【特集1】おすすめ植物情報
●八重咲きパンジー‘フェアリーチュール’(Viola ‘Fairytulle’)
ビオラやパンジーの園芸品種は多岐に渡ります。これまでの鮮やかな色とは別に、シックな色合いで上品さを追求したものがたくさん作出されています。これは八重咲きで優しいグラデーションの色合いであるパンジーです。耐寒性が強く戸外の花壇や寄せ植えに大活躍します。水はけの良い土で日当たりのよいところにおきましょう。厳冬期は根の凍結を避けるため、晴れた日の午前中に水やりをすませ、夜には余分な水分が土の中に残らないようにしましょう。

▲八重咲きパンジー‘フェアリーチュール’は、
ピンクを主としたグラデーションを楽しめます。
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▲花の拡大。シックな花色が美しく、ハンギングバスケットなどで楽しんでもよいでしょう。 |
【特集2】季節の手入れポイント
<花鉢物>
花鉢物や草花は、それぞれ種類にあった手入れをすれば、長く咲き続けてくれます。
- ○花がら摘み
- シクラメン、プリムラ、パンジーなど、花が次々に咲き続けるものはこまめに花がら摘みしましょう。しおれた花が病気のもとになったり、種子をつけると株の勢いが衰えたりします。咲き終わった花や黄色くなった葉は、無理に引っ張らず、根元をひねって抜き取りましょう。
- ○追肥
- 長期間花が咲き続けるものは追肥が必要です。マグアンプKなど固形肥料を与えましょう。洋ラン類やシャコバサボテン、ポインセチアなどには必要ありません。
- ○切り戻し
- リーガース・ベゴニアの株で花が終わったものは深め(茎の半分くらい)に切り戻せば再び花茎があがってきます。サイネリアは、株もとの脇芽に葉を3〜4枚つけて切り戻し、同時に一回り大きな鉢に根鉢を崩さないように植え替えます。1週間ほどしてから10日に1回くらいの割合で液肥を与えていると、もう一度花が咲きます。ただし、春遅くなってからではできません。
- ○その他
- ポインセチアは低温と過湿に注意します。低温(5、6℃くらい)で越冬させているハイビスカスやブーゲンビレアは、落葉しても枝が緑色ならば枯れていません。7〜10日に1回くらいの割合で水やりしましょう。
<庭木・花木の手入れ>
花木・庭木類の寒肥や冬の薬剤散布を済ませていない方は、2月の前半くらいまでに行うようにしましょう。落葉樹の剪定を済ませていない方は、3月初旬くらいまでに済ませましょう。
<家庭菜園・花壇の天地返し>
寒さが厳しいうちに、天地返しを行っておきましょう。
1度土を掘り上げた後、2週間くらいしたらもう1回土を返すようにしましょう。その後ついでに、苦土石灰を1uあたり150gほどばらまいて土と混ぜ合わせておきます。さらに1週間以上後に堆肥を1uあたり2〜3kgほどばらまき、すきこんでならせば、土作りは万全です。
なお、新しく花壇や菜園を作る場合は、最初に熔性リン肥(熔リン)を1uあたり200gくらいばらまいてから耕し、その後に石灰(苦土石灰)、少しして堆肥(1uあたり5kg)をすきこむようにします。 |
【特集3】春の花といえばプリムラ
春の代表的な鉢花がプリムラ。この「プリムラ」という名前は、サクラソウ科のサクラソウ属の学名ですが、園芸的には欧米で改良されたサクラソウ属の草花を呼ぶ名前になっています。
<プリムラ類の管理ポイント>
冬の鉢花の中では寒さに比較的強く、凍らない程度の低温でよく、逆に高温になると株が早く弱ります。日当たりを好むので、暖房のない部屋の日当たりのよい窓辺などに置くと良いでしょう。開花時期が長いので追肥をして肥切れさせないようにします(液肥なら2週間に1回、置き肥なら1、2か月に1回)。空気が乾燥しているとハダニが付きやすいので、殺ダニ剤の散布か葉裏にシリンジ(噴霧)します。花がらはこまめに摘み、咲き進んだ花茎は切り取ると花茎が次々にあがってきて、長く楽しむことができます。
<プリムラの種類と特徴>
- ●ポリアンサ(P.×polyanthus)とジュリアン(P.×juliae)
- ヨーロッパ原産のサクラソウの交雑で生まれたポリアンサに、コーカサス原産のジュリアエを交配して作られたのがジュリアン。大輪で花茎がたつのがポリアンサで、小輪で花が地際で花が咲くのがジュリアンだったのですが、改良が進んで見分けにくくなっていますので、購入する際には札をよく見ましょう。八重咲き(バラ咲き)やパステルカラー、グラデーションやフリンジの花色も多くなっています。夏涼しく過ごさせれば、夏越しできます。
- ●マラコイデス(P.malacoides)とフィルクネラエ(P.filchnerae)
- マラコイデスは多花性で優しい草姿で人気があります。近年出回るようになったフィルクネラエ(雲南サクラソウ)は、より大輪でボリュームのある姿になります。この2種は夏越しが難しいので、毎年種子で更新します。中国原産。
- ●オブコニカ(P.obconica)
- 花が大輪で、プリムラの中では日陰に耐える種類です。寒さには弱いので、室内管理で。夏の暑さには強く、夏越ししやすい種類です。中国原産。
- ●デンティキュラータ (P.denticulate) とロゼア(P.rosea)
- 玉咲きで、開花が進むに連れて花茎が伸びるデンティキュラータと、それよりもやや小型のロゼア。共にヒマラヤ地域原産で耐寒性が強いので外で育てます。本来は宿根草ですが、高山性のため暖地では夏越しは困難。消耗品と考えるのが実際的です。
【特集4】多肉植物を育てる !!
最近は比較的安価な多肉植物のミニ鉢が出回るようになり、手軽に寄せ植えで楽しむこともできるようになりました。ガーデンセンターでも多肉植物系統の売り場を拡充しているところが目立っています。多肉植物は、その性質さえ理解してしまえば、栽培管理に手間がかからないこと、年中、変わらない姿が楽しめること(花がきれいな種類もあります)、種類・品種が多く、コレクションの楽しみがあることなど、楽しみの多い分野です。
<入手のポイント>
- ・名前つきのものを選ぶ
- ミニポットで売られているものは名前の付いていないものがあります。こうしたものは寄せ植えにはよいのですが、コレクションには不向きです。多肉植物は、葉挿しや株分けでやさしく殖やせるものが多いので、多少高くてもちゃんとした名前つきのものを選ぶようにしましょう。
- ・ネット通販で珍品も
- 最近は一般的な種類はガーデンセンターなどで入手できるようになっています。品揃えの面では専門店が一番です。インターネットで珍しい種類の苗や種子を販売しているところも多くなっていますので、そういうところを利用するのもよいでしょう。また、多肉植物の趣味の会に入会すると、交換会などで珍品を求めることもできます。外国の種子屋さんを利用すれば、珍しい原種を育てることもできます。
<国内のナーサリーと趣味の会>
・山城愛仙園
豊中市原田南1-10-7 Tel 06-6866-1953
http://www.aisenen.com/
・奈良多肉植物研究会
奈良市法蓮町1417-23 Tel 0742-27-3266
http://www3.kcn.ne.jp/~sakainss/
・国際多肉植物協会(ISIJ)
http://isij.net/
会費3000円(年間)。詳しくはホームページをご覧ください。
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