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2004年8月09日号 トップページへ 最新号

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    園芸ファン通信      【Vol.51】  2004年8月28日号

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 アテネオリンピックでの日本選手の大活躍には、心踊らされますね。さて、
残暑もひと休みのようで、そろそろ、園芸・ガーデニングも秋を迎えるため
の作業の時期になります。

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(1)夏花壇の整理と秋花壇作り

(2)秋のバラを見事に咲かせるために―――夏の剪定とそのほかの手入れ

(3)早めに準備をしておきたい台風対策
 
(4)今年はパンジー苗を自分で作る

(5)水やり・置き場所ほか―――秋を先取りするシュウメイギクの管理方法

(6)季節の手入れポイント―――花壇・ガーデニング、庭木・花木、花鉢物
   ・観葉植物、家庭菜園・ハーブ


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(1)夏花壇の整理と秋花壇作り 
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<夏花壇の手入れと整理>
 今年は、猛暑や台風で早めにだめになった夏花壇が多いようです。こうした
夏花壇は仕舞いにして、秋花壇に変えましょう。
 なお、それほど傷んでいない花壇では、折れた枝や枯れた枝を取り除き、根
元の土が流れてしまったものは土寄せし、緩効性の固形肥料を1株あたり一つ
まみほど施しておきましょう。
 
 痛んだ株が多い場合は、草花は思いきって引き抜き、土を掘り返し、石灰類
(苦土石灰や炭酸カルシウム)などをすきこんでからならします。このとき、
コガネムシの幼虫や夜盗虫が見つかったらそのままにせず、つまんでビニル袋
などに入れて捨てましょう。

<使える草花の手当て>
 まだ勢いのよい株があったら、枝を整理して姿を整え、種類や花色別にプラ
ンターなどに植え替えましょう。サルビアやマリーゴールド、ペチュニア、ジ
ニアなどは、秋遅くまで咲きつづけてくれます。夏を飾ってくれたてポーチュ
ラカは、彼岸をすぎますと株の勢いが衰えますから、枝を詰めて鉢に上げて、
室内で越冬させる準備をします。

<秋花壇の植え込み>
 1週間から10日後に堆肥をすきこみ秋花壇の草花を植え込みます。
 秋の主役は、やはりコスモスですね。花色は紫〜桃〜白系が基本ですが、最
近はクリーム系も出てきています。パステルカラー系のやさしい色合いなので、
花色を気にせずそのまま群植させてもよいのですが、キバナコスモスの黄色や
オレンジをポイントとして混植させると目立ちます。

 花壇の周りには、矮性のサルビア(秋らしいブルーサルビアもよいですね)
やアゲラタム、ケイトウ、ジニア・リネアリス、メランポジウムなどを植え込
むとよいでしょう。

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(2)ハイブリッド・ティーローズの夏季剪定
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 ハイブリッド・ティーローズは、夏の終わりに剪定して、秋によい花を咲か
せるようにします。

<剪定の時期>
 関東地方以西では、8月25日〜9月15日ころまでが時期で、北の地方で
は早めに。1日の最低温度が26℃以下に降りたころが目安です。

<剪定の仕方>
 夏の剪定は、冬の剪定よりも軽く、枝全体の1/3程度を切り詰めればよい
でしょう。目安は、春に2番花を付けた枝の中間くらいです。小枝も、込みす
ぎたところ以外はなるべく残すようにします。

<剪定後の管理>
 雨が多くなると病気が出やすくなるので、サプロールなどの殺菌剤を散布し
ます。夏の初めに肥料を与えていなかった場合は、液肥を追肥します。

<そのほかのバラの手入れ>
 フロリバンダローズやイングリッシュローズで四季咲きの品種は、H・Tと
同じでよいでしょう。一季咲きの種類は、シュートを来年花が咲く位置を考え
て切り詰めます(目安は2/3切り詰め程度)。

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(3)台風対策を早めに 
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 いよいよ本格的な台風シーズンに入ります。7月、8月から何号も台風が襲
来した今年は、秋も警戒が怠れませんね。台風対策は早めに済ませておきまし
ょう。

●茂りすぎたところは枝抜きをする
 風が通り抜けるように、茂ったところは枝を間引いておきましょう。また、
長く伸びすぎた枝は、切り詰めるようにします。

●支柱を立てる
 今年植えたばかりの樹木や細長い苗木、根の少ない老木には支柱を立てます。
また、長く伸びたマツの差し枝などは折れると仕立て直しが困難ですから、と
ころどころに支えを立ててやりましょう。

●鉢植えの対策
 棚など風の強く当たるところから下ろし、背のある植物を植えてある鉢は倒
れないように横にしておきます。

●台風後の手入れ
 台風は海から離れたところまで、潮風を運んできます。台風の通った後は、
塩害対策のため葉の柔らかい樹木類には、頭からホースで水をかけて洗い流し
ておきます。また、樹木が風で倒れたときは、無理に起こさず、倒れた反対側
を掘り起こし、折れた根を切り詰めて植えなおします。


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(4)パンジー・ビオラの種子まき 
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 そろそろ、冷蔵したパンジーを取りだし、種子を蒔く時期ですね。蒔き床は
ピートバンか平鉢(市販の小粒の種まき用土)、種子が重ならないようにばら
蒔きし、種子がかくれる程度、ごく薄く覆土をします。

 涼しい半日陰の場所に置けば、1週間か10日で発芽するはずです。発芽ま
で、水を切らさないように注意し、平鉢の場合は腰水にしておくとよいでしょ
う。発芽して、本葉が1枚になったら移植します。
 種子を冷蔵していなかった方も、種子をまく前に、1週間から10日ほど、
冷蔵庫の野菜室に置くと、発芽がそろいやすくなります。

*協会のホームページ“季節の園芸作業”にもパンジー・ビオラの種子まきが
載っています。ご覧ください。
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

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(5)秋を先取り 涼しげなシュウメイギク 
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 本来の花期にはちょっと早いのですが、シュウメイギク(秋明菊)の鉢物が
出回り始めています。涼しげで優雅な草姿は、日本の秋を代表する花のひとつ
といえるでしょう(原産は中国といわれますが)。最近は改良された矮性種も
出回り、楽しみが増えました。シュウメイギクの楽しみかたを紹介します。

<適地>
 午前中よく日が当たり、午後は半日陰になるところ。庭に下ろす場合はやや
湿った肥沃地を選び、酸性には強くないので、石灰類を散布しておくとよい。

<鉢植えの管理>
 シュウメイギクは草丈が大きく根も大きいのですが、市販の鉢植えは小さな
鉢に植えられていますので、水切れを起こしやすいので注意しましょう。入手
したら、強い日照には当てないようにして、朝夕たっぷりと水やりすること、
特に風の強い日には、風の当たらないところに取り込みます。なお、花付き株
を入手した場合は、肥料は必要ありません。

<切花にするとき>
 シュウメイギクは切花にしても風情がありますが、水揚げにはコツがありま
す。シュウメイギクの水揚げは、花茎を長く切り、上部の2/3を新聞紙にく
るんでから、たっぷり水を張った深めのバケツに、花茎を長く水にさしこみ、
1晩〜1日くらい漬けるようにします。

<花後の管理>
 花が終わったら、花茎を元から切り取ります。10月から11月に鉢から抜
き、軽く根回りの土を落として一回り以上大きな鉢か、庭に植え替えます。こ
のときは、株分けをしてもよいでしょう。また、根伏せもできます(太い根を
切って、横にして軽く土をかぶせておけば芽が出ます)。


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(6)季節の手入れポイント 
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<花壇・ガーデニング>
 今年のように夏が暑いと、夏花壇は傷んで株が枯れ、姿が乱れてしまったと
ころも出ているようです。こうしたところは、早めに夏花壇をあきらめ、秋花
壇と入れ替えるのがよいですね。

*協会のホームページ“季節の園芸作業”に秋冬花壇用の夏の種子まきの仕方
が載っています。ご覧ください。
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

<花木・庭木>
 今年も台風の当たり年のようですね。これからが、台風シーズンの本番です
から注意しましょう。風通りをよくするために、茂りすぎたところの枝を間引
きしておきましょう。今年植え付けた木や根が弱っているものには、しっかり
とした支柱を立てておきます。また、台風の通り過ぎた後は、頭から水やりし、
塩分を洗い流すようにしましょう。なお、ツバキではチャドクガの2回目の発
生シーズンです。発生を見つけたら、スミチオン乳剤を散布します。

<花鉢物・観葉植物>
 8月も後半になると、気温はまた高くても、植物の吸水は真夏の時期と比べ
ると少なくなります。これまでと同様に与えていては多すぎることもあります
から、土の乾き具合を確かめて与えるようにしましょう。そろそろ、月下美人
の2回目の開花時期が近くなってきました。一夜花ですから、蕾が大きくなっ
てきたら、室内に取り込んで鑑賞できるよう準備をしておきましょう。

 ハイビスカスやアブチロン、ランタナ類、アメリカンブルー、ポーチュラカ、
デュランタなどは開花が続きます。肥切れしないように定期的(置肥なら月1
回、液肥なら月1、2回)に追肥しましょう。

<家庭菜園・ハーブ>
 ナス(切り戻しをしましたか)やピーマン、オクラなどはまだまだ収穫が続
きますが、そのほかの夏野菜は衰えてきますので、次作の準備の時期になりま
す。秋冬野菜の種子まきの目安は、ダイコン(8月下旬〜9月上旬)、ハクサ
イ(8月中旬〜9月上旬)、レタス(8月下旬〜9月上旬)、シュンギク(9
月上旬〜10月上旬)、ホウレンソウ(9月上旬〜10月一杯)です。なお、
早めに種子をまいておいたキャベツやブロッコリーは9月上旬に畑に植え付け
ます。

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