日本園芸協会季節の園芸作業
ENJOY!

[春002]

■前回の「季節の園芸作業」を読む■ | ■最新の「季節の園芸作業」を読む■

秋のガーデニング

 春に造った花壇、また購入した鉢物の生育の具合はいかがですか。
そろそろ南方から入梅の便りも届く時期になりました。
花壇や庭木の手入れは早めにすませておきましょう。

◆買い物情報◆

●珍しい花木を発見
 先日、いつも行っているガーデンセンター(「ドイト花の木」店 与野市 Tel 048-855-1639)で、珍しい種類を発見しました。「ダヴィディア(ハンカチノキ)」の大株(約1.5mくらいで5000円ほど)」と「ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャノキ)」の大苗(2mくらいで10000円ほど)。大きさからいって、お買い得のような気がします。春に入荷した残りのようですので、興味のある方はお早めに。ただし、ダヴィディアはまだ花をつける大きさの株ではありません。念のため。

●熱帯花木
 ブーゲンビレアやハイビスカス、ランタナなど熱帯性の花木類が出まわるようになりました。ハイビスカスとランタナは花が次々に咲きつづける性質ですが、ブーゲンビレアは一度咲くと次はなかなか咲いてくれません。ただ、花(本当は花に見えるのはガク)は1か月近く咲きつづけますので、開花したてのものを入手しましょう。ブーゲンビレアやハイビスカスは日向を好む種類ですので、直射日光の当るところでそだてます。ランタナも日向を好みますが、ちょっと日陰になるところでも育てられます。

●花壇苗・野菜苗
 暖地性のアサガオや野菜類(ニガウリやピーマン、ナス、トマト、インゲンなど)やハーブ類(バジルなど)の植付けの時期になりました。苗選びのポイントは、株がしまっており、葉に黄変や縮れがでてなく、下葉のしっかりしているもの。芽出しの双葉までしっかりついているものがベストです。

ダビディアの花
ダビディアの花
夏中咲きつづけてくれる大輪系ハイビスカス
夏中咲きつづけてくれる
大輪系ハイビスカス
野菜苗は芽生えの双葉のついているものが良品
野菜苗は芽生えの双葉のついているものが良品

◆春に咲いた花木や鉢物の手入れ◆

 花が咲き終わった花木類(ツバキ、シャクナゲ、ツツジ、ボタン、フジなど)や冬〜春咲きの鉢物類(シンビジウム、クンシラン、アマリリスなど)は花がらを摘み、お礼肥えを施しておきましょう。
 肥料は3要素(チッソ、リン酸、カリ)が当量はいったものか、リン酸が多めのものが無難です。
チッソだけの肥料(油粕など)の施用は勧められません。なお、生垣に仕立てたツツジ類は花後すぐに切り戻しし(サツキも同じ)、シンビジウムでは新芽の整理(1バルブ当り1、2本に)も忘れずに。

◆ブックレビュー◆

◎チューリップブック
 「本当にわかるシリーズ」として草土出版から刊行された第一弾。チューリップ(+主要球根)の代表品種235種をカラー写真で紹介。名所の紹介、歴史や名前の由来から上手な育て方、チューリップを使ったフラワーアレンジメント、植物画の描き方、写真の撮り方まで網羅した、それこそチューリップの全てがわかる総合本です。  草土出版刊 価格2600円(税別) A4ワイド版 約190ページ

◎桜ブック
 上シリーズの第2弾。サクラの代表品種312種がカラー写真で紹介されているほか、周辺観光ガイド付きの名所100選の紹介、名木巨木の完全ガイド、ソメイヨシノの誕生の謎や名前の由来、植物画の描き方、病害虫対策や上手な育て方まで網羅した、それこそチューリップの全てがわかる総合本です。  草土出版刊 価格2600円(税別) A4ワイド版 約190ページ

◎花育てのサイエンス
 ガーデニングに科学的にアプローチしたい方にお勧めの1冊。日長や温度と開花の関係、科学的なデータにもとづいた上手な水と肥料の与え方など、生産サイドからの解説ですが、一般愛好家にも役立つ内容です。さらにメリクロンや約培養などバイオテクノロジーの解説や、外国の園芸療法のシステム紹介など、園芸・ガーデニングの最新情報がわかりやすく説明されています。三浦泰昌著 大空社刊 価格2000円(税別) A5版約170ページ


ガーデニングトピックス
◎第2回国際バラとガーデニングショー
(所沢市・西武ドーム 5/18〜22 )にいってきました。今年の目玉は、オールドローズ復興の祖として、イギリスでは'バラの神様'呼ばれているというピーター・ビールス氏デザイン・総監修のシンボルガーデン。
 「やすらぎをテーマに、直接触れられ香りを楽しみながら、自由に歩ける」ガーデンということで、このシンボルガーデンでは植えられているバラの花にさわってよいということでした(「でもなるべくそっとに」……は事務局からのお願い)。実際、白〜紫色に統一された心のやすらぐ香りのよい庭でした。
 もうひとつの目玉は、日本初公開の最新品種『ラプソディ・イン・ブルー』。実物を見ると、光線のかげんか青色というよりも紫色にみえます(写真をご覧ください。
 なお、遠くから見ると青に見えるとか)。幕張メッセのバラ展(国際バラ展)でも「青いバラ」の系列展示が目玉になっていましたが、バラの世界では「青いバラ」が永遠のテーマなのかもしれませんね。
 世界の代表的ナーセリーの自信作の紹介、20世紀を代表する名花10品種(世界バラ会連合選出)やバラの盆栽の展示、コンテスト部門ではバラの切花・盛花・鉢植え各部門に、ガーデニングのモデルガーデンやハンギングバスケット作品と、広い西武ドームの会場が花でいっぱい。
展示のバラの花は1500品種、総数2万5000本飾られたそうです。アート部門も秋山庄太郎写真展「薔薇よ」に、押し花アート「バラと遊ぶ」と充実していました。
 なお、売店もバラ関係以外に、山野草、洋ラン、野生ランまた各種グッズ類そのほかと多種多彩。買い物だけでも充分に楽しめました。
来年も同時期に開かれるということですので、今年見逃された方は来年はぜひご見学ください。
(写真提供 第2回国際バラとガーデニングショー事務局)
会場全景(写真提供 第2回国際バラとガーデニングショー事務局)
日本初お見みえの最新品種『ラプソディ・イン・ブルー』(写真提供 第2回国際バラとガーデニングショー事務局)
ハンギングバスケットの優勝作品。

■前回の「季節の園芸作業」を読む■ ■最新の「季節の園芸作業」を読む■
●ガーデニングカタログ(通信販売)へ | ●ガーデニング講座(通信教育)へ