日本園芸協会季節の園芸作業
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[2月]

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◆2月のガーデニング(下旬)◆

相変わらず厳しい寒さの日が続きますが、徐々に日が長くなり、春が近づいてくるのが感じられます。庭木類の剪定や薬剤散布など冬の間の仕事は、なるべく早めにすませておきましょう。

◆ガーデニングトピックス◆
花の博覧会のお知らせ
 淡路島で開かれる花の博覧会の記者説明会が東京で2月1日に開かれました。
この花博の正式名称は国際園芸・造園博「ジャパンフローラ2000」(淡路花博)。日本では、90年に大阪で開かれた「花の万博」に次ぐ大規模な花の博覧会です。テレビのコマーシャルではいまいち、ないようがわからないという方に、かいつまんで説明いたします。
  • 会期 :2000年3月18日(土)から9月17日(日)
  • 会場 :兵庫県淡路島(国営明石海峡公園<淡路地区>と淡路夢舞台ほか)
  • 主催 :国際園芸・造園博「ジャパンフローラ2000」日本委員会及び
    (財)夢の架け橋記念事業団
  • テーマ:『身近な緑から始まる「人と自然のコミュニケーション」の望ましいあり方を追求し、緑ゆたかな地球環境の保全と創造に寄与する』、『阪神・淡路大震災の教訓に学び、花・緑・水を基調にした安全で快適な美しい街づくりを提案するとともに、21世紀のライフスタイルに応えうる公園緑地を提案すること』ほか。阪神・淡路地区の震災復興を内外にアピールすることも目的になっているそうです。
※世界70か国からの海外展示が予定されており、世界と日本で合計100の名庭園が設けられ、大阪の「花の万博」を上回る1700種の花が飾られるとのこと。また植物の宝庫、中国・雲南省の珍しい花30種(内14種は日本初公開とか)を特別展示予定。そのうち、報道用にお借りした写真を2枚紹介します。

紅花山王蘭 ちゅうきんれん
紅花モクレン(紅花山王蘭)
雲南八大名花のひとつ。 花弁の外側が美しい桃色で、花の直径は15〜20センチ。
地涌金蓮(ちゅうきんれん)
雲南八大名花のひとつで、雲南の黄金のバショウといわれる。花の直径は30センチ。

 そのほか面白そうなのは、ユリの仲間(雲南産のユリの一部は日本に入っています)、 テンナンショウ(「象天南星」はアリサエマ・エレファンテシマ?)、マンドラゴラ(ヨーロッパのものは入ってきていますが、中国のマンドラゴラは珍しいですね)。ベゴニアもどんな種類が来るのか楽しみです。

 メーン展示では、さまざまな生物が共存する熱帯雨林がモチーフ。そのほか昆虫記で知られる「ファーブルの世界(昆虫の目から見た、花や緑の世界がテーマだそうです)」や「花と緑のある暮らし」、「癒しの庭」など興味深い常設展示に、期間中はさまざまな企画展示やイベント・アトラクションが予定されているようです。
(詳しくは(財)夢の架け橋記念事業協会 TEl 078-393-2960に)。

 ガーデニング・園芸好きの方にはもちろん、アジアショーケースという買い物や食事が楽しめるエリアに遊び用のアミューズメントパーク施設もあり、ご家族全員で楽しんでいただけるようです。  
 アクセスは飛行機なら「関空」から高速船利用で約40分。鉄道ならJR新神戸駅から直行バスで約1時間と便利。今ならば、入場券は前売りでちょっとお得(3月17日まで。旅行代理店、JR緑の窓口ほか)。淡路はもちろん、神戸や大阪方面、また四国との観光をかねて予定を組んでも良いですね。 

◆買い物情報◆
 今が盛りなのは、洋ラン類。シンビウムを始め、花が長持ちする種類が多いのもうれしいですね。洋ラン展で名品を買うのもよいですし、街のお花屋さんやガーデンセンターでもだいぶ種類が多くなっています。

 ここで、ちょっと、気をつけたいのがラベル(名札)のこと。洋ラン類ではラベルが大切で、札落ちものものはランクが落ちます。一度札落ちになってしまいますと、後で名前を調べるのはまず困難で、札落ちの株は洋ランの趣味家には評価されないのです。逆に、割り切ってこうしたもので花を楽しむのもよいですね。

 シンビウムなど多花性の種類は、半ばぐらいまでの花が開いた 株、カトレアやパフィオペデルムなど花数の少ない種類は花が開いたものを選ぶとよいでしょう。ツバキを始め、シャクナゲ、ツツジ、ボタン、ハナミズキんどの蕾つきの鉢物なども出まわります。常緑のものは葉がしおれていたり、部分的に縮れているの、落葉の種類でも蕾がぐらぐらしているものは避けましょう。何らかの理由でダメージを受けています。

ジンビウム カトレアアイレン・ホルギン‘ブラウン‘
ジンビウム カトレアアイレン・ホルギン‘ブラウン‘

◆鉢物の手入れ◆

 洋ラン類で、花の咲いている株は、あまり乾燥しない室内の明るい場所、日の当る場合はレースのカーテン越しぐらいのところがベストです。花をある程度楽しんだら、デンドロビウム・ノビル系以外は花茎を早めに切って、あとは切花として楽しみましょう。そうすると株が弱りません。シンビジウムは一番上の花が咲き出したら、根元から切ればよいでしょう。ファレノプシスでは、根元から1節こして残して切るようにすると、2番花が咲くことがあります。この場合、咲かせすぎると株が弱りますので早めに切りとっておきましょう。花のすんだ株では水やりは控えめにし、肥料も春になり新芽が動き出すまでは必要ありません。
プリムラ・マラコイデスで花が3段くらいまで咲き終わったものは、花茎を株元からちょっと上で切り取りましょう。オブコニカでは花茎の花が2/3位咲き終わったら切ればよいでしょう。そうすると、株の消耗が少なく、次から次に花茎が上がってくるはずです。サイネリアでも咲き終わった茎を切り取ると、やや小型になりますが、やはり花茎が上がってきて楽しめます。
  なお、プリムラなどの鉢花類や外のパンジーなどの花がら摘みはこまめに行い、追肥も忘れずに行いましょう。


◆花壇の天地返し・古土の再生法◆
 空いている花壇は、寒い間に天地返しをしておきましょう。シャベルなどで掘り返し、下の土を上に出し、土の塊は砕いておきます。そうすると、寒さや日光で病害虫が退治できます。
そのまま、2週間くらいおき、堆肥や腐葉土、石灰(普通は1uあたり一掴みくらい、ハーブや野菜の場合は2掴みくらい)などを混ぜてならせばふわふわとした草花が良く育つ土に改良できます。
 また、プランターなどのコンテナの古い土は始末に困りますね。庭の隅に埋めてしまうか、少しづつ生ゴミなどに混ぜて、処分するのが一番です。再利用したい場合は、目の細かいフルイで細かい土を除き、使わないなべなどでよく熱して消毒してから腐葉土や堆肥などを半分くらい混ぜて使うとよいでしょう。
 市販の古土再生用の資材を利用してもよいのですが、2回ぐらいまでのしようにとどめておいたほうが無難です。


一口メモ・ポリポットの鉢花を素焼き鉢に植え直す
安く売られているポリポットの株も、見た目のきれいな鉢に植え替えてやれば、鑑賞価値が上がるだけでなく長持ちするようになります。 今回は、ポリポットのプリムラ・オブコニカをギリシャ製の素焼き鉢に植え直しました。

@プリムラ・オブコニカとギリシャ製の素焼き鉢。鉢は根鉢よりも
一回り大きなものを用意。
1
A素焼き鉢の底に網を敷き、用土を少し入れる。
入れる量は、根鉢を入れて、根鉢の表面が鉢の縁より少し下がる程度。
2
Bポリポットから根鉢を崩さないようにそっと抜いて、鉢に入れる。
3
C用土を少しずつ詰める。
4
D最後に水差しでたっぷりと水を与える。
5

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