日本園芸協会毎月の庭木の手入れ
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■4月■ 5月 ■6月■
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5月は新緑のさわやかな季節です。八十八夜を過ぎるともう霜の心配もなくなり、まもなく暑い夏がやってきますが、今月はツツジ類、シャクナゲ、バラの季節です。

(1)芝生の手入れをいたしましょう
 ゴルフ場のグリーンのように冬も緑の芝生と違って、日本の普通の芝生は、コウライシバという日本のシバが使われていますので、冬は赤茶けています。4月に入ると伸び出して真っ青な緑になってきますが、同時に雑草も一緒に成長しますので手入れが必要です。

(2)生垣の刈り込み
 生垣は、手入れをしないで放任しておくと丈が高くなり、横幅が広まってくるだけでなく、枝の出方が粗くなり、下枝が上がって寿命が短くなってしまいます。これを防いで一定の高さと幅を維持し、枝葉を密生させるには、刈り込みをすることが必要です。
<1> 刈り込みの時期と回数
 新芽が展開して新枝の伸び切った5月頃に、第1回の刈り込みを行うのが普通です。 7〜8月には徒長枝が出て形が乱れますのでもう一回、第3回目は10月くらいです。以後は伸びが止まるので、このように3回は刈り込みたいものです。なお樹種によっても違い、針葉樹は回数が少なくてすみますが、2回は必要です。

<2> 刈り込みの仕方
 枝に粗密があるところは、しゅろなわで誘引してから刈り始めます。生垣の生長は、一般に上の方が盛んですから上部を強く刈り、下枝は大切にしてやや幅広く仕上げます。角をつけるときは、見通して一直線になるように気を付けましょう。大切なことは最後の仕上げで、竹ほうきで刈りくずをよく払っておかないと赤茶けて見苦しくなります。刈り込みばさみをほうき代わりに使って葉を振るい落とすのは、柔らかい新枝を傷つけてよくありません。
 マツの緑は、4月下旬から伸び出して棒のようになってきます。これをみどりといい、先端に雌花、基部に雄花をつけます。放っておくと形が乱れるので先端の1/3くらいを指で摘み取ります。このとき樹脂が出て手が汚れますので、手袋をはめましょう。はさみを使うことも禁物で、遅くなると折れにくくなりますので上旬くらいまでに終えるようにして下さい。丈の高いクロマツなどで手におえないときは、強いてやらなくても秋のせん定でも事足りますが、アカマツでは欠かせません。

(3)常緑広葉樹は植え付けの適期です
針葉樹のクロマツは、今月も植え付けの適期です。常緑広葉樹は、ちょうど新芽が出て古葉の落ちる交代期なので、 植え付けにはこれから6月にかけてがよい時期です。カシ類、クチナシ、キョウチクトウ、サザンカ、ナンテン、モクセイ、ヤツデ等が適期です。

(4)花木等の手入れ
 ツツジ、サツキの類は今月が花盛りですが、花が終わると下のほうから新芽が伸びてきます。丁寧な場合は花がらを摘み取り 実を結ばせないようにしますが、花後せん定といって刈り込みをすると、がっちりした形に仕上げることができます。
 クマザサは新しい葉が伸びてきますが、丈を低くするには出てくる針状の心を手でひっぱって抜き取ります。 次から次へと出てきますので、根気よく続けるとがっちりと仕上げることができます。トウジュロやソテツも新葉が出てくると古葉は見苦しく見えるものです。赤茶けた古葉や垂葉を切ります。

(5)病害虫の防除
[1]もち病
ツバキやツツジにもち病が出ます。ツバキの子房が肥大して桃の果実のようになったり、サザンカでは葉が肥大して 耳たぶのようになってきます。ツツジでは同じように葉の裏や枝が膨れて緑色から白色に変わり、ちょうど焼きもちのようになります。元から切り取って焼き捨てておきます。
[2]チャドクガ
サザンカ、ツバキ、チャなどに好んでつきます。今月ごろに第1回の発生、8〜9月にもう一回発生します。 ふ化の初期に葉裏に群生しているのを見つけて、葉を取って焼き捨てるのが一番有効です。黄色でよく目立つので、注意すれば発見は容易です。大きくなると樹全体に散らばり葉を暴食しますので、ディプテレックス、スミチオンなどを 散布します。毒毛を持ち、触れるとはげしいかゆみを覚えますので、早期発見に越したことはありません。
[3]ツツジのグンバイムシ
ツツジ類の葉裏に群生し、成虫が葉の汁液を吸収すると白くなり落葉します。 4月から発生し、虫糞を出して葉裏に黒い汚点ができるので分かります。スミチオン、エカチンなどを散布します。

(6)日よけにつる植物を作りましょう
 真夏の日よけにアサガオ、ルコウソウ、ヘチマなどをまいてみませんか。パーゴラの下に直接まいても、箱まきにして移動させてもよいでしょう。