日本園芸協会毎月の庭木の手入れ
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■9月■ 10月 ■11月■
平均気温: 帯広8.9度 札幌10.4度
仙台14.0度 東京16.9度 新潟15.4度
京都16.7度 松山17.4度 鹿児島19.1度

噴霧器のいろいろ
噴霧器

(1)庭木の植え付けはこれからが好期
 庭木は温度の低下とともに樹液の移動が緩慢になり、植え傷みが少ないので移植の適期となります。

<今、植えられる樹木>
オオムラサキ、カルミア、カンチク、モクセイ、サツキ、サザンカ、センリョウ、ツバキ、ヒイラギナンテン、 マテバシイ、モッコク、モチノキ、ウメモドキ、ウツギ、エニシダ、カイドウ、コデマリ、ナンテン、ニシキギ、ニワウメ、レンギョウなど
(2)各種庭木の手入れ
[1]生垣の止め刈り
 生垣は夏の間に刈り込んでおけばかなり整形を保っていますが、秋の間にもなお少しは伸びますので、この月の下旬くらいに最後の化粧刈り込みをしておきます。

[2]刈り込みの注意
 これからお正月までの間に整形仕立ての庭木は刈り込みをしますが、花木類の刈り込みは要注意です。春に開花する庭木は大体今月中にはもうみな花芽を付けておりますから、刈り込むことによって花芽がなくなってしまうからです。特に枝の先端に花芽を付けるサツキ、ツツジ類、ジンチョウゲ、ツバキ、サザンカなどはいけません。ユキヤナギ、レンギョウなどは枝にびっしりと花を付けますが、刈り込むことによって花数が減ってしまいますので、やはり飛び枝だけを抜くのがよいのです。

[3]アジサイ・ボタン
 アジサイは夏に花首の下で切り戻しておいたものは、下の方にふっくらとした花芽が付いていますので、その位置まで改めて切り戻します。枝先に花芽の付いているものはそのまま残し、木質化した古枝は元から切り、若い枝と更新してやります。
 ボタンは、1本の枝に花芽を1〜2個付けるのがよいのです。丸い花芽を残して、上は切り捨てます。芽と芽の間隔は5〜6cmがよく、葉芽は小刀でかき取っておきます。アジサイやボタンは髄が太いため、芽の真上でせん定すると切り口に近い芽が傷むので、芽と芽の中間で切るのが安全です。

[4]ナリヒラダケ
 タケの稈は古くなるほど白っぽくなり美観を害しますので、元から切りとって新しいものと更新するのがよいのです。小枝の込みすぎたものは間引き、長く伸びたものは節のところで切り戻して整形します。小枝を一定の長さで刈り込むこともあります。

ボタンのせん定

(3)マツのこも巻き
 マツケムシはアカマツ、クロマツ、ツガ、ヒマラヤスギなどにつき葉を食害する害虫です。 暖かい間は幼虫が樹上にいますが、11月頃になると幹を伝って下へ下りて粗皮の下に隠れて越冬する習性があります。そこで、この性質を利用して幹の地上1.2m〜1.5mの所にこもをゆるく巻き付けてしゅろなわで結束しておきます。こうしておくと越冬場所と間違えて入りこみますので、年を越してからこもを取り外し、幼虫を集めて焼殺します。
 また金属のタワシ等でマツの粗皮をこすり取って潜伏場所をなくすることも有効です。特にアカマツは、あの赤い皮膚をきれいにするためにもこの作業は欠かせません。