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園芸ファン通信 【Vol.49】 2004年7月6日号
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■□■□■「全国ガーデニングコンテスト2004」締め切り迫る!■□■□■
いよいよ「全国ガーデニングコンテスト」の応募締め切り(7/31)が迫
ってまいりましたが、みなさま応募の準備はできましたか。すっかりと夏の陽
気になって、お庭の草花もぐんぐんと成長していることでしょう。そんなご自
慢のお庭をぜひ、この機会に披露してみませんか。
ゴールドメダル、シルバーメダル、ブロンズメダルや、英国大使館賞、毎日
新聞社賞などたくさんの栄誉ある賞を受賞できるチャンスです。応募料は無料。
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梅雨明け前から、こんなに台風が襲来したり、また、気温が30度を超える真
夏日になる日が多い年も珍しいですね。本番の夏は、どのような陽気になるので
しょうか。ちょっと怖いような気持ちがします。
■■■■■■■■■■■■■■■今号の目次■■■■■■■■■■■■■■■
(1)今、植えられる夏に強い草花類
―――ポーチュラカ、ニチニチソウ、キバナコスモス、宿根バーベナ、
トレニア
(2)夏に涼しげな苔玉の作り方のポイント!!
(3)秋に美味しいカキをたくさん収穫するために
―――カキの落果対策
(4)すぐの鉢替えが長持ちさせる秘訣
―――交配親に用いたい種類!?
(5)季節の手入れポイント
―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物・観葉植物、家庭菜園
・ハーブ
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(1)夏の暑さ、強光線に強い草花
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梅雨の合間の晴れの日は、真夏同様の太陽が照り気温も上がってきます。そ
ろそろ梅雨明けのことを考えないといけないようですね。そこで、今回は、高
温と強光線に強い草花とその手入れのポントを紹介します。
●ポーチュラカ(ハナスベリヒユ スベリヒユ科)
南アメリカ原産といわれる。強光線と高温が大好きな真夏の申し子といえる
植物。乾燥にも強い。芽先を摘んで挿せばよくふえる。
●ニチニチソウ(キョウチクトウ科)
マダガスカル原産。高温と乾燥に強い強健種。
草丈が高くなった株は、2/3から1/2ほどに切り詰めると、下から新し
い芽が吹いてくる。挿し芽でよくふえる。
●キバナコスモス(キク科)
メキシコ原産。痩せ地でもよく育つほど強健だが、肥料過多に注意。移植に
は強くないので、定植したら以後の移植は避ける。
●宿根バーベナ(クマツヅラ科)
南アメリカ原産。日当たりと水はけのよい土地なら、横に枝を出してマット
状に茂り、グラウンドカバーにもなる。痩せ地でもよく育つ。
●トレニア(ゴマノハグサ科)
南ヨーロッパ原産。日照を好むが、半日陰程度でもよい。水切れに弱いので、
花壇植えでも土が乾いたら、水やりする。液肥なら月2、3回、粒状の緩効性
肥料なら月1回ほど与えるとよい。
これから植えつける場合は、なるべく早めに梅雨の間(梅雨明け1週間前く
らいまで)に植えつけましょう。
入手した花鉢物には、1週間位したら、追肥を施しましょう(シンビジウム、
ポインセチア、クリスマスカクタスなどの1季咲きの種類には不要)。
液肥なら、2週間に1回、緩効性固形肥料なら月に1回一つまみほどです。また、
花がらはまめに摘み、株の負担を少なくすることも大切です。
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(2)清涼感のある苔玉(こけだま)を作りましょう
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和風でおしゃれ感のある“苔玉”が人気ですね。特に夏場は、涼しげな風情
ですので、室内のインテリアや玄関飾りなどにぴったりです。あなたも、夏向
きの苔玉を作りましょう。
<用意するもの>
●土
けと土(ヨシなどが堆積して泥炭化した土。化土とも書く)、
微粒赤玉土、ミズゴケ
●苔
日当たりに適するギンゴケやホソウリゴケ、スナゴケ、日陰に適するヒメハ
イゴケやヒョウタンゴケが園芸店で入手できます。道路際などに生えている苔
(ギンゴケなどが多い)を利用してもよいでしょう。植える植物によって(日
向向きか日陰向きか)、苔を使い分けます。
●植物材料
どんな植物でもよいのですが、夏場向きにはフウチソウやアサギリソウ、ギ
ボウシなど、涼しさを感じさせてくれるものがお勧めです。樹木ならモミジ類、
ケヤキ、ハゼノキなどのやや細幹の素材がよいでしょう。普通の園芸草花を用
いても、風情が出るものです。
●そのほかの材料
黒色の綿糸、苔玉の下に敷く皿か水盤
<苔玉の作り方>
(1)土を練って丸める
けと土5:微粒赤玉土2:ミズゴケ3の割合で混ぜるのですが、けと土
は5ミリくらいに砕き、ミズゴケはふるいにこすって細かくします。よく
混ざったら、水を加えて耳たぶくらいの固さになるように練ります。練り
終わったら、いくつかに分け、それぞれ小さめのおはぎくらいの大きさに
丸めておくと、使いやすいものです。
(2)植物の植え込み
植える植物の根をほぐし、土を落とします。このときは先の細い竹箸な
どを使うと、あまり根を切らないですみです。根の間に、こねた土を練り
こみ、さらに外側に土を被せ、球状に整えます。根が細かく張っているも
のは、あまり土を取らず、中に軽く土を詰め、外側に被せるようにすれば
よいでしょう。
(3)苔を貼る
玉の外側に苔を隙間なく貼ってゆきます。貼り終わったら、苔が剥がれ
ないように糸をきつめに何重にも巻いて固定します。糸を巻くときに、指
で強く苔を抑えながら、巻くのがポイントです。この糸は、苔が生長する
と、自然に隠れてしまい、綿100%ならば、自然に腐っていきます。
(4)枝や葉の剪定
植え込みの作業で、どうしても根が傷んでしまいます。根が傷んだぶん、
枝や葉を切り落としてバランスを取ります(目安は1/3くらい)。
(5)その後の管理
●水やり
作り終わったら、目の細かいジョウロでそっと水をやり、ごみや汚れを
落とします。
●置き場所
最初の7日〜10日は半日陰の風の当たらないところで、養生させ、落
ち着いたら戸外に出します。室内で鑑賞する場合も、2日間室内に置いた
ら、次の2日間は外に出すようなローテーションを組むとよいでしょう。
●肥料と水やり
苔玉は中の土の乾き具合が分かりにくいので注意しましょう。特に、作
りたては乾きやすいので、しおれ具合を見て早めに行います。水やりの目
安は、夏は朝夕の2回、秋と春は1日1回程度です。水やりは、苔玉の上
からそっと行い、下の皿などに水がたまるまで行います。苔が水を吸わな
くなったら、水を捨てます。
●肥料ほか
肥料は、植物の種類によっても違いますが、夏と冬を除いて月2回液肥
を与える程度でよいはずです。苔が伸びすぎた場合は、適度に摘み取って
蒸れないようにします。
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(3)カキの幼果の落果対策
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今年は気候不順のためか、カキの幼果の落果が多かったようです。改めて、
カキの果実の落果の原因を調べてみました。
カキが落果するのは、自然落果とヘタムシ(カキミガの幼虫)の被害による
ものがほとんどといわれます。
<自然落果の原因と対策>
自然落果は6月下旬から7月の上旬頃がピークのようで、多くは未受粉の場
合が原因のようです。カキの多くの品種では、花が受粉しないと、果実が生育
しないで落果してしまいます。しかも、富有や次郎など有力品種の多くは、雄
花をつけない性質があります。果なりを安定させるためには、人工受粉をする
か、近くに雄花もつける禅師丸や筆柿などを植えるとよいでしょう。
また、強い剪定をした年(新芽が強く伸びて、栄養分が果実に回らない)や
葉が茂りすぎて内側の枝に光が入らなくなった場合も、自然落果が多くなりま
す。自然のままにしておくと、成り年の翌年は自然落果が多くなります。
毎年、剪定や摘蕾、摘果を行って、成らせすぎを避け、樹勢をコントロール
するようにしましょう。
<ヘタムシの被害とその対策>
ヘタムシはカキミガというガの幼虫で、へたの部分から果肉に食い入ります。
ヘタムシの被害を受けた果実は、やがて落果してしまうのですが、ヘタムシは、
果実が落果する前に次の果実に移り、次から次へと被害が拡大します。ヘタム
シの被害で落果する場合は、へたは樹上に残り、果実だけが落ちるようです。
ヘタムシは5月下旬〜6月中旬と、7月下旬〜8月中旬の2回発生します。
対策としては、発生時期にそれぞれ2回くらいスミチオンなどの殺虫剤を芽先
と果実によく散布するようにします。2回目(夏に)に発生したヘタムシはカ
キの幹の荒皮にもぐって越冬しますので、秋のはじめごろ、幹や太枝の荒皮を
鎌や鉄板など削り落としておくと、ヘタムシが越冬できなくなり、発生を抑え
ることができます。なお、落下した果実は集めて処分することも必要です。
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(4)季節の鉢もの・アサガオとホオズキの管理
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東京の夏の風物詩として、入谷(東京・台東区)の朝顔市(7月6、7、8
日)と、浅草寺のほおずき市(7月9、10日)が有名です。アサガオもホオ
ズキも本来は真夏の花で、今頃の鉢物は促成で仕立てたもので、見栄えをよく
するために、鉢の大きさよりも多く株が植えられています。そのため、すぐに
鉢いっぱいに根が回ってしまい、アサガオでは花の数が少なくなったり、花が
小さくなったりします。
また、水切れしやすくなり、葉や蕾、果実が落ちたりすることが多くなりま
す。できたら、鉢底から長く根が出てくる前に、1、2回り大きな鉢に植え替
えてやりましょう。
朝ちょっと早起きし、日が照りつける前に鉢からそっと抜き、新しい鉢に植
え直します。用土は市販の培養土でよく、用土に肥料を混ぜる必要はありませ
ん。行灯仕立てのアサガオには、行灯の外側に一回り大きな行灯を立て、新し
くの伸びてきたツルは外側の行灯に誘導するようにします。
植え替えたら、たっぷりと水やりし、その日は半日陰のところに置き、翌日
から日のあたる場所に移します。1週間位したら、小さじいっぱいくらい、マ
グアンプKなどの緩効性固形肥料を鉢の表面にばらまけばよいでしょう。
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(5)ハボタンの種子まき
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ガーデニングはご自分で種子をまき、苗を育ててこそ、本物なのではないで
しょうか。ちょうどこれからがハボタンの種子まきの時期です。ぜひ今年は、
夏の種まきに挑戦しましょう。一袋まけば相当苗が作れ、倹約にもなります。
(1)まき時期
ふつうは7〜8月。寄せ植え用の小苗作りなら9月。
(2)まき床と用土
平鉢に清潔なピートモスとバーミキュライトを等量混合
(3)まき方
鉢全面にばらまきに、覆土は1センチくらい。
(4)発芽までの管理
まき終えたら腰水し、発芽まで管理。
(5)移植
4、5日で発芽する。本葉が出てきたら3センチ間隔で移植し、1か月
後に10〜12センチ間隔で移植。発芽したら、5〜7日おきに液肥を与える。
(6)注意
青虫がついたら、サイアノックス乳剤を散布(スミチオン乳剤は薬害が
出やすいので使わないほうがよい)。
次号で、パンジー・ビオラの種子まきを紹介します。
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(6)季節の手入れポイント
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<花壇・ガーデニング>
やや空梅雨ぎみだった今年の梅雨もそろそろ、終わりにかかっているようで
す。ただ、台風の発生が多いようですから、梅雨末期の集中豪雨には注意しま
しょう。梅雨の間、あまり手入れのできなかった花壇では、病害虫が発生して
いたり、茂りすぎた株もでてきます。早めに見回って、薬剤散布や害虫の捕殺、
茂りすぎた枝の剪定をして、夏に備えましょう。
<花木・庭木>
ツバキ・サザンカ、ウメ、ツツジ・シャクナゲ類などの春咲きの花木類は、
これからの時期に来年の花芽が作ります(これを「花芽分化」といいます)。
今の時期に枝を切ったり、肥料をやったりすると、この花芽分化のメカニズム
が乱されますので、注意しましょう。
株の根元から出た台芽や徒長枝の切り詰めほかは、特に込みすぎた枝の間引
きや、伸びすぎた枝の先を止める程度にします。また、病害虫の発生も多い時
期です
*病害虫防除については、協会のホームページ季節の園芸作業の[梅雨の園芸
作業]に詳しく載っています。ご覧ください
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html
<花鉢物>
梅雨が明けると、多くの鉢物類には厳しい日本の夏が始まります。これまで
日当たりに置いていたフクシアや球根ベゴニア、シャコバサボテン、マーガレ
ット、ユーリオプシスデージー、シンビジウムなども強い直射日光の当たらな
い、半日陰程度の風通りのよい涼しい場所に移しましょう。
なお、鉢物類の水やりは朝の涼しい時間にたっぷりと与えます。夕方までに
土が完全に乾いてしまう場合は、置き場所を変えるか鉢を一回り大きなものに
植え直しましょう。
<家庭菜園・ハーブ>
ナスやトマト、キュウリなどの夏野菜の収穫の盛期になります。肥切れさせ
ないよう、2〜3週間おきに定期的に追肥をあたえ、根元に土寄せしましょう。
また、晴天が続くようになったら、土が乾燥しすぎないように涼しい朝か夕
方にたっぷりと水やりしましょう。
ハーブ類は夏の高温多湿を嫌う種類が多いので、茂りすぎた株は枝を切りす
かし、ラベンダーなど、花が終わった株は切り詰めます。
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最後までお読みいただいてありがとうございます。
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