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    園芸ファン通信      【Vol.42】  2004年2月18日号

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 北の地方や日本海沿岸地方は雪に悩まされているようですが、太平洋沿岸地
域では、相変わらずのカラカラ気候。同じ日本なのに不思議ですね。寒波もよ
うやく峠を越したようで、各地からウメやフクジュソウの花便りが届いていま
す。そろそろ春の園芸作業の準備をする時期です。

■■■■■■■■■■■■■■■今号の目次■■■■■■■■■■■■■■■

  (1)自分だけの名花を作る
   ―――クリスマスローズの交配の仕方

  (2)花茎の切戻しで二度花を楽しむ
   ―――サイネリア、カルセオラリア、エラチオール・ベゴニア

  (3)花壇や菜園病害虫がてきめんに少なくなる
   ―――冬の天地返しの上手なやり方

  (4)生垣の形を直す根切りと施肥

  (5)季節の手入れポイント
   ―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物・観葉植物、
           家庭菜園・ハーブの手入れ管理ほか

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(1)クリスマスローズの交配をしよう 
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 クリスマスローズの交配と実生(種まき)は意外と簡単なもの。しかも、まだ
改良の歴史が浅い草花ですから、親株を選んで交配すれば、新しい花を作り出
すチャンスがあります。あなただけのオリジナル新花を咲かせましょう。

<交配の仕方>
  クリスマスローズの花は、雌しべ(花の真ん中で、突き出ている部分)が先に
熟し、その後に雄しべ(雌しべの付け根くらいに多数ついている)が熟します。

・母親(種子親)には元気のよい株の開き始めの花を選び、成熟していない雄
しべ(花粉の出ていない)をピンセットで摘み取ります。
   このとき、雌しべを傷つけないようにしましょう。

・父親(花粉親)には、花が開いて2、3日目の花粉がよくでているものを選
びます。綿棒などに花粉をつけて、それを母親にする花の雌しべの先に軽くこ
すりつけます。

・交配が終わったら、蜂などがほかの花の花粉を持ってこないように、網袋な
どを被せます。交配の記録(両親と交配日付け)をラベルに書いてその花に付
けておきます。

・種子を成らせると、株が弱りますので1株にあまり多く種子を成らせるのは
やめましょう。網袋は10日ほどつけておけばよいでしょう。

・種子は、2〜3か月で熟します。熟すと莢が割れて種子が落ちてしまいます
ので、莢がかさついてきて色が変わってきたら莢ごと切り取るのですが、タイ
ミングがわからない間は、莢が大きくなってきたら、再度網袋を被せるように
するとよいでしょう。

★種子のまき方は、時期にあわせて説明します。

★交配には、よい親を選ぶことが大切です。色の濃いもの(または薄いもの)
同士、丸弁で花形のよいものなど、改良の目的によって選びましょう。八重咲
きを狙う場合は、八重咲き同士、または八重咲きとセミダブルなど、弁数の多
い花を親にするようにします。
 
 なお、交配は1回で必ず成功するとは限りません。母親と父親を逆にすると
よい場合もありますので、いろいろとチャレンジしてみましょう。

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(2)鉢物を長く楽しむ手入れ法 
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 気温はまだ低くても、日ざしに勢いを感じるようになると、冬の花鉢物のな
かにはそろそろ花が終わりにかかるものが出てきます。でも、上手に切り戻し
をすると、もう一度花を咲かせてくれる種類があります。

・サイネリア 
 今の時期に花が終わったサイネリアは、花茎を切り戻せばもう1回花を咲か
せます(ただし、春遅くなってからではだめ)。株元の脇芽に葉を3、4枚
付けて茎を切り戻し、同時に一回り大きな鉢に根鉢を崩さないように植え替
えます。株が落ちついてきたら、10日に1回くらい液肥を与えればよいで
しょう。1か月〜1.5か月で咲いてくれるはずです。

※カルセオラリアも同様の方法で再生させられます。

・エラチオール・ベゴニア 
 暮れから咲きつづけていたエラチオール・ベゴニアも、枝先まで花が咲き進
むと、新しく咲く花が少なくなります。そうした株は、枝を根元近くの2、3
節まで切り戻すと、その下から新しく芽を吹き、再び花を咲かせだしてくれます。
切り戻したら、規定の倍に薄めた液肥を10日ごとに与えます。なお、枝を切
り詰めると土の乾きが悪くなるので、水やりの代わりに霧吹きで葉水を与える
とよいでしょう。

・そのほかの鉢物の管理 
 開花期の長いシクラメンやプリムラ類などはまだまだ咲き続けてくれますし、
マーガレット、ユリオプシスデージー、オステオスペルマムは花の盛期です。
花がらつみと追肥を忘れないようにしましょう。

  また、花が終わったシャコバサボテン、カランコエ、ポインセチアは生育期ま
でしばらくは、水やりを控えめにして過ごさせます。

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(3)天地返しで病虫害退治と土作り 
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 空いている花壇や家庭菜園は天地返しを早目にしましょう。
 天地返しは、一度土を掘り上げた後、2週間くらいしたらもう1回土を返え
すようにしましょう。こうして何回も寒気にあわせると、病害虫を減らすこと
ができます。

  ついでに、苦土石灰を1平方メートルあたり150gほどばらまいて土と混
ぜ合わせておきます。さらに1週間以上後に堆肥を1平方メートルあたり
2、3kgすきこんでならせば、土作りは万全です。

 なお、新しく花壇や菜園を作る場合は、最初に熔性リン肥(熔リン)を1平
方メートルあたり200gくらいばらまいてから耕し、その後に石灰(苦土石
灰)、少しして堆肥(1平方メートルあたり5kg)をすきこむようにします。

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(4)生垣の根切りをしましょう
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 勢いがよすぎて枝が伸びすぎる生垣は、根切りをして、樹勢を抑えましょう。
また逆に、下枝の上がって形の崩れた生垣にも、根切りをしましょう。そうす
れば、枝の伸びが抑えられ、また、芽吹きもよくなり、しっかりとした生垣に
再生できます。

<根切りの仕方>
(1)幹の太さの5〜6倍離れたところをスコップで30〜40cm掘り起こす。

(2)出てきた根を剪定バサミや鋸で切り、有機固形肥料を1つかみ程度入れて埋
    め戻す。

(3)翌年、反対側を同様に根切りをする(一遍に両方やると樹勢が衰えるので注意)
 
 勢いはよいのに花が付かないウメ、カイドウ、タイサンボク、ツバキ、フジ、
ハナモモなどの花木類に行なうと、樹勢が抑えられ、早く花が咲くようにでき
ます。

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(5)季節の手入れポイント
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<花壇・ガーデニング>
 寒い寒いと思っているうちに、花壇では寒咲きクロッカスが咲き始め、スイ
センやチューリップの芽も伸びだしてきたようです。日の光が強くなるにつれ、
パンジーやロベリアなどの草花は株のボリュームが大きくなります。隣の株と
葉が接するようになったら注意信号。光が強くなってくると、葉や枝が交差し
たところが蒸れて枝枯れを起こしやすいのです。茂りすぎたところは早めに枝
を元から整理してやると、枝の更新にもなり、花数も増えてきます。
 
*ガーデニングやクリスマスローズの展示会情報が協会のホームページ「季節
の園芸作業」2月号に載っています。ご覧ください。

⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

<花木・庭木>
 今年は、ウメの咲き出しが順調のようです。あなたのお住まいの地域ではい
かがですか。庭ではロウバイが終わりだし、ジンチョウゲの蕾が膨らみ始めた
ようです。寒肥や冬の薬剤散布、バラや落葉樹の剪定を済まされていない方は、
協会のホームページ「季節の園芸作業」、12、1、2月号を参考に、早めに
行なうようにしましょう。

⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index56.html
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index57.html
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

<花鉢物・観葉植物>
 冬越しのために室内に取り入れたクンシランやクジャクサボテン、観葉植物
は元気にしていますか。冬の間は休眠期で、水やりは少なめでよかったのです
が、春が近づくと活動が始まります。芽が動き出してきたら、徐々に水やりを
増やしていきましょう。また、冬の初めころに入手したシクラメンやプリムラ
類など花がつぎつぎに咲きだすタイプの鉢物は、花がら摘みと定期的な追肥を
忘れずにおこないましょう。

<家庭菜園・ハーブ>
 種子まきは、霜が降りている間は露地ではできません。この時期もビニルト
ンネルを利用した種まきになります。ニンジン、コマツナ、カブ、ダイコンな
どは今の時期からビニルハウスで種子がまけます。
 また、そろそろジャガイモの植え付け時期になります。種イモを購入する場
合は、冷暗所で保管しておきます。


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