相変わらず厳しい寒さが続き、例年ですと雪が少ない太平洋沿岸でも雪の日が多いようです。ウメの花便りも去年よりも遅くなっているようです(もっとも去年は記録的な暖冬でしたが)。ただ、園芸店では春の花が多くなってきています。時期的に野外の作業は少ないのですが、庭木類の剪定、薬剤散布・寒肥など、冬の作業を済ませていない方は、早めに済ませておきましょう。
南アフリカ原産の木本状になる宿根草で、フウロソウ科ペラルゴニウム属(Pelargonium)。最近は、絞り咲きの品種や葉のきれいな品種も出回るようになり、人気が高まっています。ゼラニウムは意外に夏の暑さに弱く、むしろ冬〜春や秋〜冬の方が育てやすい面があります。半耐寒性ですが、寒さには強く、関東以南ならば陽だまりの軒下で越冬します(室内ならよく日の当たる窓辺)。冬は水を控えめにし、花の咲いている間は肥料を切らさないようにします(液肥なら2、3週間に1回、置き肥なら2ヶ月に1回ほど)。アブラムシがついた場合はオルトラン粒剤を散布して駆除します。
絞り花系の品種「アベニダ・モザイクレッド」 |
葉も観賞価値の高いもみじ葉ゼラニウムの品種 「さくら乙女」 |
コデマリやエニシダ(ヒメエニシダ)の鉢物が出始めたようです。今の時期のものは温度を与えて促成で咲かせたものですが、春を先取るにはよいですね。花が咲いている間は、暖房の風のあたらない日当たりのよい窓辺か、戸外なら寒風の当たらない軒下などの陽だまりで管理します。寒風にさらしたり、水切れさせると、花が咲き進みませんから注意しましょう。
サイネリア、アザレア、カルセオラリア、マーガレットなど春の花が目立ち、チューリップ、スイセン、ヒアシンスなど球根類の鉢物も出盛りになってきました。 冬の鉢物の入手は、店頭で寒風にさらされていたものは避けること。もともと温室で大切に育てられてきたものですから、短時間でも寒風にさらされると、すぐにダメージを受けてしまいます。見た目はなんともなくても、内部が傷んでいるものがありますので注意しましょう。本来は、寒さに強い秋植え球根も、促成で咲かせた今の時期の鉢物は、寒風にさらすと痛むことがありますので、開花中は風の当たらないところにおくようにします。
クリスマスローズの仲間(Hellebrusヘレボルス属)は、真冬の寒さに負けず屋外で咲いてくれるのですから、貴重な植物です。今、出回っていて人気が出ているのは、レンテンローズ(ヘレボルス・オリエンタリス)を中心とした交配種です。開花株のほか、八重咲きや覆輪などの品種の1作開花株(1年育てて来年花が咲くクラスの苗)も出回っていますので、楽しみです。
この時期に蕾・花がついていなければ、今年の花は望めません。なるべく蕾の多くついているものを選ぶようにしましょう。クリスマスローズの仲間は蕾が小さくても、大体は開花します。開花中はよく日の当たる軒下などの陽だまりにおき、春以降は、落葉樹の下などの半日陰の場所に移します。肥料は緩効性の固形肥料を春の間は月に1回一つまみほど、液肥なら月2、3回与えればよいでしょう。
クリスマスローズの庭デザイン例 |
ポット植えの苗は、1年で根がポットに回ります。ポットの土を押してみて、硬い感じなら根詰まりに近くなっているものです。すぐに、軽く根をほぐして二回りほど大きな鉢に植え替えます。なお、施肥は、植え替え後、3週間ぐらいしたら始めます。
*イベント情報にそのほかの園芸展示会などが載っています。ご覧ください。
クリスマスローズ展はいつも人だかりが (クリスマスローズの世界展2007) |
人気の高い八重咲き種 (クリスマスローズの世界展2007) |
花鉢物や草花は、それぞれ種類にあった手入れをすれば、長く咲き続けてくれます。
葉組みを整えてやりましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持ってきます。そうすると光が中にまで入るようになり、蕾が途切れなく上がってくるようになります。
シクラメン、プリムラ類、パンジーやビオラなど、花が次々に咲きつづける種類は花がら摘みをこまめに行いましょう。種子を稔らせると株の勢いが衰えますし、しおれた花をそのままにしておくと、病気のもとにもなります。
入手して2週間くらいした鉢物は、肥切れしてくるものがありますので、マグアンプKなどの粒状の固形肥料を与えましょう。特にシクラメンやプリムラなど花を長期間、次々と咲かせる種類には大切で、洋ラン類やシャコバサボテン、ポインセチアなどには必要ありません。
リーガース・ベゴニアで花の終わった株は、深め(茎を半分ぐらい)に切り戻せば再び花茎が上がります。なるべく日当たりのよい窓辺などに置くようにしましょう。
園芸も、苔玉や草もの盆栽など“和もの”が見直されてきています。今年は、落ち着いた花姿が持ち味のサクラソウ(日本桜草)を育てませんか。江戸時代に大変なブームになった草花で、その時代の名品種がまだ残っています。ちょうど今が植え時で、大きな園芸店やガーデンセンターならポット植えの株が入手できるはずです。
専用の桜草鉢がありますが、入手は困難なので、普通の素焼き鉢でよいでしょう。用土は黒土か赤玉土(中小粒)6割に、腐葉土を3割、川砂を1割ほど混ぜたもの。
5号鉢に4芽植えくらい。必ず1鉢1品種とし、混植は品種が分からなくなりますので、やめましょう。土を半分くらい入れたら、卍形に並べ、2センチくらい覆土します。ちょっと深植えとし、ウォータースペースを2〜2.5センチくらいとります。
元肥として緩効性粒状肥料を小さじ1杯くらい植え土に混ぜておくか、植えた後、鉢の表面にまいておきます。花後は、葉のある間は月3回くらい薄めた液肥を与えます。
鉢土の表面が乾きかけてきたら、たっぷりと水やりします。葉が出てくると、水を欲しがりますから、水切れさせないように注意しましょう。
芽が動き出すまでは強い霜が当たらない棚下などでよく、芽が動き出したら日当たりに。夏は半日陰程度の涼しい場所に移します。
花が終わったら花茎を切り取り、増し土(1センチくらい)します。