日本園芸協会

園芸ファン通信 VOL.250 【9月号】

 ようやく暑さも和らぎ、ガーデニングに取り組みやすい時期がやってきました。 夏場に傷ついた庭木や草花を回復させつつ、秋の草花を楽しみましょう。

★今号の記事一覧★

  1. 【特集1】買い物情報
  2. 【特集2】季節の手入れポイント
  3. 【特集3】秋の草花鉢物の入手と管理法
  4. 【特集4】カラーリーフのグラス類
  5. 【特集5】宿根草や熱帯花木の挿し芽・挿し木
  6. 【特集6】インターネットで園芸材料を購入しよう
  7. 【特集7】通信販売のご案内

【特集1】買い物情報

●カクトラノオ(Physostegia virginiana)

  北アメリカ原産のシソ科の多年草です。茎が直立して、高さが20〜120cmくらいになり、花壇で高さを演出することはもちろん、白やピンクの筒状の花が密になって総状花序を作るので、切花としても用いることもできます。日当たりの良い、排水の良い土地を好みます。秋や春に株分けで増やすことができます。

カクトラノオ
▲カクトラノオ
高さのある草丈
カクトラノオの花
▲カクトラノオの花
淡い色の花を密につけます

●アキメネス(Achimenes sp.)

 メキシコ周辺のイワタバコ科の球根植物です。長い筒状の先に大きな花弁を開きます。花は5月から晩秋と長めに楽しめます。鉢栽培で、春秋は日向〜半日陰、夏は風通しのよい日陰で管理し、水は乾いたらたっぷり与えます。冬は鉢のまま水やりをせずに冬越しさせます。

アキメネス
▲アキメネス
下に向かって飛び出すような花
アキメネスの花
▲アキメネスの花
長い管の先に大きな花弁を開きます

●ロニセラ・ニティダ(Lonicera nitida)

 中国原産のスイカズラ科の常緑低木です。低木ですが水平に伸び、花壇でグラウンドカバーとして使うことができます。卵型の葉は光沢があり、明るい緑色をしているので花壇を明るく演出してくれます。強い性質で耐寒性があり、土質を選ばず、日当りと排水さえよければよく育ちます。

ロニセラ・ニティダ
▲ロニセラ・ニティダ
明るいライムグリーンの葉が印象的

●ダリア‘エタニティ’&‘ブラックナイト’(Dahlia sp.)

 中南米原産のキク科の多年草です。ダリアの種類でも、黒味がかかった銅葉の種類が秋らしくてよいですね。ピンクや黄色と、明るい花色とのコントラストでくっきりとした存在感を持っており、秋の寄せ植えや花壇で活躍します。
 日当たりと水はけのよい場所を好み、水やりは土が乾いたらたっぷりとあげます。花後は、花のあった場所の少し下に腋芽が出ているところで切り戻します。冬は、花壇であれば鉢上げし、寄せ植えであれば寄せ植えごと凍らないようなところで管理します。

ダリア‘エタニティ’
▲ダリア‘エタニティ’
銅葉とピンクが秋らしく演出
ダリア‘ブラックナイト’
▲ダリア‘ブラックナイト’
背が高めで寄せ植えに使いやすい
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【特集2】季節の手入れポイント

<花壇・ガーデニング>

 そろそろ秋のガーデニングがシーズンインです。秋花壇をこれから作るなら、ジニアサルビアマリーゴールドコスモスなど秋遅くまで咲き続けてくれる種類を選びましょう。
 また、来年の春花壇を考える時期です。最近はナチュラルガーデンにチューリップスイセンなどの球根類を取り入れる方が多くなっているようです。チューリップであれば原種のアクミナータやユリ咲きのやさしい草姿のもの、スイセンならばジョンキラやキクラミネウス、トリアンドロスなどの原種系が使いやすいですね。もちろん大輪系でも、1か所に数球ずつ植えるようにすればよいでしょう。
 秋の種子まきは、日中の最高気温が25℃以下になったころが目安です(例年ですと、9月15〜20日ごろから)。また、この頃が熱帯花木類や宿根草類、ハーブ類の挿し木・挿し芽ができる時期です。

<花木・庭木>

 そろそろ本格的な台風シーズンに入ります。庭や建物などで、補強や手入れの済んでいないところがないか、早めにチェックしておきましょう。
 クチナシ類ではオオスカシバの発生期です。油断すると丸裸にされてしまいますから、スズメバチに似たガが飛んでいたら要注意です。小さなときは殺虫剤、大きくなった場合は、箸でつまんで退治します。ツバキサザンカではチャドクガが発生します。なるべく小さなときに見つけて、オルトランやスミチオンなどの殺虫剤を散布します。また、収穫の済んだ果樹類ではお礼肥を与える時期です。

<花鉢物・観葉植物>

  クリスマスローズは秋になると根が動き出します。鉢替えや株分けは早めに済ませましょう。
 短日(夜が長くなる)で花芽形成するポットマムポインセチア初恋草カランコエには夜間の照明を避けましょう。ミヤコワスレシャコバサボテンも花芽形成時期です。よく日に当てるようにし、水やりを控えめにします。やはり充実期のノビル系デンドロビウムオンシジウムも同様の管理です。夏の間、半日陰に移しておいた鉢物類も、直射日光に弱いもの以外は日向に出すようにします。なお、ポインセチアカランコエは、普通に管理していたのでは、クリスマスのシーズンに花(や苞葉)が咲かないことがあります。こうした種類を上手に楽しむためには、短日処理を行うのが確実です。ポインセチアは1か月半くらい、カランコエは1か月くらい短日処理をします(夕方の5時くらいから翌朝9時くらいまで、上から箱をかぶせて光を当てないようにします)。

<家庭菜園・ハーブ>

 今月も秋冬野菜の種まきの時期。シュンギクは10月上旬、ホウレンソウは10月中にまけばよいでしょう。ダイコンハクサイレタスキャベツブロッコリーの苗は9月上旬に畑に定植します。ナスピーマンオクラは中旬に化成肥料を追肥し、土寄せしておきます。
 ハーブでも残暑が収まり、気温が25℃以下になったら種子まき、挿し木ができます。また、花茎の出てきたバジルや夏越しできたナスターチウムは、切り戻ししておきましょう。

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【特集3】秋の草花鉢物の入手と管理法

 リンドウコスモスクジャクアスターシュウメイギクジョウロウホトトギスなど、いかにも秋を感じさせてくれる草ものの鉢植えが出回ってきました。良品は、下葉までよく葉がついていて、しおれたり縮れたりした葉がないものです。

<種類別の管理法>

●宿根アスター 
 ユウゼンギクやミケルマスデージーなどのシオン属を宿根アスターと呼んでいます。置き場所は日向から半日陰程度で。株が混んでいる場合は、一回り大きな鉢に植え直します。高性(背が高い)の場合は、鉢が倒れやすいので、鉢ごと一回り大きな鉢に入れておくとよいでしょう。エゾギクもアスターと呼ばれますが、こちらは別属(Callistephus)で一年草です。
●リンドウ
 日向に置き、水切れに注意します。強健で育てやすい種類ですが、蕾は日が当たらないと開きません。
●ケイトウ
 ケイトウには赤や黄色に色づいた葉を観賞するハゲイトウと花穂を観賞するトサカケイトウがあります。株の大きさの割に小さめの鉢に植えられていることがほとんどなので、入手したら1〜2回り大きめの鉢に植え替えるようにします。
●シュウメイギク
 大株は水切れに注意。強い風の当たらない日向に置き、根が強いので一回り大きな鉢に植え直すか庭植えにします。

※なお、コスモス宿根アスターなど次々に花が咲き続ける種類には、液体肥料を2週間に1回追肥します(そのほかの種類には、花の時期には肥料は不要)。水やりは、鉢土の表面が白く乾いてきてからたっぷりと与えるようにします。

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【特集4】カラーリーフのグラス類

 グラス類の人気が高まっています。これまでは日本原産のススキや南アメリカ原産のパンパスグラスくらいしか作られていませんでしたが、葉色の変わった種類が出回り始め、庭や寄せ植えに使われるようになりました。

<グラス類の栽培ポイント>

●植え場所
日当たりのよい排水のよい適湿地。
●植え付け方法
適期は春か秋。ポットから抜き、根鉢を1/3〜1/2ほどほぐして植え付けます。
●施肥と水やり
施肥は春先にマグアンプKなどの固形肥料をひとつまみほど根元にばら撒けばよいでしょう。水やりは植え付けた年は、1週間以上日照りが続いたときに、様子を見ながら(葉がしおれ加減になったら)、与えます。2年目以降は原則不要です。鉢植えの場合は、土が乾いてきたら与えるようにします。
●そのほか
繁殖力が強いので、株が広がったら困る場合は、プラスティック板(30cm深さ)で根を囲んで外に伸びないようにしておきます。
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【特集5】宿根草や熱帯花木の挿し芽・挿し木

 残暑がひと段落すると、挿し芽・挿し木の時期です。宿根草類や熱帯花木の伸びすぎた枝や茂りすぎた枝は、切り取って挿してふやしましょう。また、ニューギニア・インパチエンスポーチュラカなど寒さに弱い宿根草は、秋に挿し芽した苗で越冬させると、場所をとらず便利です。

<挿し芽・挿し木できる種類>

 ユリオプシス・デージー、マーガレット、木立ベゴニア、ゼラニウム、ストレプトカーパス、トラディスカンチア、ヘリオトロープ、ニューギニア・インパチエンス、クジャクサボテン、ハイビスカス、フクシア、ハーブのミント類、タイム類、セージ類、マジョラム、ラベンダー類、ローズマリーなど

<挿し芽の仕方>

  • 用土
     清潔な川砂、バーミキュライト、鹿沼土など 
  • 挿し床
     駄温の平鉢、イチゴパック(底に水抜きの穴を開ける)
  • 穂木の調整と水揚げ
     切り口を刃の鋭いナイフやカミソリで切り戻し、穂木の長さを7、8センチに調節します。茎の下1/3ほどの葉を切り除き、1時間ほど水を入れたコップなどに挿して水揚げします。
  • 挿し方
     箸などで穴を開けてから、穂木を1/4〜1/3挿しこみ、元を指で押さえます。
  • 挿し芽後の管理
     細かめのジョウロで、たっぷりと水やりし、あとは強い風の当たらない半日陰のところで管理します。挿し床の表面が乾きかけてきたら、細かめのジョウロで水やりします。早いものなら2、3週間、遅いものでも1か月半ほどで発根します。
  • 発根後の管理
     新しく芽が動いてきたら、根が出ていることを確かめ(根元の土を少し掘ってみる)、薄い液肥(規定の2倍)を与えます。冬はそのままの鉢で冬越しさせます。寒さに弱い種類は室内で、寒さに強い種類も、風の当たらないところで保護したほうがよいでしょう。
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【特集6】インターネットで園芸材料を購入しよう

 花苗や園芸資材は通信販売でもご購入できますので、ぜひご自宅のお庭やベランダでお花を楽しみましょう。普段出会わない植物や資材、材料に出会えるチャンスです。

サカタのタネ 種子・苗・資材・その他
https://shop.sakataseed.co.jp/

タキイ種苗  種子・苗・資材・その他
http://shop.takii.co.jp/shop/

改良園  花木・果樹・山野草・その他
https://www.kairyoen.co.jp/

日本花卉  花木・果樹・山野草・その他
http://www.nihonkaki.com/

日光種苗  野菜・花苗・資材・その他
http://nikkoseed.com/

日野春ハーブガーデン  ハーブ苗、種子
http://www.hinoharu.com/

SORAMIMIハーブショップ  ハーブ苗、種子
https://www.qherb.jp/

岩崎園芸  山野草・高山植物の苗、種子
http://iwasaki.shop-pro.jp/

モス・ファーム コケ材料
https://www.mossfarm.jp/

生活の木 ハーブ&アロマ材料
https://www.treeoflife.co.jp/

カリス成城 ハーブ&アロマ材料
http://www.charis-herb.com/

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【特集7】通信販売のご案内

  日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)では、庭やベランダでの園芸作業がはかどる園芸資材をご紹介しています。ぜひご利用ください。


https://www.catalog-shopping.co.jp/shop/eg1/index.html


注文先:日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)
TEL:0120-22-1128
FAX:0120-161-418
E-mail:custom@catalog-shopping.co.jp      

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