日本園芸協会

園芸ファン通信 VOL.259 【6月号】

6月の梅雨時期は、雨が多くなりますが、植物がとても綺麗に見える時期でもあります。夏に向けて、いろいろな植物を育てましょう。

★今号の記事一覧★

  1. 【特集1】買い物情報
  2. 【特集2】季節の手入れポイント
  3. 【特集3】夏に強い多肉植物
  4. 【特集4】シャドーガーデンを作りましょう
  5. 【特集5】通信販売のご案内
  6. 【特集6】日本園芸協会のご案内

【特集1】買い物情報

●ゴンフォスティグマ(Gomphostigma virgatum)

 

 アフリカ南部に分布するフジウツギ科の常緑低木です。暑さ寒さに強く、一年中シルバーリーフを楽しめます。初夏から秋に開花し、花後の剪定で枝数を増やすことができます。

ゴンフォスティグマ
▲ゴンフォスティグマ
葉の形などはローズマリーに似ています。
 
ゴンフォスティグマ
▲ゴンフォスティグマ花
花のつき方がローズマリーとは
全く違います。

●ペンステモン‘ジングルベル’(Penstemon barbatus)

 北アメリカなどに分布するゴマノハグサ科の多年草です。しゅっとした背の高い草姿に、3cmくらいのやや下向きの筒状に近いベルのような形の花を咲かせます。過湿に弱いので、夏の管理は特に注意して行います。排水の良い土に植え、風通しのよい所に置き、水は土が乾いたらたっぷり与え、湿り過ぎないようにします。花がおわったら花茎ごと切り戻します。

ペンステモン
▲ペンステモン‘ジングルベル’
1m近くの背の高い草姿。

ペンステモン
▲ペンステモン‘ジングルベル’花
ベルというより鮫のようです。

●イオニマス(マサキ)(Euonymus japonicus)

 日本に広く分布しているニシキギ科の常緑低木、マサキを、ガーデニング用に学名の「イオニマス」とカタカナ表記にして、まるで別物のように販売されています。変種や品種が多く、白い斑入り、黄色い斑入り、葉の形もさまざまなバリエーションがあります。
 暑さや寒さに強くとても丈夫です。生垣などにも良く用いられ、挿し木で増やすことができます。水はけが良く、日当たりの良い場所で育てます。土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。

イオニマス
▲イオニマス
マサキですが斑入りだと印象がまた違います。
 

イオニマス
▲イオニマス
葉を縁取るような斑は大変きれいで
見栄えがします。

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【特集2】季節の手入れポイント

<花壇・ガーデニング>
 梅雨の間、あまり手入れのできなかった花壇では、病害虫が発生していたり、茂りすぎた株もでてきます。早めに見回って、薬剤散布や害虫の捕殺、茂りすぎた枝の間引き剪定をして、夏に備えましょう。
<花木・庭木>
 ツバキ・サザンカ、ウメ、ツツジ・シャクナゲ類などの春咲きの花木類は、これからの時期に来年の花芽を作ります(これを「花芽分化」といいます)。今の時期に枝を切ったり、肥料をやったりすると、この花芽分化のメカニズムが乱されますので、注意しましょう。株の根元から出た台芽や徒長枝の切り詰めるほかは、特に込みすぎた枝の間引きや、伸びすぎた枝の先を止める程度にします。
<花鉢物>

 梅雨が明けると、多くの鉢物類には厳しい日本の夏が始まります。これまで日当たりに置いていたフクシアや球根ベゴニア、シャコバサボテン、マーガレット、ユーリオプシスデージー、シンビジウムなども強い直射日光の当たらない、半日陰程度の風通りのよい涼しい場所に移しましょう。
 なお、鉢物類の水やりは朝の涼しい時間にたっぷりと与えます。夕方までに土が完全に乾いてしまう場合は、置き場所を変えるか鉢を一回り大きなものに植え直しましょう。

<家庭菜園・ハーブ>

 ナスやトマト、キュウリなど夏野菜の収穫の盛期になります。肥切れさせないよう、2〜3週間おきに定期的に追肥をあたえ、根元に土寄せしましょう。また、晴天が続くようになったら、土が乾燥しすぎないように涼しい朝か夕方にたっぷりと水やりしましょう。
 ハーブ類は夏の高温多湿を嫌う種類が多いので、茂りすぎた株は枝を切りすかし、ラベンダーなど、花が終わった株は切り詰めます。

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【特集3】夏に強い多肉植物

 近年、多肉植物の仲間が人気です。一口で多肉植物といっても多くの種類があります。意外と知られていないのは、多肉植物には、夏の暑さに弱い種類が多いこと。メセンやコノフィツムなどのように夏は完全に休眠する種類もあり、そこまでいかなくても暑い時期は水を控えてすごさせる種類が多くあります。そのなかで、夏も元気よく育ってくれるのは夏成長型のエケベリアやセダム、カランコエなどベンケイソウ科の仲間(一部、夏に弱い=冬成長型もあります)。丈夫で乾燥に強く、よくふえてくれるものうれしいですね。寄せ植えやタペストリーに作る場合は、同じ性質(生育型、日照の好みなど)のものを用いるようにしましょう。

<多肉植物の夏の管理>

置き場所 よく日の当たる雨の当たらないところ。夏に休眠する種類は半日陰の涼しいところがよい。セダム類やカランコエ類の丈夫な種類は戸外の雨ざらしのところでもよい。
水やり 夏生育型の種類も、原則控えめ。土が乾いてきてから1日待って、葉にかけないように水やりする。1回の量はたっぷりと行う。葉の付け根に水がたまると、腐り込みやすいので注意。
肥料 夏の間は、原則として不要。
植え替え 小鉢の場合は年1回。大鉢の場合も2年に1回はしたい。冬成長型は秋(10月)、夏成長型と春秋成長型は春(4、5月)が無難。
繁殖 株分けや挿し芽は植え替えと同時期に行える。葉ざしはほとんどの種類可能(セネシオなどを除く)。方法は、乾いた土・砂の上に葉を置いて、芽が出るまで半日陰のところで管理し、芽が出たら日向に移す。芽が伸びてきたら霧吹きで水を与え、芽が3センチくらい伸びたら鉢上げし、以後は普通の管理でよい。

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【特集4】シャドーガーデンを作りましょう

 建物や塀の陰や樹木の下などの日陰地を利用してシャドーガーデンを作りましょう。日陰地は緑も単調になりやすいので、耐陰性の強い草花類や葉色に変化のあるカラーリーフを多く用いるのが良いですね。朝晩など多少でも日射の入るところや、半日陰地なら多くの種類が利用できます。

<シャドーガーデンに向く種類>
・花物  インパチエンス、ツルニチニチソウ、クリスマスローズ、エビネ、スズラン、ホトトギス、モナルダ
・葉物  コリウス、ラミウム、ヒューケラ、ギボウシ、ハラン、アイビー、レックスベゴニア、ポトス
<植え付け前の準備>
 建物の陰などの日陰地は土が湿りがちで、ゼニゴケなどが生えやすいので、土質の改良をしましょう。
 まず、土をよく耕し、堆肥や腐葉土などの有機物を多めに(1uあたり大きめのバケツ2杯)と、苦土石灰(1uあたり一掴みほど)をすきこみます。周囲をレンガなどで囲って、回りの土面よりも少し高くなるようにして、表面をならします。周囲に木が茂っているようなら、枝抜きをして風通りを図ります。
<植え付けと注意>
 丈の高くなる種類(クリスマスローズハランなど)は奥に、丈の低い種類は手前に植えるようにします。株間は15〜20cmほどとっておきます。株数が少ないときは、インパチエンスツルニチニチソウコリウスラミウムなどは、植え付けのときに枝を切り取って挿し芽しておけば、すぐに発根しますので、後から補植すればよいでしょう。
 ハランアイビーは斑入りの品種を選びます。レックスベゴニアポトスは秋になったら掘り上げ室内に移します。

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【特集5】通信販売のご案内

 日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)では、庭やベランダでの園芸作業がはかどる園芸資材をご紹介しています。ぜひご利用ください。


https://www.catalog-shopping.co.jp/shop/eg1/index.html


注文先:日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)
TEL:0120-22-1128
FAX:0120-161-418
E-mail:custom@catalog-shopping.co.jp

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【特集6】日本園芸協会のご案内

  日本園芸協会にご入会いただくと、園芸の専門家による指導が受けられるとともに、年4回、植物と園芸の専門誌『プランツ&ガーデン』をお送りいたします。詳しくは下記のご案内をご覧ください。


https://ssl.gardening.or.jp/pg/rg/index.html


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