日本園芸協会季節の園芸作業
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[2月]

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◆2月のガーデニング◆

 今年は秋から正月にかけて暖かったせいか、ロウバイなどの開花が遅れているようです。その分、ウメなどは順調で開花の便りが届くようになりました。 時期的に野外のガーデニングには早いのですが、庭木類の剪定、薬剤散布、寒肥、またサクラソウ(日本サクラソウ)の植え替えはすませておきましょう。 なお、今年のガーデニング計画を立てられていない方はお早めに。

◆買い物情報◆
アジサイ

 そろそろガーデンショップの品揃えも、冬から春に装いに変わります。 メインの種類が冬の花のシクラメン、ポインセチアから春の花のマーガレット、スイートピー、サイネリア、プリムラ類、アザレアなどが中心になり、洋ランもシンビジウムが安くなり、カトレア、コチョウランが多くなります。 気の早いところでは、ハイドランジア(西洋アジサイ)も出まわり始めます。

 冬の鉢物の手入れは、店頭で寒風にさらされていたものは避けること。もともと温室で大切に育てられてきたものですから、短時間でも寒風にさらされると、すぐにダメージを受けてしまいます。
  見た目はなんともなくても、内部が傷んでいるものがありますので注意しましょう。草物などで、下葉がなかったり、黄色くなっているものなどは要注意です。


冬の鉢物の手入れ シクラメンは、葉組みを整えてやりましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持ってきます。そうすると光が中にまで入るようになり、花が途切れなく咲きつづけてくれます。シクラメン、プリムラ類、パンジー・ビオラなど、花が次々に咲きつづける種類は花がら摘みをこまめに行いましょう。種子を稔らせると株の勢いが衰えますし、しおれた花をそのままにしておくと、病気のもとにもなります。
 また、入手して2週間くらいした鉢物は、肥切れしてきてくるものがありますので、マグアンプKなどの粒状の固形肥料を与えましょう。特にシクラメンやプリムラなど花を長期間、次々と咲かせる種類には大切で、洋ラン類やシャコバサボテンなどには必要ありません。
 リーガース・ベゴニアで花の終わった株は、深め(茎を半分ぐらい)に切り戻せば再び花茎が上がります。なるべく日当たりのよい窓辺などに置くようにしましょう。

ストーブ園芸の勧め 外で作業が出来ない冬の季節に、ストーブに当ったりコタツに入りながら、カタログを眺め、春になったらこの種子をまこう、この苗木を植えよう、こんな花壇を作ろうなどといろいろ計画を練ることを「ストーブ園芸」といいました。最近の建物は機密性が高くなり、外は寒くても、家の中はあったかというご家庭が多くなり、室内で園芸が楽しめますので、この言葉も死語になりそうです。
 でも、ガーデニング仕事が少ないこの時期に、春からの計画を組み、いろいろと準備をしておけば、ガーデニングがより充実したものになること間違いなし。

 あなたも今年は、ストーブ園芸を充分に行い、種子や苗の注文、道具や資材の点検、手配を早めに済ませるようにしましょう。

 それでは、ストーブ園芸に必要な通信販売の会社を紹介しましょう。
<日本国内>
サカタのタネ(神奈川県横浜市都筑区仲台2-7-1 Tel 045-945-8824)
総合園芸通販会社(種子・苗・資材・その他)
タキイ種苗(京都市下京区梅小路 Tel 075-365-0123)
総合園芸通販会社(種子・苗・資材・その他)
改良園(川口市神戸129 Tel 048-296-1174)
花木・果樹・山野草・その他
日本花卉(川口市石神184 Tel 048-296-2321)
花木・果樹・山野草・その他
玉川園芸・日野春ハーブガーデン(山梨県長坂町0551-32-2970または0266-72-1778)
ハーブ関係(苗、種子ほか)
<外国>
・PLANTWORLD
(イギリス ST.MARYCHURCH RORD, NEWTON ABBOT, DEVON, ENGLAND TQ12 4SE)
山野草中心
・ THOMPSON & MORGAM
(イギリス POPLAR LANE, IPSWICH, SUFFOLK, ENGLAND IP8 3BU )
世界的な総合園芸会社(種子・苗・資材・その他)
日本に代理店=バラクラ・イングリッシュ・ガーデン Tel 03-5423-1255がある。
 カタログは有料のところがほとんどですから、入手に当っては電話などでご確認ください。
 ストーブ園芸をより稔りの多いものとするためには、最新の情報を入手することが大切です。そのために、外国の園芸の会に入るのも一つの方法です。そこで、歴史のあるイギリスの会を紹介しましょう。外国の最新情報の入手はもちろん、愛好家とのコンタクトもとれます。
・RHS(The Royal Horticultural Society 英国王立園芸協会)
   P.O.Box 313 London SW1P 2PE U.K. (http://www.rhs.org.uk)
一番歴史が古く、規模の大きな園芸の会。日本に支部があり、機関誌の(ザ・ガーデン)の要約も手に入る。RHSJ(英国王立園芸協会日本支部 Tel 03-3984-9690)  
・The Alpine Garden Society
Avon Bank Pershore Worcestershire WR10 3JP U.K.
(http://www.starblanket.com/~susan/britcat.spml)
一番歴史のある山草会。種子の交換なども行っている。

一口メモ・クリスマスローズの話し

最近、クリスマスローズの仲間(ヘレボルス)の人気が高くなり、雑誌や本で大きく取り上げられようになりました。クリスマス+ローズの言葉の響きがよいですね。でも、「クリスマスローズ」なのに、クリスマスのシーズンに花を咲かせた株はほとんどみられません。ちょっと変ですね。そこで、今回はその秘密を探りました?!

クリスマスローズの仲間は、キンポウゲ科のヘレボルス属(Helleborus)。この属には10数種の原種とその交配種があり、ガーデニングの本家ともいえるイギリスでも、冬の庭を飾ってくれる貴重な花として、大変に人気が高いそうです。原産地はヨーロッパと西アジア(1種だけ中国のチベット)。
 もともとクリスマスロースの名前は、ヘレボルスのなかのノイガーという原種につけられたものです。実際、ノイガーはヨーロッパではちゃんとクリスマスの頃に咲いてくれるそうです。花もクリスマスにふさわしい清々しい純白色。ただ、低温の期間を経験しないと花が開かない性質があるため、なかなかクリスマスには咲いてくれず、1月すぎに開花がずれ込んでしまうことがあります。また、夏の暑さに弱く、暖地では育てにくい面があり、普及が進まない面があるようです。
 現在、クリスマスローズとして出まわっているものは、オリエンタリスという原種を中心に交配改良された「ヘレボルス・オリエンタリス・ハイブリッド」という交雑種が多いようです。この系統は早春咲きで花色が豊富、強健で育てやすく、種子をまいて3年位で開花します。なお、ヘレボルス・オリエンタリスは、キリスト教のレンテン節(復活祭前の30日間)の頃に咲くので、レンテンローズの名前がつけられました。
 さて、「クリスマスローズ」の名前ですが、日本でも昔は「クリスマスローズ」と「レンテンローズ」を区別して呼んでいました。最近は、なじみのないレンテン節よりもクリスマスの方が分かりやすいせいか、「ヘレボルス属」全体を「クリスマスローズ」と呼ぶようになったようです。
 なお、クリスマスローズの花びらに見えるのは「がく片」で、本来の花びらは退化して見られません。この「がく片」が、開いてからだいたい2か月くらい変わらず咲きつづけてくれます。

※クリスマスローズ栽培のポイント
   

・適地は半日陰の水はけのよい肥沃地、落葉樹の下など
・用土には腐葉土か堆肥をすきこんでおき、石灰を一掴み混ぜる
・鉢植えは根が大きいのでやや大きめの深鉢
・4、5年に1回植え替える


プリムラ・ジュリアンのハンギングバスケット
寒さに比較的強いジュリアンが手ごろな価格で出まわるよいうになっています。このジュリアンを使って、タペストリー風のハンギングバスケットを作りましょう。ジュリアンは花茎が伸びず小型で可愛らしいのでタペストリーにぴったりです。

素材

<材料>
ワイヤーバスケット、ポリエチレンシート、ウレタンシート(穴があいていない場合はカッターなどで穴をあける)、プリムラ・ジュリアン(21株)、ハンギング用用土(バーミキュライトを含んだ軽い混用土
手順1
(1)
手順2
(2)
手順3
(3)
手順4,5,6,7,8
(4),(5),(6),(7),(8,)
手順9,10
(9),(10)
<作り方>
  1. ワイヤーバスケットの背面の内側にポリエチレンシートを敷く
  2. ウレタンシートを表面の内側に当てる
  3. ウレタンシートの一番下の穴の位置まで用土を入れる
  4. ジュリアンは土を半分くらい落しておく(水を控えておくと落しやすい)
  5. ポリポットを切り開いたものを円錐状に巻きその中にジュリアンの根を入れる
  6. この格好でウレタンシートの穴に根の部分だけ挿しこむ
  7. 一段挿し終えたらその分土を入れ、ジュリアンの根の間に土を混ぜ込む。この時、あまりジュリアンの根を切らない
  8. 側面に入れ終えたら、最後に上部にジュリアンを植える。
  9. 全部植え終ったら、十分に水を与える。バケツなどに浸して底から吸わせるとよい
  10. 出来あがったものは、1週間ぐらい半日陰の風の当らない温かい場所で養生させる
※植えこむ前に彩りを考える
※ジュリアンは水切れに弱いのであまり風の強く当るところには飾らないこと

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