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2004年4月09日号 トップページへ 最新号



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    園芸ファン通信      【Vol.46】  2004年4月30日号

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 今年の春は早かったですね。地域によっては、すでに夏日(最高気温25度
以上)を何日も迎えているところもあるようです。東京でも八重ザクラは終わ
りにかかり、ハナミズキが盛りになろうとしています。感じとして2週間近く
“季節が早い”という気がします。
 あなたのお住まいの地域ではいかがですか。種子まきや球根の植付けなど、
春の作業は予定通りこなせましたでしょうか。

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(1)花を長持させ、来年も咲かせるハイドランジアの管理

(2)早めの対策で被害をなくす―――庭の毛虫対策

(3)やさしく増やせるハーブ・宿根草類の挿し芽の方法

(4)夏中、花を咲かせ続けるために今植え替える
   ―――冬越しさせたハイビスカスの植え替え

(5)馴染んでいた農薬が使えなくなる!!
   ―――でも安心!!代りにこの農薬を

(6)季節野手入れポイント
   ―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物・観葉植物、
      家庭菜園・ハーブ

(7)イベント情報
   ―――しずおか国際園芸博覧会「浜名湖花博」、蘭おかやま2004、
      国際バラとガーデニングショウほか

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(1)ハイドランジアの鉢物の管理 
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 そろそろハイドランジア(西洋アジサイ)の鉢物の出荷が多くなる時期です。
もともとは梅雨時に開花する性質なのですが、促成で咲かせたものが出回るの
です。大きな花房をつける割に、小さめの鉢で仕立てられていることが多いの
で、水切れしやすく、また枝先が重くてバランスが悪く、風が吹いたりすると
すぐに鉢が倒れたりします。鉢からすっぽと抜けるなら、一回り大きな鉢にそ
のまま移してやり、抜けない場合は鉢ごと大きめの鉢に入れておくと倒れにく
くなります。

<ハイドランジアの鉢物の管理ポイント>
●置き場所は強い風の当たらない、午前中日の当るところか半日陰のところ
●水やりは、土の乾きを見ながら、乾いてきていたら朝たっぷりと
●花のある間は、肥料は不要
●花後に、枝の半数は根元まで、残りの半数は枝の2/3ほどを切り戻し、一
 回り大きな鉢に植え替える

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(2)毛虫類の発生に注意する時期です 
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 庭木に毛虫がつくとぞっとしますね。特に大きな木に出たりすると、隣近所
にとんだりして迷惑をかけることがあります。そろそろウメやカリンなどにオ
ビカレハ(ウメケムシ)、サクラなどにアメリカシロヒトリなどが出始める時
期です。早めに見つけて、まだ群をなしているうちにスミチオン乳剤やディプ
テレックス乳剤などを散布して、退治するようにしましょう。
 
 5月になると、ツバキ・サザンカ、チャに毒蛾(チャドクガ)が発生します。
発生の初期に見つけて薬剤を散布するのがポイントです。毛の抜け殻、卵の跡
なども見つけて始末しましょう。残しておくと、風に飛んだりして肌につくと
トラブルの元になります。

 また、アブラムシ、カイガラムシがでたらオルトランやベストガードを散布
します。病害虫の多いバラには、週1回、殺菌剤(サプロール、ダコニール、
ミラネシンなど)を散布し、アブラムシやチューレンジバチにはスミチオンや
オルトランなどの殺虫剤を定期的に散布しましょう。

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(3)ハーブ類は挿し芽でふやせます
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 ハーブ類は同じ株を長く育てていると、株の勢いが衰えたり、独特の香りが
弱くなったりすることがあります。常に挿し芽で苗を準備しておき、随時更新
するようにしましょう。今の時期ならミント類、レモンバーム、タイム類、バ
ジル、セージ類、センティッドゼラニウム、ローズマリー、ラベンダーなどの
挿し芽・挿し木ができます。

 <挿し芽・挿し木の仕方>
(1)伸びた茎を5〜7センチ取る
(2)切口を鋭利なカミソリなどで切り直し、下葉も切り取る
(3)コップで2時間くらい水揚げする
(4)平鉢に清潔な川砂か鹿沼土をいれ、箸などで穴をあけてから、その穴に
   茎を1/3ほど挿す
(5)直射日光と風の当らない半日陰の所に置く
(6)草ものなら2、3週間、木本の種類でも1〜1.5か月で発根してくる
(7)新しく芽が動き出してきたら、ごく薄めの液肥を与える
(8)葉が重なって切るようになったら、根を切らないように植え替える
   ペチュニア類、インパチエンスなどの草花類やミヤコワスレ、モス・フ
   ロックスなどの宿根草、マーガレットなども同様に挿し芽ができますか
   ら試してみましょう。

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(4)鉢物類の植え替え 
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 低温に弱く室内で越冬させてきた熱帯花木類や観葉植物の仲間も、そろそろ
室外で管理ができる季節になりました。最低温度が15℃を割らなくなったら、
外に出しても大丈夫です。生育が早い種類で、鉢が小さくなってきたものは、
鉢替えをしてあげましょう。

 エンジェルストランペット、フクシア、ハイビスカスなどで2年植え替えて
いない鉢や、ゴムノキ、ベンジャミン、カポックなどで根が鉢の上に出てきて
いる株は植え替えが必要です。どんなに間隔をかけても、3年に1回は植え替
えてやりたいものです。

<植え替えの手順>
(1)鉢から株を抜く。根が鉢にこびりついて抜けない場合は、鉢を割らなけ
   ればいけない場合もある。
(2)根をほぐし、黒く変色している部分を切り取り、長すぎる根は切り詰め、
   新しい鉢に入るようにする。
(3)一回り大きな鉢に植え直す。用土は、赤玉土6+腐葉土4。
(4)根を多少切り落すことになりますので、枝も、1/5〜1/3ほど、切
   り落してバランスをとる。
 
 ハイビスカスの場合も、枝を1/3ほど切り落して植えなおすとよい。ポト
スやモンステラ、ディフェンバキアなどの観葉植物も、3年に1回くらいで植
え替えをしてあげましょう。

 ヘゴ材(柱)にからませているものは、そのまま、鉢から抜いて、土を替え
た後、また鉢に植えこみます。枝が伸びすぎてしまったものは、伸びた枝を柱
の下のほうに誘導して、針金か紐で固定するようにすればよいでしょう。

 背が高くなりすぎたゴムノキやドナセラなどは、5月に入ったら取木をかけ
て更新すればよく、またゴムノキ、ドラセナ、ポトス、モンステラの挿し木は
5月中旬くらいからが適期です。

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(5)農薬の話 
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 最近、野菜、果樹、草花類などのハダニ駆除用によく利用されていた農薬の
ケルセンが製造中止になって話題を呼びましたね。調べてみると、このほか殺
虫剤ではアンチオやエカチンなど、殺菌剤ではプラントバックスなど結構、ポ
ピュラーだった農薬が、すでに製造販売されなくなっています。これまで、便
利に使っていた薬剤もありますので残念です。

 これは、使用禁止になって使えなくなったのではなく、農薬登録が取り消さ
れて(正確には再登録されなくなって)、製造が中止されたもののようです(
その理由は農薬登録等にかかる費用が高額のため、採算が合わなくなったとい
う説が?)。なお、登録が取り消された薬剤も、使用期限のある間は使って問
題ないものです。

 ケルセンの代わりにはバロックフロアブル、ニッソラン、オサダンなどが、
エカチンとアンチオの代わりにはベストガード、アクテリック、ダイシストン
などが、プラントバックスの代わりにはサプロールなどが同様に使えるはずです。

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(6)季節の手入れポイント  
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<花壇・ガーデニング>
 今年のように暖かくなるのが早い年は、パンジーなど春花壇の草花の枝抜き
や切り戻しを早目にするようにしましょう。さもないと、伸びすぎたり、混み
すぎで蒸れて枝枯れをおこしてしまいます。こうなった花壇は早めにあきらめ
て、夏花壇に衣替えしましょう。

 特にチューリップなどの球根類は、来年もよい花をつけてくれる可能性は少
ないものです(日本海側中北部や北海道などの地域は可能)。かわいそうなの
ですが、早めに抜き取ってしまってもよいでしょう(本来の掘り上げは6月初
め頃)。

<花木・庭木>
 フジが咲き、ツツジ類、ボタンなどが咲き終わると、春の花のラッシュも一
休みです。咲き終わった木は、花がら摘みや花後の切り戻し・間引き、お礼肥
えなどの手入れをしましょう。特にシャクナゲ類や、落葉性のツツジ類は種子
を稔らせますと樹勢が落ちたり、花つきが悪くなったりしますので、こまめに
花がらをつむようにします。

 バラやシャクナゲなど花付きの鉢を購入し、庭に下ろそうという場合は、花
が咲き終わったら(バラの場合は1番花が終わったら)早めに植えつけます。

<花鉢物・観葉植物>
 今年の春は気温が高く、風も強いようですね。そのため、鉢の乾きが早く、
油断する水切れさせてしまうことがありますので、注意しましょう。特に植え
替えを怠っていた鉢は要注意です。

 また、冬の間、室内で保護していた熱帯性の花鉢物や観葉植物の仲間も、温
度的には外に出せるようになります。ただ、本来は直射日光に強い種類でも、
急に日に当てると、日焼けを起こすことがありますので、薄曇の日などに外に
出し、日に慣らしてから本格的に日向に出すようにしましょう。なお、ポトス
やディフェンバキア、アローカリアは、夏の間も室内の明るい日陰で育てるの
が適します。

<家庭菜園・ハーブ>
 いよいよキッチンガーデンも忙しくなる時期です。葉菜類、根菜類は種子ま
きで、果菜類はポット苗を購入してもよいでしょう。トマトやナス、キュウリ
などの果菜類の植え付けは、平年ですとゴールデンウィーク明けくらいでした
が、今年はもう少し早くてもよいようです。

 なお、高温性のオクラやモロヘイヤ、ツルムラサキ、バジルなどの種子まき
はもう少し待ったほうが安全です。

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(7)イベント情報   
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●しずおか国際園芸博覧会「浜名湖花博」(静岡)
 4月8日〜10月11日 浜松市・浜名湖ガーデンパーク
 連絡先 Tel 053-450-5850
 http://www.flora2004.or.jp/tems/pc/top/A0010.jsp

●国際蘭展「蘭おかやま2004」(岡山)
 5月1日〜5日 岡山市コンベックス岡山 
 連絡先 Tel 086-292-0698
 http://www.convex.or.jp/ran2004/

●10カ国大使夫人のガーデニング「花 MATSURI IN OKURA」(東京) 
 5月1日〜5日 ホテルオークラ 
 連絡先 Tel 03-3224-6731
 http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/news/events/hana/

●ナゴヤフラワーショー2004(名古屋)
 5月1日〜5日 名古屋市久屋大通り公園 
 連絡先 Tel 052-961-2111

●第6回国際バラとガーデニングショウ(埼玉)
 5月14日〜19日 所沢市・西武ドーム 
 連絡先 Tel 03-5551-9542
 http://www.bara21.jp/index.html

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