日本園芸協会

園芸ファン通信 VOL.242 【1月号】

新年明けましておめでとうございます。今年も花でいっぱいの一年にしましょう。

★今号の記事一覧★

  1. 【特集1】買い物情報
  2. 【特集2】季節の手入れポイント
  3. 【特集3】春の花といえばプリムラ
  4. 【特集4】クリスマスローズの購入と管理
  5. 【特集5】洋ランの手入れ
  6. 【特集6】多肉植物人気上昇中!!
  7. 【特集7】通信販売のご案内

【特集1】買い物情報

●キルタンサス (Cyrtanthus mackenii)

 南アフリカ原産のヒガンバナ科の球根植物。冬〜春咲き種は強健で、排水のよい用土に植えておけば3、4年植え替えは不要(適期は秋初め頃)。強い霜には当てないようにし、夏はやや乾き気味にし、風通りのよい半日陰で夏越しさせます。寒冷地では冬は室内で保護します。

キルタンサス
▲キルタンサス
丈夫で育てやすいキルタンサス。
花の拡大
▲キルタンサスの花
下向きに首が長い花が特徴です。

●ギョリュウバイ (Leptospermum scoparium)

 オーストラリア・ニュージーランド原産のフトモモ科の常緑低木。属名のレプトスペルマムの名前でも流通しています。関東南部以南なら路地で越冬しますが、寒冷地では室内保護します。水やりは鉢土が乾いてきたらたっぷりと与えます。乾かしすぎるとダメージを受け、落葉します。春に地上部を1/3ほど切り詰めて、同時に植え替えます。用土は水はけのよいものを用います。

アカエナ・イネルミス‘プルプレア’
▲ギョリュウバイ
花色がボロニアと似ているといわれます。
アカエナの葉
▲ギョリュウバイの花
花弁が5つに見えるのがギョリュウバイ。

レウィシア(Lewisia cotyledon)

 西北アメリカ原産スベリヒユ科の多年草の園芸品種です。葉が多肉質で、ロゼット型になっており、花茎が次々にあがって開花します。過湿に弱いので、水はけのよい土で、水やりは控えめに、土が乾いたら与えます。耐寒性があるので、軒下など鉢植えで管理します。

フイリヒサカキ
▲レウィシア
多肉のような葉から鮮やかな花が咲きます。
フイリヒサカキ拡大
▲レウィシアの花
花弁に縞が入って、華やかな印象です。
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【特集2】季節の手入れポイント

<花壇・ガーデニング>

 戸外での作業は特にはありません。空いている花壇があったら天地返しをしておきましょう。シャベルなどで花壇を掘りかえし、下の土を上に出しほぐして空気にさらします。30〜50cmくらいの深さでちょっと大変ですが、頑張りましょう。寒さや乾風、日光に当てることで、春からの病害虫の発生を減らすことができます。

<花木・庭木>

 針葉樹、落葉果樹・花木の剪定を年末までに行えなかった方は、無理に今月に行うことはありません。厳冬期を避け、2月になってからでよいでしょう。バラの冬の剪定や元肥やりは今月からの作業です。同時に薬剤を散布するとよいでしょう。

<花鉢物>

 室内に取り入れた熱帯花木類や草花類の具合はいかがですか。落葉性のものや枝を切り詰めた鉢物は吸水する力が弱くなっていますので、水は控えめにします。水やりの基本は、鉢の土が乾いてきてから与えることです。また、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニが発生しやすいので注意しましょう。表側だけでなく、定期的に葉裏や葉の付け根、株元の葉の重なりあっているところをチェックします。
 新しく購入した鉢物類で花が次々と咲く種類には、追肥と花がら摘みを行いましょう。

<家庭菜園・ハーブ>

 家庭菜園はおやすみの時期。越冬させている種類も少なくなりましたね。ホウレンソウやシュンギクなど、ビニルトンネルやべたがけシートをかけて育てているものは、中でアブラムシなどの病虫害が発生していないか、時々調べてみましょう。また、ビニルトンネルを利用すれば、ニンジン、コマツナ、カブ、ダイコンなどの種子がまけます。今、種子をまけば、春〜初夏にかけて収穫できます。

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【特集3】春の花といえばプリムラ

 春の代表的な鉢花がプリムラ。この「プリムラ」という名前は、サクラソウ科のサクラソウ属の学名ですが、園芸的には欧米で改良されたサクラソウ属の草花を呼ぶ名前になっています。

<プリムラ類の管理ポイント>

 冬の鉢花の中では寒さに比較的強く、凍らない程度の低温でよく、逆に高温になると株が早く弱ります。日当たりを好むので、暖房のない部屋の日当たりのよい窓辺などに置くと良いでしょう。開花時期が長いので追肥をして肥切れさせないようにします(液肥なら2週間に1回、置き肥なら1、2か月に1回)。空気が乾燥しているとハダニが付きやすいので、殺ダニ剤の散布か葉裏にシリンジ(噴霧)します。花がらはこまめに摘み、咲き進んだ花茎は切り取ると花茎が次々にあがってきて、長く楽しむことができます。

<プリムラの種類と特徴>

●ポリアンサ(P.×polyanthus)とジュリアン(P.×juliae)
 ヨーロッパ原産のサクラソウの交雑で生まれたポリアンサに、コーカサス原産のジュリアエを交配して作られたのがジュリアン。大輪で花茎がたつのがポリアンサで、小輪で花が地際で花が咲くのがジュリアンだったのですが、改良が進んで見分けにくくなっていますので、購入する際には札をよく見ましょう。八重咲き(バラ咲き)やパステルカラー、グラデーションやフリンジの花色も多くなっています。夏涼しくすごさせれば、夏越しできます。
●マラコイデス(P.malacoides)とフィルクネラエ(P.filchnerae)
 マラコイデスは多花性で優しい草姿で人気があります。近年出回るようになったフィルクネラエ(雲南サクラソウ)は、より大輪でボリュームのある姿になります。この2種は夏越しが難しいので、毎年種子で更新します。中国原産。
●オブコニカ(P.obconica)
 花が大輪で、プリムラの中では日陰に耐える種類です。寒さには弱いので、室内管理で。夏の暑さには強く、夏越ししやすい種類です。中国原産。
●デンティキュラータ (P.denticulate) とロゼア(P.rosea)
 玉咲きで、開花が進むに連れて花茎が伸びるデンティキュラータと、それよりもやや小型のロゼア。共にヒマラヤ地域原産で耐寒性が強いので外で育てます。本来は宿根草ですが、高山性のため暖地では夏越しは困難。消耗品と考えるのが実際的です。
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【特集4】クリスマスローズの購入と管理

 冬の寒さに負けず、屋外で咲いてくれるクリスマスローズ(キンポウゲ科ヘレボルス属)は貴重な花ですね。八重咲き品種など豊富な色・形の交配種が安価で入手できるようになりました。

<花付き株を入手したら>

・選び方
 有茎種も無茎種もこの時期に蕾・花がついていなければ、今年の花は望めません。なるべく蕾の多くついているものを選びましょう。クリスマスローズは蕾が小さくても、大体は開花します。
・置き場所
 1〜3月まではよく日の当たる軒下などの陽だまりに置きます。強い風が当たるところは避けましょう。 
・水やり
 クリスマスローズは今が生長期なので、水を切らさないように注意しましょう。風が強い日は乾きが早いので要注意です。特に、蕾の上がってきた株は、花が開くのに水が必要ですから、鉢の土が乾いてきたら、暖かい日の午前中にたっぷり与えます。
・肥料
 緩効性の固形肥料を月に1回一つまみほど、液肥なら月2、3回程度。庭植えのものには、春と秋に緩効性の固形肥料1、2回与えればよいでしょう。
・植え替え
 クリスマスローズは根が大きくなる植物です。株の大きさよりも鉢のほうがやや大きく見えるもの(秋か冬の初めに植え替えられたもの)はよいのですが、株と鉢のバランスがよい感じのものは、根詰まりの危険があります。こうしたものは、花が終わったら、一回り大きな鉢に植え替えます。庭(落葉樹の下の、夏に半日陰になるところ)やプランターに植えるときは、軽く根をほぐします。

<苗の場合>

 ポット植えの苗は、1年で根がポットに回ります。ポットの土を押してみて、硬い感じなら根詰まりに近くなっているものです。すぐに、軽く根をほぐして二回りほど大きな鉢に植え替えます。なお、施肥は、植え替え後、3週間ぐらいしたら始めます。

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【特集5】洋ランの手入れ

 年が明けると各地で洋ラン展が開かれます。ご家庭でも、シンビジウムやパフィオペディルムなど蕾が上がってきてくれるころです。あなたの愛蘭の咲き具合はいかがですか。

<花つきの株を入手した場合>

●置き場所
 よく日の当たる夜間10℃程度が保てる暖かい場所(暑すぎないように)。暖房の風の直接当たるところは避けます。
●水やり
 水やりは鉢の用土が乾いてから2、3日後に(週に1、2回程度)、室温より少し高めの30℃くらいのぬるま湯を湿らす程度与えます。蕾のある株では暖かい日にシリンジ(噴霧)をしましょう。
●肥料
 花の咲いている間は不要。春になって、芽が動いてきてから与えます。

<持ち込み株の管理>

 温室があれば別ですが、あまり温度が保てない場合は高温性のカトレアやファレノプシスなどは花が咲くのが遅くなります。低温性のシンビジウムやパフィオペディルム、ノビル系デンドロビウムは蕾があがってきます。花茎が折れたり曲がったりしないよう、支柱を立てましょう。また、空気が乾燥しがちですので、シリンジをマメに行います。

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【特集6】人気の多肉植物

 多肉植物の人気はいまだ衰えません。ガーデンセンターでは多肉植物系統の売り場がさらに拡充し、育てやすいものから玄人向けのものまで、多数出回っています。多肉植物は、その性質さえ理解してしまえば、栽培管理に手間がかからない、年中、変わらない姿が楽しめる、種類・品種が多く、コレクションの楽しみがあるなど、楽しみの多い分野です。

<入手のポイント>

・名前つきのものを選ぶ
 ミニポットで売られているものは名前の付いていないものがあります。こうしたものは寄せ植えやタペストリーなどにはよいのですが、コレクションには不向きです。多肉植物は、葉挿しや株分けで易しくふやせるものが多いですから、多少高くてもちゃんとした名前つきのものを選ぶようにしましょう。
・ネット通販で珍品も
 最近は一般的な種類はガーデンセンターなどで入手できるようになっています。品揃えの面では専門店が一番です。インターネットで珍しい種類の苗や種子を販売しているところも多くなっていますので、そういうところを利用するのもよいでしょう。また、多肉植物の趣味の会に入会すると、交換会などで珍品を求めることもできます。外国の種子屋さんを利用すれば、珍しい原種を育てることもできます。いろいろ検索してみましょう。
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【特集7】通信販売のご案内

日本園芸協会代理部(日本カタログショッピング)では、庭やベランダでの園芸作業がはかどる園芸資材をご紹介しています。ぜひご利用ください。


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注文先:日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)
TEL:0120-22-1128
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