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    園芸ファン通信      【Vol.48】  2004年6月23日号

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 今年は全国的に梅雨入りが早かったわりに、空梅雨気味のようで比較的天気
がもつ日が多くあるようです。ただ、台風の発生が多そうなので、局地的に豪
雨になるところもありそうですね。気をつけましょう。雨が続くと庭に出る機
会も少なくなります。病害虫の発生などを見逃さないようにしましょう。

■■■■■■■■■■■■■■■今号の目次■■■■■■■■■■■■■■■

(1)夏は日陰を楽しもう
      ―――シャドーガーデン向きの植物と栽培ポイント

(2)晴れた日には薬剤散布
      ―――毛虫類、カキのヘタムシ、エカキムシの防除

(3)マニア必見!!珍奇球根のサイト紹介

(4)梅雨時は挿し木の適期!!
   ―――ツツジ、サツキ、ツバキ、サザンカ、アジサイ、ムクゲの挿し木
      ができる

(5)ユリの管理 
   ―――人気のカサブランカを来年も咲かせる花時と花後の管理

(6)季節の手入れポイント
   ―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物・観葉植物、家庭菜園・
      ハーブ

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(1)夏のシャドーガーデン向きの植物紹介 
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 梅雨の間でも、晴れた日は日差しがきついですね。本格的な夏が来る前に、
涼しさを演出してくれるシャドーガーデンを作りましょう。

●シャドーガーデンに向くところ
 木の下や建物の北側など、日当たりが悪いところは、その特徴を生かした庭
づくりをしましょう。また、秋から春までは日が差し込んでいたベランダも、
夏の間は直射日光が差さなくなるところもあります。こうしたベランダもシャ
ドーガーデンが作れます。

●シャドーガーデンに向く植物と栽培のポイント
<花物>
 ○インパチエンス 
  明るい日陰から半日陰まで。水切れに弱いので注意。葉裏にハダニがつく
 ので、殺ダニ剤の散布かホースで水をかけて洗い流す。

 ○ホトトギス類 
  明るい日陰から半日陰まで。ほとんどの種類は丈夫だが、花が大きいジョ
 ウロウホトトギスの仲間は、夏の間は葉焼けをおこさせないように空中湿度
 を高くし、通風を図る。

 ○ツルニチニチソウ 
  半日陰から日向まで。ツルでよく伸びグラウンドカバーにもよい。チッ素
 肥料が多かったり日陰過ぎると花が咲かない。

 ○ヒューケラ 
  半日陰から明るい日陰まで。線香花火のような花もかわいいが、葉色に変
 化があるので、カラーリーフプランツとしてもよい。

<葉物>
 ○コリウス 
  明るい日陰から半日陰まで。慣らせば直射日光にも耐える。葉の変化のあ
 る色や模様を楽しむ葉物の草花。花を咲かせると株が早く衰えるので、花穂
 が立ってきたら早めに摘み取る。
 
 ○ギボウシ
  明るい日陰から半日陰まで。丈夫なので半陰地の種類、品種が多く、タマ
 ノカンザシ類のように花も楽しめる種類もある。
 
 ○アイビー 
  日陰から日向地まで。丈夫でグラウンドカバーにもよい。普通種は葉の緑
 が濃いので、斑入り品種や小型葉品種や切れ込みの多いものなどを選ぶと変
 化をつけられる。

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(2)夏の害虫防除 
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 雨の季節は庭に出ることが少なくなり、病害虫の発生を見逃してしまうこと
があります。病害虫対策は、病気は予防、害虫は早期駆除が原則ですから、注
意しましょう。

●ケムシ類 
 チャドクガの心配はそろそろなくなりますが、サクラやウメ、ハナミズキ、
プラタナスなど多くの樹種にアメリカシロヒトリ、ウメケムシなどのケムシ類
が、針葉樹でもマツカレハなどのケムシ類が発生します。なるべく発生の初期
に発見してスミチオンやディプテレックス乳剤などを散布して退治しましょう。

●カキのヘタムシ 
 この時期もカキのヘタムシ対策が必要です。カキの果実が大きくなり始めた
初期に落ちてしまうのは、ヘタムシ(カキミガの幼虫)が果実のヘタから侵入
して中を食い荒らしたせいです。このヘタムシは5月下旬〜6月と8月の2回
発生します。
 
 対策としては、今の時期に1週間おきに2、3回、スミチオン乳剤を散布し
ます。併せてトップジンM水和剤を混合散布すれば炭そ病などの予防もできて、
効果的です。

●エカキムシ 
 ナスターチウムやレモンバーム、ペチュニアなどの葉に、絵を描いているか
のように白い線が入っているのは、エカキムシ(ハムグリガ類の幼虫)の被害
です。被害のひどい葉は摘み取って処分し、スミチオンかオルトラン乳剤を1
週間おきに2、3回散布するようにしましょう。
 
 そのほかの花木や庭木、草花類も注意してみましょう。アブラムシが発生し
ていたら、オルトランなどの浸透性殺虫剤を散布しましょう。効果は2週間続
きますので、月に2回散布すれば万全です。

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(3)球根人気再燃中?! 
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 大手種苗通販会社の秋のカタログも出揃ったようですね。早速、販売商品を
チェックしたのですが、時季的という面もありますが、球根類の充実ぶりに目
を奪われました。

 園芸・ガーデニングを始めた頃は、秋になると今年はどのチューリップを植
えようかと迷ったものですね。また園芸・ガーデニングを始めたきっかけがチ
ューリップなどの秋植え球根だったという方も多いようです。

 そうしたことから、球根というと初心者向きというイメージがありますが、
園芸歴20年、30年というベテランの方が、今、あらためて球根に注目され
ているようです。初心者も楽しめるものでありながら、ベテランをも虜にする
魅力が球根類にはあるのですね。

 ここでは、マニアックな球根類を取り上げているサイトを紹介しましょう。

●Lachenalia 
 http://www003.upp.so-net.ne.jp/Lachenalia/
 南アフリカ原産のユリ科球根のラケナリアを紹介しているサイトです。その
ほかユリ科やヒガンバナ科の珍しい球根の写真がいろいろ載っています。投稿
写真に珍品が載ること多い。

●DORA’sHP(遊歩道) 
 http://www.3web.ne.jp/~dora/
 ナスターチウムは普及した園芸植物ですが、その属(トロパエオラム)には、
興味深い球根が多くあります。ただ、南アメリカ、アンデス地方原産なので、
日本ではやや作りにくく、種子や球根の販売もまずないというのが現状です。
 このサイトは、トロパエオラムの珍しい種類の栽培記録や花の写真などが載
っています。

●Euphorbia and the other succulents etc.
 http://succulent.cool.ne.jp/
 多肉植物中心のサイトですが、珍しい球根類の写真(南アフリカのものが多
いよう)も載っています。ここも投稿写真に珍品がでます。

●園芸ニュースレター刊行会 
 http://www1.ocn.ne.jp/~cbg/letter/index.html
 園芸家、育種家、園芸ファンの交流情報交換を目的とした会ですが、月例会
には、珍しい球根類が出品されることがあります。

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(4)梅雨時の挿し木 
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 梅雨時は、ツツジやサツキ、ツバキなどの常緑樹類や、アジサイやムクゲな
どの落葉樹類、キャラボクやスギなどの針葉樹類の挿し木の好期です。梅雨時
は、春に萌芽した枝の伸びが止まって充実してくる時期で、空中湿度も高く、
失敗が少ないのです。

<挿し木の仕方>
(1)挿し穂の選び方 
   今年伸びた枝で、伸びが止まって充実した部分。

(2)挿し穂の調整
   枝の切口を鋭利なナイフで切り戻し、枝の下1/3の部分の葉は切り取
   ってから、2時間くらい水揚げします。

(3)挿し床
   平鉢か平箱。用土は清潔な鹿沼土か川砂。

(4)挿し方
   挿し床に用土を入れたら、たっぷりと水やりします。落ちついたら、は
   しなどで穴をあけてから挿し穂を入れ、根元を指で軽く押さえます。
   なお、ワイヤーで骨組を作って鉢や箱全体をポリエチレン袋やシートで
   覆って密閉すると活着がよくなります(これを密閉挿しといいます)。

(5)発根までの管理
   寒冷しゃで直射日光をさえぎってやるか、樹木の下などの半日陰に置き
   ます。特に密閉挿しの場合は、直射日光に当てないようにしましょう。
   土の表面が、やや乾いてきたら目の細かいジョウロで水やりします(密
   閉挿しの場合は土が乾きにくいので、あまり必要ない)。

(6)その後の管理 
   2か月くらいで発根します。新しく芽が動いてきたら、植え替えます。
    
※日本園芸協会のホームページの“季節の園芸作業”に挿し木の図解が載って
います。ご覧ください。
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

 また、ミントやセージ、オレガノなどのハーブ類、フロックスやトコナツ、
ダリアなどの草花類、ポトスやゴムノキ、ドラセナなどの観葉植物も同様に挿
し芽できます。草物類は発根が早く、3週間くらいで植え替えできます。

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(5)ユリの管理 
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 アヤメ類は花後に株分けをしましょう。特に夏の暑さに弱いジャーマンアイ
リス人気の高いカサブランカなどのオリエンタル・ハイブリッドユリ(ヤマユ
リやカノコユリの交配改良種)が咲きだすと、庭の雰囲気が一気に盛り上がり
ます。園芸店でも、開花間近な鉢が売り出されています。

○置き場所 
 鉢植えの場合は、午前中は日が当たり、午後は半日陰になるくらいのところ。
根元に直射日光が当たると弱りますので、根元だけほかの植物の影になるよう
なところを選びます。

○肥料
 秋まで、2週間に1回、液肥を追肥します。

○花後の管理 
 早めに咲き終わったスカシユリやトランペットハイブリッドユリ(イエロー
クィーンなど)は、花首ごと摘み取っておきます。夏は半日陰の風通がよい涼
しい場所で過ごさせ、秋になったら、また、日の当たる場所に移します。

○アブラムシ対策 
 ユリはアブラムシが天敵です。アブラムシがつかないように、オルトランな
どの粒状の浸透性殺虫剤を3週間おきに株元にスプーン1杯くらいばら撒くよ
うにしましょう。

○植え替え 
 庭植えの場合は3、4年植えっぱなしでかまいませんが、鉢植えの場合は、
毎年、秋になって葉が枯れてきたら、新しい用土で植え直します。

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(6)季節の手入れポイント  
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<花壇・ガーデニング>
 初夏、早めにこしらえた夏花壇や自然風の花壇では、茂りすぎた株がでてい
ませんか。高温多湿の梅雨時は風通りが悪くなると、てきめんに病害虫の被害
が大きくなります。雨の合間に見回って、込みすぎたところは適度に枝抜き
しましょう。間引いた枝は、挿し芽の穂木に利用できます。
 ハナショウブやジャーマンアイリスの植え替え・株分けは早めに行いましょう。

<花木・庭木>
 アジサイはあまり当り、不当りの年がないようで、毎年、律儀に花をつけて
くれます。庭にはほかに咲く花が少ない時季ですから貴重ですね。ツツジ・サ
ツキ類やボタンなど春咲き花木で剪定を済ませていない株は、早めに行いまし
ょう(時期的にちょっと遅くなっていますので、軽めに行うのがよい)。

 クチナシやアジサイは、花後すぐに切り戻します。梅雨時の花アジサイの名
所を協会のホームページの季節の園芸作業の中で紹介しています。ご覧くださ
い。
⇒ http://www.gardening.or.jp/season/index.html

<花鉢物>
 越冬させたニューギニアインパチエンスやランタナ、アメリカンブルー、ハ
イビスカス、デュランタなどがようやく元気を取り戻した感じで、次々と花を
咲かせてくれるようになりました。春に植え替えして、土を新しくしてない鉢
は、この時期に植え替えしておきましょう。また、植え替えした鉢では、固形
肥料を追肥します。肥料は、有機肥料でも化成肥料でもかまいません。また、
観葉植物類の挿し木、取り木の適期です。

<家庭菜園・ハーブ>
 ナスやトマト、キュウリなどの夏野菜が収穫できる時期になってきました。
肥切れさせないよう、定期的に追肥をあたえるようにしましょう。なお、キュ
ウリやナスなどでは、最初の果実は株を疲れさせないように、若取りしましょ
う。
 エダマメやスイートコーンでは土寄せ・追肥も忘れずに。
 ハーブ類の鉢植えは、土の乾き具合をよく見ながら水やりしましょう。土が
白く乾いてきたらたっぷり与えるのが原則です。ミント類では乾きすぎに注意
し、ラベンダーやローズマリー、タイム類は土の過湿に気をつけます。

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