日本園芸協会季節の園芸作業
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春のガーデニング

 桜前線も北上し、東北地方でもお花見のできる季節になりました。
春の園芸シーズンもいよいよたけなわ。ガーデニングもいろいろな仕事が待っています。

◆買い物情報◆

ボタン・シャクヤク

共に花の華麗さで人気の種類ですが、ボタンは木で、シャクヤクは草。花はそう持ちませんので、蕾が開きかけたものを入手するのがよいでしょう。花が咲いている間は水を切らさないように、花が終わったら葉を1枚付けたくらいで花首から切ります。ボタンもシャクヤクも根が大きくなりますので、秋早い時期に庭に下ろすか、一回り大きな鉢に植え替えます。

シャクナゲ

 ヨーロッパでは庭の王様として尊ばれていますが、そのわりには日本ではあまり人気が出ていないのが残念です。枝の先が全て蕾になっている株は、来年は花があまり咲きませんので、多少、葉芽のある株を選びましょう。花が終わったら花首から折り取ります(粘つくので手袋をするとよいですね)。庭に下ろす場合は、夏にやや日陰になる風通りのよいところを選びます。

クレマチス

 お茶花として親しまれているテッセンの仲間で彩りが豊富、最近は原種系のベル型の花も人気があります。行灯仕立ての鉢物は蕾の多くついた鉢を選べば、1か月近く楽しめます。苗を入手した場合は、4号鉢くらいの鉢で1年育て、来年の春に一回り大きな鉢に植え替えて仕立てるか、庭に定植するようにします。用土は赤玉土中心に水はけよく、やや深植えにするのがコツです。

ボタン・シャクヤク
ボタン・シャクヤク
シャクナゲ
ボタン・シャクヤク
クレマチス
クレマチス

◆夏花壇の準備◆

遅霜のおそれがなくなってきたら、夏花壇を作りましょう。

夏花壇用の苗
 そろそろ夏花壇用の苗を手配する時期になりました。サルビア、アフリカンマリーゴールドなど丈の高くなる種類と、ペチュニア、アゲラタムなどあまり背の低い種類を組み合わせて、彩りを考えるのがよいですね。夏色の黄〜橙〜赤系でまとめるか、涼しさを演出する白〜青〜紫系にするのが無難です。

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春の種まき
 パンジーやチューリップなど春花壇が盛りの場合は、しばらく余裕がありますので、種をまいて、苗づくりをしましょう。サルビアやジニアなど普通の種類はヤエザクラが咲き出す頃が種子まきの適期。市販の種まき用土か、清潔な赤玉土(小粒)にピートモスを4割くらい混ぜたものが無難です。大きな種子は5ミリほど覆土をし、ベゴニア・センパフローレンスやハナタバコなど小さな種子は、覆土をしないか種子が隠れる程度ごく少量にします。ジニアやヒマワリなど移植を嫌う種類は小さめのポットに数粒を直まきし、複数芽が出たら一番元気のよいものを残して、残りは間引きます。
 なお、アサガオやバジルなど、寒さを嫌う種類は5月まで待った方が無難です。
◆冬の鉢物の手入れ◆
 冬の間、室内を飾ってくれたシクラメンなどの鉢物は、そろそろお役ご免の時期ですね。
img04 シクラメン

 暖かくなるにつれ花が上がらなくなり、葉もばらけてきますので、そろそろ休ませてあげます。夏の暑い地方では、徐々に水を切り、葉がなくなったら完全に水を切り、縁の下など水の入らない場所で夏越しさせます。最近のパステルカラー系の品種は暑さに強くなっていますので、水を切らず、雨の当らない半日陰の涼しいところですごさせます。ミニ系統のシクラメンなら、関東地方の南部以南ならば、庭の中で夏に半日陰になる水はけのよい場所に植えれば、春の3月に外で咲いてくれるはずです。

ポインセチア
 まだ葉が残っているようならば、枝を1/3程度に切り戻し、あわせて新しい用土(市販の普通の培養土でよい)で植え替えてやります。遅霜の心配がなくなったら、外に出し、よく日を当てて育てます。

シンビジウム
 新芽が動いてきたら、水と肥料を十分に与えるようにします。肥料は春の間は、液肥ならば10日に1回、固形肥料ならば月に1回程です。ひとつのバルブからいくつも芽が出てきたら、一番元気のよい芽を残し、後の芽は折り取ります。遅霜の心配がなくなったら、外に出し、よく日を当てて育てます。

シンビジウム
クリスマスカクタス(シャコバサボテン)
 遅霜の心配がなくなったら、外に出し、よく日を当てて育てます。長く伸びすぎた枝は切り戻し、垂れ下がった枝やしなびた枝は株元から3、4節残して切り詰め、枝分かれしたものも1節残して切り詰めます。植え替えは2年に1回くらい。この冬かった株は、剪定と同時に植え替えてあげましょう。古い土を1/3くらい落し新しい用土(サボテン用培養土)で同じ程度の鉢か、一回り大きな鉢に植えなおします。
植え替え
ガーデニングトピックス
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◎第1回東京ガーデニングショー(東京・明治神宮外苑(絵画館前広場) 4/8〜5/7)にいってきました。
 今年が第1回目東京ガーデニングショーは、屋外のテーマガーデン(コンセプトは「心の中の鎌倉」だそうです)がメーン。屋外のショーは開放感があって良いですね。植えられた植物も生き生きしていました。展示も充実しており、日本の造園技術の高さに改めて感心いたしました。
 いろいろな花に彩られたイングリッシュガーデン風のフラワーガーデンやロックガーデン風の明るい庭園と同時に、日本的な雑木林の庭や竹を生かした庭なども目を引きました。マーケットスペースでは、植物やガーデングッズの他にもいろいろな出店もありました。日替わりの園芸講習会(有料・無料あり)や音楽コンサートなどのイベントもあるようなので、いろいろと楽しめそうです。土曜・日曜は相当混みそうですから、なるべく平日の午前中をお勧めします。なお、夜の8時まで入場(会場は10〜21時)できますので、お忙しい方は仕事がえりに立ち寄ってもよいですね。
 交通の便は、JR総武線の信濃町の駅からが近い(徒歩5分)ですが、地下鉄(外苑前か青山1丁目の駅から徒歩10分)でも行けます。
入場料は1800円と高いのですが、東京および近郊の方にぜひどうぞ(関西の方は「淡路の花博(9/15まで)」がありますね)。連絡先は東京ガーデニングショー組織委員会事務局(Tel 03-3272-8600)。
◎花の文化展
 (東京・日本橋三越デパート 4/4〜4/9)にいってきました。
 園芸文化協会主催で今年37回を迎える伝統ある花の展覧会です。今回の展示で目だったのは、華やかでアイデアいっぱいの「欧風花インスティチュート」と「日本フラワーデザイナー協会」のフラワーアレンジメントと、サクラソウのいろいろ。売店では、楽しそうなトピアリー素材の販売と、花付きのエビネ(交配種)。エビネのブームの時は1株何万円していた感じの株が、今は2000円くらいから販売されています。関東地方南部以南の暖地なら、庭に植えられる値段ですね。
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