日本園芸協会季節の園芸作業
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[4月の園芸作業]

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◆4月の園芸作業◆

 今年はサクラの開花が非常に早く、関東地方ではすでにソメイヨシノは散り、ヤエザクラがはや咲きはじめているようです。感じとしては、春が例年よりも2週間から、3週間くらい進んでいるような気がします。種まきや球根の植えつけ、花壇の整備など園芸・ガーデニングの作業は遅れないように、早めに進めるようにしましょう。

◆買い物情報◆

熱帯花木
ハイビスカスやブーゲンビレアなど、夏咲きの熱帯花木が、もう並べられています。今年は、春が暖かいので(遅霜に注意ですが)、夜の寒さをそう気にしないですみそうですね。根元がぐらぐらしない株を選びましょう。ただ、根詰り気味に仕立てられている鉢が多いので、ブーゲンビレアは花後に、ハイビスカスは5月になったら一回り大きい鉢に植えなおしてあげましょう。

フクシア、球根ベゴニア
 共に花の華麗さで人気の鉢物です。本来は秋まで咲きつづけるものですが、夏の暑さで弱いので、夏までの鉢物と考え、なるべく早めに入手しましょう。蕾が多くついた根元がぐらつかない株が良品。入手後はレース越しの窓辺などで空気の乾燥しないところで管理します。脇芽を挿し木すれば、簡単にふやせます。

ハイドランジア
 日本のアジサイがよりカラフルに改良された西洋アジサイです。今の時期に売られているものは温室で促成されたものですから、急に寒いところに置くと傷みます。また、木の大きさの割りに鉢が小さいので、水切れには注意しましょう。


ブーゲンイレア フクシア パステル・ファンタジー
ブーゲンイレアは花後に切り戻します。 ヨーロッパでは人気の高いフクシア。スタンダードに仕立てて玄関回りなどに飾ると素敵です。 フクシアの新しい品種「パステル・ファンタジー」
ベゴニア アジサイの新しいタイプ「隅田の花火」
花径25cm以上にもなる球根ベゴニア アジサイの新しいタイプ「隅田の花火」

◆春花壇・コンテナの手入れ◆

ムスカリーの花
ムスカリーも花後、
種子をつけさせないように。
 パンジー・ビオラやキンギョソウ、ロベリアなどが花壇やコンテナで咲き誇り、チューリップ、ムスカリーなどの球根類も盛りの時期です。ただ、今年のように、春、急に暖かくなった年は、春花壇の花が長持ちせず、短期間で駄目になってしまうことがあります。気をつけましょう。
  よい状態を長続きさせるために、花殻をこまめに摘み、いたんだ葉の整理をし、込みすぎているところは枝ごと切り詰めておきましょう。また、肥料も切れるころですから、マグアンプKなどの固形肥料を株元に一つまみほど与えます。液肥ならば2週間に1回くらいです。アブラムシがついた場合は手でつぶすか牛乳を薄めずにスプレーすれば退治できます(晴れた日の午前中がベスト)。虫の体にかかるよう丹念にスプレーしましょう。翌日、頭から水やりして牛乳を洗い流します。



◆キッチンガーデンを作りましよう◆

ズッキーニ
キッチンガーデンの
新顔ズッキーニ
 BSE(牛海綿状脳症)の問題に、野菜や肉類の産地・銘柄の偽称と、いやなニュースが続きます。食べ物に不安があるのは本当に心配ですね。暮しの基本なわけですから、どうにかしてもらいたいところです。そこで、防衛策は、自分で食べるものは自分で作る! 今人気の、キッチンガーデンで野菜を作りましょう。ベランダなら、大きめのプランターで、庭ならば3坪あれば、いろいろな種類が楽しめます。
 葉物類や根菜類は種子から、果菜類は苗からが手軽です。良苗は茎が太くて真直ぐで、節間(葉と葉の間隔)が詰っているもの。大きな苗というよりもがっちりしているものがよいのです。葉に切れめがあったり縮れているものは避け、下葉が黄化せずしっかりついているものを選びましょう。花壇を作るときは、ハーブ類を一緒に植えると、配色がにぎやかになるほか、病虫害を押さえる効果もあるようです。
 なお、手抜きをして楽に作りたい場合は、サツマイモやサトイモなど強健なイモ類を、短期間で収穫したいならば、サラダ菜やコマツナなどの葉物類かズッキーニを、じっくり育てて収穫をという方は、ナスやトマト、キュウリなどの果菜類をお勧めします。


花木・庭木の手入れ

芽吹いてきた新緑は軟らかく、油断するとアブラムシにたかられてしまいます。特にウメ、サクラ、バラ、モミジ・カエデ類、ツバキ・サザンカ、シャクナゲなどは気をつけましょう。

 
  • アブラムシ対策
    アブラムシ類は農薬には弱いので、大体の殺虫剤で退治できますが、1度散布して退治しても、すぐに風に乗って新しい虫がやってきます。やはり、長期間薬効が持続する(1度散布すれば3週間くらいもつ)浸透移行性の殺虫剤(オルトランやエカチンなど)の散布が効率的です。
     なお、ウメやモミジ・カエデ類は薬に弱く、薬害を起こしやすいですから、葉が固まるまで待ってから散布するようにしましょう。小さな木の場合は、手でつぶすのが安全です。
  • バラには混合散布
    バラは病害虫の多い植物です。芽出しから週に1回、殺虫剤(スミチオンなど)と殺菌剤(ダコニールなど)を混合散布しましょう。また、冬から、春早く咲いてくれた花木類の花後の剪定を済ませていない場合は、早めに行ないましょう。
  • ウメ
    花ウメは、葉芽のある枝は、芽を2、3芽残して枝を切り戻し、葉芽のない枝は、枝の基部を少し残して切り詰めます。実ウメの場合は、花後剪定はせず、そのまま伸ばします。
  • ツバキ・サザンカ
    ツバキも花が終わった木から剪定をします。花が咲いた枝は、来年はよい花をつけませんから、枝の基の方に2芽くらい残して枝を切り詰め、花が咲かなかった枝は来年花が咲きますので、大切にします。ただ、残す枝のバランスを見て、混みすぎるようなら、こうした枝も2、3芽残して切り詰めます。サザンカも同様に行ないます。
  • ロウバイ
    自然に樹形が整いますので、原則的に剪定は不要ですが、込みすぎた枝の間引きなどは、花後すぐに行ないます。あまり強い剪定を行なうと、逆に木が暴れて徒長枝を多く出すので注意しましょう。台芽は見つけ次第切り取ります。
ツバキの剪定
イベント情報
花の文化展
場所:東京、日本橋・三越本店
開催:4月9日〜14日
連絡先:Tel 03-3591-6295

「宝塚植木まつり(兵庫)」
場所:宝塚市山本・あいあいパーク
開催:4月11日〜14日
連絡先:Tel 0797-77-2036

「花と緑の園芸博(札幌)」
場所:中央区・さっぽろ東急
開催:4月11日〜17日
連絡先:Tel 011-212-2211

「神戸蘭展2002」
場所:兵庫県神戸市 中央区・神戸国際展示場
開催:4月12日〜16日
連絡先:Tel 078-322-5360

「フラワー&ガーデンショウ大阪鶴見(大阪)」
場所:鶴見区・花博記念公園
開催:4月12日〜16日
連絡先:Tel 06-6632-8703

「国際ガーデニング&フラワーショーIN北九州(福岡)」
場所:北九州市小倉北区・西日本国際展示場新館
開催:4月26日〜29日
連絡先:Tel 093-551-4111

「第4回国際バラとガーデニングショウ」
場所:埼玉県 所沢市・西武ドーム 
開催:5月17日〜22日
連絡先:Tel 03-5551-9542
※2月に記者発表があり、今回のシンボルガーデンは「印象派の巨匠モネの庭」がテーマになっているとのことでした。



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