日本園芸協会

園芸ファン通信 VOL.276 【11月号】

 いよいよ冬らしく寒くなってきました。広葉樹の落ち葉はかき集めて堆肥や腐葉土にしても良いですね。バラやマツなどは手入れに忙しい季節です。早めに済ませて、すっきりとした気分でお正月を迎えましょう。

★今号の記事一覧★

  1. 【特集1】買い物情報
  2. 【特集2】季節の手入れポイント
  3. 【特集3】クリスマスの花鉢物の手入れ
  4. 【特集4】落葉果樹・庭木の植えつけ
  5. 【特集5】イベント情報
  6. 【特集6】通信販売のご案内

【特集1】買い物情報

レオノティス・レノヌルス (Leonotis leonurus)

 南アフリカ原産のシソ科の多年草です。カンガルーポーを思い出すような、毛の生えた放射線状に飛び出したオレンジの花が特長的です。丈夫で育てやすいのですが、冬は0℃以上確保し、霜に当たらないように日の当たる屋内に取り込んで管理します。春〜夏に切り戻すと枝が増えるので花数が多くなります。


▲レオノティス
鮮やかなオレンジ色がパッと華やぎます。

▲レオノティスの花
カンガルーポーを思い起こさせるような花です。

●エレモフィラ・マキュラータ(這性) (Eremophila sp.)

 オーストラリア原産の、ハマジンチョウ科の常緑低木です。這うように広がっていき、シルバーリーフの先端に黄色の唇形が飛び出す珍しい株です。寄せ植えや花壇で楽しみます。
 水はけと日当りのよい場所を好みます。水は土が乾いたらたっぷり与えます。耐寒性は-7℃程度とやや低めですが、冬は念のため日当たりの良い屋内に取り込んでおくと安心です。


▲エレモフィラ・マキュラータ
綺麗なシルバーリーフです。

▲エレモフィラ・マキュラータの花
飛び出すような唇形をしています。

●オキザリス (Oxalis sp.)

 世界中に分布しているカタバミ科で、秋〜冬咲き、春咲き、夏咲き、一年草、多年草、非常に豊富な園芸種があります。葉の形も三角のものや丸いもの、細長いものなど、一年中いろいろな色、形が売られています。日当たりがよい場所で、水はけの良い土で育てます。水のやりすぎに注意しながら乾かし気味に育てます。


▲オキザリス‘バーシカラー’
花弁の裏が赤く、蕾の状態でも美しいです。
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【特集2】季節の手入れポイント

花壇・ガーデニング
冬花壇の草花の生育はいかがですか。パンジービオラデージーハボタンは耐寒性が強いので、根付いてしまえば多少霜が降りても大丈夫ですが、スイ―トアリッサムクリサンセマム・ムルチコーレはやや寒さに弱いので、霜よけや風除けを作るか、軒下に移すのが無難です。ユリやスイセンの球根を植えていない場合は、早めに植えましょう。
<花木・庭木>
 マツ類の“もみ上げ(古葉とり)”は早めに済ませて、正月をきれいな庭で迎えましょう。また、チャボヒバ、イトヒバ、スイリュウヒバなどのヒバ類も庭の格を高めてくれる樹木です。一緒に手入れをすれば、庭がより見事になります。
 モミジ・カエデ類の剪定も早めに行う作業です。根の活動が早く樹液の流れが早いので、落葉後、できたら年内、遅くても1月いっぱいくらいにすませておきます。太枝を切るときは、枝の根元から切り、切口にはツギロウやトップジンMペーストなどの癒合剤を塗るとよいでしょう。
 
<花鉢物>
 これからしばらくは、外の園芸はあまり楽しめなくなり、室内園芸が中心になります。定番のシクラメンプリムラ類、花期の長いシンビジウムデンドロビウムなどの洋ラン類、クリスマスに欠かせないポインセチアクリスマスカクタスシャコバサボテン)、クリスマスベゴニアなどが豊富に出回っています。良質の株を入手することが、鉢物を長持ちさせる 秘訣です。お店に入荷された直後の、ダメージを受けていない鉢を選びましょう。
 
家庭菜園・ハーブ
菜園やハーブガーデンもそろそろ冬支度ですね。
夏秋まきのネギニンジンタカナカラシナなどの収穫時期です。あまった野菜類は土寄せをすれば、しばらく保てます。また、ホウレンソウコマツナなどには霜よけをつくってやりましょう。
地上部が枯れてきたハーブ類は株元で切り取り、根元を腐葉土や堆肥でマルチングしておきます。まだ取り入れていない非耐寒性のハーブがあれば、早めに室内やフレームなどに取り入れます。
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【特集3】クリスマスの花鉢物の手入れ

 冬の室内を暖かく飾ってくれる鉢物類が盛りになっています。鉢物を購入するときは、なるべく商品の回転の早いお店で、入荷したてのものを選びましょう。お店に長く置いてあったものや、店外の吹きさらしの場所に置いてあったものなどは、傷んでいることがありますので注意しましょう。一度傷むと、回復させるのはなかなか困難です。早めに入手した鉢物はそろそろ液肥を施す時期です。また、咲き終わった花がらは、まめに摘み、株の負担を少なくしてあげましょう。

●シクラメン 入手して花が咲き進んできたら、葉組みをしましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持ってきます。そうすると光が中にまで入るようになり、花が途切れなく咲き続けてくれます。枯れた花や黄色くなった葉は、強引に引っ張って抜かず、しおれて抜けるようになってから指で軽くねじって摘み取りましょう。夜間温度は6〜7℃程度がベストです。

●クリスマスベゴニア 春まで長く咲き続けてくれる種類です。花がらをこまめに摘み、液肥を2週間に1回ほど与えます。エラチオールベゴニア(リーガースベゴニア)も同様です。ベゴニア類は、高めの温度(夜間温度12、3℃)を好みますので、やや暖かい部屋に置きましょう。

●クリスマスカクタス 空気が乾燥すると蕾が落ちやすくなります。霧吹きをこまめにするか、夜だけポリ袋を頭からかぶせて鉢元を軽く縛っておくとよいでしょう。1季咲きですから肥料は必要ありません。

●ポインセチア 過湿にすると根が傷み、下葉から枯れてきますので、水やりは鉢土が白く乾いてきて葉が少ししおれかけてきてから与えるようにします。また、水を与えた日の夜は14、5℃が保てる部屋に移すようにします。肥料は必要ありません。

●クリスマスローズ この時期に咲くヘレボルス・ニゲル(本来のクリスマスローズ)と、本来は春咲きのヘレボルス・オリエンタリス(レンテンローズ)とその交配種が出回り始めています。耐寒性が強いので、露地で栽培できます。なお市販株は根の大きさのわりに、ポットが小さいことが多いですから、入手したら一回り大きな鉢に植え替えましょう。

●プリムラ類 オブコニカシクラメンと同じ葉組みをしましょう。リアンサは、葉の裏から花が上がることがありますから、花を真ん中に集めるようにし、終わった花は先の細いハサミで柄の下のほうから切り取ります。また、オブコニカマラコイデスで花茎が多く上がってきたら、先に咲いた茎から切り取って切花にして楽しむようにすると、次から次に花が咲きつづけてくれます。

●シンビジウム 花は咲き進むまではよく日に当てるようにします。蕾が全部開いたら場所を移してもよいでしょう。この段階で切花にすると、株の回復が早くなります。また、しおれた花は1つずつこまめに摘み取りましょう。
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【特集4】落葉果樹・庭木の植えつけ

 落葉の果樹や花木・庭木の植えつけは、葉が落ち休眠に入った今の時期が好期です(12月いっぱいまで)。寒さが早く来る地方は、春に入る直前くらいが好機になります。

<植えられる種類>
ウメモドキ、オオデマリ、ガマズミ類、モクレン・コブシ類、カエデ、ボケ、カイドウ、サクラ類、果樹ではウメ、モモ、リンゴ、ナシ、クリ、カキ、ブドウなどが植え時です。

<よい庭木の条件>
・木の形のよいもの
・枝が四方に伸びているもの
・幹肌が生き生きしているもの
・根鉢がある程度大きく、細根が多数ついているもの
・太い根を切った痕がないもの

<植木の植え方>
(1)根鉢よりも大きめの植え穴を掘る(深さは根鉢の高さよりも深く)。
(2)底に堆肥を入れ(苗木の場合は化成肥料も少量入れる)少し土を戻す。
(3)根元が地面の高さよりも多少高くなる程度で植木をすえる。
(4)土を8分目くらい入れて、水をたっぷりと注ぐ。
(5)根鉢を棒で突き、土を根の周りに行き渡らせる。
(6)土を元の高さまで戻す。
(7)植え穴の周囲に丸く土手状に土を盛って(水鉢)、その中にもう一度水を十分に注ぐ。
この方法は水極めといい、マツ類やナンテンなどは水を使わない植え方をします(土極め)。
なお、1本立ての果樹苗は、幹を切り詰めて植えつけます。

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【特集5】イベント情報

■北海道■
牧野富太郎と北海道の植物 期間:開催中〜2024年3月30日(土)
場所:札幌市・北海道大学植物園
TEL:011-221-0066
URL:https://www.hokudai.ac.jp/fsc/bg/g_access.html
■岩手県■
ツバキ開花 期間:開催中〜2024年4月下旬
場所:大船渡市・世界の椿館・碁石
TEL:0192-29-4187
URL: http://www.sekaino-tsubakikan.jp/index.html
■茨城県■
シクラメンフェア  期間:12月8日(金)〜12月10日(日)
場所:那珂市・茨城県植物園展示室
TEL:029-295-2150
URL:https://www.ibaraki-shokubutuen.jp
■東京都■
木の実・草の実展 期間:開催中〜12月10日(日)
場所:調布市・神代植物公園
TEL::042-483-2300
URL:https://www.tokyo-park.or.jp/jindai/news/2023/53738.html
■神奈川県■
寺村サチコ展  期間:12月5日(火)〜17日(日)
場所:鎌倉市・大船フラワーセンター
TEL:0467-46-2188
URL:https://www.fcofuna-kanagawa.jp/
■京都府■
ポインセチア展 期間:12月1日(金)〜12月25日(水)
場所:京都市・京都府立植物園 観覧温室
TEL:075-701-0141
URL:https://www.pref.kyoto.jp/plant/11900006.html#tuki12
■兵庫県■
ポインセチアとスミシアンサ展 期間:開催中〜12月24日(日)
場所:兵庫県立フラワーセンター
TEL:0790-47-1182
URL:https://flowercenter.jp/booth_event/3926
■広島県■
クリスマスを飾るフラワー展 期間:開催中〜12月25日(日)
場所:広島市・広島市植物公園
TEL:082-922-3600
URL: http://www.hiroshima-bot.jp
■高知県■
牧野富太郎物語〜ある植物分類学者の生涯 開催中〜2024年5月12日(日)
場所:高知県立牧野植物園
TEL:088-882-2601
URL:https://www.makino.or.jp/event/detail.php?id=755
■宮崎県■
ポインセチア展 期間:12月1日(金)〜24日(日)
場所:宮交ボタニックガーデン青島
TEL:0958-65-1042
URL:https://mppf.or.jp/aoshima/
■鹿児島県■
フラワーパークイルミネーション2023

期間:12月1日(金)〜1月2日(火)
場所:かごしまフラワーパーク
TEL:0993-35-3333
URL:https://www.fp-k.org/

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【特集6】通信販売のご案内

日本園芸協会代理部(日本カタログショッピング)では、庭やベランダでの園芸作業がはかどる園芸資材をご紹介しています。ぜひご利用ください。


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注文先:日本園芸協会 代理部(日本カタログショッピング)
TEL:0120-22-1128
FAX:0120-161-418
E-mail:custom@catalog-shopping.co.jp

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