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2003年12月19日号 トップページへ 最新号

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    園芸ファン通信      【Vol.41】  2004年1月30日号

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 今年の冬は暖冬気味に推移していたのですが、いよいよ本格的な寒波が到来
し、寒さが厳しい日が続くようになりました。冬は寒いのが当然とはいえ、庭
に出られないというのはつらいですね。

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 (1)人気のクリスマスローズを育てよう

 (2)大雪が降ってもあわてない
     ―――雪後の対策はこれで万全!!

 (3)花鉢物をなるべく長く楽しむ
     ―――洋ラン類、シクラメン、プリムラ類の手入れ

 (4)庭木・花木の上手な寒肥の与えかた
 
 (5)病害虫防除の決め手は冬の薬剤散布です

 (6)季節の手入れポイント
     ―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物・観葉植物、
      家庭菜園・ハーブ

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(1)クリスマスローズの手入れ 
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 いよいよクリスマスローズ(ヘレボルス)のシーズンです。従来は紫褐色系
の地味な花が多かったのですが、最近は、明るい花色のものや八重咲きなど、
花色や花形の改良が進んだものが出回るようになっています。ぜひ、庭やコン
テナなどに取り入れましょう。

<ポット株・苗を入手したら> 
・置き場所
  よく日の当たる軒下などの陽だまり 

・水やり
  クリスマスローズは今が生長期なので、水を切らさないように注意。鉢の土
が乾いてきたら、暖かい日の午前中にたっぷり与える。特に、蕾の上がってき
た株は、花が開くのに水が必要。風が強い日は乾きが早いので注意。

・肥料
 緩効性の固形肥料を月に1回一つまみほど、液肥なら月2、3回程度。庭植
えのものには、春と秋に緩効性の固形肥料1、2回与えればよい。

・植え替え
 クリスマスローズは根が大きくなるので、ポットのものは、根詰まりに近く
なっているので、蕾つきの株は、花が終わってから(3月下旬から4月ごろ)、
蕾の付いていない苗は、軽く根をほぐして二回りほど大きな鉢に植え替える。
庭ならば落葉樹の下の、夏に半日陰になるところに植え付け。

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<クリスマスローズの展示会>

★クリスマスローズ展 2月10日〜15日【東京・神代植物公園(調布市)】

★クリスマスローズの世界展 2月20日〜22日
              【東京・池袋サンシャシンシティ展示ホールA】

*協会のホームページ「季節の園芸作業」に、園芸関係のイベント情報が載って
います。ご覧ください。
⇒http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

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(2)大雪に注意しましょう
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 冬の初めはスキー場では雪不足に悩まされていたようですが、最近は天気予
報にも“雪マーク”が目立っているようです。暖地でふいに大雪が降ると、庭
木類や鉢植えを傷めてしまうことがあります。あらかじめ、大雪後の手当てを
考えておきましょう。

・雪が大量に枝に積もったら
 枝をむやみにゆすらないこと。寒さで硬くなった枝が折れてしまいます。枝
を下からそっと持ち上げ、少しずつ左右に揺らして雪を落とすようにします。
また、温度が上がってくると、屋根から雪がまとまって落ちて、下の樹の枝を
傷めることがあります。建物の近くの樹には、板や竹竿をつぼめた雨傘状に組
んで、すっぽりかぶせてあげるとよいでしょう。

・雪で棚上の鉢植えが埋もれてしまったら
 そのままにしておくと、鉢の水分が吸い取られて、中が乾いてしまうおそれ
が。雪が止んで気温が上がってきたら、雪の上からたっぷりと水をかけ、雪を
溶かしてしまいましょう。ただ、雪がとけたあと、水分が多い状態で強い風に
当てると、鉢の中までがちがちに凍ってしまうことがあります。寒さに強くな
い種類は、水が抜けるまで、風の当らない棚下などに避難させましょう。

<花鉢物の管理>  
・シンビジウム 
 最頂部の花が咲き出したら、花茎を元から切って、切花として楽しむように
しましょう。そうすると、株の消耗が少なくてすみます。

・ファレノプシス(コチョウラン) 
 花茎をきるときに、基の1節を残しておくと、その節から新しく花芽が上が
ってきてくることがあります。花は一回り小さくなりますが、二度楽しめるわ
けです。ただ、あまり咲かせると株が弱りますので、この場合は、早めに2輪
くらい咲かせたら切り取りましょう。

・シクラメン、プリムラ・オブコニカ
 葉組をして、花茎を中心に集め、また大きい葉を外側によせ、光が中に入る
ようにします。咲き終わった花や黄色くなった葉は、無理に引っ張らず、少し
萎れてから、根元をひねって抜き取るようにします。

・追肥と花殻摘み 
 花が次々と咲き上がってくるタイプの鉢物には、追肥を与えましょう。液肥
なら、10日おきくらいです。また、花殻摘みも忘れずに。プリムラ類、シク
ラメン、マーガレットにはかかせません。

・その他 
 ポインセチア(12〜13℃以上を保つ)は低温と過湿に注意。低温(5〜6℃
くらい)で越冬させているハイビスカスやブーゲンビレアは、落葉しても枝が
緑色ならば大丈夫。枯れていないので、1週間に1度くらい水やりしましょう。

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(3)花木・庭木類に寒肥をあげましょう
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 大きく育った庭木には肥料は必要ないのですが、苗木の間や花木類・果樹類
には施肥(肥料を与えること)がかかせません。寒中に、ゆっくり分解されて
ゆく有機質肥料を与えると、ちょうど根が動き出す頃にききだすのです(根は
芽より早く活動が始まります)。雪の積もっている地方では春になり、雪が消
えたらすぐに行ないます。

・寒肥に向く肥料の種類
 油粕、魚粕、堆肥など。市販の有機固形肥料でもよい。

・肥料の与え方
 樹冠幅いっぱいあたり(枝が遠くに一番伸びているところ)の真下くらいで、
輪状に深さ20センチほどの溝を掘るか、30〜40センチほどの壷状の穴を6〜7個
掘り、肥料を入れて埋め戻します。前者は低木、後者は高木に向く方法です。

 溝や穴を掘る時に根に当ったら、ハサミなどで根を切っておくようにします。
そうすると、細根が多く発生するようになり、下枝がよりしっかりするように
なります。

・与える分量
 目分量でかまいません。幹の直径が5センチ以下の樹木なら50〜150グラムく
らい、それ以上大きくなったものは100〜200グラムくらい、花木類・果樹類は
大きめの数値で、普通の庭木類は小さめの数値を目安にします。
 
・冬の薬剤散布で病害虫を減らす 
 12月にマシン油乳剤を散布した方は、そろそろ石灰硫黄合剤をまいてもよ
い時期です。今、薬剤散布しておけば、翌年の病害虫の発生がてき面に少なく
なります。

・冬の薬剤散布の目的 
 冬の薬剤散布は、マシン(機械)油乳剤と、石灰硫黄合剤を交互に散布し、
退治しにくいカイガラムシ類やハダニ類を防除するものです。石灰硫黄合剤は
ウメなどの黒星病、イブキ類のさび病の予防にも効果があります。

・石灰硫黄合剤の希釈と散布の仕方 
 ビンに入った石灰硫黄合剤は、振るとジュウジュウと音を立てたりするので、
ちょっとこわい気がしますが、説明書の通り薄めれば大丈夫です。希釈濃度は
散布する樹によって違い、落葉した樹木には10倍、針葉樹や常緑樹には30〜40
倍程度です。咲きかけた蕾や動き出した新芽には薬害を起こすことがあるので
避けて、幹や葉裏まで丁寧にかけます。薬液がガラスなどにつくと、白く残って
なかなか取れないことがありますので注意しましょう。

----*--≪注意≫--*----*----*----*----*----*----*----*---*----*----*-- 

*石灰硫黄合剤はアルカリ性が強いので、石灰硫黄合剤の散布後に、マシン油
乳剤などを散布する場合は、1か月程度の間隔をとること。

*石灰硫黄合剤を散布した後は、噴霧器などは、食用酢を1%に薄めて洗い、
その後によく水洗いすること。

*石灰硫黄合剤はマツ類、ヤツデ、コバノナンテンには、薬害を起こすことが
あるので注意。

*マシン油乳剤は、マツ類(特にゴヨウマツ)、キャラボク、ヒマラヤスギ、
ツツジ・サツキ類、ウメには薬害を起こすことがあるので注意。

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(4)季節の手入れポイント
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<花壇・ガーデニング>
 戸外での作業は特にはありません。空いている花壇があったなら、天地返し
しておきましょう。シャベルなどで花壇を掘りかえし、下の土を上に出しほぐ
して空気にさらします。寒さや乾風、日光に当てることで、春からの病害虫の
発生を減らすことができます。

*協会のホームページ『季節の園芸作業』に、今年のガーデニング計画を立てる
ときに役立つ「国内・国外の種子・苗の通販業者と外国の園芸の会」の紹介が
載っています。ご覧ください。
⇒http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

<花木・庭木>
 針葉樹、落葉果樹・花木の剪定を年内に行えなかった方は、無理に今に行う
ことはありません。寒さが緩んでからでも間に合います(2月下旬以降)。
ただ、モミジ・カエデ類は樹液の流動が早いので、なるべく早めに剪定を終わ
らせます。冬の薬剤散布(石灰硫黄合剤)や寒肥は、天気の具合を見て行いま
しょう。

*協会のホームページ『季節の園芸作業』に、「バラの冬季剪定の仕方」が
載っています。ご覧ください。
⇒http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

<花鉢物・観葉植物>
 室内に取り入れた寒さに弱い熱帯花木類や草花類の具合はいかがですか。
落葉性の種類は、枝を切り詰めて、水やりを少なめとし、常緑性の種類も水は
控えめに。水やりの基本は、鉢の土が乾いてきてから与えるようにします。
また、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニが発生しやすいので注意しましょう。
表側だけでなく、定期的に葉裏や葉の付け根、株元の葉の重なりあっていると
ころをチェックします。

<家庭菜園・ハーブ>
 家庭菜園は休眠の時期。越冬させている種類も少なくなりましたね。ホウレ
ンソウやシュンギクなど、ビニルトンネルやべたがけシートをかけて育ててい
るものは、中でアブラムシなどの病虫害が発生していないか、時々調べてみま
しょう。また、ビニルトンネルを利用すれば、ニンジン、コマツナ、カブ、ダ
イコンなどの種子がまけます。今、種子をまけば、春〜初夏にかけて収穫でき
ます。

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最後までお読みいただいてありがとうございます。

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