中国の四川大地震に続き、日本でも岩手県・宮城県が地震に見舞われました。被害にあわれた形に心からお見舞い申し上げます。また、これから雨が多くなると、二次災害の恐れもあります。くれぐれもお気をつけくださいませ。
夏の庭には地温の上昇を抑えてくれ、夕立など激しい雨による土の跳ね上がりも防止してくれるカバープランツを利用したいですね。中でも黄緑系や赤紫系などのカラーリーフの種類を取り入れると、庭のカラーバリエーションが豊富になります。
葉が細かいタイプのリシマキア(サクラソウ科)やダイカンドラ(ヒルガオ科)は敷石や飛び石など通路際に、葉が大きくなるイポメア(ヒルガオ科)は広めの裸地を被うのによいものです。梅雨時に入手して挿し芽すれば、盛夏の時期までに十分な量までふやせます。
高温多湿の日本の夏に耐えて育ってくれる草花や野菜はそう多くないものです。草花ではアメリカンブルー、コンボルブルス、ポーチュラカ(花スベリヒユ)、ニチニチソウ、ヒャクニチソウ、野菜・ハーブではバジル、レモングラス、エンツァイ(朝顔菜)、モロヘイヤ、ツルムラサキがその代表ですね。
今植えれば、梅雨明け頃には立派な株に育ってくれます。なお、アメリカンブルー、エボルブルス、ポーチュラカ(花スベリヒユ)、ニチニチソウなどは、苗を植えるとき枝を切って挿し芽すると、すぐに発根して新しい苗ができます。
明るい黄緑葉のリシマキア「オーレア」。 |
銀葉系のダイカンドラ「シルバーフォールス」。 |
赤紫葉のイポメア。1年草扱いだが、 |
日照・乾燥に強いポーチュラカ |
可憐で繊細な花姿のヤマアジサイは、アジサイの仲間の中では山草的な味わいで人気があります。最近は、花色や花形が変わった選別種が見出されて販売されるようになりました。性質は比較的強健で、鉢植えでも庭植えでも楽しめます。
建物や塀の陰や樹木の下などの日陰地を利用してシャドーガーデンを作りましょう。日陰地は緑も単調になりやすいので、耐陰性の強い草花類や葉色に変化のあるカラーリーフを多く用いるのが良いですね。朝晩など多少でも日射の入るところや、半日陰地なら多くの種類が利用できます。
建物の陰などの日陰地は土が湿りがちで、ゼニゴケなどが生えやすいので、土質の改良をしましょう。
まず、土をよく耕し、堆肥や腐葉土などの有機物を多めに(1uあたり大きめのバケツ2杯)と、苦土石灰(1uあたり一掴みほど)をすきこみます。周囲をレンガなどで囲って、回りの土面よりも少し高くなるようにして、表面をならします。周囲に木が茂っているようなら、枝抜きをして風通りを図ります。
丈の高くなる種類(クリスマスローズやハランなど)は奥に、丈の低い種類は手前に植えるようにします。株間は15〜20cmほどとっておきます。株数が少ないときは、インパチエンス、ツルニチニチソウ、コリウス、ラミウムなどは、植え付けのときに枝を切り取って挿し芽しておけば、すぐに発根しますので、後から補植すればよいでしょう。
ハランやアイビーは斑入りの品種を選びます。レックスベゴニアやポトスは秋になったら掘り上げ室内に移します。
半日陰で生育する |
大輪の花が楽しめる |
コリウスは品種が豊富。 |
今年は春から雨が多く、入梅は例年よりも早かった地方が多かったようです。日照時間が少なかったので、庭の木や花壇の草花では徒長気味のものもみられます。こうした年は病害虫の被害を受けやすいですから注意し、早期発見、早期駆除を心がけましょう。
うどんこ病や斑点病はカビによるものですから、ベンレートやダイセン類の散布、すえたような匂いがして株全体が腐るようになるのは細菌による病気のことが多いので、この場合は抗生物質(マイシン系の薬剤)か銅水和剤を散布します。
アブラムシは発生が少量ならば指でつぶすのがよいのですが、多い場合は殺虫剤(スミチオン、マラソンなど)を散布します。草花類や鉢植えではオルトランの粒剤を根元にまいておけば3週間は防除効果があります。晴れの日が続く場合は、牛乳を生のままスプレーしても効果があります(必ず虫の体にかかるように)。
アオムシやケムシ類は、小さいときはスミチオン乳剤かディプテレックス乳剤を散布すればよいのですが、大きくなってしまうと薬が効きにくくなりますので、箸などでつまんで退治するとよいでしょう。いずれにしろ、なるべく虫が小さな間に退治するのがベストです。
病害虫の被害を少なくするには、株間を空け、込んだところの枝を抜いて、風通りをよくすることです。そうすれば、発生したときにも見つけやすく、初期に対処できます。最近話題の木酢液や炭の施用は、植物の体質が強化され、病害虫がつきにくくなるといわれます。お試しください。
なお、薬剤散布は晴れた日が続きそうな時(散布後、雨が降ると効果は激減します)の、風のない気温の低い早朝か夕方に行います。
春に萌芽した枝の伸びが止まって充実してくる時期が挿し木の適期。これから梅雨時は空中湿度も高く、失敗が少ないのです。ツツジやサツキ、ツバキなどの常緑樹類や、アジサイやムクゲなどの落葉樹類、キャラボクやスギなどの針葉樹類を挿し木してふやしましょう。
雨が降って庭の仕事ができなくなると、気持ちも暗くなりますね。そうした時は、この季節に目を楽しませてくれるアジサイの名所を訪ねてみましょう。
ヤマアジアイ「東雲(しののめ)」は京都原産。 |
ヤマアジサイ「清澄沢(きよすみさわ)」千葉県原産。 |
富士山周辺で見つかったといわれる「富士の滝」。 |
花の咲き具合を電話で確認してから出かけるようにしましょう。