新年、明けましておめでとうございます。
「1年の計は元旦にあり」と言いますが、春からのガーデニング計画はお立てになりましたか。いろいろ情報を集め、今年はこんな風に庭を造りかえたい、この苗木を植えたい、この種子をまこうなど、いろいろ計画を立てるのがガーデニングの第一歩ですね。
冬の鉢物は、年々豊富になっていますね。定番のプリムラ類、シクラメン、洋ラン類などのほか、春の花物も早々に並べられるようになっています。
南アフリカ原産のヒガンバナ科の球根植物。冬〜春咲き種は強健で、排水のよい用土に植えておけば3、4年植え替えは不要(適期は秋初め頃)。強い霜には当てないようにし、夏はやや乾き気味にし、風通りのよい半日陰で夏越しさせます。寒冷地では冬は室内で保護します。
オーストラリア・ニュージーランド原産のフトモモ科の常緑低木。属名のレプトスペルマムの名前でも流通しています。関東南部以南なら路地で越冬しますが、寒冷地では室内保護します。水やりは鉢土が乾いてきたらたっぷりと与えます。乾かしすぎるとダメージを受け、落葉します。春に地上部を1/3ほど切り詰めて、同時に植え替えます。用土は水はけのよいものを用います。
ジュリアンはプリムラ・ポリアンサとジュリアエで生まれた系統で、やや小型で多花性が特徴です。花形や花色も豊富になって、最近では、本花のようなピコティ(赤覆輪)咲きが人気を呼んでいます。栽培管理は、普通のポリアンサやジュリアンと変わりません。
丈夫で育てやすいキルタンサス |
ギョリュウバイ(レプトスペルマム)は春に植え替えと切り詰める。 |
小型で可憐なピコティー咲き |
ウメやフクジュソウで蕾が開かない場合がありますが、これは湿度不足。朝晩、霧吹きで軽くスプレーしてやれば、ちゃんと咲いてくれるはずです。ただ、フクジュソウで根を切られて植えられたものは、ちょっとつらいところ。ウメに寄せたフクジュソウは根が長いので、鉢におさめるため根を切って入れられているものがあります。こうしたものは、根から水が吸えないため花が開かないで終わってしまうものです。
こうした松竹梅の寄せ植えなどは、お正月を楽しんだ後は、よく日の当たる、強い風の当らないところに置きましょう。室内に置く場合は、暖房の風が当たらないところを選びます。いずれにしろ、春になったら鉢から抜き、それぞれ別に分け、一回り大きな鉢か庭に下ろして育てます。
入手して2週間くらいした鉢物は、肥切れしてくるものがありますので、マグアンプKなどの粒状の固形肥料を与えましょう。プリムラ類や、シクラメン、リーガースベゴニア、マーガレットなど花を長期間、次々と咲かせる種類には大切です(洋ラン類やシャコバサボテン、ポインセチアなど一季咲きの種類には必要ありません)。
また、シクラメンやプリムラ・オブコニカは、葉組みを整えてやりましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持ってきます。そうすると光が中にまで入るようになり、花が途切れなく咲きつづけてくれます。
大きく育った庭木には肥料は必要ないのですが、苗木の間や、花木類・果樹類には施肥(肥料を与えること)が欠かせません。寒中に、ゆっくり分解されてゆく有機質肥料を与えると、ちょうど根が動き出す頃に効きだすのです(根は芽より早く活動が始まります)。雪の積もっている地方では春になり、雪が消えたらすぐに行ないます。
発酵油粕や堆肥など。市販の有機固形肥料でもよい。
樹冠幅いっぱいあたり(枝が遠くに一番伸びているところ)の真下くらいで、輪状に深さ20センチほどの溝を掘るか、3、40センチほどの壷状の穴を6、7個掘り、肥料を入れて埋め戻します。前者は低木、後者は高木に向く方法です。溝や穴を掘る時に根に当たったら、ハサミなどで根を切っておくようにします。そうすると、細根が多く発生するようになり、下枝がよりしっかりするようになります。
目分量でかまいません。幹の直径が5センチ以下の樹木なら50〜150グラムくらい、それ以上大きくなったものは100〜200グラムくらい、花木類・果樹類は大きめの数値で、木姿を楽しむ庭木類は小さめの数値を目安にすればよいでしょう。
最近、多肉植物の人気が急上昇しているようで、ガーデンセンターでは多肉植物系統の売り場が拡充しているところが目立っています。多肉植物は、その性質さえ理解してしまえば、栽培管理にそう手間がかからないこと、年中、変わらぬ姿が楽しめること(花がきれいな種類もあります)、種類・品種が多く、コレクションの楽しみがあることなど、多肉植物園芸は楽しみの多い分野です。
ミニポットで売られているものは名前の付いていないものがあります。こうしたものは寄せ植えやタペストリーなどにはよいのですが、コレクションには不向きです。多肉植物は、葉挿しや株分けで易しくふやせるものが多いですから、多少高くてもちゃんとした名前つきのものを選ぶようにしましょう。
多肉植物の中には、秋冬成長型(夏季休眠)と、春夏生育型(冬季休眠)があります。それぞれの休眠期には水を控えないとトラブルを起こしますので注意しましょう。秋冬成長型にはベンケイソウ科ではアオエノウムやセンペルビウムの全種ほか、キク科のオトンナの多く、ユリ科のハオルチアの多く、ハマミズナ科のメセン類などです。
最近は一般的な種類はガーデンセンターなどで入手できるようになっています。品揃えの面では専門店が一番です。インターネットで珍しい種類の苗や種子を販売しているところも多くなっていますので、そういうところを利用するのもよいでしょう。また、多肉植物の趣味の会に入会すると、交換会などで珍品を求めることもできます。外国の種子屋さんを利用すれば、珍しい原種を育てることもできます。
主に南アフリカの野生植物種子の専門店。奇想天外(ウェルウェッティア)、アロエ、ゼラニウム類の原種のほか、バオバブ、原種球根などを扱っています。
サボテン、多肉植物専門の種子屋さん。アメリカ外の種類も多く扱っています。種子の採種地データがあるのもよい。
ハオルチア・オブツーサ(ユリ科) |
黒法師 |
オトンナ・ルピドコーリス(キク科) |
冬は樹木類も休眠時期です。この時期は石灰硫黄合剤など多少強い農薬をまいても影響しないものです。今、薬剤散布しておけば、病害虫の発生がてき面に少なくなります。
冬の薬剤散布は、マシン(機械)油乳剤と、石灰硫黄合剤を交互に散布し、退治しにくいカイガラムシ類やハダニ類を防除するものです。石灰硫黄合剤はウメなどの黒星病、イブキ類のさび病の予防にも効果があります。
ビンの石灰硫黄合剤は振るとジュウジュウと音を立てたりするので、ちょっとこわい気がしますが、説明書の通り薄めれば大丈夫です。希釈濃度は散布する樹によって違い、落葉した樹木には10倍、針葉樹や常緑樹には30〜40倍程度です。咲きかけた蕾や動き出した新芽には薬害を起こすことがあるので避けて、幹や葉裏まで丁寧にかけます。薬液がガラスなどにつくと、白く残ってなかなか取れないことがありますので注意しましょう。
1月、2月の園芸・ガーデニング関係の催し物を調べました。ぜひ出かけて見ましょう。