバイムシとハダニ対策に月1度、殺虫剤を散布するようにしましょう。

<芽切りと植え替え>
 鉢物では、シンビジウムでは新芽の整理(1バルブ当り1、2本に)をします。そうすると、1個1個の芽が充実して、花が良く咲くようになります。また、クンシランで根が詰まってきた鉢は株分け・植え替えをしましょう。

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【特集7】通信販売のご案内

日本園芸協会代理部(日本カタログショッピング)では、庭やベランダでの園芸作業がはかどる園芸資材をご紹介しています。ぜひご利用ください。


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注文先:日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)
TEL:0120-22-1128
FAX:0120-161-418
E-mail:custom@catalog-shopping.co.jp      

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