日本園芸協会

園芸ファン通信 VOL.274 【9月号】

 暑さも和らいできました。これからは、秋まき、秋植えの季節です。来年の春を見据えながら、植え付けに入りましょう。また、戸外で管理していた観葉植物など、寒さに弱いものは、早めに室内に取り込みましょう。

★今号の記事一覧★

  1. 【特集1】買い物情報
  2. 【特集2】季節の手入れポイント
  3. 【特集3】宿根草の植え替え
  4. 【特集4】鉢物類の取り込み
  5. 【特集5】イベント情報
  6. 【特集6】通信販売のご案内

【特集1】買い物情報

ダンギク (Caryopteris incana)

 キクと名前にありますが、シソ科の多年草です。ダンギクの名前は、姿の通り、茎の節ごとに花が集まって咲いている様子が、一段ごとに花が咲くように見えるので呼ばれているようです。落ち着いた色と葉や花の形から、和風なたたずまいをしています。
 日当たりと水はけがよく、肥沃な土でよく育ちます。耐寒性があるので、南関東以南では屋外で越冬できますが、厳寒期は簡単な防寒や霜よけをしてあげるとよいでしょう。花がらを摘み、冬に枯れた枝を整理してやり、春に株分けで増やせます。

ダンギク
▲ダンギク
和風なたたずまい
ダンギク花
▲ダンギクの花
節ごとに花序がある様子から「ダン(段)ギク」

●スカエボラ (Scaevola aemula)

 オーストラリア原産のクサトベラ科の多年草です。暑さに強く丈夫な性質で、花色もブルー、ホワイト、ピンクなど様々あり、夏以降の花壇に重宝します。乾燥に強く、日当たりの良い場所でよく育ちます。

スカエボラ
▲スカエボラ
「トパーズピンク」という品種です
スカエボラ花
▲スカエボラの花
ファンフラワーという別名をもつように、
扇(ファン)のような形をしています

●タヌキマメ (Crotalaria sessiliflora)

 日本に分布するマメ科の一年草です。毛がたくさん生えている見た目からか、妙な名前がつけられていますが、花はきれいな青色をしています。日本に自生していますので、栽培が容易のようです。日当たりと水はけのよい場所で育てます。

タヌキマメ
▲タヌキマメ
葉は細長く、大きながくには毛が生えています
タヌキマメ花
▲タヌキマメの花
ボサボサの見た目と違い
きれいな青色の花が咲きます
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【特集2】季節の手入れポイント

花壇・ガーデニング
 雨が多い分、秋の作業も進められない面もあります。土が湿りすぎているのもいやですね。秋植え球根類の植え付けや種子まき、秋冬花壇の草花の植え付けは、遅れないようにしましょう。
<花木・庭木>
 そろそろムラサキシキブ類、ウメモドキ、ヒメリンゴなどの実物類や冬の花のサザンカが庭を彩ってくれるようになります。庭木の手入れで、マツ類のコモ巻きは寒くなる前に行います(マツケムシが降りてくる前)。生垣の止め刈りを済ませていない方は早めに行いましょう。
花鉢物・観葉植物
 夜の気温の下がり方が大きくなりますので、寒さに弱い熱帯性の鉢植え類は、早めに室内に取り込むようにしましょう。
ただ、蕾ができるのに低温が必要なクンシランやシンビジウム、デンドロビウムは、霜が降りだす前までは戸外の日当たりのよい場所で管理します。また、シクラメン(ミニシクラメン)が早くも売り出されています。ラベルにガーデンシクラメンとあっても、耐寒性のない中大輪性種の小鉢仕立てのものもありますので注意しましょう。
家庭菜園・ハーブ
 秋野菜の収穫の時期です。雨の合間をぬって、ハクサイやキャベツ、ブロッコリー、ホウレンソウ、シュンギク、ニンジンなどは、大きく育ってきたものから収穫しましょう。また、サツマイモの収穫は霜が降りる前の晴れた日に行います。冬収穫用のネギ・ワケギ類やレタス、ナ(菜)類の定植時期です。ポット苗が販売されていますので早めに入手して植えつけましょう。
 ハーブでは、センテッドゼラニウムやヘリオトロープは室内に取り込み、半耐寒性のレモングラスやナスターチウム、メキシカンセージなど亜熱帯性のセージ類は、早霜などで傷めないようにひさしの下などに移しておきます。
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【特集3】宿根草の植え替え

 宿根草は、同じ場所でそのまま植え続けていると、株が込みすぎたり、土質が劣化して、花が咲かなくなったり株の勢いが衰えたりすることがあります。庭植えのものは4、5年、鉢植えのものは2年くらいを目途に植え替え・株分けするようにしましょう。
 これからの時期(10月中旬〜11月)に植え替えする宿根草は次の種類です。

<植え替え・株分けする種類>
 スズラン、シラン、フクジュソウ、キキョウ、アマドコロ、ニホンサクラソウ、プリムラ・ポリアンサ類、花の終わったシュウメイギク、ホトトギスなど。

<植え替え・株分けの方法>
 一回り大きく掘り上げ、土を落とし、それぞれ1株に2〜4芽くらい付けて分け、新しい場所に植え付けます。同じ場所に植える場合は、土を入れ替えるか、堆肥や腐葉土を多めにいれて土質を改善するようにします。
 なお、クリスマスローズやシャクヤクは根の動き出しが早いので、鉢植えのものだけ、土を落とさないように一回り大きな鉢に移すようにします(庭植えのものは、開花後か9月に行います)。

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【特集4】鉢物類の取り込み

 夜間、冷え込みを感じることも多くなってきたようです。夏の間、戸外で管理してきた観葉植物や熱帯花木、花鉢物もそろそろ室内に取り入れる準備をしましょう。

◎取り入れる前の準備
・枝と根の切り詰め 直接、地面の上に置いてしまった鉢は、底から根が出ていることがあります。こうしたものは、鉢から抜き、根を切り詰めて、同じ鉢か一回り大きな鉢に植え直しておくとよいでしょう。同時に枝も多少切り詰めるようにします。植え直しをしなかった場合も、枝は軽く切り詰めておきます。また、普通の鉢も長く伸びた枝やツルは1/2から2/3ほど切り詰め、茂りすぎたところの枝は風通しがよくなるよう、元から切り取ります。
・薬剤散布とナメクジの駆除 害虫が付いた株を室内に取り込むと、被害が大きくなります。取り込む前に葉の裏や株元、鉢の裏などをチェックしましょう。アブラムシやカイガラムシなどにはスミチオンやオルトランを散布して、退治しておくのがベストです。
・鉢上げ ハイビスカスなど庭に植えて育てたものを、鉢に上げて冬越しさせる場合は、掘り上げる1か月くらい前に、根鉢よりも1回り小さくスコップを入れて太根を切り、細根を出させておく(この作業を根切りといいます)と、植え替えしやすくなります。
・清掃 植物の幹や枝を布で拭き、鉢やプランターの周囲はたわしなどで洗い、ごみや汚れを落としておきます。鉢の底も忘れずに洗っておきましょう。雨の当たらない軒下に置いてあった鉢は、葉が汚れていることがありますので、頭からシャワーで洗い流しておきます。

◎取り入れの目安
・最低温度が15℃くらいになったら取り入れる種類
高温性のアローカシア、アカリファ、アンスリウム、カラテア、カリアンドラ、クロトン、サンセベリア、セントポーリア、ドンベヤ、バオバブ(落葉したら)、フィトニア、プルメリア、ポインセチア、ユーチャリス(アマゾンリリー)、高温性の洋ラン類(カトレア、ファレノプシスなど)ほか
・最低温度が10℃くらいになったら取り入れる種類
中低温性のアジアンタム、ホヤ類(ハートホヤ、サクラランなど)、アナナス類、カラジウム、ジャガランダ、ドラセナ、ハイビスカス、パキラ、フィロデンドロン、ブーゲンビレア、ペペロミア、ポトス、中低温性の洋ラン類(オンシジウム、デンドロビウム、シンビジウムなど)ほか
・最低温度が6、7℃になったら取り入れる種類
低温性のアスパラガス、プレクトランツス、ピレア、アブチロン、インドゴムノキ、クワズイモ、クジャクサボテン、クンシラン、ゲッカビジン、シェフレア、デュランタ、トケイソウ、トラディスカンチア、ノボタン、ランタナほか

<室内での管理の注意>
 日照を好むものは、窓際の明るいところに置き、日照に弱いものはレースのカーテン越しのところに置くなど、置き場に注意しましょう。10月中はまだ光が強いので、室内の日当たりは温度が上がりすぎることがありますので、注意が必要です。また、室内は戸外よりも空気が乾燥していますので、土の乾き方をチェックするとともに、葉水などを与えるようにしましょう。

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【特集5】イベント情報

■北海道■
いわみざわローズフェスタ2023 秋 期間:開催中〜10月9日(月・祝)
場所:岩見沢市・いわみざわ公園
TEL:0126-25-6111
URL:https://iwamizawa-park.com/
■青森県■
黄花コスモス2023 期間:開催中〜10月22日(日)※開園日をご確認の上お越しください。
場所:十和田市・手づくり村 鯉艸郷(りそうきょう)
TEL:0176-27-2516
URL: https://risoukyo.com/
■栃木県■
第1企画展「多肉とサボ展 古代トゲ文明とタニーク帝国の謎」 期間:開催中〜11月12日(日)
場所:栃木市・とちぎ花センター
TEL:0282-55-5775
URL:https://www.florence.jp/
■東京都■

第21回日比谷公園ガーデニングショー2023」

期間:10月21日(土)〜10月29日(日)
場所:千代田区・都立日比谷公園
TEL::03-5510-7185(土日祝を除く)
URL:https://www.tokyo-park.or.jp/event/52258.html
■神奈川県■
サボテン・多肉植物展 期間:10月11日(水)〜10月15日(日)
場所:鎌倉市・大船フラワーセンター
TEL:0467-46-2188
URL:https://www.fcofuna-kanagawa.jp/
■新潟県■
コスモスまつり 期間:開催中〜10月29日(日)
場所:長岡市・国営越後丘陵公園
TEL:0258-47-8001
URL:https://echigo-park.jp/
■京都府■
秋の山野草としだ展 期間:10月13日(金)〜10月16日(月)
場所:京都市・京都府立植物園
TEL:075-701-0141
URL:https://www.pref.kyoto.jp/plant/
■兵庫県■
原種シクラメンとダイヤモンドリリー展 期間:9月30日(土)〜11月23日(木・祝)
場所:神戸市・六甲高山植物園
TEL:078-891-1247
URL:https://www.rokkosan.com/hana/
■広島県■
サボテン・多肉植物展 10月7日(土)〜10月22日(日)
場所:広島市・広島市植物公園
TEL:082-922-3600
URL: http://www.hiroshima-bot.jp
■福岡県■
秋の盆栽展 期間:10月20日(金)〜10月22日(日)
場所:福岡市・福岡市植物園
TEL:092-522-3210
URL: https://botanical-garden.city.fukuoka.lg.jp
■沖縄県■
フラワーガイド

期間:毎日2回 11時開始〜、14時開始〜 ※所要時間30分程度)
場所:熱帯・亜熱帯都市緑化植物園
TEL:0980-48-3782
URL: https://oki-park.jp/kaiyohaku

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【特集6】通信販売のご案内

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注文先:日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)
TEL:0120-22-1128
FAX:0120-161-418
E-mail:custom@catalog-shopping.co.jp

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