◆買い物情報◆
フラワーショップは早くも春の装いに変わります。
花壇用の苗ものは、セチクク(ナデシコ)やストック、キンギョソウ、キンセンカなどの春用の草花が多くなります。ただ、まだ寒さは厳しいですから、強い霜の降りるところでは、ひさしの下など霜の当たらないところで管理しましょう。
鉢物も春らしいマーガレット、カルセオラリア、サイネリア、アザレアなど春の花が目立ち、洋ランもシンビジウムの代わりに、カトレア、コチョウランが多くなっています。気の早いところではハイドランジア(西洋アジサイ)も出まわり始めます。
冬の鉢物の入手は、店頭で寒風にさらされていたものは避けること。もともと温室で大切に育てられてきたものですから、短時間でも寒風にさらされると、すぐにダメージを受けてしまいます。見た目はなんともなくても、内部が傷んでいるものがありますので注意しましょう。草物などでは、下葉が縮れていたり黄色くなっているものなどは要注意です。
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ストックは寒さに強い
が、強い霜にはさらさないように |
カルセオラリアは水切れに注意し、
花柄をまめに摘む |
サイネリアも
水切れに注意する |
アザレアはツツジの中で
は寒さに弱いので寒風にさらさない |
◆冬の花鉢物や草花の手入れ◆
花鉢物や草花は、それぞれ種類にあった手入れをすれば、長く咲き続けてくれます。
- シクラメンの葉組み
- 葉組みを整えてやりましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持ってきます。そうすると光が中にまで入るようになり、蕾が途切れなく上がってくるようになります。
- 花がら摘み
- シクラメン、プリムラ類、パンジー・ビオラなど、花が次々に咲きつづける種類は花がら摘みをこまめに行いましょう。種子を稔らせると株の勢いが衰えますし、しおれた花をそのままにしておくと、病気のもとにもなります。
- 追肥
- 入手して2週間くらいした鉢物は、肥切れしてくるものがありますので、マグアンプKなどの粒状の固形肥料を与えましょう。特にシクラメンやプリムラなど花を長期間、次々と咲かせる種類には大切で、洋ラン類やシャコバサボテンなどには必要ありません。
- 切戻し
- リーガース・ベゴニアで花の終わった株は、深め(茎を半分ぐらい)に切り戻せば再び花茎が上がります。なるべく日当たりのよい窓辺などに置くようにしましょう。
◆ストーブ園芸の勧め◆
この春植える苗木や種子の手配はお済みですか。外で作業が出来ない冬の季節に、ストーブに当ったりコタツに入りながら、カタログを眺め、春になったらこの種子をまこう、この苗木を植えよう、こんな花壇を作ろうなどといろいろ計画を練ることを「ストーブ園芸」といいます。
まだ、苗木や種子を手配されていないかたは、季節の庭園仕事の2月号をご覧ください。ストーブ園芸に欠かせない種苗の通信販売の会社や外国の園芸趣味の会を紹介しています。
◆サクラソウ(日本桜草)の植え付け◆
専用の桜草鉢がありますが、入手は困難なので、普通の素焼き鉢でよいでしょう。用土は黒土か赤玉土(中小粒)6割に、腐葉土を3割、川砂を1割ほど混ぜたもの。
- 鉢と用土
- 葉組みを整えてやりましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持ってきます。そうすると光が中にまで入るようになり、蕾が途切れなく上がってくるようになります。
- 植え方
- 5号鉢に4芽植えくらい。必ず1鉢1品種とし、混植は品種が分からなくなりますので、やめましょう。土を半分くらい入れたら、芽を図のように卍形に並べ、2センチくらい覆土します。ちょっと深植えとし、ウォータースペースを2〜2.5センチくらいとります。
- 肥料
- 元肥として緩効性粒状肥料を小さじ1杯くらい植え土に混ぜておくか、植えた後、鉢の表面にまいておきます。花後は、葉のある間は月3回くらい薄めた液肥を与えます。
- 水やり
- 鉢土の表面が乾きかけてきたら、たっぷりと水やりします。葉が出てくると、水を欲しがりますから、水切れさせないように注意しましょう。
- 置き場所
- 芽が動き出すまでは強い霜が当たらない棚下などでよく、芽が動き出したら日当たりに。夏は半日陰程度の涼しい場所に移します。
- その後の管理
- 花が終わったら花茎を切り取り、増し土(1センチくらい)します。
◆バラの冬季剪定と寒肥◆
バラの冬季剪定の時期です。時期は休眠中ならばいつでもよいのですが、2月内に済ませるのがベストのようです(寒さの厳しい地方では3月一杯くらい)。
<H・T系・イングリッシュローズの剪定の仕方>
- まず、枯れ枝、病害虫の被害の残っている枝を元から切り落とす。
- 鉛筆より細い枝と、逆に太くても軟らかいしまりのない枝、3、4年経た古い元気のない幹を元から切り落とす。
- 内側に伸びている懐枝や込みすぎているところの枝、枝と枝が交差しているところの枝を整理する。
- 幹は、去年の春に伸びた部分を10〜15センチ残して切り詰める。
- 切り詰めるときは、外側に付いている丸くて大きな、まだ固く締まっている芽のところから、7、8ミリ上で株の内側に斜めに切り落とす。すでに動き出している芽はえらばない。
- 幹は、同じ長さに揃えるのではなく、多少段をつけるようにすると、花が咲いたときにきれいに見える。
イングリッシュローズやオールドローズ、フロリバンダ系は、やや幹を多く、枝を長く残すように剪定するのがポイントです。
<ツルバラ(大輪系)の剪定と誘引の仕方>
- 枯れ枝や小枝、細枝を切り取り、ツルの先を3、40センチ切り詰める(充実した外芽<外側に向いた芽>の上で切る)。
- 古いツル(3年め以前の枝)は花を付けにくいので、不要な古いツルは元からノコギリで切り落とす。古いツルから、元気よく新しい枝が伸びている場合は、その新しい枝のところまで切り戻す。
- 残したツルの小枝は2、3芽残して切り詰める。
- 残したツルをなるべく水平になるように誘引し、紐で固定する。
- ツルとツルはなるべく交差しないように配置し、ツルの上下の間隔は30センチくらい取る。
中・小輪系は、古いツルにもよく花をつけるので、無理に切り取ることはありません。ほかは、大輪系と同じです。
<寒肥を施しましょう>
バラは肥料を必要とする種類です。バラに寒肥(元肥)を施していない場合は、なるべく早めに施しましょう。1株当り油粕、骨粉、過燐酸石灰各300gを牛糞(15リットルくらい)に混ぜ、株元から4、50センチ離して溝を掘り土に混ぜ込みます。これはツルバラの場合も、H・T系の場合も同じです。
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