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2002年06月05日号 最新号 2002年07月15日号

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    園芸ファン通信          【Vol.14】  2002年6月21日号

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★6月後半〜7月前半の行事  
 夏至(6月21日)  半夏生(7月2日)  小暑・七夕(7月7日) 

 今年の上半期は、異常な暖冬に早かった春の訪れと、気候的には相当におか
しい年でしたね。さて、梅雨が明けたら本格的な夏になるわけですが、ペルー
沖の太平洋では、海水温が上昇するエルニーニョ現象が起きているようです。
エルニーニョの年は冷夏という説がありますが、今年はどうなるのでしょうか。

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■季節の手入れポイント■
 
<花壇・ガーデニング> 
 初夏早めにこしらえた夏花壇や自然風の花壇では、茂りすぎた株がでていま
せんか。高温多湿の梅雨時は風通りが悪くなると、てきめんに病害虫の被害が
大きくなります。雨の合間に見回って、込みすぎたところは適度に枝抜きをし
ましょう。間引いた枝は、挿し芽の穂木に利用できます。

<花木・庭木>
 雨の庭に、アジサイがひときわ色鮮やかに映える季節になりました。庭には
ほかに咲く花が少ない、寂しい感じを受けることがあります。ツツジ・サツキ
類やボタンなど、春咲き花木で剪定を済ませていない株は、今月一杯にすませ
るようにしましょう。クチナシやアジサイは、花後すぐに切り戻します。

<花鉢物>
 越冬させたニューギニアインパチエンスやランタナ、アメリカンブルー、ハ
イビスカス、デュランタなどがようやく元気を取り戻した感じで、次々と花を
咲かせてくれるようになりました。春に植え替えして、土を新しくしていない
鉢は、この時期に植え替えしておきましょう。また、植え替えした鉢では、固
形肥料を追肥します。肥料は、有機肥料でも化成肥料でもかまいません。

<家庭菜園・ハーブ>
 ナスやトマト、キュウリなどの夏野菜が収穫できる時期になってきました。
肥切れさせないよう、定期的に追肥を与えるようにしましょう。なお、キュウ
リやナスなどでは、最初の果実は株を疲れさせないように、若取りしましょう。
エダマメやスイートコーンでは、土寄せ・追肥も忘れずに。

 ハーブ類の鉢植えは、土の乾き具合をよく見ながら水やりしましょう。土が
白く乾いてきたらたっぷり与えるのが原則です。ミント類では乾きすぎに注意
し、ラベンダーやローズマリー、タイム類は土の過湿に気をつけましょう。

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■アジサイ・クチナシの花後の手入れ■

●アジサイ類
 庭植えのアジサイは、花が終わったら手入れをしましょう。丈を大きくする
場合は、花首から1節つけて切り取る程度でよいでしょう。丈を大きくしたく
ない場合は、花の咲いた枝をその付け根から切り取ります。いずれも、4〜5
年たった古い枝は勢いが悪くなりがちですから、根元から整理します。庭が広
く、株数が多い場合は、枝先を軽く刈り込んでもよいでしょう。ただし、あま
り強く刈り込むと、花つきが悪くなりますので注意しましょう。
(鉢植えの手入れは前号参照)

●クチナシ
 クチナシの花芽は、できる時期が2回あります。最初は夏で、春に伸びた枝
の先端に、2回目は秋で、花後に伸びた枝の先端につきます。この2つの花芽
が翌年の夏に一緒に開花するのです。どの時期でも、枝先につぼみがあること
になりますので、剪定はなるべく避け、自然樹形で仕立てるのがポイントです。
庭植えであまり背を大きくしたくない場合は、花後にごく軽く刈り込む程度、
鉢植えでは長く伸びすぎた枝を間引く程度です。なお、葉を食い荒らすイモム
シ(オオスカシバの幼虫)に注意し、見つけ次第捕殺します。

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■病害虫の防除■

 雨の季節は庭に出ることが少なくなり、病害虫の発生を見逃してしまうこと
があります。病害虫対策は、病気は予防、害虫は早期駆除が原則ですから、注
意しましょう。

●ケムシ類
 チャドクガの心配はそろそろなくなりますが、サクラやウメ、ハナミズキ、
プラタナスなど多くの樹種にアメリカシロヒトリ、ウメケムシなどのケムシ類
が、針葉樹でもマツカレハなどのケムシ類が発生します。なるべく発生の初期
に発見してスミチオンやディプテレックス乳剤などを散布して退治しましょう。

●カキのヘタムシ
 この時期もカキのヘタムシ対策が必要です。カキの果実が大きくなり始めた
初期に落ちてしまうのは、ヘタムシ(カキミガの幼虫)が果実のヘタから侵入
して中を食い荒らしたせいです。このヘタムシは5月下旬〜6月と8月の2回
発生します。対策としては、今の時期に1週間おきに2、3回、スミチオン乳
剤を散布します。併せてトップジンM水和剤を混合散布すれば炭そ病などの予
防もできて、効果的です。

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■梅雨時の挿し木■

 梅雨時は、ツツジやサツキ、ツバキなどの常緑樹類や、アジサイやムクゲな
どの落葉樹類、キャラボクやスギなどの針葉樹類の挿し木の好期です。梅雨時
は、春に萌芽した枝の伸びが止まって充実してくる時期で、空中湿度も高く、
失敗が少ないのです。

<挿し木の仕方>
1.挿し穂の選び方
   今年伸びた枝で、伸びが止まって充実した部分
2.挿し穂の調整
   枝の切口を鋭利なナイフで切り戻し、枝の下1/3の部分の葉は切り取
  ってから、2時間くらい水揚げします。
3.挿し床
   平鉢か平箱。用土は清潔な鹿沼土か川砂
4.挿し方
   挿し床に用土を入れたら、たっぷりと水やりします。落ちついたら、は
  しなどで穴をあけてから挿し穂を入れ、根元を指で軽く押さえます。なお、
  ワイヤーで骨組を作って鉢や箱全体をポリエチレン袋やシートで覆って密
  閉すると活着がよくなります(これを密閉挿しといいます)。
5.発根までの管理 
   寒冷しゃで直射日光をさえぎってやるか、樹木の下などの半日陰に置き
  ます。特に密閉挿しの場合は、直射日光に当てないようにしましょう。土
  の表面が、やや乾いてきたら目の細かいジョウロで水やりします(密閉挿
  しの場合は土が乾きにくいので、あまり必要ない)。
6.その後の管理
   2か月くらいで発根します。新しく芽が動いてきたら、植え替えます。

 日本園芸協会のホームページの“季節の園芸作業”に挿し木の図解が載って
います。ご覧ください。⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

 また、ミントやセージ、オレガノなどのハーブ類、フロックスやトコナツ、
ダリアなどの草花類、ポトスやゴムノキ、ドラセナなどの観葉植物も同様に挿
し芽できます。草物類は発根が早く、3週間くらいで植え替えできます。

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■ユリの管理■

 日本はユリの王国といわれています。この6月は最も華やかなオリエンタル・
ハイブリッドユリ(ヤマユリやカノコユリの交配改良種)が咲きだし、庭の雰
囲気を一気に盛り上げてくれます。園芸店でも、開花間近な鉢が売り出されて
います。
    
●置き場所
 鉢植えの場合は、午前中は日が当たり、午後は半日陰になるくらいのところ。
根元に直射日光が当たると弱りますので、根元だけほかの植物の影になるよう
なところを選びます。

●肥料
 秋まで、2週間に1回、液肥を追肥します。

●花後の管理
 早めに咲き終わったスカシユリやトランペットハイブリッドユリ(イエロー
クィーンなど)は、花首ごと摘み取っておきます。夏は半日陰の風通しがよい
涼しい場所で過ごさせ、秋になったら、また、日の当たる場所に移します。

●アブラムシ対策
 ユリはアブラムシが天敵です。アブラムシがつかないように、オルトランな
どの粒状の浸透性殺虫剤を3週間おきに株元にスプーン1杯くらいばら撒くよ
うにしましょう。

●植え替え
 庭植えの場合は3、4年植えっぱなしでかまいませんが、鉢植えの場合は、
毎年、秋になって葉が枯れてきたら、新しい用土で植え直します。

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 ただ今、「全国ガーデニングコンテスト2002」の応募者募集中です!
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  応募締め切りは6月30日(当日消印有効)です。
 たくさんのご応募お待ちしております!!

 →詳しい応募方法は、以下のページをご覧ください。
  昨年受賞のお庭の写真も見ることができます。
  http://www.gardening.or.jp/contest/index.html
 
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 今号のプレゼントは「アームカバー」です。園芸作業で腕回りが汚れるのを
防ぎます。非常に丈夫な生地でできていますので、長い間ご愛用いただけると
思います。5名様にプレゼントいたします。

 ご希望の方は、件名に「プレゼント希望」と書いて、ご住所、電話番号、お
名前を記入して、下記までご応募ください。締め切りは7月3日。発表はプレ
ゼントの発送をもってかえさせていただきます。

【プレゼント応募先】 present14@gardening.or.jp

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 最後までお読みいただいてありがとうございます。

 サッカーのワールドカップでは、日本代表の選手たちが素晴らしいプレーを
たくさん見せてくれましたね。スタジアムが、ジャパンブルーのユニホームを
着たサポーターで埋め尽くされていたのが印象的でした。
 外に目をやると、この時期美しく咲いているアジサイもきれいなブルーです。
気分が憂鬱になりがちな雨の日こそ、いっそう輝きを増すアジサイを眺めてみ
てはいかがでしょうか。

 では、次号もお楽しみに。

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 います。 http://www.gardening.or.jp/qa/index.html

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