日本園芸協会季節の園芸作業
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[秋]

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秋のガーデニング

お盆も過ぎましたがまだまだ残暑が厳しく、秋の気配はまだ感じられない時期です。特に今年の夏は暑さが厳しく、夏負けでへばっている方もおいでではないでしょうか。植物たちも暑さで弱っているはずです。気をつけてあげましょう。

◆イベント情報◆
ジャパンガーデニングフェアfor2002(横浜・パシフィコ横浜)
10月1日〜3日(Tel 03-3588-0777)
  このフェアは、昨年までは、東京・有明のビックサイトで開かれていましたが、今年は横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜に会場が変わりました。T日と2日はバイヤーディーで、3日が一般公開日(10:00〜16:30)
◆買い物情報◆
ミカン 小実性のトウガラシ
色づき始めたカキの鉢植え 小実性のトウガラシ
実物・果樹
 季節柄、秋を感じさせる実を楽しむ鉢ものが出てきました。カキやミカンなどの果樹類、トウガラシやウメモドキ、ムラサキシキブなどが買い時です。実物の鉢物は、花のものよりも長く楽しめるものが多いのですが、褐黄変などしていない健全な葉が多くついたものを選ぶと、より長く楽しめます。
秋花壇用の苗物や秋植え球根
 苗物は発芽時の双葉までついているものが良品です。下葉が黄色くなっているものは、店頭などで水切れをおこさせた可能性がありますので避けましょう。また、苗物はよく日の当る売り場のもの、球根類は直射の当らない店内に置かれているものが傷みが少なくてベストです。
トウガラシ
普通のトウガラシ
ジョウロウホトトギス
ジョウロウホトトギス
秋の山野草
 ジョウロウホトトギスやリンドウ、シュウメイギク、ダイモンジソウなど、秋の風情たっぷりのやさしい感じの山野草が出回っています。シュウメイギクやリンドウはよく日の当る所、ジョウロウホトトギスやダイモンジソウは午前中日の当る所か半日陰のところに置き、水切れに注意して管理します。

◆秋植え球根の植えつけ
 チューリップ、クロッカス、ヒアシンス、スイセン、アネモネ、ラナンキュラスなどの秋植え球根が売り出されています。実際の植えつけは10月中旬頃でもよいのですが、気に入った花色のものや変わった花形の種類などは早めになくなってしまうことがありますから、気がついたときに買い求めておきましょう。
  良球は皮に傷や病斑がなく、重くずっしりと感じられるもの。用土は市販の普通の培養土でよく、庭植えの場合は日当たりがよく水はけのよいところ。チューリップなどは球根の3倍の深さに植え、株間は球根3個分くらいとればよいでしょう。鉢に植える場合は、球根の先端が出るくらいの浅植えにします。ユリ(オリエンタル系)やフリージアはもう少し遅くなってからが植え時です。
 
ジョウロウホトトギス
チューリプの球根
品種によって大小がある。上は大球性、中は中球性、下は小球性(原種)。大きさも大切だが、傷や病紋のないものを選びたい。
ワンポイントメモ
アネモネは尖った方が下。湿った砂やピートなどに混ぜて、球根が水を吸って膨らんでから植えつけます。
ラナンキュラスも湿った砂やピートなどに混ぜて吸水させ、芽が動き出してから植えつけます。

ジョウロウホトトギス

◆秋花壇を作りましょう◆
 夏の暑さや秋の長雨で傷んでしまった夏花壇は、早めに整理して秋花壇に模様替えしましょう。株は思いきって引き抜き、土を掘り返し、堆肥と石灰(苦土石灰か炭酸カルシウム)などをよくすきこんでからならします。このとき、コガネムシの幼虫や夜盗虫が見つかったらそのままにせず、つまんでビニール袋などに入れて始末しましょう。また、まだ勢いのよい株があったら、枝を整理して姿を整え、種類や花色別にプランターなどに植え替えましょう。サルビアやマリーゴールド、ペチュニア・サフィニア、ジニアなどは秋遅くまで咲き続けてくれます。また、夏を飾ってくれたポーチュラカは、彼岸をすぎますと株の勢いが衰えますから、枝を詰めて鉢に上げて、室内で越冬させる準備をします。
 秋花壇の主役は、やはりコスモス。紫〜桃〜白系が中心ですが、最近はクリーム系も出てきました。それぞれパステルカラー系のやさしい色合いなので、配色は気にせずそのまま群植させてよいでしょう。キバナコスモス(黄色やオレンジ)、チョコレートコスモス(黒茶色)を所々、ポイントとして混植させるとインパクトがあります。コスモスは株元が透けやすいので花壇の周りには、サルビアやアゲラタムラやケイトウ、ジニア・リネアリス、メランポジウムなど矮性の品種を植えるとアクセントになります。

プランターへと植え直す コスモス
枝を整理してプランターに植えなおす 秋を感じさせるコスモス

キンセンカ
キンセンカはいまが蒔き時
◆秋の種子蒔き◆
 ガーデニングは種子蒔きから始めるのが基本。ご自分で種子を蒔いて育てれば、愛しさもひとしおで、費用も安く済みますのでお金を気にせずに飾ることができます。
 秋の種子蒔きは残暑もおさまってきた彼岸頃が時期なのですが、今年はまだまだ暑い日が残っていますね。昼間の最高気温が22、3℃くらいの日が続く頃を目安にしましょう。ヤグルマソウやキンセンカなどは10月上中旬くらいまでには蒔き終わるようにしましょう(スイートピーとヒナゲシはやや遅く10月一杯くらいが適期)。移植を嫌うラークスパーやベニバナなど以外は、平鉢に蒔き、本葉2、3枚程度で最初の移植をして、育ってきたらさらにもう一度移植をして育苗し、春に備えます。

◆草花類の挿し芽をしましょう◆
 秋の彼岸から10月中旬頃は、草花類も挿し芽の適期。夏の間に伸びて草姿の乱れてしまったトラディスカンチア、ストレプトカーパス、木立ベゴニアなどは、挿し芽をして苗を作り、仕立て直しをしましょう。この時期に挿せば、寒さの来る前によい苗に育ってくれます。
 穂木は下葉を落して7〜15センチに切り、3時間くらいコップで水揚げします。平鉢に清潔な用土(鹿沼土、川砂、市販の挿し木用土など)を8分めくらい入れ、軽くならします。太目の箸で穴をあけ、その穴に穂木を2、3センチさしいれて、基部の土を軽く押さえるようにすればよいでしょう。挿し終わったら、目の細かいジョウロで底穴から少し水が流れ出す程度水やりし、直射日光の当らない明るい日陰地か、半日陰の所で管理します。だいたい2〜3週間くらいで発根してくれるはずですが、発根まで、土が乾かないように、土の表面が白く乾きかかってきたら水やりします。

右は間伸びしたトラディスカンチア、左は挿し芽で仕立て直した鉢 下葉を落とした穂木。コップで水揚げを 挿し終わったら水を十分あたえる。後ろはストレプトカーパス
右は間伸びしたトラディスカンチア、左は挿し芽で仕立て直した鉢 下葉を落とした穂木。
コップで水揚げを
挿し終わったら水を十分あたえる。後ろはストレプトカーパス

◆コスモスの名所案内◆

 秋の花の代表といえば「秋桜」とも呼ばれるコスモス。生まれは遠いメキシコですが、今では、日本の秋を飾る花として欠かせないものになっています。
黒姫高原(長野県上水内郡信濃町)
JR信越本線黒姫駅からバス15分
コスモス街道(長野県佐久市)
JR小海線中込駅からバス20分
お水荘コスモス園(徳島県海部郡町)
JR牟岐線由岐駅からバス30分
北房町のコスモス(岡山県上房郡北房町)
JR伯備線備中高梁駅からバス40分
大原野コスモス園(大分県玖珠郡玖珠町)
JR久大本線豊後森駅から車40分
生駒高原(宮崎県小林市)
JR吉都線小林駅からバス20分
 このほか、昭和記念公園(東京都立川市)、夢の平(富山県礪波市)、般若寺(奈良県奈良市)、遠賀川中の島(福岡県飯塚市)、高峠(鹿児島県垂水市)などもコスモスの名所として知られています。

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