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季節の園芸作業

[3月の庭園仕事]

 暖冬といわれる割には、なかなか暖かくなりませんね。それでも、ウメの花も盛りを過ぎたようで、そろそろサクラの開花が気になる時期になってきたようです。菜種梅雨といわれる春の長雨があけると春の園芸シーズンに入り、種子まきや球根の植え付けの時期になります。

買い物情報

●花壇苗

 パンジーやビオラの苗が安くなってきたので、パンジー花壇を作る好期。これからは、植えつけるとすぐに大きくなるので、株間は十分にとるようにします。夏花壇用の苗も早めに売られるようになっていますね。すぐに花壇に植えられるのは、寒さに強いペチュニアの仲間ですが、それでも3月の下旬まで待ったほうが安全です。良苗は、下葉までよくついていて根元がぐらつかない株です。

 最近、多くなった宿根ネメシアの仲間は南アフリカ原産ですから、やや寒さに弱いのですが、そろそろ露地でも傷まなくなってきました。種間雑種のサンサシアは大輪で花色も鮮やかで見ごたえがあります。

●春植え球根

 アマリリスやダリア、グラジオラスなど春植え球根が売り出されています。植えつけ適期は4、5月ですが(グラジオラスは3月中下旬から)、早めに購入した方が種類も豊富で好みのものが選べます。アマリリスはなるべく大球で持って重たく感じられるもの、ダリアは首(くびれている部分)とその先がしっかりしているもの、グラジオラスはしわが少なくて、持って重たく感じられるものが良球です。また、店頭に並べられているところより、店内で販売されているものの方が痛みが少ないものです。

大鉢仕立てのビオラ
品種:「リトル・オーキッド」
写真:08年関東東海花の展覧会にて

パンジー類は色別にまとめて購入する
写真:08年関東東海花の展覧会にて

ペチュニア類は比較的寒さに強い
品種:「サルサ・クールピンク」
写真:08年関東東海花の展覧会にて


ネメシア類の中では大輪の「サンサシア・イエロー」(隣は「サンサシア・チェリー」)

大輪系のアマリリス
「レッドライオン」

最近人気の出てきた
小中輪系アマリリス

寄せ植えなどで重宝されている
銅葉系のダリア

庭木・花木の購入と手入れ

●植木市で購入するとき

 3月は落葉樹、常緑広葉樹の植え付けの時期で、針葉樹の植え付けも始められます。植木市などで購入するときは、なるべく早くに行って、よい木を選ぶこと。よい木の条件は枝が四方に張っていて、幹などに傷がないこと。根鉢がしっかりしていて、細根が多いことです。根の状態がわからない場合は、幹や葉の勢いのよいものを選べば、失敗が少なくなります。

●シャクナゲの植え付け

 シャクナゲが1株あると庭の格が上がるような気がしますね。今春は花木の王・シャクナゲを植えませんか。なお、各枝にもれなく蕾がついているものは、すべて咲かせると翌年の花が少なくなることが多いものです。この場合は、いくつかの蕾を咲かせないで摘蕾するか、蕾のついていない枝がある株を選ぶとよいでしょう。鉢植えのものは、木に比べて鉢が小さくなっているものが多いので、花が咲き終わったら一回り大きな鉢にそっくり植えなおすか、庭に下ろすとよいでしょう。根巻きのものは、根鉢が大きくて、細根がしっかりついたものを選び、すぐに植えつけます。

●ウメ・ロウバイ・マンサク・サンシュユの花後の手入れ

 ウメは花の咲いた枝を2、3芽残して切り、長い枝は切り詰めます。マンサクは自然樹形で育て、根元から出た徒長枝は3月中に間引きます。2、3年に1回、芽吹き前に強い剪定をしてよい枝を出させます。ロウバイは太い勢いのある枝を大切にします。枝先を軽く切り詰め、込みすぎたところの枝や細枝を間引くようにします。サンシュユも同様で、強い芽が出るように間引きと切り詰めをします。

西洋シャクナゲは庭の王者の風格

マンサクの園芸品種「モリス・パリダ」

球根ベゴニアの植え付け

 数ある鉢物の中で最も華麗な花を咲かせると人気の高いのが球根ベゴニアですね。ただ、花が咲いている鉢物は値段が高価です。今年は、球根から育ててみませんか。早めに入手して、室内で催芽してから鉢に植えます。

球根の入手
 通販でもありますが、入手まで時間がかかるので大きな園芸店やガーデンセンターを探します。値段は500円から700円くらい。

<催芽の方法>
  1. 球根を半日くらい水に漬ける。
  2. 平鉢か、イチゴパックに腐葉土7+川砂3くらいの混用土(バーミキュライトの単用でも可)を7分目ほどいれ、たっぷりと水やりする。
  3. 球根は上下を確かめ(根の付いた痕があるほうが下)、頭がちょっと出るくらい埋める。乾燥防止のため、球根の上に湿らせたミズゴケを薄く敷くか鉢の上には新聞紙をかぶせる(芽が伸びてきたら新聞紙をはずす)。
  4. 置き場は15℃以上ある温かい部屋で、夕方は電気をつけて12時間以上の日長を確保する。
<本鉢上げ>
  1. 7〜10日ほどで芽が動き出す。葉が3枚くらいになったら、根を切らないように掘り上げる。
  2. 本鉢は5、6号の駄温鉢。用土は赤玉土4、腐葉土3、バーミキュライト2、川砂1くらいの混用土。
  3. 植え方は球根の上部が見えるくらいの浅植えとし、根に触らない深さにマグアンプKなどの粒状肥料を小さじ半分くらい元肥として入れる。
  4. 水やりは鉢の土の表面が乾いてきたらたっぷりと与える。
  5. 春と秋に10日に一回くらい液肥を与える。
  6. 置き場所は午前中よく日が当たるところで、遅霜の恐れがなくなったら、外に出す。夏は半日陰の涼しい場所で越させる。

花の見事さに魅了される球根ベゴニア

ハーブの植え付けの時期です

 そろそろ、ハーブの植え付けの時期です。春植えて、短期間で収穫が楽しめる種類を紹介します。ただし、入手は、無農薬で作られたハーブ用であることを確認しましょう。はっきりしない場合は、ティーや料理への利用は、入手して3週間ほどおいたほうが安全です。

ワイルドストロベリー

 日当たりからやや半日陰になる腐植質に富んだところが適地。すぐに子苗を出すので、株間をあけましょう。なお、花が黄色いものは別属(ヘビイチゴ属)ですから注意します。果実は生食、葉はティーに。

ミント類(ペパーミント、スペアミントなど)

 半日陰のところで、水を切らさないように。生育が早いので、苗からすぐに大きくなり、挿し芽でよくふやせます。葉や剪定でつんだ芽をティーに。

ナスターチウム

 蕾付きの株が売られています。日当たりのよいところで雨を当てないように。チッ素肥料は避け、水はやや控えめに。花や葉をサラダなどに。

セージ(コモンセージ)

 日当たりのよい肥沃地で、やや水を控えめに。摘み取った葉を料理やティーに。

ローズマリー

 花つき株が売られています。日当たりのよいところで、水はやや控えめに。花や葉を料理の香り付けに使いますが、少量で十分に香るので苗の間は葉を摘み過ぎない様に。

サラダバーネット

 日当たりのよい肥沃なところで庭植えに。鉢植えの場合は水切れに注意。伸びた葉を摘み取り、サラダや肉・魚料理に。

イタリアンパスリー

 夏に枯れる2年草です。半日陰に置きで水切れに注意。伸びた葉を摘み取り、スープやサラダに。

ロケット(ルッコラ)とチャービル

 この2種は種子をまいて3週くらいで利用できるようになります。半日陰で水を切らさないように管理します。

イベント情報

フラワードーム2009・名古屋国際蘭会議2009(愛知)(愛知県・名古屋ドーム)
3月12日〜18日 連絡先Tel 052-961-2100
ウェブサイト:http://www.expo2005.or.jp
日本フラワーデザイン大賞2209(大阪府・グランキューブ大阪)
3月14日〜16日  連絡先 Tel 03-5420-8741
2009日本フラワー&ガーデンショウ(千葉県・幕張メッセ)
3月27日〜29日 連絡先Tel 03-5919-4674
ウェブサイト:http://www.kateiengei.or.jp/
第11回国際バラとガーデニングショウ(埼玉県・西武ドーム)
5月13日〜18日 連絡先 Tel 03-5551-8825
ウェブサイト:http://www.bar21.jp

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