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    園芸ファン通信      【Vol.31】  2003年6月23日号

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 先週、東北・北陸地方の梅雨入りが発表され、全国的に梅雨となりました。
梅雨の期間は約40日続き、日本は四季ではなく五季とも言われております。
ジメジメとして好まれる季節ではありませんが、雨の中でこそ味わいのあるア
ジサイのように梅雨という季節を楽しんでみてはいかがですか。

 今回は、涼しさを演出してくれる夏にピッタリの鉢物、梅雨の時期の花木の
手入れや害虫の駆除法、ジャーマンアイリス・ハナショウブの花後の手入れ、
そしてオランダ直輸入の球根の情報などをご紹介します。

■■■■■■■■■■■■■■■今号の目次■■■■■■■■■■■■■■■

(1)夏に涼風を呼び込む鉢物とその手入れ
  ―――スノーサンゴ、ヒコウキソウ、マルバストルムなど

(2)今の手入れで咲き方が違う
  ―――上手に咲かせる花木の手入れ

(3)最新の球根・宿根草を入手して、ご近所の庭に差をつけよう!!

(4)厄介な害虫を駆除する
  ―――カキのヘタムシと草花のエカキムシの対策

(5)来年も見事な花を咲かせるジャーマンアイリス、ハナショウブの
   花後の植え替え

(6)季節の手入れポイント
  ―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物、家庭菜園・ハーブ

(7)花の名所ガイド
  ―――これからが見ごろのアジサイの名所

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(1)夏に涼しげな鉢物の紹介
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 蒸し暑い季節は、涼しさを演出してくれる鉢物がよいですね。今回は新しく
出回り始めた種類の紹介と、その管理を中心に説明します。

 <スノーサンゴ(ナス科)>
 タマサンゴの白斑入り葉で、葉の白色と果実の朱赤色の対比が見事です。性
質は強健で、関東以南なら露地で越冬できます。

 なお、葉に葉緑素が少ないですから、日向ではなく、半日陰程度のところに
置くようにします。肥料は、春と秋に固形肥料を小量施せばよいでしょう。

 <斑入りインパチエンス(ツリフネソウ科)>
 小型のアフリカインパチエンスの白斑入り種が出回っています。ニューギニ
アインパチエンスの斑入りより小型ですから、より涼しげな感じです。

 花は八重咲きで、色は赤と桃があります。一般にアフリカ系は日照に耐える
のですが、斑が入ると日照に弱くなるので、必ず半日陰に置きます。水切れに
も注意しましょう。

 <マルバストルム(アオイ科)>
 ペルー原産の這性の多年草で、行灯仕立ての鉢物が出回っていますが、吊鉢
にもよさそうですね。柔らかそうな緑の葉に白花が印象的です。

 栽培は排水のよい用土に植えて日光によく当てることです。水やりは過湿に
注意しましょう。冬は霜の当たらないところならば露地で越冬するが、風の強
いところでは、室内に保護したほうがよいようです。

 <カラジウム・キャンディタム(サトイモ科)>
 昔からよく知られている観葉植物ですが、白色の葉に緑の葉脈が鮮やかに入
り、相変わらず人気があります。

 栽培は、真夏を除いて、よく日光によく当てるようにすると、葉色が鮮やか
になります(真夏は半日陰に)。水やりは、やりやりすぎに注意し、肥料は夏
の間だけ月に1回固形肥料を与えればよいでしょう。

 <ヒコウキソウ(マメ科)>
 最近出回り始めた鉢物で、飛行機の翼に似た葉に縞が入り、風に揺れる姿が
涼しげです。原産は中国南部からインドシナ半島の1年草で、夏の終わりから
秋に白〜紫系の小さな花が咲きます。

 性質は強く、日当たりに置き、やや水を控えめにして育てます。寒さには弱
いので、普通は1年草として育てますが、温室で管理すれば越冬します。

 <斑入りフウチソウ(イネ科)>
 細長い葉が風にそよぐ姿は風情があり、昔から夏に涼を呼ぶ鉢物として親し
まれています。葉に縞や斑が入る品種や葉裏が紅色になる紅フウチもあります。

 性質は強健で、水はけのよい用土で、育てればよいでしょう。夏前に一度新
芽のあることを確かめて、その芽際まで刈り込めば、柔らかい新芽が多く出て
楽しめます。正しい名前はウラハグサといいます。

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(2)花木の手入れ
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 梅雨に入ると、庭に咲く花もひと段落ですね。これから夏に咲いてくれる花
や、また咲き終わった花の手入れをしましょう。

 <夏咲きの花木>
 キョウチクトウやキンシバイ、アベリア類、ムクゲ、フヨウ、ザクロなどは、
今年伸びた枝先に花を咲かせますので、この時期に枝先を切るのは禁物です。
花がらだけ摘み取るようにしましょう。

 <モクセイ類>
 茂りすぎてうるさいからといって、今の時期に枝先を刈り込むと、秋の花が
咲かなくなります(刈り込みの適期は3、4月)。特に込みすぎたところだけ
8、9月に枝を抜くようにします。

 <ライラック>
 剪定をせず、自然樹形で育てる種類です。背が高くなりすぎた場合は、花後
に、長く伸びすぎた枝を元から切り取って、樹形を整えます。徒長枝や台芽(台
木から伸びる芽)は早めにかき取ります。

 <オオデマリ>
 アジサイに似た大きな花をつけるオオデマリや香りのよいチョジガマズミな
どガマズミ類の人気が高くなっているようです。

 この仲間は、新しく伸びた枝の先端に花をつけますので、花がらは摘んでも、
枝先は切らないようにします。古い枝は花付きが悪いので、冬の間に間引くよ
うにします。

 <ハイドランジア>
 鉢植えで花を早く咲かせたハイドランジアは、枝を切り込みます。花を咲か
せた枝は元から、今年伸びた枝は2、3節残して切り詰めればよいでしょう。

 併せて、鉢替えもおこないます。根鉢を半分ほど崩して根を切り詰め、一回
り大きな鉢に植え替えます。

 <サツキ>
 常緑性のツツジでは最も花が遅い種類です。花が終わったらすぐに刈りこみ
ましょう。ただし、あまり強く刈りこみますと、翌年の花付きが悪くなります
ので、刈りこみは去年の枝の元ぐらいにとどめます。

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(3)最新の球根・宿根草を入手しよう
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 最近は、日本の園芸界もグローバル化が進み、チューリップやアマリリスな
どオランダ直輸入の球根が国内で入手できるようになりました。

 でも、マニア受けする球根や宿根草の最新の品種というと、やはりご自分で
ある程度、探さないと難しいものです。そこで今回は、最近、愛好家の増えて
いるスイセンとジャーマンアイリス、デイリリー(ヘメロカリス)、ギボウシ
(ホスタ)の外国の業者を紹介します。

 ホームページを持っている業者はオンラインで注文できるところが多く、出
していない業者はカタログを送ってもらって注文ということになります。今の
時期に注文すれば、早いものは夏に、遅くても秋には球根・株が入手できます。

 <スイセン>
●Ballydorn Bulb Farm (イギリス)
 住所 killinchy, Newtownards, Co.Down,N.Ireland

●Carncairn Daffodils Ltd. (イギリス)
 住所 broughshsne, Ballymena, Co.Antrim, N.Ireland

●Grant E.Mitsch Novelty Daffodils  (アメリカ)
 住所 P.O.Box 218、Hubbard, OR 97032
 ホームページ http://www.web-ster.com/havensr/mitsch

 <デイリリー(ヘメロカリス)>
●Swallowtail Daylily Nursery Inc.  (アメリカ)
 住所 5288 East Fork Road, Marshall, NC 28753
 ホームページ http://www.dayliliesatswallowtail.com

●Floyd Cove Nursery (アメリカ)
 住所 1050 Enterprise-Osteen Road, Enterprise, FL 32725-9355
 ホームページ http://www.distinctly.on.ca/stamile/

 <ジャーマンアイリス>
●Schreiner's Iris Gardens (アメリカ)
 住所 3625 Quinaby Road NE, Salem OR 97303
 ホームページ http://www.schreinersgardens.com

 <ホスタ(ギボウシ)>
●Moldovan's Gardens (アメリカ)
 住所 38830 Detroit Road, Avon, OH 44011-2148

●White Aok Nursery (アメリカ)
 住所 6140 Aok Point, Peoria, IL 61614
 ホームページ http://www.whiteoaknursery.com

●Plant Delights Nursery, inc. (アメリカ)
 住所 9241 Sauls Road, Releight, NC 27603
 ホームページ http://www.plantdelights.com

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(4)カキのヘタムシと草花のエカキムシ
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 <カキのヘタムシ>
 カキの果実が大きくなり始めた初期に落ちてしまうのは、ヘタムシ(カキミ
ガの幼虫)が果実のヘタから侵入して中を食い荒らしたせいです。このヘタム
シは5月下旬〜6月と8月の2回発生します。

 対策としては、今の時期に1週間おきに2、3回、スミチオン乳剤を散布し
ます。併せてトップジンM水和剤を混合散布すれば炭そ病などの予防もできて、
効果的です。

 <エカキムシ>
 ナスターチウムやレモンバーム、ペチュニアなどの葉に、絵を描いているか
のように白い線が入っているのは、エカキムシ(ハムグリバエ類の幼虫)の被
害です。

 被害のひどい葉は摘み取って処分し、スミチオンかオルトラン乳剤を1週間
おきに2、3回散布するようにしましょう。被害が大きい場合は黄色の粘着テー
プ(ハエ取り紙みたいなもの)を低い位置で設置すると、効果があります。粘
着テープは大きな農協をチェックしてください。

 そのほかの花木や庭木、草花類も注意してみましょう。アブラムシが発生し
ていたら、エカトンやオルトランなどの浸透性殺虫剤を散布しましょう。効果
は2週間続きますので、月に2回散布すれば万全です。

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(5)ジャーマンアイリス、ハナショウブの株分け
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 アヤメ類は花後に株分けをしましょう。特に夏の暑さに弱いジャーマンアイ
リスでは、株が茂り過ぎないように、2、3年に1回は花後に株分けをして、
通風と土の水はけを図るようにします。

 <ジャーマンアイリスの株分け>
1.株を掘り起こす。
2.今年花が咲いた根茎(イモ)の脇から、出た新しい芽のついた根茎を切り
  取る。この根茎には根が余りついていなくてもかまわない。
3.その根茎の葉を1/3ほど切り詰める。
4.植え場所は、今まで、ジャーマンアイリスを含めアヤメ類が植わっていな
  かったところ。
5.土はやや砂がちの水はけのよいものがよく、苦土石灰を1掴み混ぜこんで
  おく。
6.植え方は、深植えにせず、根茎の上部が土の上に出る程度の浅植え。
7.たっぷりと水やりする(その後の水やりは不要。肥料も不要)。

 <ハナショウブの株分け>
1.株分けの時期は花が終わってから(7月上旬くらいまでに)。
2.株を取り出し、土を落とす。
3.今年咲いた茎を元から切り取り、根茎を縦に切り分ける。
4.それぞれ2芽くらい新芽がつくように根茎を分割する。
5.新芽の葉を1/2くらい切り詰める。
6.植え方は深植えにならないように気をつけ、浅植えにする。
7.鉢植えの場合は、7号鉢に1株(2芽で)。

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(6)季節の手入れポイント
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 <花壇・ガーデニング>
 梅雨に入ると、外に出る機会も少なくなりますね。花壇では、アブラムシや
ヨトウムシ類などの害虫類、うどんこ病や灰色かび病などの病気が多い時期で
すから、雨がやんだときは見回りが欠かせません。

 雨が続きそうで、薬剤を撒けないときは、害虫類は手や箸などでつまんで退
治し、病気が広がっている葉は摘み取るだけでも、効果があります。

 <花木・庭木>
 春に伸び出した芽の勢いが止まる時期で、常緑樹などでは、移植や植付けが
できます。庭の模様替えを考えられている方は、今月中に行ないましょう。

 また、挿し木の適期ですから、いろいろとチャレンジしましょう。協会のホー
ムページ「季節の園芸作業」の6月号に挿し木の仕方が解説されていますので、
ご参照ください。
=> http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#sashiki

 <花鉢物>
 近年、初恋草、ボロニア、ホワイトツリー、エリカ、クリアンツス、グレビ
レア、サザンクロス、スカエボラなどオーストラリアや南アフリカ原産の鉢物
が目立ちます。

 これらの植物は、もともと乾燥気味のところの原産ですから、高温多湿を嫌
い、長雨に当てると、過湿になって根腐れを起こしがちです。これからの雨の
多い時期は、軒下などに置き、雨が当たらないようにしてやりましょう。

 <家庭菜園・ハーブ>
 そろそろ、早めに植えたキュウリやナス、ピーマン、トマトなど果菜類の収
穫が始まるころです。ただ、最初の2、3果は熟させずに若もぎしてやると、
株の負担が少なくなり、その後の生育が順調で、収穫が多く楽しめるようにな
ります。

 植えつけはニガウリ、オクラ、夏キュウリ(ポット苗)、種子では、エンツァ
イやモロヘイヤ、ツルムラサキなど暖地性種がまき時です。

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(7)花の名所ガイド
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 協会のホームページ『季節の庭園作業の6月号』にアジサイの名所を紹介し
ています。ご覧ください。
=>http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#ajisai

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<<応募方法>>    お庭の写真を撮ってお送りください。
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最後までお読みいただいてありがとうございます。

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