オオデマリ、コデマリ、シジミバナ、ユキヤナギなどはなよなよした風情が大切ですから、新しく伸び出した枝で、
真っ直ぐに立ちあがった樹形を乱す枝(立ち枝)を切ります。カイドウ、ボケ、ザクロなどは、節間の長い、組織の軟弱な枝(徒長枝)が伸びてきますから、元から切ります。新枝も、長すぎるものは軽く先端を切り戻します。花のすんだアジサイは、そのまま残しておけば冬にはドライフラワーとして楽しめますが、不要のときは花が終わったら花首の下に葉を2枚付けて切っておきます。こうしておきますと、下の芽にまた花芽がつきますので、この時期にもう一度、花芽の位置まで切り戻すのです。クチナシは、開花後の切り戻しを急ぎましょう。遅くなると、花芽の形成がまもなく行われますので
花がつかなくなってしまいます。強い刈り込みをするのは避けた方が賢明です。
<3> 常緑広葉樹類の間引きせん定
落葉樹を含めて今月に入ると幹のあちこちから芽(不定芽)を吹いてきます。不定芽はどこから出るかわからない芽のことをいいます。そのまま放っておきますと上部の勢力を阻害しますので、不要の物は切り取ります。また、地際からも枝が伸びてきます。これも不定芽の一種で、俗にヤゴといいます。これは早く取らないとやはり幹の方が衰弱します。ザクロ、サンゴジュ、ウメ、サクラなどはよく出ますから注意しましょう。この性質を利用して、逆に地際からたくさん枝を出させて(そう生といいます)、幹をなくして刈り込み仕立てにすることも樹種によっては行われます。各種の常緑広葉樹類はこれから夏にかけて枝が込んできます。うどん粉病やその他の病害の原因にもなり、樹形が乱れがちになりますので間引きせん定をしましょう。
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