日本園芸協会毎月の庭木の手入れ
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■6月■ 7月 ■8月■
平均気温: 帯広18.5度 札幌20.2度
仙台22.1度 東京25.2度 新潟24.2度
京都26.1度 松山26.0度 鹿児島26.9度

(1)芝生の手入れ
温度も湿度も高いこの月は、日本シバが最もよく伸びる時期ですが、雑草はそれにも増して勢いよく繁茂しますので、雑草取りがまずきれいな芝生にする第一の要点です。芝刈りも10日に1回くらい、特に乾いたときはかん水も大切です。

(2)花木のせん定
 春にきれいな花を咲かせてくれたフジは花の後から長いつる枝が伸びており、棚の上が乱雑になっています。これをあまり早く切ってしまうと花芽がつかなくなってしまいますが、7月中旬以降8月の間に込みすぎたつる枝の先を切り間引き、または切り戻しによって棚を透かせてやります。冬のせん定のようにあまり強いせん定は禁物です。

枝せん定
サツキ、ツツジ類などは刈り込みを急ぎましょう。 タニウツギ、ハコネウツギは、これから強い徒長枝が立ち上がってきますので間引きをします。開花枝は来年も花芽を持ちますので、元葉2枚くらい残して、先端を切り戻しておきます。エニシダも開花枝には実ができて黒いさやをつけていますので、古枝を適当に切り透かします。
枝整理
コブシ、モクレン、サンゴジュ、ザクロなど多くの樹木は、前月に続いてヤゴを出しますから早目に切り取ります。特に注意しなければいけないのはモクレン類やライラックなどで、砧木から芽が出てくる(砧芽)のを放任しておくと、勢いが強いので地上部が衰弱して枯れてしまうことがあります。
ヤゴの処理
(3)病害虫の防除
[1]カイガラムシ
 カイガラムシはたくさんの種類がありますが、これから8月にかけて産卵するものが多くあります。 薬剤散布の適期ですが、ロウ質物で覆われていますので、有効な防除法というとやはり手で取るのが一番でしょう。マサキやモチノキなどにつくルビーロウムシ、ツノロウムシなどは竹べらでかき落とすと二度と樹上に這い上がれません。カエデにつくワタカイガラムシ、ナンテンにつくイセリヤカイガラムシなどは柔らかいのでブラシで擦り取れば簡単に殺せます。こんなわけで見つけ次第に駆除しておればそれほどは増えません。

[2]タケノホソクロバ
 庭の玄関先に植えたナリヒラダケに特によくつきます。1〜1.5mmくらいで淡黄緑色の幼虫が、竹の葉を主脈だけ残して 食い尽くしてしまいます。葉裏に楕円形淡緑色の卵が付いていますので、早期に発見して焼き捨てるのが有効な方法です。触るとピリリとしますので注意が必要です。スプレー剤では糸をはいて逃げてしまいますので、スミチオン、DDVPなどで駆除します。

[3]モッコクのハマキムシ
 モッコクの大害虫で、冬はさなぎで越冬し、新芽が伸長し始めると若葉を集めてその中に入り、葉を食べて全株を 丸坊主にしてしまうこともあります。葉をつづりあわせてみののようになっており、薬剤を散布してもあまり効果がありません。面倒でも早く見つけて被害枝を切り取って幼虫を捕殺します。金魚の良い餌になります。体長は2cmくらいで乳白色の幼虫ですが、遅くなると若葉を集めた中に糞と一緒にさなぎになっていますので焼殺します。